He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
どうしても欲のまま書いてるからそうなるんです……
「〜♪」
夜になろうとしていた時、俺は空で散歩していた。散歩いいよ。うん。風も気持ちいいし、気晴らしにもなる。今日は俺が幻想郷に来てからちょうど2年。……父さんに母さん、それに灯乃子はどうしてるのかな?元気に過ごしてるかな……。俺はそんなことを思いながから空を飛ぶ。
「ん?あれは……?」
俺は森の方を見ると、あるものに気づく。森の中に、1人の女の子が。夜は妖怪が活発に活動する時間。あまり1人で入るとは思えないのだが……。……違う!あれは襲われている!?俺はそれを見た瞬間、助けに向かう。その途中。小さな声だったが、確かに聞こえた。
「……助けて……兄さん……。」
と。その声は、もう、2度と聞くことがないだろうと思っていた声。このままだと間に合わない!
「炎符『ファイアーマシンガン』!!」
俺は妖怪二体に向かって弾幕を放つ。咄嗟に撃って威力は全然ないが、足止めになったようだ。俺はその女の子の前に立ち、妖怪二体と対峙する。……多分、下位妖怪だな。まあ、多分楽勝だな。
「ジャマスルナ!」
「ソイツハオレタチノエモノダ!」
「そんなこと俺が知るか!」
俺は腕を前に突き出し、右腕に霊力を集中させる。これ、文に使ったっきりだな。妖怪二体は俺に突っ込んでくる。……距離近くなるし、威力落とすか。
「炎砲『サラマンダーの息吹』!!」
俺は右腕から炎の光線を放ち、妖怪達に命中させる。光線を撃ち終えると、妖怪達は気絶している。…………さて。俺は後ろに振り返り、少女のことを見る。この顔に、先程の声。間違えるはずもない。二度と会うことはないと思っていた俺の妹、焔 灯乃子だったのだ。
「……怪我、ないか?」
先程の戦闘のせいで怪我をしていないか確かめる。
「……うわぁぁぁぁん!兄さぁぁぁぁん!!」
灯乃子は俺に抱きついて来て、号泣する。俺はそんな妹を、そっと抱きしめた。
「落ち着いたか?」
「…………うん。とりあえずは。」
数分間、灯乃子は泣き続け、やっと泣き終わり、その場に座り込んでいた。お互いに聞きたいことはあると思う。少しの間、静寂がこの場を包む。
「……ここはどこなの?」
灯乃子は俺にそう聞いて来た。そら、そう思うわな。知らない場所に来たら。
「ここは幻想郷。忘れ去られた者たちが集まるところだ。」
「どうして兄さんはここにいるの……?その……2年前死んだのに……。」
「……俺は死んだ後、神様に生き返らせてもらってここに来た。ほら、転生ってやつだ。」
「……ずっとここで暮らしてるの?」
「あぁ。」
「……そうなんだ。」
そのまま灯乃子は黙り込んでしまう。さて、今度は俺が質問する番かな。
「灯乃子はどうしてこんなところにいるんだ?」
「……黒猫追いかけてたらここにいた。」
俺はそれを聞いてずっこけそうになった。それあれだろ、迷子になる典型的パターンじゃないか。お前はガキか。お前もう16だろ。
「……とりあえず、永遠亭まで行くか。」
「?永遠亭って何?」
「今俺が住んでいるところだ。」
俺は灯乃子にそう答えると、灯乃子をお姫様抱っこで抱える。
「ちょ、ちょっと!」
「こうじゃないと一緒に連れてかないんだよ。我慢してくれ。」
俺は灯乃子を抱き抱えたまま、永遠亭まで飛んでいった。……飛んでる最中、スリル系が大好きな灯乃子は目を輝かせて景色を眺めていました。
「はい、到着。」
「ここが兄さんの住んでるところ?……でかいね。」
「否定できない。」
俺は地面に着陸し、灯乃子を降ろす。さて、面倒臭いあの悪戯兎に見つからなければいいが……。俺は永遠亭の中に入り、自分の部屋まで向かっていた。……面倒臭い兎に見つかりました。
「あー!!」
「うげっ……。」
「みんなー!!炎火が女を連れ込んできたー!!」
「人聞きの悪いこというなっ!!」
「はぁ!!?」
「なんですって!?」
「面白そう!!」
「鈴仙と永琳先生反応しないで……。あと輝夜様!面白そうってなんですか!面白くないです!」
『どういうこと!?炎火!!』
「己ら話を聞けぇぇぇぇぇ!!」
〜少年説明中〜
「なるほど、つまりその子はあなたの妹だと。」
「そういうことです。」
「全く驚かせないでよ……。」
「殆どてゐのせい……って、あの兎逃げやがったな……!」
「いつものことでしょ。」
俺は深く溜息をつく。こんなに疲れる説明は初めてだ。さて……最も重要な話題に切り替えなきゃな。
「灯乃子……お前。これからどうするんだ?」
「私は……。……私は、兄さんと一緒に居たい。勝手にどっかに行くのはもうやだ。」
「……いいのか?だって父さんと母さんもいるんだぞ?」
「あの2人は夫婦だからいいもん。」
「えぇ……。」
そういう物の捉え方しますか……。まあ、昔からうちの親が喧嘩したことなんて一度も見たことないがな。……正直、父さんと母さんにはかーなーり悪いが、可愛い妹のことをほっとくほど兄として腐ってないがな。……息子としては腐ってるって言わないでね。
「……わかった。永琳先生。」
「わかってるわよ。部屋はたくさん余ってるから、そのうちの1つは好きに使ってもいいわよ。」
「!ありがとうございます!灯乃子、行くぞ。」
「はーい。」
俺と灯乃子は部屋を選びに行く。さて、どの部屋がいいのかな。本当に部屋余ってるから、選ぶのは難しいなぁ……。
「ねえ兄さん。」
「ん?どうした?」
「兄さんの部屋ってどこ?」
「え?あぁ、案内してやるよ。」
俺は灯乃子に言われ、自分の部屋に灯乃子を案内する。……どうして俺の部屋をどこか知りたいんだろう?あ、用事とかの為かな?
「ここだぞ。」
「……この左右の部屋って空いてるの?」
「左は空いてるな。」
ちなみに、右の部屋はというと、凛乃が使っている。ここを決定するときに、「隣俺の部屋だけどいいのか?」っと聞いたが、「ここがいいんです!」って押し切られたな。
「じゃあ左の部屋私が使うー!」
「えぇ!?隣俺の部屋なんだぞ!?」
「いいんじゃん!前の家でもそうだったし。」
「た、確かに。」
「じゃあ、ここの部屋使うねー。あ、勝手に入ってこないでね。」
「はいはい。」
そういうと、灯乃子は部屋の中に入っていく。……また、俺の周りが騒がしくなる……。
眠たいなぁ……(いつでも)