He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
起きたら布団の中に幼女がいた。……いやいや、断じて誘拐とか娘とかじゃない!!しかも、普通の幼女じゃない。色んな意味で。さっき起きたら、なんか布団の中が異様に暖かかったからめくってみると、赤い翼と尻尾を持った、赤い髪の幼女が、裸で俺の横で寝てた。……うん、普通におかしいですね。っていうか誰?
「えっと……君は誰?」
「…………。」
目の前の幼女は俺のことを見つめたあと、俺に体を擦り寄せて嬉しそうな顔をする。え?え?意味がわかりません。一応言っとくがロリコンじゃないから安心して。
「え……ん…か……。」
「ん?そうだ。俺は炎火だ。お前の名前は?」
「……さ………ら…。」
ん?サラ?俺は周りを見渡す。……サラいない。うわ、本当にサラか?っていうか、喋り方かなりぎこちないな。……そうだ、サラの好物をやったら食べるのかな?
「ほら、竹炭だぞ。」
俺は竹炭を一つ幼女になったサラに渡す。サラはそれを受け取り、
「〜♪」
ボリボリ食べ始める。うわっ、なんか変。人間が炭食べてるのがめっちゃ変。というか本当に好きだな炭。めっちゃ美味しそうに食べている。
「もっ……と……!」
「ん?もっと?はいはい。」
俺はサラに更に竹炭を渡す。すると、ボリボリ竹炭を食べ始める。……ハッ!服!服!まだみんなより早起きする習慣あってよかった!仕事やんなきゃだけどこれはそれよりも最優先事項な気がする。
「……はぁ、永琳先生に相談ですな。」
「……?」
サラは首を傾げながら竹炭を食べる。可愛い。
「永琳先生ィ!」バーン
「えっあっ!?……なんだ、炎火ね。で、何か用事かしら?」
俺は永琳先生の仕事場に突入。やはり永琳先生は起きていた。一体何時から起きてるんだ?いつもあんまり気にしてなかったが、ちょっと気になる。
「あの……お願い事が……。」
「ん?なにかしら?」
「ほら、入ってきて。」
俺がそういうと、翼と手で色々隠しながらのサラが部屋に入ってくる。
「……あなた、ついに犯罪?」
「絶対に違います話を聞きましょうか永琳先生。」
〜少年説明中〜
「それで、服を作ってもらえないかということね。」
「はいそうです。」
「わかったわ。じゃあ、この子の服を作ってるから、あなたは何かで時間を潰してなさい。」
「わかりました。」
俺は永琳先生にサラを託し、朝ごはんを作り始める。さて、今日も腕によりをかけますかね。
「完成〜。」
俺は全員分の朝ご飯を作り終えた。うん。明らかに手際が良くなっている。調理時間短い。もう暇な時間多いからお菓子作りにも手を染めてしまおう。いつかな!
「凛乃〜。」
「あっ、はーい。」
俺が凛乃の部屋の前で呼びかけると、凛乃が出てくる。
「朝ご飯出来たから持ってきたぞ。」
「ありがとうございます。……あれ?今日は頭にサラちゃん乗せてないんですね。」
「気にしないでおくれ……。」
「?」
ちなみにちゃんとスカーレットはポケットの中にいます。起きてません。寝てます。
「じゃあ、俺灯乃子の部屋に行くから。」
「はい。わかりました。」
俺は凛乃にそう言い、灯乃子の部屋に行く。と言っても、数歩歩くだけなんだけどね。10秒もかからんな。
「灯乃子〜。」
「き、来た……。はーい!」
灯乃子にも呼びかけると、灯乃子も出てくる。……が、なぜか緊張しているような顔だ。なんだろう?いつもはこんなんじゃないのに。
「朝ご飯、持ってきたぞ。」
「う、うん。あのね……。」
「うん?」
「能力手に入れた。」
「ふーん……うぇ?」
はい意味がわからない。はぁ!?灯乃子が!?能力!?あーあ普通の人間はこの世界にはいないです。怠惰巫女も人間だっけ?あいつは怠惰超えてるし幻想郷最強だしもう人間やめてる。
「ど、どうやって?」
「神様に貰った。」
「はい?」
「神様に貰った。あと、神様とお喋りできるようになった。」
「はい?」
今日は意味がわからないこと多いよ?っていうか神様何やってるですか……。
「はぁ……こんなに驚くことでも慣れてしまうもんなんだな……。」
「ど、どうしたの?兄さん。」
「あぁ、大丈夫大丈夫。」
急展開になぜか順応出来ただけです。ホント、幻想郷にいると何があるかわからんね。っていうかそろそろスカーレットさん起きてくれないですかね?
「それじゃ、朝ご飯ちゃんと食べろよ。」
「うん。」
俺はそう言って部屋を立ちのく。さて、俺も朝ご飯食べようかな……。
「ふぅ……。」
俺は朝ご飯を食べ終えて食器類を片付けた俺は、縁側でゆったりしながら兎達の仕事の風景を見ていた。はぁ……色々あるなぁ……。サラが幼女になっていたり灯乃子には能力手に入れたって言われて神様と話ができるって言われたり……。神様って、俺を転生させてくれたあの女性だよな?まあ、灯乃子に神様になんか伝えてもらうか。
「炎火君。」
「へ?あ、永琳先生。」
「ちょっと来て。」
「あっ、はい。」
俺は永琳先生に言われ、永琳先生がいつも居る仕事部屋に入る。
「おぉ……。」
そこにいたのは、赤いワンピースを着たサラがいた。
「久し振りに頑張ったわ……。」
「えん……か……どう……?」
「えっ?あっ……かわいいぞ?」ナデナデ
「〜♪」
サラが俺の方に走ってきて、そう聞いてきたので、俺は頭を撫でると、目を細めて嬉しそうな顔をする。……ロリコンじゃないからな!?
「で?炎火君。どうするの?」
「勿論俺の部屋で様子見ますよ……。俺の龍ですし。」
「そうね。なんか相談あったらいいなさいよ?」
「はい。サラ行くぞ。」
俺がそう言うと、サラが俺の背中に飛び乗り、頭を俺の頭の上に置いてくる。本当。こんなところ変わらないなぁ……。
「あっ、灯乃子。神様によろしく伝えといてくれないか?」
「あっ、うん。」
俺は灯乃子にすれ違いざまにそう言い、自分の部屋に戻った。
欲求大爆発