He have gone to Gensokyo.   作:風峰 虹晴

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また思いつきでやるただのアホ。後悔はない。


part35 男を魅惑してしまう女の子

私は、もう生きてるのが辛かった。

 

私の名前は林野 蜜音(はやしの みつね)。私は、何故かはわからないけど、無意識的にフェロモン?をかなり多く分泌してしまう体質らしい。私はこの体質に、感謝したことは一度もない。

 

この体質が現れたのは、私が小学六年生のころ。プールの授業のとき、着替えて出てきた私を、体育の先生が襲ってきた。何も抵抗できずに、誰もいないところで襲われ、私は、されるがままだった。色々な検診を受けて、フェロモンが多く分泌することがわかった。

 

私は中学高校と、女子校に通った。けど、私はトラウマのせいであまり人と接しなくなった。私は、生まれた時から虫達と話すことができた。虫は私を襲うことはないし、虫達は友達だったので、それもあって更に人と関わりが少なくなり、イジメられた。

 

学校に行ったら花が挿されている花瓶が置かれていたり、机に落書きをされたり、その机や椅子を捨てられていたりされた。日に日にイジメはエスカレートしていき、私はもう、限界だった。

 

私は海の堤防で、海を見ながら立っていた。これで、私は楽になれる。私はそう思って、私は海に飛び込んだ。体を浮遊感が包む。非常に息苦しい。けど、これで解放される。私はそう思い、目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……んん……。」

 

目を覚ますと、そこは森だった。私は海に飛び込んで死んだはず。けど、生きてる。服はずぶ濡れではないが少し濡れている。つまり、私は海には飛び込んだ。けど、死ななかったということになる。すると、足音が聞こえる。

 

「…………誰?」

 

私は真っ暗闇の森の中、足音の方角に対してそう問いかける。すると、闇世の中から、異形の生物が数匹現れた。異形の生物は、狼のような姿をしていて、口からは涎を垂らしている。

 

「ウォウ!!」

 

「きゃあっ!!」

 

異形の生物は、私に対して飛びかかってきた。私は上半身を起こして、横に転がる。その異形の生物は、私がいた場所にもういた。異形の生物は、何をしようとしているのかがわかった。私は立ち上がり、全力で走り始めた。

 

「バウッバウッ!!」

 

そう簡単に獲物を逃す野生の生物はいない。当たり前だけど、異形の生物は私を追いかけてきた。死のうとして海に飛び込んだのに、死にたくなくて逃げている私を、私はとんでもなく自分勝手だと思った。でも、結局死にたいと思ったのは、嘘だったのかもしれない。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

私は全速力で走り続ける。けど、その体は後ろから何かに押されて勢いよく倒れこんだ。そして、うつ伏せで倒れている私の体の上に、数匹の中の一匹がのしかかってきた。

 

「ヘッヘッヘ……。」

 

異形の生物の犬のような呼吸の声に、近くに落ちてくる涎で、私はとても怖くなって、体を強く動かした。けれど、高速は解けず、依然として強く押し付けられてる。

 

傲慢かもしれない。けど、お願い。神様。私に『生きる力』をください!死にたいと思うことがない力をください!!

 

『グラスホッパー』

 

私の頭の中に、そんな単語が現れた。そして、、私の足に少し電流のようなものが流れたように、痺れが走った。そのあと、痺れが消えたと思ったら、大きな力が私の足に溢れてきた。

 

「えいっ!!」

 

「キャンッ!」

 

私は限界まで体を捻って、押し付けている異形の生物にバックキックを繰り出す。すると、あれほど強く押さえつけられていたはずなのに、軽く吹き飛んでしまった。私は急いで体を起こし、立ち上がる。

 

「グルルルルル……。」

 

異形の生物達は、牙を剥き出しにして、先ほどよりも敵意を示している。グラスホッパーって……バッタ?だっけ?そんなことを考えていると、3匹同時に飛びかかってきた。私は反射的に右脚を使って思いっきり回し蹴りを繰り出していた。

 

「おりゃあ!!」

 

3匹のうち、右2匹には距離が足らず当たらなかったが、ブオンッ!!と音と一緒に風圧が発生して、吹き飛ばしてしまった。そして、足が移動してる間に、ちょうど命中する場所にいた1番左にいた個体に、途轍もなく嫌な音を発して命中する。

 

「キャウンッ!!」

 

すると、そのまま吹き飛んでいき、木に激突した。ピクピクして、動かない。

 

(ごめんね……。)

 

私は心の中で謝りつつ、まだ残っている2匹に目を向ける。よくまだ理解してないけど、この『グラスホッパー』の力を使えば倒せることはわかった。なら、ここで倒して逃げるしかない。そうすれば、生きることができる。

 

「えーい!!」

 

私は2匹のうち、右側にいる個体に移動を開始して地面を一蹴りする。すると、地面は抉れ、一蹴りだけで距離を詰めることができた。私は自分のスピードになんとか思考を追いつかせ、頭を蹴り上げる。すると、頭を一番上にして体ごと空中に浮いた。そして、落下を開始して、私は落下に合わせて右から左に蹴りつける。すると、左にいる個体にぶつかる。

 

「んっ!!」

 

ぶつかって目を絡ませている2匹はまとまっている。私は地面を蹴り、大きく跳躍する。空中で1回転したあと、怯んでいる2匹に狙いを定め、飛び蹴りの体勢を取る。かなりの勢いで加速し、そのキックは、まさにラ○ダーキックと命名されても不思議ではない威力で2匹に命中。重い音を上げて、2匹纏めて命中し、大きく吹き飛び、遠くで気に重くぶつかる音がした。

 

「はぁ……はぁ……勝てた……。」

 

私は立ったままそう呟いた。すると、この力を使い始めて5分。足に今まで感じたことのない激痛が襲ってきた。

 

「あぁぁぁぁぁ……!」

 

私は痛みに耐えきれなくなり、意識を手放してしまった。




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