序章1話 世界を照らす、2人の歌姫
パヴァリア光明結社により引き起こされた一連の事態。
『神の力』。不完全なる人々を、完全たる存在である自らが支配しようとあまりにも壮大なそれを手にしようと企んだパヴァリア光明結社、統制局長アダム・ヴァイスアフプト。
人類を支配より開放するという理想に邁進するも、最後は今を生きる人々を守り抜くために、その命を燃やしたサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロら錬金術師たち。
多くを失うも守り抜かれた人々に日常。
それを生き抜いた戦姫たちに訪れたのは束の間の平穏。
季節は夏から、本格的に秋へと向かっている。
山々は紅葉で彩られ、そこに暮らす生き物たちは、来るべき冬に向け必死に生き抜いている。
人々もまた、それは変わらない。
しかし、その平穏は長くは続かなかった。
季節が秋から冬へと変わる節目。
それは突如、人々を襲った。
それは、あまりにも不気味なほどに白く、そして巨大であった。
それは天より下りて来た。次々に天より下りてはありとあらゆるものを破壊していった。
それは、巨大な口のようなものを持っていた。人々は次々にそのそれらにより喰らい殺された。
そしてそれは、人々の英知の結晶たる、ありとあらゆる現代兵器。その全てを無意味な物とした。
ただ一つ、それらに対抗できたのは。
世界を幾度となく救ってきた歌う戦姫たち。
彼女たちだけであった。
彼女たちは人々の安寧を守り抜くために、その点より下りし者たちと戦った。
血を吐きながらも歌を歌い続け、神話の時代より受け継がれた武具をその手に。
しかし、あまりにも強大なそれらに対し――。
一人、また一人と歌姫たちは倒れていった。
蒼き歌姫はこう言った。
「人々を護るが防人の務め、その生き様、その身に焼き付けろ!」
紅き歌姫はこう言った。
「こんな世界、どうにもならねえことも沢山ある。だがそれでも、パパとママが観たかった夢。それを叶える為ならば!」
絶望に満ちてしまった世界。それでも歌姫たちは歌い続け――
戦い続けた。
そして、ついに歌姫はたった1人となってしまった。
しかし、その歌姫を助けんと、新たな歌姫がまた1人生まれた。
それはその歌姫とは、たった1人残った歌姫の。
暖かく優しいヒダマリ。
「ごめん未来……未来までこんなことに巻き込んで……」
黄金色の鎧をまといし歌姫は、申し訳なさそうに銀と紫の鎧を纏いし歌姫にそう告げる。
「そんなことない、それに私は約束したから。絶対に響と繋いだ手を離さないって」
しかし、銀と紫の鎧を纏う歌姫は、そう黄金色の歌姫に答えた。
2人が見上げた空の先、そこにいたのは数えきれないほどの絶望。
それでも、残された2人の歌姫たちは決意に満ちたその顔でまっすぐにそれらを見据えていた。
互いの存在を強く握りしめ、2人の歌姫は最後の歌を奏でていく。
金色に、或いは白銀に光り輝く2人の歌姫。
「ありがとう未来、最後の時、こうしてそばにいてくれて」
「ううん、私の方こそありがとう響、最後に一緒に歌ってくれて」
そして2人の歌姫は、絶望へと飛翔する。
「これが――」
「私たちの――」
「「シンフォギアだぁああああああああ!!!!!!!!!!」」
最後に見えたのは、絶望で黒く染められた世界を照らす。
眩い陽の光であった。
世界は……人々は確かに救われた。
血を吐き命を燃やしながらも歌い、そして戦った歌姫たちによって。
ハーメルンで思い切って書いてみようと思い投稿。
他にもPixivにてゆゆゆとシンフォギアのクロスを書いておりましたが。
そちらとは世界観、設定など全く異なります。
オリキャラは無し、基本双方原作キャラのみ。
元々変身ヒロイン、神様的存在による粛清、神代の武器を利用など。
共通点の多い両作品。
もし、シンフォギアのキャラがゆゆゆの世界に行ったら的な気持ちで書いております。
今回のはプロローグになります。
ボチボチ投稿していく予定