He have gone to Gensokyo.   作:風峰 虹晴

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蜜音さんの『カブト』の装甲のイメージは仮面ライダーカブトから
仮面はないです


part39 救援

「やあっ!」

 

私は妖怪のうちの数体纏めて拳をぶつけた。すると、痛々しく、重い音と一緒に殴られた妖怪は、他の妖怪を巻き込みながら吹っ飛んでしまった。キック力は『グラスホッパー』には流石に劣るけど、全体的な戦闘力を見ると、やはり1番強力です。

 

「グオォォ……!」

 

前から妖怪達も攻撃して来ます。しかし、肉体も頑強になり、装甲も加わった私の体には、あまり効果はありませんでした。

 

「やあっ!」

 

私は攻撃してきた妖怪に左足の蹴りを繰り出します。左足が命中し、そのすぐ右にいた妖怪と共に吹き飛び、そしてその吹き飛んだ直線上にいた妖怪も巻き込み、妖怪は吹き飛ばされてしまいました。

 

「………………グルァッ!!」

 

その後ろから妖怪の鋭い爪の攻撃。装甲に命中に、火花を散らして私に命中しました。さほどダメージはありませんでしたが、不意打ちのせいで身構えられてなく、衝撃がありのせいで少し前に体勢が崩れてしまいました。

 

「グアァ……!」

 

「え?きゃっ!?」

 

私は体をボスらしき体格の妖怪の手のひらに掴まれました。力強く私を掴む。体格の差があり、痛みが私の体全体に走ります。

 

「グオアッ!!」

 

「きゃぁぁぁぁぁ!!」

 

私はその大きな妖怪に力任せに投げられました。木を貫通する音と、私がぶつかる音を数回聞いた後、強く木に打ち付けられ、私は下にズルズルと落ちました。

 

「うっ……まだ……!」

 

まだ意識は失ってない。妖怪達は私に向かって来ています。そして、私のところに着くと、妖怪達は舐めるように私の体を触ってくる。それはまるで、男の人が私を触るような感覚がして、悪寒が走りました。

 

「触らないで!!」

 

私はその妖怪を思いっきり蹴飛ばしました。妖怪は悲鳴をあげて飛んでいきます。

 

「うっ……はぁっ……はぁっ……!」

 

私はそのまま自分の体を持ち上げて、妖怪達を見つめる。3ヶ月。その時間は生きて来た時間よりとても短いけど、今までにないくらい充実していました。

 

「やぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

一回一回の攻撃に想いを込めて、妖怪達に私は殴りったり蹴ったりしました。しかし、倒しても倒してもまだ出てきます。ならば……ボスを倒せば!そう思い、私はボス妖怪に向かって激痛走る体を無理矢理動かして走り出しました。

 

「ウオォ……。」

 

ボス妖怪は私に気付き、拳を握って強く握りしめ、高く振り上げました。こうなったら、無理矢理でも倒してやる!そう思い、私も拳を強く握りしめる。拳は拳でそんな気持ちで待ち構える。すると、そんなこと御構い無しに、別の妖怪が私に襲いかかって来た。私はそのせいで体勢を崩した。

 

「グオォルァ!!」

 

「!!??ごぶっ……!」

 

まともな防御なんてできずにお腹に命中した。強化された肉体と装甲越しにパンチの勢いが伝わって来て、骨が折れる音と、真っ赤な血液が口から溢れ出て、地面に数回バウンドした。

 

「う……く……。」

 

もう動けるはずもなく、あっけなく3分が経過。スーツと装甲が消えてしまいました。私の全身に、投げられた痛みとパンチを食らった痛み、それに加えて副作用の全身の激痛、なんとか意識を失わないように耐えましたが、最早動くこともできず、視界もぼやけて来ました。

 

『グェへへへへ……。』

 

たくさんの妖怪が笑い声を上げながら私に近づく。すると、妖怪達は私の服を力任せに破いていく。すると、理性を失ったように、私の肌を触ってくる。

 

『グウェヘェヘェヘェ!!』

 

(いや……やめて……。)

 

そんな思いも妖怪達に届かず、私を好き放題にして来ます。まだ一線は越えてない。けど、時間が経てば、私の初めてを奪い、好き放題にされてしまうかもしれない。

 

(魔理沙さん……助けて……!)

 

私はそう願った。しかし、魔理沙さんはもうボロボロで助けになれるはずがなく、私はここで、人生を終えるのかもしれない。そう思っていた時でした。

 

「あそこだ!」

 

「わかった!サラ行くぞ!炎符『ファイアーマシンガン』!」

 

すると、私の周りが赤い炎で燃え上がる。妖怪達は燃え上がり、消滅してしまう。すると、炎が一部分だけ消え、そこに1人の男性と、全体的に赤く、しかし人ではない見た目ではない少女、そしてその少女にお姫様抱っこをされている魔理沙さんがいた。

 

「ま……りさ……さん……。」

 

「蜜音、頑張ってくれたな。ありがとうなんだぜ。」

 

魔理沙さんは女の子に降ろされ、少し怪我しているが、明らかにかなり回復した魔理沙さんが、私に近寄り、私の頭を撫でた。

 

「魔理沙、その子のことは頼んだぞ。」

 

「わかったんだぜ。ここは森なんだからやり過ぎないでくれだぜ?」

 

「当たり前だ、サラ、攻撃がこの2人に行かないようにしてくれ。」

 

「……うん。わかった。」

 

サラという女の子が返事すると、男の人は妖怪達の方に歩いていく。妖怪達は、警戒を更に高めたように唸り声を上げる。

 

「お前らへの怒りは収まらねえが、女の子が危ないんだ。とっとと片付ける!」

 

男の人はそう言って妖怪達に向かって走り出す。無茶だと、一瞬で悟った。あんな大群で、怪力の化け物までいるあの妖怪達に、たった1人で勝てるわけがないと思いました。

 

「まりさ……さん……あれ……あぶないですよ……。」

 

「ん?炎火のことか?大丈夫だよ。」

 

魔理沙さんはそう言って、炎火と言われた男の人の方を見る。

 

「炎剣『聖なる青い炎の剣』!」

 

炎火さんは手にカードを取り出してそう言うと、右手に青くとても鋭利そうで、しかし、何故かとても熱そうな雰囲気の剣を右手に持つ。炎火さんは、その剣を大きく一薙ぎする。すると、数十の妖怪が一瞬にして炎に包まれ、消えてしまう。しかし、それと同時にたくさんの妖怪が現れる。

 

「これ、倒しても出てくるタイプかぁ……。よし!こういう時はボスだよな!」

 

すると、炎火さんは一際大きい妖怪に向かって走り出す。勿論、その間の道筋にも妖怪達は存在する。しかし、炎火さんが薙ぐ剣によって消滅していき、その道筋にはもう妖怪はいなかった。

 

「炎脚『レオキック』!ヤァァァァァァ!!」

 

炎火さんは叫んで大きく跳躍する。その高さは、『グラスホッパー』を使った私と同じぐらいだった。そして、炎火さんは飛び蹴りの体勢で怪力の妖怪に突っ込んでいく。その足には炎が纏われており、腕で防いだ意味はなかったようでした。その妖怪は吹き飛び、謎爆発を引き起こした。

 

「ほら、お前らとっとと帰りやがれ……って、まだいるのかよ。」

 

すると、奥から2体も同じぐらいの大きさの妖怪が現れた。けど、炎火さんは大して驚いた様子はなく、落ち着いて構える。

 

「早く運びたいんだ……終わらさせてもらうぞ!双獄炎剣『双聖蒼炎剣』!」

 

炎火さんは、両手に先ほどよりも強い雰囲気を持つ剣を、両手に出現させました。妖怪達もそれを察知し、危険だとわかったのか全員突撃して来ます。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!双剣技『焔回転斬り』!」

 

炎火さんは左手の剣を逆手に持って回転する。すると、炎が周りに広がり、全ての妖怪が消えてしまった。

 

「ふぅ……さて!早く運ばなきゃな!2人ともごめんよ!」

 

「えっ?きゃあぁぁぁぁ!!」

 

炎火さんは私と魔理沙さんを掴んで空高く飛び上がりました。すると、足から炎を吐き出したと思えば、高速で進み始めました。

 

「ええええええ!?」

 

「あははははははは!!」

 

魔理沙さんはとても楽しそうに笑ってました。まるで絶叫系アトラクションではしゃぐ女の子です。私は正直苦手です。乗ったことすらないに等しいですが……。

 

「ごめんだけど、あと数分耐えてくれ!」

 

「はいぃぃぃぃぃ!!」

 

「あはははははは!!」

 

炎火さんはそう言って、更に加速して飛行しました。でも、少し楽しかったかもしれません。




久し振りにこんな早く書いたかも?

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