He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
「…………んん……?」
俺は目を覚ました。あれからどれぐらい寝てた?もしかして、また何ヶ月も寝てた?いや、それは流石にないな。体を動かそうとすると、何かが体を拘束してるのに気付いた。俺は布団の中を見てみる。すると、妹紅が俺の体を抱きしめて寝ていた。暖かいし、正直めっちゃ可愛いし嬉しいけど、仕事があるから起きなくちゃ……。
「妹紅、妹紅、起きてくれ。」
「んん……?あ、炎火。おはよ〜♪」
「妹紅。俺どれくらいの間寝てた?」
「一晩〜……。」
一晩か。でも、あの時は昼ぐらいだったから……まあ、結構寝てたってことだな。そこまでやばいってわけではないけど。
「ごめんな?仕事あるからちょっと話してくれないか?」
「わかった……。」
妹紅は目を覚まし、目を擦る。寝起きには弱いらしい。俺は起きた瞬間、目がすっきりしてて、眠気もない。つまり、寝起きがいい。転生する前も、あんまり寝起きが悪いとかなかったなぁ……。俺は
「ふわぁ……炎火ぁ……おはよぅ……。」
「キュオ〜…-。」
「スカーレット、サラ、おはよう。」
スカーレットはサラも起きたようだ。スカーレットとサラ、かなり仲がいいみたいだな。サラはスカーレットを上に乗せることを全然拒んでない。だが、スカーレットは俺のポケットの中に、サラは俺の頭の上に乗る。俺は少し溜め息をつく。やっぱり、2人ともこの場所が定位置だな。俺は部屋を出て、エスカルゴ達の部屋に向かう。
「エスカルゴー、フランー、朝だぞ〜!」
「んん……エスカルゴォ……♪」
「…………ん?あぁ、炎火おはよう。って、フラン……。(汗)」
エスカルゴはフランにギュ〜っと抱きしめられていた。……なんか、同じような光景を、さっき自分の部屋で見たな……。
「さて、エスカルゴ。いつもの仕事だぞ。」
「わかったわかった。フラン、起きてくれ。仕事だぞ〜。」
「ふわぁ……おはようエスカルゴ……。」
フランは欠伸をして体を伸ばす。さてと、いつも通り仕事をこなすか……。俺達は兎達を起こして、朝飯を作る。そして、兎達に呼びかけ、自分達で食事を運ぶ。この手順、すっかり慣れたな……。そして、朝ご飯を食べ終わる。そこから、俺達は兎達の仕事を監視しながら縁側で休んでいた。すると、永琳先生がこっちに珍しく来る。
「炎火、話があるからこっち来て。」
「あ、はい。わかりました。」
俺は永琳先生に言われて、その場を離れる。一体なんなんだろう?少しばかり移動し、永琳先生がいつもいる部屋に入る。
「それで、なんですか?」
「炎火、異変後は何があるかわかってる?」
「あ………………。」
そうだ。俺達は異変を解決したんだ。そして、異変後には、あの地獄が待っている。それ自体には問題はなくて、準備でかなり死ねる。
「そう。宴会よ。」
「はぁ……それで、どれくらいの人数くるんですか?」
「ざっと300は来るわね。」
「はぁ!?」
今まで、宴会は大体100人ぐらいの人数だった。それであの料理の量と労働量。それなのに、今回はざっと3倍。それに、これ以上増える可能性もある。これは……過労死の予感?いや、死んでたまるか。準備に全力で手伝ってもらおう。怠惰巫女に絶対手伝わせてやる。
「宴会はいつですか?」
「来週の月曜日よ。」
「って!あと3日じゃないですか!!」
「まあ、頑張ってちょうだいね。」
「えぇ……。」
前回の時は1週間。それに対して今回はそれの二分の一以下……。ダメだ、殺しに来てやがる。っていうか、いつもそうだけどなんで最初に永琳先生に伝わるんでしょうね……。まあ、いいか。今はそれどころじゃない。
「じゃあ、エスカルゴ達に伝えて来ます。」
「ええ、あなた達は今回の宴会の主役だからね。」
また主役か……。もう、慣れた……いけど、慣れない。これだけは慣れない。これもあの怠惰巫女のせいか。こき使ってやる。俺は部屋を出て、元いたエスカルゴ達のいる場所に行く。
「炎火、どんな話だった?」
「あぁ、今から言う。全員ちゅうもーく!!」
俺がそう言うと、妹紅とフラン、そして兎達が俺の方向を見る。
「月曜日に宴会がある!日曜の夜から準備を開始する!人数は300人超えるぞ!多分……妖怪超多め!!」
『はぁぁぁぁぁぁ!!?』
兎達は一斉に反応する。今までの宴会、兎達もかなり働いており準備はかなりの労働らしい。
「エスカルゴ。」
「な、なんだ?」
「料理の手伝い頼むな♪」
「エェェェェェ……。」
いつもエスカルゴには料理を手伝ってもらってるが、初日は死にかけてたな……。確か、30人分で。今回は300人……。うん、俺から見ても終わってる。
「だから、今日から休み!!準備に備えて休んどけよー!」
『はーい!』
兎達は仕事の道具などを片付け、休み始める。まあ、これくらいのことはしてあげないと。さて、俺達も休もうか……ではなく、俺はこの後、久し振りに人里の警備に行くことになっている。紫さんに頼まれたから、行かなきゃいけない。
「じゃあ、俺ちょっと人里の警備の仕事行ってくる。」
「え?じゃあ、俺も連れて行って貰ってもいいか?」
「ああいいぞ。エスカルゴがいてくれると心強いな。まあ、そこまで妖怪達は強くないよ。」
「了解了解。じゃあ、行こうか。」
俺とエスカルゴは人里に向けて飛び始める。迷いの竹林を越えて数分後、俺達2人は人里に到着する。警備をする前に、人里の自警団本部に向かう。
「こんにちわ〜。」
「どちら様で……って、炎火さんですか。」
「俺ともう1人、警備に当たるからよろしく。」
「わかりました。団長に言っておきますね。」
「ありがとう。」
俺はそんな会話をし、自警団本部を後にする。勝手にするわけにはいかないから、ちゃんと言わないといけないんだが、まあ、そこま怠惰巫女を相手にするよりかはマシだから、全然良い。
「じゃあ、やろうか。」
「わかった。俺、よく分からんから教えてくれよ。」
「OK。」
俺とエスカルゴは空を飛び、人里の周りを警備する。そこまで妖怪が現れるわけでもないし、現れたら、俺の炎かエスカルゴの雷で殺さず退治する。脅すのが目的。殺す理由はない。
数時間後
「そろそろ帰るか……?」
「そうだな。そろそろ夕食作らないと……。」
俺とエスカルゴは夕方に近づき、帰ろうとしていた。すると……二度と聞かないだろうと思っていた声が聞こえた。
キィィィィィィィン!!
「うるさぁぁぁぁぁ!?」
「誰だ数百年に一回とか言ったやつ……!!」
前は妹紅と聞いた高い金属音。しかし、今回は前より短く、音の高さが高く、音が大きかった。前は十数秒に対し、今回は数秒だった。音が止み、俺達は耳をふさぐのをやめた。
「一応、あっちの方向から聞こえたな。」
「え!?あの状況でわかるの!?」
「ま、前の時もそうだったし……。」
俺とエスカルゴは音の聞こえた方角に飛んで行く。すると、そこには1人の女の子が横たわっていた。黒髪のロングで身長は……150後半ぐらいか……?多分人間だ。
「!!エスカルゴ!!さっきの音で妖怪が来るぞ!!」
「了解!!」
俺とエスカルゴはその場で臨戦態勢にはいる。そして、数十体の妖怪が全方向から来る。この子を守らないと……!
「雷武器『雷斧』!!」
『炎剣『聖なる青い炎の剣』!!」
俺とエスカルゴは武器を作り出し、守りながら妖怪達を攻撃して行く。
数分後
「ふぅ……終わった……。」
「とりあえず、永遠亭に連れて行こうか……。」
俺が女の子を持ち上げ、永遠亭に向かう。
「ここ……は……?」
女の子が目を覚ました。俺は晩御飯を作り終え、見守っていた。あれから……大体2時間ぐらいかな?
「俺は焔 炎火っていうんだ。君は?」
「わ、私は…………清水……凛乃です……。」
俺はその日、また不思議なことに巻き込まれた。
新しいオリキャラの登場!え?なんでこのタイミング?ほら、斬新じゃん?では次回宴会なので!