He have gone to Gensokyo.   作:風峰 虹晴

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ひさしぶりに書いたぜー!!


コラボ3rd エスカルゴの妻と子供

俺達は月から戻って来た。どうやら俺は、死にかけて、妹紅によって蓬莱の薬を飲んで蓬莱人になってしまったようだ……。でも、正直全然悪く思っていない。妹紅の今まで不老不死による苦しみを、俺も背負ってやることができる。この話はあまり広がっていない。というか広がらせない。文?そんなやつ知らん。黒焦げになった女烏なら知ってます。

 

「炎火、買い出しに行って来てくれない?あと、何人か誘って。」

 

「わかりました、永琳先生。」

 

俺は永琳先生に買い出しを頼まれた。妹紅と凛乃と灯乃子、あとサラも連れて行くか。俺は3人を誘って買い出しに出かけた。……てゐ、サボらないかなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ただいまー。』

 

俺達は買い出しから帰って来た。ちゃっかり妹紅もいるが、全然気にしない。というか、むしろ嬉しい。妹紅と一緒にいれる時間が多い方が、嬉しいからな。

 

「炎火〜、エsモゴッ」

 

てゐの声が聞こえたが、途中で誰かに遮られたようだ。っていうかあの悪戯兎またサボってんのか!?

 

「なんだ?またサボってんのかて……うわぁ!?エスカルゴじゃないか!!」

 

「よっ、久しぶり。お邪魔してるぜ。」

 

てゐの口を塞いでいるのは、別の幻想郷から迷い込んできた男の吸血鬼、エスカルゴ・スカーレットだった。

 

「い、いらっしゃい……。」

 

正直困惑しかない。もうこっちの幻想郷に来るの3回目ぐらいかな?というか、タイミングが結構ジャストだな。まあ、俺の仕事の時間とかは把握してるっぽい?

 

「あれ?鈴仙がもう1人?」

 

「こんにちわ。」

 

俺は鈴仙がもう1人いることに気付いた。なんだかいつもの鈴仙と雰囲気が違う?あ、そっか。

 

「あぁ、エスカルゴの彼女の方か。」

 

「えへへ……。」

 

エスカルゴの方の鈴仙は少し顔を赤らめる。エスカルゴと付き合ってることが嬉しいのだろうな。まあ、そりゃそうだよな。恋人なんだもの。

 

「ホントだ!久しぶり!」

 

「うん!久しぶり!」

 

妹紅も久しぶりエスカルゴと会えて喜んでいるようだ。まあ、驚きはしたけど、嬉しいからな、俺も。

 

「エス……カル、ゴ?」

 

「う、うん、そうだよ。えっと、君は?」

 

「サラ……。」

 

「!?」

 

サラがそう言うと、エスカルゴは口をあんぐりと開け、目を丸くしていた。そうでした。エスカルゴはこのサラとまだ出会ったことがなかったんでした。

 

「ほ、ほう……。とりあえず、深くは聞かないでおくぜ、炎火……。」

 

「助かる……。」

 

正直、俺でもなんでこうなったのかわからないからな。聞かれると説明がかなり難しいというか不可能だろ。だって俺もわからないしサラに聞いても分からなかったんだからな。とりあえず、その場は落ち着いた。

 

「あのっ、エスカルゴさん、お久しぶりです!」

 

「おお、凛乃じゃないか。久しぶり。」

 

エスカルゴと凛乃はお互いに挨拶する。そういえば、凛乃はエスカルゴがまだこっちにいるときに迷い込んできたんだよな。多分、外の世界から迷い込んで来たんだろうなぁ……。でも、どうしてこっちに来たのかはわからない。……いつかは、凛乃は記憶を取り戻すのかな?

 

「…………」

 

「…………」

 

「……こんにちは。」

 

「……こんにちは。」

 

エスカルゴと灯乃子はお互いに、何故かぎこちなく挨拶をする。あ、そっか。エスカルゴと灯乃子は初対面だっけ。

 

「そうだ、言い忘れてた。エスカルゴ、そいつは俺の妹なんだ。」

 

「妹!?」

 

俺の発言に、エスカルゴはとても驚く。まあ、俺に妹がいることは知らないんだっけ。まあ、言ったことないもんな。言う必要もあの時は無かったし。

 

「焔 灯乃子です。よろしくお願いします。」

 

灯乃子はエスカルゴに、丁寧に挨拶をする。まあ、年上?だから、敬語は当たり前か。

 

「ご丁寧にどうも。吸血鬼のエスカルゴ・スカーレットだ、よろしく。タメでいいよ。呼び捨てで構わない。」

 

「わかった。私のことも呼び捨てでいいよ。」

 

「OKだ。」

 

「ところで、さっきから聞きたかったんだが。」

 

「ん?」

 

俺は、さっきからずっと、かなり気になってることをエスカルゴに質問した。

 

「お前の膝に寝てる、その子は……?」

 

エスカルゴの膝では、すぅすぅと寝息を立てて寝ている小さな女の子がいた。鈴仙のような顔立ちと髪の毛。そして、吸血鬼のような、翼が、背中から生えていた。

 

「そう、今日はこの子についての用事があったんだよ。……巫月、起きなさい。」

 

エスカルゴは、膝で寝ている巫月という名前らしい女の子の頰を優しく突っつく。すると、その巫月という子は、目を覚まし、軽く欠伸をする。

 

「ん……おはなしおわったの?」

 

「まぁね。さ、自己紹介だ。」

 

「わかった……。」

 

巫月ちゃんは、向こうの鈴仙と、エスカルゴの間にちょこんと座る。……なんか、この光景、親子とその子供だな。

 

「みつき・うどんげいん・すかーれっとです……よろしく………ふわぁぁ……ねむいよぉ……。」

 

巫月ちゃんは眠そうにエスカルゴに抱きつく。なんか、微笑ましい光景。

 

「あら…。えーと、勘のいい奴ならわかってるだろうけど、この子は俺と鈴仙の娘だ。」

 

『えええええええええええええ!?』

 

俺と妹紅は、全く同じタイミングで、大きな声を出して驚く。考えてみればそうだ。優曇華院にスカーレット。誰が父親で誰が母親か一瞬で想像がつく。

 

「驚くわよね〜。」

 

「そりゃ驚くだろ!というか、フランは!?レミリアは!?」

 

「フランやレミリアとは今までと変わらずだ。子供作ろうなんてしてないぜ。」

 

「そ、そうか……。」

 

驚きしかねぇ……。というか、いきなりそんなこと言われたらびっくりするに決まってるだろ。

 

「ねぇ兄さん。エスカルゴって何人彼女いるの?」ボソッ

 

灯乃子は俺に小声でそう聞いてくる。多分、エスカルゴには聞こえてるだろうな。吸血鬼は地獄耳らしいから。……デビルイヤーは地獄耳。

 

「え?確か3人……だったよな?」

 

「多っ……。」

 

フランとレミリア、それに目の前の鈴仙の3人だったはず。……外の世界だったらマジで誰かに裁判にかけられても全然いいはず。認めてるのがとても驚き。

 

「うんそう、3n」

 

「5人よ。」

 

「あっ、おい。」

 

『はああああああああああああ!?』

 

鈴仙のカミングアウトで衝撃の事実が発覚しました。5人!?5人!?5人!?ガチハーレムがいつの間にか誕生していた!?驚きしかない!というか他の2人も許可もらって付き合ってんだろうなぁ……。

 

「おいエスカルゴ!今度は誰に手を出したんだ!?」

 

「あ、文と霊夢……。」

 

「へ、へぇ……文と……れ、霊夢ぅぅぅ!?あの怠惰巫女か!?」

 

「ま、まぁな……あはは……。」

 

そういえば、こっちの霊夢は更に怠惰を極めて来たなぁ……。俺に何回買い物を頼んだことか……。

 

「女たらし……。」ボソッ

 

「おいっ……。」

 

それは多分本人までもが思ってるレベルで周りに思われてることだ。言わないでさしあげてくれ。……エスカルゴ、これを男から言われてたらキレるんだろうなぁ……。

 

「だって、5人も彼女作るなんておかしいでしょ。女たらしじゃなかったら何なの?」

 

「やめろっての。」

 

いつから灯乃子はこんなに口が悪くなったんだ?まあ、俺のいない間に変わっていても、文句は言えないな。俺がいなくなったんだし。

 

「…まぁ、そう言われても仕方ないよな。そんなのは誰よりも俺がわかってる。…それでもこっちは話し合いで解決している。余計な口出しは無用だぜ。これ以上増やそうとも思ってないし、増やしたくもない。」

 

……まあ、そうだろうな。けど、お前のこれ以上増やしたくもないって発言、かなり説得力無いからな?多分告られて断れなかったパターンが成り立ってますねこれ……。

 

「ふーん。泣かせたらタダじゃ済まさないわよ。」

 

「わかっている。泣かせない為に…自分を犠牲にしてるんだよ、俺は。」

 

『……………………』

 

全員が黙り込み、この場にかなり気まずい空気が生まれる。灯乃子の言ってることは正論ではある。けど、エスカルゴにもエスカルゴなりの事情があることは、少しの間一緒に過ごしていた俺も、妹紅も理解できていると思う。そういう性格のやつだからな、エスカルゴは。

 

「彼女は1人…それが普通だもんなぁ…。人間は…。」

 

「吸血鬼に、人間の何がわかるの?」

 

「いや、わかるよ。元人間だし。」

 

エスカルゴの何気ないその発言に、向こうの幻想郷メンバーを除く全員が、目を丸くする。

 

「え…お前が元人間?冗談だろ?」

 

「こんな冗談言って何の意味があるよ?」

 

そしてエスカルゴは、自分が幻想入りした過去を話し始めた。高専と言った後に寺子屋、と言ったのは妹紅達に伝わるようにするためだろう。というか、高専生だったのかエスカルゴ。まあまあ頭良くないと入らないよな?高専って。

 

「寺子屋帰りに薬…ねぇ…。」

 

「高専生だったの…!?超頭良いんじゃん…。」

 

「俺はその中でも下の方だったけどな。」

 

エスカルゴはそう言ったとき、少し嫌そうな顔をした。……エスカルゴは、相当外の世界の生活が嫌だったらしい。俺は…………。まあ、今は考えないでおこう。

 

「吸血鬼化したエスカルゴを幻想郷に連れてきたのは紫さん、か…。ホントあの人はよくやるよなぁ。」

 

「そうだな。俺の弟まで連れてくるしな。」

 

「えっ、そうなのか?」

 

エスカルゴに弟がいたことがおどろき。お互いに下の子が居たんだな。

 

「弟はヒビキっつーんだが、天狗になる薬とやらを飲んで白狼天狗になったんだ。そして、俺と同じく紫さんの力によって幻想入り…。今は白狼天狗最強と謳われ、犬走 椛と付き合ってる。」

 

「へー…凄いなぁ…。」

 

白狼天狗ねぇ……。妖怪の山には全くといいほど行ってないからなぁ……。鬱陶しい新聞記者としか天狗は接点がないっ!……エスカルゴは、俺達に親しい人にしか話さないようなことを話してくれたよな。今まで、灯乃子にしか話したことのなかったこの話。いっそ、この場で話してしまおう。

 

「エスカルゴが幻想入りした経緯を話してくれたし、俺も話すとしよう。」

 

俺がそう言うと、妹紅を含め、全員が俺の方を向く。まあ、そりゃそうだよな。

 

「ザックリ言うと、一回死んで、神様に転生させてもらったんだ。」

 

「えぇ……死んだのか。」

 

えっと……車に轢かれてだな。まあ、人の命を助けたし、後悔はない。

 

「死んだと思ってた兄さんが、私が迷い込んだ先であるこの幻想郷で、元気に暮らしてたと知った時はとても驚いた。」

 

正直なところ、俺の方がびっくりした。いきなり妖怪に襲われてるし……。行くのが遅かったら、もう灯乃子はここにはいなかったかもな。

 

「死……か。死ぬのは嫌だな……。」

 

「そりゃそうだよなー。でも、吸血鬼はそう簡単には死なないだろ?病気なら永琳先生が治せるんだし。」

 

「そう…だな。でも俺はそんなに長生きは出来ないかもしれない。この幻想郷から帰って、何回も死にかけたぜ?3回位かな。」

 

「お前程の実力者がか?」

 

カルゴ「ああ。地霊殿に遊びに行こうとした時は勇儀さんの相手をして…腕とか色々吹っ飛んで、骨とかバッキバキに折れたりしたけどギリ勝った。」

 

「おいおい……。」

 

さ、3回も……。と思ったけど、俺も死にかけた経験あるからなんも言えねえ。ちなみに、俺の右腕、治そうと思ったら治せるけど、戒めとして、治さないようにしている。

 

「なんで人間の炎火が勇儀さんに勝てたのか不思議でならねぇよ。」

 

「あれは……リミッターが外れてたって感じでさ……普通の状態では勝てないよ。」

 

今ではどうかは分からないがな。あの人の怪力はほんと怖いよな。勝てる気がしなくなってきた。

 

「リミッターねぇ…。キレてても自分をコントロール出来るのが羨ましいよ。」

 

「…何かあったのか?」

 

エスカルゴはそれを俺に話してくれた。どうやら、文が天狗達に拘束され、助けに行ったところ、真っ二つに切られたようだ。で、再生したと。意味がわからん。で、エスカルゴはキレたらしい。暴走して、地面は抉れ、森は一部消し飛び、山も少し抉れたらしい。抑えなさいよ(汗)。

 

「そんで、また記憶が途切れて…気付いたら紅魔館のベッドの上だった。後から聞いた話だが、引き分けに持ち込んだらしい。」

 

「そんな事あったんだな…。今度修行として天魔に挑んでみようかな?」

 

「悪い事は言わねぇ。やめろ。死にたくないだろ。」

 

エスカルゴが、俺に声を鋭くしてそう言い放った。

 

「そりゃ死にたくないけど、向こうだって手加減くらいするだろ?」

 

訓練程度の戦闘だったら、本気でやることはないだろう。そう思って俺はそう言ったが、

 

「文とはたてから聞いたが、手加減してても自分のテンションが上がると力を解放するんだとよ。俺ん時もそうだったな。勇儀さんが文以上のスピードで移動し、尚且つ剣まで使うとしたらどうだ?もちろん素手でも超強いんだぞ。」

 

「バケモンだろ。」

 

俺は思ったままそう言った。そんなんチートやチート!あっ……ごめんなさい大気圏突き抜けたことある俺が言うことじゃありませんでした。エスカルゴはその後、不慮の事故から幼児化して、その状態で天魔に挑んで勝利したらしい。エスカルゴの話だと、能力等はそのままで、体は小さくなったので、避けやすくなり、勝てたらしい。

 

「へー……2人の戦うところ見てみたいな。」

 

会話の途中で、灯乃子がそう呟いた。やめてくれ、俺が死ぬ。いやもう死なないんだけど。

 

「ダメだね。今は、分身に力使ってるから4分の1の力しか残ってない。」

 

「分身って…どこに?」

 

「俺らの幻想郷に、俺ら3人の分身を置いてきたんだ。こっち来るって言ったら他の皆もついてくるだろうしね。」

 

分身かー……。俺もやったことあったな。対狂気フラン戦で。あの時はやばかった……。

 

「あれ?そういえば何しに来たんだっけ?」

 

「炎火、妹紅。このペンダントと同じやつをもう1つ…巫月の為に作ってはくれないか?」

 

「わかった。時間かかるけど大丈夫か?」

 

「夕方の6時に迎えが来るんだが…間に合うか?」

 

「うん!」

 

俺と妹紅は立ち上がる。この作業、別室でやらないと危険だからなぁ……。

 

「炎火……。」

 

すると、サラも一緒に立ち上がる。サラもいてくれると助かるな。さて……

 

「てゐはそろそろ仕事に戻ったらどうだ?」

 

俺はてゐにそう言った。こいついつもサボってんな。

 

「は、はーい!」

 

てゐはそう返事すると、仕事場の方へ走っていった。俺達も別室へ移動して、作業を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おまたせ。」

 

「できたよ〜。」

 

俺と妹紅とサラは作業を終えて、エスカルゴ達のいる部屋に戻ってきた。

 

「おお、2人共!巫月、出来たぞ!」

 

エスカルゴは喜びながら娘のほおを突っついて起こす。

 

「…ふわぁぁ…。ぺんだんと…できたの?」

 

「できたよ。はい、どうぞ〜。」

 

俺は巫月ちゃんの首にペンダントをかけてあげる。

 

「ありがとう!」

 

「どういたしまして。」

 

「みてみて!えすかるごとおそろいだよ!」

 

巫月はそう言いながら喜ぶ。うんうん、子供が喜ぶんでいるのはとてもいいね。

 

「ね、そろそろ…。」

 

「だな。炎火、俺らはそろそろ帰るよ。」

 

「おう。」

 

エスカルゴ達は、屋敷の外に出る。俺達も、見送るために屋敷の外に出る。

 

「急で悪かったな。今度は手紙か何か書くよ。」

 

「わかった。確かにそうしてくれた方が助かる。」

 

「また、色んな話聞かせてね!」

 

「はいよ。」

 

どうやら、灯乃子はエスカルゴと仲良くなることができたようだ。仲悪いと俺が困るから、なんか安心したぜ。

 

「ど〜も〜。」

 

すると、紫が姿を現した。絶対に驚かん。というか真面目な話慣れたんだよなぁ〜。

 

「ほら、もう閉まっちゃうわよ。」

 

紫はそう言ってエスカルゴ達に早く通るように呼びかける。次元にスキマ開くって負担すごそうだしな。

 

「あ、はい!それじゃまたな!」

 

「バイバイ!」

 

「ばいばーい!」

 

エスカルゴ達は、手を振って別れを告げる。俺たちもそれに反応して、手を振って返事する。そして、スキマは閉じてしまった。

 

「行っちゃったね。」

 

妹紅がそう呟いた。

 

「そうだな。さて、仕事仕事ー!」

 

俺はいつも通りの日常に戻った。




ほんっっっとに久しぶりでごめんなさい!次回からちょっと時間的に進みます。

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