He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
私は幻想郷という場所に迷い込み、死んだはずの兄さんと出会った。なにやら、神様によって生き返り、この幻想郷という場所にいるらしい。そして、私は幻想郷に迷い込み、兄さんの住んでいる『永遠亭』という屋敷に私も住むことになった。
「おーい。灯乃子、起きろー。」
「うーん……今何時ー……?」
「6時。ほら、起きろ。」
「はーい……。」
私は兄さんに言われ、布団から出る。……やばっ!?私全然服着てないじゃん!!っていうかあのアホ兄さん入ってきて……あ、部屋の外からだった……。っていうか、兄さんってこんなに寝起き良かったっけ?いつもは欠伸ばっかりしてた記憶あるんだけど……。私は服を着て扉を開けると兄さんが部屋の前で立っていた。
「おはよう。灯乃子。」
「うん、おはよ……。早いね、兄さん……。」
「職業柄慣れた。ほら、顔洗ってこい。」
「はぁ〜い……。」
私は兄さんに言われて洗面所に顔を洗いに行く。……兄さんってここで働いてるんだろうけど、どんな仕事してるんだろう……。私はそう思いながら顔を洗う。……水冷たい。私は顔を拭くと部屋に戻る。
「灯乃子。朝ご飯ここに置いとくから食べとけよ〜。」
「えっ!?いつ作ったの!?」
「お前を起こす前から。ほら、冷める前に食べろ。」
「は、はーい。」
私はそう答え、朝ご飯を持って中に入る。そして、兄さんが作った朝ご飯を食べ始める。……なにこれ美味しい!?プロレベルだ……。これ兄さんが作ってるの?料理はたまにしてたけど上達し過ぎでしょ……。っていうか私を起こす前?いつから兄さん起きてるの?今日は兄さんの仕事の風景でも見ようかな……。
「ごちそうさまでした。」
私は朝ご飯を食べ終わり、台所に片付けに行く。……このお屋敷、おっきいなぁ……。私は片付け終わり、兄さんを探す。……あ、いた。
「兄さん。」
「ん?灯乃子、どうした?」
「今日、兄さんの仕事見てていい?」
「いいぞ。」
私は兄さんに許可を貰って、兄さんの仕事を見ていることにした。
「まあ、兎達の監視は兎の一匹に任せてるからなぁ……。そうだ、凛乃の特訓でもするか。灯乃子、こっちに来てからの兄さんの力、見せてやる。」
「力って、昨日の炎?」
「まあな。まあ見とけ。」
「はーい。」
兄さんは私にそう言うと、凛乃?って人の部屋に向かって行く。そういえば、兄さんの部屋の左の部屋はその凛乃って人だったなぁ。どんな人だろう?部屋の前に着き、兄さんが扉を叩く。
「凛乃ー。いるかー?」
「いますよー。どうしましたか?」
「特訓するぞー。」
「はーい。」
扉の向こうから可愛らしい女の子の声が聞こえてくる。……どんな人だろうかとワクワクしていると、扉が開き、中から1人の女の子が。…………!?!?!?!?何この人めっちゃ可愛い!!黒いサラサラの髪に青い服。頭の大きい青いリボンに、超整った顔。そしてモデル顔負けのスタイル。……兄さんはこんな人といっつも暮らしてるの?いいなぁ、羨ましい……。兄さんと凛乃さんは庭に出て、軽く準備運動をする。凛乃さんは弓を持っているけど、兄さんは何も持っていない。
「凛乃ー。手加減なしで来いよ。」
「はい!!」
「灯乃子、勝負始めっ!って言ってくれない?」
「あっ、うん。じゃあ、勝負始めっ!」
私はそう言うと、凛乃さんは弓を兄さんに向かって連射していく。兄さんはそれを回避せず、炎の壁を作る。……炎の壁!?そんなの作れるの兄さん!?弓矢は炎の壁に当たると同時に燃えてしまう。
「凛乃ー!能力無しだったら負けるぞー!」
「わかってますよ!」
凛乃さんはそう言うと、目の色が青くなる。
「水符『全弾連射(フルバースト)』!!」
そして、青いエネルギー?の矢を8本同時に、そして1秒間に8×5、40発発射していく。っていうか何あれ、矢の雨?そして、それを兄さんはひょいひょいっと避けていく。なにこれ、次元が違う。こんなの日本にいたら即自衛隊にスカウトじゃない?
「炎剣『聖なる青い炎の剣』!!」
兄さんは右手に青い炎の剣を出現させる。……ってえ!?熱くないの!?赤い炎じゃなくて青い炎!?あれ?兄さんなんで右手だけ黒い手袋しているんだろ?ってうわ〜……矢を剣で弾いてる……。あれ?でも結構苦しそうな表情してる。
「やっぱ成長早いな!凛乃!!」
「まだまだですよ!!」
そう言いながら2人は戦闘を続ける。……かっこいい。私は2人の戦闘を見ててそう思った。私もあんな感じになれるのかな?なれたらいいなぁ……。……兄さんの妹だし、なれるかも……。
「そろそろ終わらせるぞ!!炎脚『レオキック』!!」
兄さんは襲いくる矢を躱しながら空中に飛び上がり、右足に炎を纏って飛び蹴りを行う。その右足は矢を破壊しながら凛乃さんの方向へ襲いかかる。
「きゃあっ!!」
凛乃さんに兄さんの蹴りが当たるその直前。兄さんは右足の炎を消して上に上昇し、攻撃を加えるのを回避する。
「ふぅ……。やるじゃないか凛乃!かなりの成長スピードだぞ!」
「まだまだですよ。炎火さんに比べたら……。」
「あはは……。まあ、俺だって毎日頑張ってるし、簡単に追いつかれたらちょっとショックだなぁ……。」
兄さんと凛乃さんは楽しそうに会話をする。……この2人ってまさか……。
「ねぇ……。」
「ん?どうした?灯乃子。」
「2人って付き合ってるの?」
「ええ!?」
付き合っていたらこの2人がこんなに仲良しなのも私の中で納得するから、私はそう思った。
「ないですよ。だって炎火さんには……。」
「あーあー!!とりあえず、凛乃と俺は付き合ってはないよ。」
「あ、そうなんだ。なーんだ。」
安心したような、ちょっと残念なような。そんな気分だ。……でも、本当に彼女さんとかいないのかな?
「でも、凛乃さんじゃなくて、別の彼女さんは?」
「あ、それは、えっと……。」
「ふふふ。」
兄さんは少し慌てだし、それを見て凛乃さんは笑っている。……もしかして、本当にいる?私はそれを兄さんに更に質問しようとしたその時。
「炎火〜♪」
「おうわっぷ!?」
突然現れた女性が、兄さんを後ろから抱きつく。……美人。白いカッターシャツにお札?みたいなのを描かれているもんぺ。そして、とてもながい綺麗でサラサラな白い髪に白と赤のリボン。……何故こんな人が兄さんに抱きつくの?
「兄さん。その人誰?」
「えっと……藤原 妹紅って言って俺の……彼女。」
「妹紅です♪よろしくね♪」
「……え?え?えぇぇぇぇぇ!!?」
本当に彼女さん!?っていうかこんなに美人な人が兄さんの彼女なの!?何があってこうなった!?っていうか本当に彼女いた!?
「炎火、この子誰?」
「俺の妹。」
「へぇ〜、妹……ん?妹?炎火妹なんていたの?」
「う、うん。」
「へぇー!あなた名前は?」
「焔 灯乃子です。兄がお世話になってます。」
「うん、こちらこそよろしくね。」
私と妹紅さんはお互いに挨拶をする。礼儀正しい人だな〜……。父さん母さん、兄さんは死んだ後でも元気にしてましたよ。
本当に妹紅のキャラがブレイクしてる……