He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
「………………。」
俺は目を覚まし、目を擦る。今日は宴会から約半月だ。この半月の間もエスカルゴ達と過ごしていて、とても楽しかった。仕事も手伝ってもらって、とても楽しかった。しかし、エスカルゴ達には本来の家族がいる。今日は、エスカルゴ達がここに来てから、一ヶ月。そう、今日はついにエスカルゴ達が帰る日だ。俺は起き上がり、妹紅を起こす。
「妹紅、起きてくれ。朝だぞ。」
「むにゃ……んん……?」
妹紅は体を起こし、目を擦って俺を見て、そして首をかしげる。まだ寝ぼけているらしい。やっぱり可愛いな、妹紅は。
「今日はエスカルゴ達が帰ってしまう日だから、ちゃんとするって昨日言ってたじゃないか。」
「あぁ……そうだった……。」
妹紅は眠そうにして欠伸をする。サラとスカーレットは……。
『………………。』
まだ寝ているようだ。起こしてあげないとな……。
「サラ、スカーレット、朝だぞ。」
「キュオ〜……。」
「炎火、おはようございます……。」
サラは体を震わせて翼を伸ばし、スカーレットも体を伸ばす。ここにいるやつはみんな寝起きがいいな。自慢ではないが、俺も一応寝起きの良さはいいと思うぞ。いつもの通りサラは俺の頭に、スカーレットは俺の服のポケットに入る。
「さて……あいつらを起こしてやらないとな。」
俺は立ち上がって扉を開けて部屋を出て、エスカルゴ達のいる部屋の前に立つ。……こうやって起こすのも、最後なんだな。そして、俺はエスカルゴ達のいる部屋に入る。エスカルゴとフランは、仲良く手を繋いで寝ていた。
「エスカルゴ、フラン。朝だから起きろ。」
「むにゃあ…………?」
「ふわぁ……炎火、おはよう……。」
エスカルゴとフランは手を繋いだまま起きる。本当に最後まで仲がいいな、この2人は……。
「最後の仕事だけど、今まで通り、ちゃんとやるぞ!」
俺は張り切って声を出した。正直、この時俺は、無理をして元気に振る舞おうと思っていた。エスカルゴ達に暗くなって欲しくないからな。
「あぁ、そうだな。」
そして、俺達はいつもの通り、兎達を起こし、朝ご飯を作り、そして配り、自分達も朝ご飯を食べ、そして食べ終わる。普段ならここからは殆ど自由。だが、今回は違う。俺達全員は庭に出る。そこには、既に様々なメンバーが集まっていた。永遠亭のみんなや、霊夢に魔理沙、妖怪の山で俺達と戦ったやつに、地底で俺達と闘った奴ら。そして、萃香、幽香さん、そして紫。みんなが集まっていた。
「紫、準備は?」
「昨日、徹夜で頑張ったわ。いつでも返すことができるわよ。」
「ありがとう。」
そして、色々なメンバーがエスカルゴ達に別れの言葉を伝えて行く。なんやかんやで、エスカルゴには世話になったからな。そして、最後に俺と妹紅に出番が回ってくる。
「……いよいよお別れだな。」
「そうだな、炎火。…………トラブルから始まったことだけど、楽しかったぜ。」
「あぁ、俺もだぜ。」
「私も楽しかったよ……!炎火……!妹紅……!」
フランは少し涙目になってる。妹紅も。しかし、俺は泣かない。泣かないと決心した。
「それじゃ……。」
「ちょっと待ってくれ。」
『?』
俺のからの制止にエスカルゴとフランは首をかしげる。俺はズボンのポケットから、3つのペンダントを取り出す。ペンダントは炎の形を象っている。
「これは、俺と妹紅から、お前達、フラン、レミリア、エスカルゴの吸血鬼にプレゼントだ。ちょっと……特殊な効果付きでな……。日除けの効果付きだ。これが、俺達2人の感謝の気持ちだ。」
「!!……ありがとう、炎火、妹紅。」
「ありがとね!!」
「じゃあ……俺達は行くよ。」
「……あぁ!元気でな!」
「元気で過ごしてね!」
俺達はエスカルゴとフランに別れの挨拶を告げると、紫はスキマを展開する。……あれが、エスカルゴ達の世界に繋がってるらしい。
「じゃあな!!ここでの生活楽しかったぜ!!」
「ありがとうねー!!」
そう言い、エスカルゴ達はスキマの中に入っていき、姿を消した……。そして、スキマは閉じられた。
「……さて!仕事に戻りますか!」
こうして、俺の特別な一ヶ月の日常は、幕を閉じた。そして、再び俺のいつもの日常の歯車が動き出した。
うう……!悲しい!悲しい!!でも!本当に書いていて楽しかったです!!改めて、エスカルゴ・スカーレットさん!ありがとうございました!