He have gone to Gensokyo. 作:風峰 虹晴
「そろそろ…かな?」
小一時間待てと言われて待つこと多分1時間ぐらい。俺は川で釣りをしながら待っていた。
いや、こうやって釣りしてるときに話しかけてくれるのは全然いい。むしろ他人と話すのは好きだし思いやりを感じる。
だが意味のわからん釣竿持ってくんなッ!
なんだあの重量!?ガチで霊力フル全開で筋力強化しないと振ることができないってなんぞ!?降った後の勢いで危うくドボンだわ!
その後普通に高性能な竿もらった。外の世界であるような。この落差よ。風邪ひくわ。
よって俺は無駄に高密度な霊力渡して霊力全力全開したせいで割と疲れた。うん。
「見に行くかぁ」
釣りを引き上げて、俺は河童達のところに様子を見に行く。
「おぉ!盟友!ちゃんとできたぞ!」
「お、おぅ…」
いやそれは確かにありがたいんだが…
「あびゃあ^〜」
「そうか…そうだったのか…ゲ○ター線とは…!」
「ぬわぁぁぁぁぁんつかれたもぉぉぉん」
「ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコン」
後ろ死屍累々すぎん?なんか虚無りかけてるし空手の練習終えたやついるし無駄にカラータ○マーの口真似アホほど上手いやつあるし。
というかやっぱりおかしいよな?絶対にウル○ラマンは幻想入りしてない。してるとしたらウル○ラQだよ。…いや、それはそれでおかしいな。
「なぁ、後ろの奴ら大丈夫なのか?」
「ふにゅ?あぁ、まぁ大丈夫大丈夫!」
「本当か???何名か存在虚無りそうなやついるけど」
「?盟友が心配してるようなことには多分ならないから」
「…な、ならいいんだが…。…なんかあったら永遠亭に頼れよ、何かと世話になってるから贔屓にするぜ」
永琳先生も許してくれるでしょ。…許してくれるよね?
『さぁ、どうかしら』
幻聴が聞こえる!?うわ、言いそう!凄く言いそう!
「う、うん、贔屓する…してみせる…」
「盟友大丈夫か?」
「だだだ大丈丈jjj夫問題nヴッ……!?」
「あっ」
「ア゜ーッ!?サラ兄何してるんですかァーッ!?」
な、謎の影が激突して…!?ぎ、ギリギリ倒れなかったぜ…。
なっ、ぬ、ぬおぉぉぉぉぉぉぉ!?視界と音がブレるぅ^〜。
「マスターすみません!サラ兄お願い!」
「ん」
「あいてっ。ぐっ…おぉ」
ち、ちょうどいい感じの痛みが俺の意識を正常に…。こ、この感覚、小さい手による強烈なチョップ…!
一体誰だ…あ゛ーマジで頭痛い。
「って、サラとスカーレットか…。つまり犯人はお前らか」
「す、すいません…」
「ごめん…」
流石に反省しているようだし、どうやら故意ではなく事故っぽい。
ならば許そう。俺はこの程度じゃ狼狽えない。
「め、盟友大丈夫か?」
「おう、なんとか平気だぜ。んで、サラとスカーレットはなんでここに?永琳先生が呼んでるのか?」
「呼んでる」
「サラ兄説明足らないよ〜…。えっと、人里でなんかあったらしいからマスターを読んでほしいって」
俺を人里の人が呼んでるってことは…自警団案件かな?ぶっちゃけ人里に元々いる人も一般人相手なら簡単に鎮圧出来るとは思うんだが…。
…まぁ、俺を呼ぶってことは厄介なことだろうな。博麗神社は遠いしサラとスカーレット遣わした方が早い…か。
「OK。それじゃ、いっちょいきますか」
「あっ、盟友待って待って」
「んぉ?うぉっ…と」
にとりが何かを投げると、俺はそれを咄嗟にキャッチする。
それは、イヤリング。しかしイヤリングに刻まれた模様は、どこか近未来的で幾何学的だ。
「それ、依頼されてた物だよ。渡された霊力で1週間は持つようになってるよ。わざわざもう一回取りに来るのも面倒くさいだろ?」
確かに。正直天狗の検問わざわざ通さなきゃならんのがめんどい。数分で終わるけど毎度毎度っていうのがなぁ…わざわざズルするのもって感じだがな。
「ありがとう。またなんかお礼に来るぜ」
そう言って、俺は霊力を使って宙に浮く。ゆっくりと浮上している間に、いつの間にかスカーレットが胸ポケットに入り込んでいた。
「サラ、お前は永遠亭に戻ってくれ」
「えっ…」
サラが驚き、そして落ち込むように俯いてしまった。
「あーえっとな?サラが兎達見といてくれないと間違いなくサボるっていうか…」
というか今現在進行形でサボってるはずだ。てゐとか間違いなく悪戯の準備か悪戯してる最中だな。
「くしゅっ」
「てゐ風邪ー?」
「悪戯失敗するよー」
「やめるー?」
「い、いや、大丈夫ウサ。それより、アイツが帰ってくる前にこの過去最上級の落とし穴を、ぜーったいに完成してやるウサー!」
「「「「「おー!」」」」」
…いやな予感がする。帰った時は警戒しとこ。
「…うん、わかった…」
「ごめんな?帰ったら竹炭を好きなだけ食べていいぞ」
「ほんと!?」
目をキラキラさせて俯かせていた顔をガバッと前に向ける。
欲望に忠実すぎない?まぁ可愛いからいいけど。
「マスター!私も私も!」
「わかったわかった!スカーレットにもあげるから!」
…また砂糖炭でも作るか。帰ったらエンジンフルスロットルだな。
「んじゃいくか!スカーレット、方角よろしく!」
「あいやまかされた!」
どこで覚えたんだその言葉…
「到着…っと」
さて、俺を読んだ原因さんは一体どこだ?できれば既に解決されてて欲しいんだが…。
「あっ、炎火さん!来てくれたんですね!」
周りをキョロキョロしてると、知り合いの自警団の人が駆け寄ってきた。スカーレットはびっくりしたのかポケットの中に引っ込んだが、少しして再び顔を出した。
「一体どうしました?見た感じそんな緊急事態に見えないですけど…」
周りを見た感じ、そこまで騒がしいという感じはしない。
大体俺が参加する時って、自警団の人とかが対処できない妖怪とかを追っ払ったり退治したらが多い。
というかこの仕事霊夢が主にやることだろ。あの怠惰巫女め…そんなだから信仰が集まらないんだよ。
「いえ、鎮圧は容易だったんですが…状況がややこしいというか…とりあえず来ていただけますか?」
「わかりました。案内お願いします」
俺は自警団の人に案内されてついていく。
それにしても鎮圧は容易なのに俺案件?……なんか、凄いややこしい気がする。状況的にも人間関係的にも!
「諸事情で自分はここまでです。この先ですので、よろしくお願いします」
「わかりました」
そして、現場に着いた。なんでついていけないんだ?…悪寒が走る。
俺は自警団の人に示されて方向に歩いていく。すると、そこには非常に納得のするシルエットが存在していた。
「…おい、状況理解したぞ」
「よっ、炎火!」
「……あっ、焔さん」
魔理沙と林野さんがいた。…つまりあれか。
「林野さん…ですね」
「申し訳ありません…」
フェロモンだな…間違いない。
確かに近くにいる自警団の人は女性のみだ。男性が近くにいると危険だから距離を離したのか。
というかやっぱ優秀だな自警団。主に能力を持ってない人達で構築されが、その代わり判断能力に優れてる。
それにしても本当に難儀なものだな。確か多少の男性恐怖症を患っていたはずだが、俺に怯える程度で済んでいるのは正直奇跡だ。
「林野さん、ちょっといいですか?」
「は、はい」
俺は林野さんを呼ぶ。やはり俺に怯えているようで、足取りは重く見える。
「私もついていくんだぜ」
「おう、正直助かる。すみません、ちょっと席外します」
「わかりました。事後処理はこちらにお任せください」
自警団の人にその場を任せ、3人切りになる。
林野さんは少し魔理沙の斜め後ろに立つようにしている。
「林野さん、あなたをこれをお渡しします。魔理沙、渡してやってくれ」
「任されたんだぜ」
魔理沙を介して、にとりから受け取ったイヤリングを渡す。
「それはあなたのフェロモンを抑える医療器具です。瞬間的に過度なフェロモンが出た場合は抑えきれませんが、日常生活程度なら問題ありません」
「!!」
いやぁやはりダメ元でも行動してみるもんだなって思ったわ。出来ちゃうんだから、こんな超限定的な医療器具。
「あっ、あの、お、お金とかは」
「……あ〜」
そういえば、林野さんも幻想入りした人か。しかも日本人なら確かにそう思うよな。性格も相まって。
「大丈夫ですよ。俺個人からの善意なんで」
言わない方が良かったかな?
「そ、そんなっ…あ、ありがとうございます!」
やっぱ言ってよかったわ…。
いやぁ、他人から感謝の言葉を貰えるのは嬉しいんじゃ^〜。気の掛け甲斐があるってもんよ。
「あっ、1週間後に永遠亭にまた来てください。そのイヤリング、そのままだと1週間しか持たないので」
「わ、わかりました!」
林野さんは深く頭を下げる。
…………なんか恥ずッ!うわぁ流石に顔には出さんがむず痒いなオイ!
「んじゃ、私達は帰っても大丈夫なんだぜ?」
「ん?あぁ、自警団の人には俺から言っておくよ」
「ありがとうなんだぜ。蜜音、帰るぞ〜」
「は、はいっ」
魔理沙と林野さんは箒に跨り、空高く飛んでいった。
……林野さんのめちゃくそ大きな悲鳴が聞こえたのは気のせいだな。
「終わった〜?」
スカーレットがポケットの中から顔を出す。
というかこいつ寝てたな。目を擦ってるからわかりやすいぞ。
「あぁ、ほぼほぼ終わったぞ。もうちょっと寝てていいからな」
「わーい」
俺は自警団の人に事後報告の為、歩き出した。
家に帰ったら、アホほど大量の炭が失われた。お陰で霊力ほぼ尽きて倒れるように寝たわ。
妹紅の膝枕は柔らかかったです。
「これで終わりです。では、気をつけてお帰りください」
「…はい、ありがとうございます」
あぁ…クソ、無駄な時間を浪費した。掛け替えの無い俺の砂金にも等しき時間が、多く失われてしまった。
「…クク」
嗚呼、しかし、とても大きな収穫だ。
あの金髪のやつと一緒にいた娘…おれは俺の手元で輝くのが最も相応しい。
手に入れ、隅々まで俺色に染まるように、犯し尽くしてやるからな……。
その男の舌舐めずりをする顔は、非常に闇深く、月明かりですら映し出せず、幸いにも誰の目にも触れなかった。
タイトルは試行時間十数秒。
皆さんのご意見、お待ちしております!