He have gone to Gensokyo.   作:風峰 虹晴

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コラボ編が終了し本編。今回でまだ24回目です!!番外が……多すぎた……。


part24 能力の発覚

「えいっ!やっ!」

 

「いいぞ〜、その調子だ。」

 

今俺が何をしているかというと、凛乃と剣の修行をしていた。これの起源は数日前、エスカルゴとの宴会が終わり、朝が訪れ、妹紅を家に帰して永遠亭に戻ってくると、凛乃が俺に駆け寄ってきた。

 

「炎火さん。お願いがあります。」

 

「ん?どうした?凛乃が俺に相談なんて珍しいな。」

 

「あ、あの……私に『戦い』を教えてください!」

 

「へ?」

 

ということで、凛乃に戦いを教えることになった。理由は、「私も見ているだけじゃなく、お手伝いがしたい。」とのこと。俺は全然気にしてないって言ったが、凛乃が全然引き下がらなかったので、戦いを教えることにした。いきなり試合とかは流石に女の子にさせるのは危ないので、木剣で教えることにした。

 

「えい!やっ!」

 

「……ふっ!」

 

「あっ!」

 

俺は少し力を込め、凛乃の剣を弾き飛ばす。うーん……なんていうか……凛乃に合っているって感じがしない。なんかぎこちないし……。一回遠距離武器でも持たせてみるか?弓とか。

 

「凛乃。武器交換だ。ちょっと待ってろよ。」

 

「は、はい!」

 

俺は凛乃にそう言い、倉庫の方に向かう。確か、倉庫の中に弓があったはず……。あれ?なんで弓なんか倉庫にあるんだろうな?あ、永琳先生弓使いでしたね。納得納得。あ、あった。俺は弓と矢筒、それと弓矢を数十本矢筒の中に入れ、凛乃のところまで戻る。

 

「お待たせ凛乃。」

 

「これ……弓……ですか?」

 

「うん。俺向こうにいるから一回撃ってみてくれ。」

 

「え!?でもこの弓矢本物ですよね!?」

 

「大丈夫!当たりそうになったら勿体無いけど燃やすから。」

 

俺は凛乃にそう言って十数メートル離れる。まあ、流石に最初だから上手くいくわけないでしょ。

 

「わ、わかりました……。ゆ、弓って重いですね……。」

 

「まあな。まあ、頑張って射ってくれ。」

 

「は、はい!」

 

凛乃は弓を構え、弓矢を思いっきり引く。そして、その手を離すと、高速で矢が飛ぶ。その矢は俺の約1メートル右横を飛んでいき、後ろの木に刺さった。これは……才能あり?最初にしては結構飛んだな……。

 

「うーん……もうちょっと右……?も、もう一回いきまーす!」

 

「おう!気抜くなよ〜!」

 

「は、はーい!」

 

凛乃はそう返事すると、もう一度弓を構え、弓矢を思いっきり引く。

滑らかな弧を描き、俺の方に飛んでくる。俺はそれを右に動いて避ける。弓矢は後ろの地面に突き刺さった。うーん。あれ?初めて?もうこれはオリンピックとかで優勝できるレベルなんじゃね?

 

「凄いぞ凛乃ー!」

 

「あ、ありがとうございまーす!」

 

さて、こんな修行はこれぐらいで限界だろう。実践方式でやるしかないな。あ、でも能力ないし、霊力も全然なのに大丈夫だろうか。あ、後で永琳先生に相談してみるのもいいな。さて、実践といったらあれしか考えれないな。

 

「凛乃ー!ちょっとこっち来てー!」

 

「は、はーい!」

 

俺は凛乃を呼び寄せ、木と地面に刺さった矢を抜く。そして、凛乃に回収した弓矢を渡す。

 

「凛乃、ちょっとごめんな。」

 

「は、はい?なんでしょうか……ってえぇ!?」

 

俺は凛乃のことを抱き抱え、飛行を開始する。

 

 

 

 

 

「到着っ……と。凛乃、大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫です……。」

 

俺が来たのは広い平野。遮蔽物はなく、風が吹き抜ける。

 

「な、なにをするんですか?」

 

「一対一。」

 

「…………え?」

 

「俺との一対一だ。大丈夫、死にはしないから。」

 

「えぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

「じゃあ行くぞ!炎符『ファイアーマシンガン』!」

 

俺は凛乃との一対一を開始する。ほら、これの方が早く成長できると思ったから……。弾幕は薄めで、威力も弱く、弾速も遅くしてある。凛乃も戸惑いながら、頑張って俺の弾幕を避けている。うん、才能はあるっぽい。頑張れー凛乃ー。

 

「きゃあっ!?」

 

凛乃は一回目、俺の弾に当たった……が、一つ違和感が。当たるとき、普通は俺の弾は小爆発を起こすが、凛乃に当たった瞬間ジュッていう音がした。こんな音することは無いんだけどなぁ……。凛乃も、全然ダメージなさそうだし。

 

「えいっ!」

 

凛乃は弓矢を連射してくる。勿体無いが、炎の壁を出現させる。矢は炎の壁目掛けて飛んでいき、そして……貫通。

 

「うおっ!?」

 

俺はジェット噴射で急いで回避。矢をギリギリ回避する。……それにしても、色々とおかしいぞ?そんなことを考えていると、次々に矢が飛んでくる。調べるには……。

 

「はぁっ!!」

 

俺は思い切って凛乃の矢を手で受け止める。うわっ!なにこれ冷たっ!?なにこれ水!?……そうか、これが……。って、やばい!まだ飛んでくる!

 

「凛乃ー!ちょっと止まってー!」

 

「え!?は、はーい!」

 

凛乃は弓を構えていたのを解く。俺は凛乃の方に近づいて行く。

 

「凛乃。戦っていてわかったことが2つある。」

 

「ふ、2つ?」

 

「あぁ。まず一つ目は、お前には凄い弓の才能があること。」

 

「ええ!?そ、そんなこと……。」

 

「いいや、だってお前2発目で狙い的中だろ?それともう一つ。」

 

「あ、あともう一つは……?」

 

「それは、お前の能力。お前、気づいてないみたいだけど目、青いぞ。」

 

「え、ええ?」

 

「ほい、手鏡。」

 

俺は凛乃に手鏡を渡す。え?なんでそんなもの持ってるのかって?気にしたら負けです。そう、戦い始めてから凛乃の目が青くなってるのだ。凛乃もそれに気付いたらしく、口を開けて目を見開いている。

 

「そして、矢に水が纏われている。さっき頑張って掴んだら水だった。だから炎の壁も貫通したんだと思う。」

 

「あ、あれってそのせいなんですね。」

 

「うん。多分……『水を宿す程度の能力』かな?」

 

「それが私の能力……。」

 

「さて、今日はこれで終わりかな。明日は能力について調べてみようかな。」

 

「はい!」

 

俺は凛乃のことを抱えて永遠亭に帰った。凛乃については、まだまだ謎が多いな……。




次回も凛乃についてだと思います。

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