He have gone to Gensokyo.   作:風峰 虹晴

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最近灯乃子視点多いですね。今回も灯乃子視点です。


part30 私と神様

「ん……ふわぁ……。」

 

私は目を覚まし、体を起こす。……夢は夢だったのかなぁ……。

 

(夢じゃないですよ♪)

 

「うわぁ!?」

 

私は周りを見渡す。私以外誰もいない。幻聴?それだった私ついに頭がやばいことに……。

 

(幻聴じゃないですよ?)

 

「えっ、ええ?じゃあなんで?」

 

(あなたが私の夢を見たお陰か、意思疎通が可能になりました♪あと、別に喋らなくても頭の中で会話できますよ?)

 

そうだったんだ……。じゃあ、やっぱりあれはただの夢じゃなかったんだ……。っていうか、神様と意思疎通できるなんて凄い?のかな?

 

(凄いと思いますよ?こんな事が出来るとは思っていませんでしたし。)

 

(あ、そうなんですか……。)

 

(そうですよ♪)

 

思ってたより神様言動が軽い……。年上のお姉さん優しいお姉さんみたい……。

 

(あら、ありがとうございます♪)

 

(ど、どういたしまして……。)

 

考えてること筒抜けだ……。まあ、夢の中でもそうだったし、神様って本当に凄いなぁ……。私はそんなことを思いながら立ち上がり、着替え始める。顔も洗い、私は部屋に戻った。兄さんが朝ご飯持って来てくれると思うから……。

 

(炎火のことを見るのは久しぶりですね……。)

 

(兄さんとは喋れないんですか?)

 

(あなたが特別だから喋れてるだけで、炎火と喋れません。)

 

(あ、そうなんですか。)

 

本当に、神様と喋れてるのは特別なんだ……。まあ、神様とそう何人も喋れたらおかしいもんね……。

 

「灯乃子ー?起きてるかー?」

 

「あっ、うん。」

 

兄さんが扉の外から部屋の中の私に向かって喋りかけてくる。一瞬喋り方を忘れちゃってた……。心の中で神様と喋ってたらこんなことになってしまうのか……。

 

(メリハリが大事ですね。)

 

(そうですね。)

 

「開けてもいいか〜?」

 

「いいよ〜。」

 

私が部屋の外にいる兄さんに許可を出すと、扉が開き、兄さんが入ってくる。やはり、兄さんもちゃんと着替えている。

 

(久しぶりに見ましたね……。前に見た時より、かなり雰囲気が違います……。)

 

(あ、わかります。)

 

確かに、久し振りに兄さんを見た時、いつも過ごしていた時と比べれば、少したくましくなった……って感じかなぁ……。

 

「あっ、サラちゃんとスカーレットちゃんまだ寝てるの?」

 

「いつものことだろ?」

 

「確かにね。」

 

私と兄さんは一緒に笑う。サラちゃんは兄さんの頭の上で、スカーレットちゃんはポケットの中で気持ちよさそうに寝ている。朝から寝てるのに、昼寝をするときも多い。前からそうだったらしい。

 

(火龍と火の妖精ですか……。仲が良さそうですね……。)

 

(フレンドリーな子達ですよ。兄さんが召喚?したらしいです。)

 

(へぇ、かなり能力を使いこなしてますね……。)

 

(戦闘なんて化け物です……。)

 

「ん?どうした?灯乃子。」

 

「あっ、ううん。なんでもない。」

 

兄さんに怪しまれちゃった……。まあ、気にしないようにしておこうか……。

 

「朝ご飯持ってきたぞ〜。」

 

「あっ、うん。ありがと〜。」

 

兄さんは部屋の外に出て、朝ご飯を持ってくる。凄いな〜……。今日も美味しそう……。また兄さんに料理教えてもらおうかな?兄さんは朝ごはんを置くと部屋の外に出て行ってしまった。

 

(へぇ……炎火って料理上手なんですね。)

 

(向こうにいる時もたまに作ってましたけど、ここまで上手ではありませんでしたね。)

 

そういえば前に兄さんに「なんでそんなに料理上手になったの?」って聞いたら「ここで作ってるからも、一回に死ぬほど作る時があったからかな……。」って、遠い目をしながら言われたことがある。

 

(へぇ、そんなことが。)

 

「じゃあ、いただきまーす。」

 

私は朝ごはんを食べ始める。……んん!やっぱり美味しい!プロ?そんなわけないか。私の兄さんが料理のプロなわけないね。

 

 

 

 

 

「ごちそうさま。」

 

私は朝ごはんを食べ終え、台所に片付けに行く。そして、台所で食べ終えた食器を洗い終わり、庭の縁側まで歩く。

 

(神様。本名とかってあるの?)

 

昔からのちょっとした疑問。今話せるのなら、聞いておきたい。

 

(勿論ありますよ。神なんて本名だったら嫌ですよ。)

 

(教えてもらっていいですか?)

 

(いいですよ?別に本名で呼んでもらっても構いませんし。)

 

(ええ!?そ、それはなんかちょっと悪い気が……。)

 

(気にしないでください♪)

 

やっぱりこの神様軽い。フレンドリーな方がいいけどなんか調子狂うなぁ……。

 

(もっとフレンドリーな方がいいですか?)

 

(えっ!?あっ、大丈夫です!)

 

(いいんですよ?私これ素じゃないんでやりにくいです……。)

 

どんどん神様のイメージ像が崩れてきてる……。崩落が止まらないよぉ……。私にとって神様って……。

 

(私の本名は天 月渚(アマノ ルナ)です。気楽にね?灯乃子♪)

 

(う、うん。よろしく、ルナ。)

 

その時、私の中で神様のイメージ像は完全に崩れ去りました。塵1つ残さずに。

 

(ねぇルナ。)

 

(何?灯乃子。)

 

やはり慣れない。神様よ、それでいいんですか?まあ、いっか。ね?許可貰ったし。ね?ん?え?私にもわからん。

 

(私の能力って……何?)

 

(『熱を操る程度の能力』だよ。使ってみたら?)

 

(う、うん。)

 

私は両手を前に出し、試しに右手に高熱、左手に冷熱を発生させてみる。すると、右手が凄く熱くなり、左手が凄く冷たくなる。右手は火傷しそうなぐらいなのに火傷せず、左手は凍りそうなのに凍らない。

 

(使ってみてどう?)

 

(不思議……。)

 

私は思いつきで右手と左手を合わせる。すると、爆発のような空気の膨張が起き、私は後ろに吹き飛ばされる。

 

「きゃあっ!」

 

私は後ろに吹き飛んで転んでしまう。すると、ドタドタという音が廊下に聞こえ、その方向を見ると、兄さんが私の方に来ていた。

 

「灯乃子、大丈夫か!?」

 

「う、うん。大丈夫。」

 

兄さんは私のことを心配してくれている。やっぱり、優しい。

 

「全く……なにやってんだ?」

 

「あ、あはは、ちょっとこけちゃって……。」

 

「全く……気をつけろよ?」

 

兄さんは私にそう言って何処かへ行く。

 

(いいの?本当のことを言わなくて。)

 

(いいの。)

 

私は兄さんの背中を見ながら、ルナにそう言った。




急展開なんてレベルじゃない希ガス(´・ω・`)

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