おそらくこれが今年最後の投稿になるかもです。
響がこの世界に転生し、ここ四国の讃州市へ引っ越してから早くも2年が経とうとしていた。転生して最初こそは自分の置かれた状況に色々と困惑し驚くばかりであったが、元々から環境への適応力の高い響はあっという間に慣れ、この世界での第2の人生を歩んでいる。
転生してすぐに出会った少女、結城友奈とは性格が近いことなどからすぐに打ち解け、今では大親友である小日向未来に負けないほどの親友と呼べるくらいに仲良くなった。
この世界での日常において、響は何不自由することなく平和でだれの目から見ても幸せと呼べる毎日を送り続けていた。
「ただいまぁ!」
この世界に来てから、響はあることを日課にしている。それは朝早くに起きて町内を軽く走り込みをすることであった。
元居た世界では、誰もが呆れるほどの寝坊助で、朝に弱かった響。特異災害対策機動部2課、或いは超常現象災害対策機動部、タスクフォースS.O.N.Gに属しシンフォギア装者として戦う日々となってからは訓練や自己鍛錬などで多少は改善されたとはいえ、それでも元居た世界でのそれは治ることがなくそのままであった。
勿論、この世界でもそれは変わらないのだが、この世界で同じく転生し、今はこの世界にて神樹を祀る組織、大赦と関わり色々頑張っている親友の未来や戦友の翼、クリス達ばかりに何もかもを任せたくはない、とはいえ今の響がこれといった特別なことができるわけでもなかったので気晴らし兼いざというときのための備えとして始めたのがこの走り込みであった。
「おかえりなさい響、よく続くわね」
「へへん! 私だってやるときはやるんだよ!」
最初、やると決めた時両親は目を丸くし、どうせ続かないと呆れられもしたが、結果はこの通り、この2年間響は毎日欠かすことなく朝早く起きて町内の走り込みを行っている。
そのおかげか、体の調子や身体能力は元居た世界での全盛期のそれに近いくらいには戻ってきたと響は実感していた。
走り込みで適度に体力を使った後ともあり、響のお腹が盛大に空腹を報せる虫を鳴らす。
「あ……アハハ~私のお腹の中の獣が暴れだしちゃったよ」
「全く、ほら早く汗を流して朝ごはん食べちゃいなさい。今日は色々大変な日なのよ?」
「え? あ、そうだった!」
母親の言葉で響は思い出す。
今日、響と川を挟んだお隣にある友奈の家の隣に、新たに引っ越してくる人たちがいるのだ。
響はそれを思い出すとすぐさまシャワーで汗を流し朝食をとり、足早に友奈の家に向かうのであった。そのあまりのスピードに両親と祖母は今一度呆れ苦笑いを浮かべるのであった。
一方の響の両親は険しい表情で今朝のテレビのニュースを見ていた。ニュースで流される映像は、無数の人のような形をした灰の山、そしてそれを処理する消防士や警察官の姿。そして、時折映る無数の異形のモノの写真。
『本日のノイズ関連のニュースです』
あの日、響が讃州市に引っ越してから数日が経った時に、世間に対しこの世界において政府以上の権限を持つ組織、大赦からある驚くべきことが発表された。
それは、響にとっては元の世界では多くの人々が知る災厄の名。『特異災害=ノイズ』に関してであった。
人を襲う異形のものたち。
襲われた人々は灰のようなものへと変わり死んでしまう事。
通常の兵器では彼らを撃退できないこと。
大赦の発表は多くの人々を困惑させ、同時に恐怖に陥れた。
「また……ノイズのこと?」
「ああ、わずかだが犠牲者が出たらしい」
「そう……」
響を見送った響の母親がニュースを見ていた響の父親に心配そうな顔でそう聞く。響の父親は静かに今回のニュースの内容、ノイズの出現で犠牲者が出たことを告げた。
大赦はすぐさまこの世界の施政の者たち、即ち政府と連携しノイズの対策に当たっているが、状況は芳しくはない。各地でノイズ対策にとシェルターなどの建造こそ始まっているモノの、このようなことはこの神世紀になってから、否、この世界の人類はほとんど経験したことがないこともあって、対策などは後手に回るものであった。
「もしかしたら、響があんなことを始めたのは、これが理由なのかもしれないな」
「そうなのでしょうか……」
響の両親は、なぜ娘が突然走り込みなどをするようになったのか。その理由はもしかしてこのことではないのかと父親の方は感じた。母親の方はそんなことはないと思いたかったのか否定的な言葉を返すが、両親の懸念は、図らずも当たっていたのだ。
響が走り込みを始めた理由は他でもなく、このノイズが係るものであったのだから。
「こんにちは~響です!」
「響ちゃんいらっしゃい! 早いね」
朝食を終え早速友奈の家にお邪魔する響。友奈もどうやら朝食を終えたばかりのようで今まさに外出するところであった。
「凄いよね、この時期に2軒もお隣さんが増えるなんて」
「うん、いったい誰なんだろうね」
新しい隣人が増えるとあって友奈も響も期待に胸を膨らませている。
「こうしてると思い出すなぁ~」
「何を?」
「響ちゃんが引っ越してきた日の事」
「あっ……」
友奈はそう何気ない感じで言うが、一方それを聞いていた響は一瞬険しい顔になる。
あの日、響が初めて引っ越してきた日に起きた、あの凄惨な事件。
響は友奈の言葉でそれを思い出したのだ。
遡ること、響が引っ越してきたあの日。
「生きるのを諦めないで!!」
引っ越し先のお隣さんとなった結城家の一人娘、結城友奈に街を案内してもらっていたその時、響と友奈は響が元居た世界において、多くの人々に認識された既知の中の未知なる災害『特異災害』と呼ばれた異形の者たち、ノイズの襲撃を受けたのだ。
転生される直前、神樹からこの世界にノイズの脅威が迫っていることを聞かされた響。しかし、それでもこの世界においてシンフォギアを纏えるとはまだ確信を得ていなかった。
しかし、神樹より言われた言葉に従い、響は今再び、胸に抱いた歌を奏でその力を身に纏うのだった。
「響ちゃん……」
友奈はそう言葉を漏らすとその場にへたりこみ気を失ってしまう。
それも無理のないことだった。友奈はまだ小学生のごく普通の少女でしかない。目の前で突如訳の分からない怪物が現れ、街で出会った、当たり前の日常を送っていた人々が突如、物言わぬ灰と変じる凄惨な場面を幾度となく目撃したのだ。
すでに精根全てを使い果たしていた。
「なんとか、友奈ちゃんを護らないと」
ノイズの数は見た目ほど多くはなく感じる、とはいえ、いくらガングニールのギアを纏う事が出来た響とはいえ、たった1人で相手をするには決して少ない数ではない。
ましてや気を失い身動きが取れない友奈を護りながらとなれば正直楽なものではない。
ならば、やれることは一つだけだ。
「三十六計――逃げるにしかず!!」
響は気を失った友奈を抱きかかえると、そのまま脚部にあるギアのジャッキを目いっぱいに使い、一気に跳躍した。
最初にギアを纏った時は全く制御が利かずにおかしな方向へとかっと部ばかりであった響だが、今の響は元居た世界での経験と記憶がその身に沁みついている。ギアの有り余るほどの力をうまく制御し、跳躍からの空中挙動でうまくノイズの追撃をかわし、どうにか友奈を安全な場所まで避難させることができた。
「よかった、友奈ちゃん」
友奈は静かに寝息を立てていた。そのことにほっと胸をなでおろし響は纏っていたガングニールを解除する。
「だけど……」
だが、響の表情はすぐさま暗く険しいものへと変わる。
確かに、響は友奈という一人の少女の命を護ることができた。
しかし、出現した直後に襲われた人たち、そして逃げる最中に襲われ灰へと変じた者たち、彼らを救うことはかなわなかった。
「私がもっと、早くギアを纏っていたら……」
押し寄せてくるのは後悔か、それとも自身の不甲斐なさであろうか。響は今もまだノイズがいるであろう街の方を凝視しながら、その拳を強く握りしめる。
「ん……アレ?」
しばらくすると友奈が目を覚ました。その声を聞いた響はすぐさま表情を和らげ拳をほどき、友奈を静かに起こしてあげた。
「大丈夫?」
「あ、うん……アレ? 私なんで……はッ!」
目を覚ました友奈は最初、周囲を見渡しなぜ自分がこのようなことになっているのか、どうしてこんな場所にいるのか混乱している様子だった。
だが、その直後に友奈は先程起きた出来事、その全てを思い出したのかその顔は見る見るうちに青ざめていく。
「大丈夫だよ!」
「わっ!? 響ちゃん?」
「大丈夫だから……友奈ちゃんはもう……」
それは友奈を励ますためでもあったが、同時に先程垣間見た友奈という少女の本質へと語りかけるものでもあった。
この日、この少女は多くの人の死を目の当たりにした。そして響は先程の青ざめた友奈の表情から薄っすらとだが感じ取っていたのだ。
この少女の内面に。いくつもの層にて隔たれ、覆い隠された本質を。
(友奈ちゃん……きっと、友奈ちゃんは目の前でノイズに殺された人たち、その人たちの最後の姿を思い出したんだ。そしてそれをまるで……自分の事のように……)
その歪さを……。
(でも友奈ちゃん、友奈ちゃんのせいじゃないんだよ。あれは誰にも、どうすることも出来なかったんだ……。もし誰かのせいだっていうのなら、それは私のせいでもあるんだよ。私だって、あの時ギアを纏えたはずなのに、纏う事が出来なかったんだから、纏わなかったんだから)
何故神樹が、自分をこの少女の傍に置いたのか。その意味が今の響には手に取るように理解ができた。そして、今自分がやらなければいけないことが何であるのかも。
(護ろう……護らなきゃ、この子を絶対に。私みたいに、前向きな自殺衝動なんて言われた、人助けばかりで自分を顧みなかった私みたいに……なってほしくない、しないために……)
しばらくして友奈も落ち着き、響と友奈はどうにか自宅へと2人、自力で帰ることができた。
町での事はすでに立花、結城両家も知っていたので、それはもうすごく心配されたが、響も友奈も無事であったため両家の親たちは安堵の表情を浮かべた。
しかし、その一軒でこの世界の人々は知ってしまったのだ。人を襲う災厄、そのことを。
―――――
―――
―
「響ちゃん!」
「あ、何!? 友奈ちゃん」
険しい顔で一人物思いにふけっていた響を友奈が心配そうな顔で声をかけてきた。
どうやら一人で色々と考えすぎ友奈を心配させてしまったようだ。響は友奈に笑顔を見せ安心させるとしばし二手に分かれた後、この日引っ越してくる2軒の家の人たちに挨拶へと向かうのだった。
「新しいお隣さんだ!」
それはその少女にとってはあまりにも元気で、溌溂としていて、とても明るく暖かな言葉であった。
その少女は他の子どもと大きく違うところがあった。それは車いすであったこと、どこかはかなげで悲しそうにしていたこと。
そんな少女にとって、彼女の元気な言葉、姿は正に太陽のようであった。
「同じ年の女の子が引っ越してくるって聞いて、楽しみにしてたんだ。年が同じなら、同じ中学になるよね。私、結城友奈。宜しくね」
友奈は引っ越しした手でまだここでの暮らしに不安を覚える少女に手を差し伸べる。
「貴方のお名前は?」
そして、明るく優しい微笑みのまま少女の名を聞いた。
「東郷美森……」
その笑顔に少女も安心したのか、微笑みを浮かべ自らの名を告げた。
「こんにちは、こっちの方の挨拶は済んだんだね」
友奈がこの日引っ越してきた東郷家の娘、美森に挨拶と自己紹介を終えるのとほぼ同時に、友奈の背後からもう1軒の引っ越してきた家へと向かった響が来て声をかけた。
「あ、響ちゃん? そっちも挨拶が済んだんだね」
友奈がその声を聞き振り向く。するとそこには響と一緒に、自分と今あいさつしたばかりの少女、美森と同い年くらいの少女が立っていた。
「えっと、友奈……ちゃん、そちらの方々は、お知り合い?」
「うん、私の隣に住んでる立花響ちゃんだよ。あれ? でもお隣の子は……もしかして」
友奈は美森に響の事を紹介するが、隣の少女に関しては面識がなく首を傾げた。するとその少女が友奈と美森の前に出て自己紹介をしてくれるのだった。
「初めまして、今日引っ越してきた小日向未来です」
少女は礼儀正しくそう友奈と美森に告げるのであった。
友奈が自身の家の隣に引っ越してきた東郷家へあいさつに向かうのと同じく、響も自分の家の隣にやってきた家へ挨拶に向かっていた。
実は友奈は知らないのだが、響は今日引っ越してくるこの家の人たちのことをいち早く知っていた。
そして、会える日をずっと楽しみにしていたのだ。
流行る気持ちを抑えきれずに、響は引っ越しの作業を進めていた業者さんたちの間をすり抜け、一番会たかった少女のもとへと駆け寄る。
「未来~!」
「ッ!? 響!?」
そう、引っ越してきたもう1軒の家は響にとって無二の親友である小日向未来の家、小日向家である。
響は溜まらず、元の世界での親友であり、この世界で一番合いたかった少女へと抱き着いた。
そのことで一瞬未来は驚くもののすぐさま彼女も響を抱きしめる。
「会いたかったよ、未来!」
「うん、私もだよ響。やっと、会えたね」
再会を喜ぶ響と未来。しかし少々自分たちの世界に入りすぎていたのか、遅れてあいさつに来た立花家と、小日向家の両親に呆れられてしまった。
「あ、アハハ~」
「もう、響の馬鹿……」
そんな恥ずかしい場面を双方の両親に目撃されたことで響は頭を掻きごまかそうとし、未来は顔を赤らめ俯いてしまうのだった。
友奈そして新しいお隣さんの東郷(美森希望で苗字読み)、そして響と同じく響の家の隣に引っ越してきた未来の4人は揃って街の中を歩いていた。
東郷は車いすなので自らの足で歩くことはできず、自力での移動は慣れているとはいえ体力を使う。なので彼女の車いすは友奈が押していた。
街を紹介していくうちに響と未来、そして東郷は次第に打ち解けそれぞれの事をより多く話すようになっていた。
「じゃあ、元々響ちゃんと未来ちゃんは同じ地域に暮らしてたんだね」
「うん、元々は大橋市に居たんだ」
「ただ、私が神樹館小学校に編入することが決まって、それからはずっと離れ離れだったの」
友奈は引っ越しした手だというのに仲がものすごくよかった響と未来に少しだけ疑問を抱きそう問い、響と未来はその問いに答える。
勿論それは転生する前のこの世界での自分たちの経歴なのだが、それでもこの世界で紡いだ自分たちの歴史に変わりはない。
どんな世界でも自分たちは一番の親友同士なのだ。
「良いなぁ、私も東郷さんとそんな関係になれたらいいな」
「えっ!?」
「え? 東郷さんは、嫌だった?」
「いやじゃないけど、その……突然だったから」
友奈のある意味ぶっちゃけ発言に驚き東郷は顔を真っ赤に俯いてしまった。
(なんか、友奈ちゃんって元の世界での昔の響みたい)
(東郷さんって、外見だけでなくこういう所も未来に似てるような……)
そんな2人の姿に響と未来は不思議と元の世界での、この頃の自分たちを重ねていたのだった。
そうして世間話をしながら友奈、東郷、響、未来の4人はこの町の都市公園にある桜並木まで来ていた。
「わぁ綺麗」
「本当、とても素晴らしい眺めね」
「引っ越して来たのがのがこの時期でよかったね未来」
「東郷さんも」
春真っ盛りとあって、公園の桜並木は満開の花を咲かせていた。その桜並木は2年前に引っ越してきた響にとっても、そしてそこに小さなころから住む友奈にとっても、一番大好きな場所であった。
その桜を響は未来にも見せてあげたいとずっと思っていたのだ。そして友奈も自分の一番好きな場所を響が引っ越してきたときは季節もあってその時には教えてあげられなかったことを心残りに感じていた。
しかし、東郷と未来はちょうど桜の花が咲き誇るこの時期の引っ越しであったので、友奈と響は新しい隣人に一番大好きな場所を紹介することが出来たのだ。
「ありがとう結城さん、立花さんに小日向さんも。引っ越してきたばかりの私に、こんなに優しくしてくれて」
引っ越してきたばかり、それも車いすの自分にこんなに優しく接してくれたことに東郷がお礼を言う。
「良いよ、気にしないで」
「うん、それに、もう私たち完璧友達じゃん」
「そうだね響、東郷さんも結城さんも」
すると友奈も響も未来はそんな統合にそう言葉を返した。
「友達……でもいいのかしら、私なんかが貴方たちの友達で、迷惑じゃないの?」
ふとそんなことを東郷は聞いてしまった。
東郷は正直に言えば不安だったのだ。なぜ友奈と響、そして自分と同じく、この日引っ越してきたばかりの未来まで自分に優しくしてくれたのか。気になって仕方がなかったのである。
というのも東郷にとって友奈、響、未来の3人は事故に遭い車いすとなって初めて言葉を交わした同年代の子たちなのだ。不安にならない方がおかしい。
「え? なんで?」
一方で友奈はその質問の意図が分からなかったのか、すっとぼけたような顔で首をかしげる。
「プッ……ハハハ」
そんな友奈に思わず響が笑いだす。
「ひ、響ちゃんなんで笑うの!?」
「友奈ちゃん、ただ東郷さんと仲良くなりたいってだけだよ。それに、それは私も同じだし」
響は友奈の気持ちを代弁するように東郷にそう告げた。引っ越しして2年しか経っていないとは言っても、既に響と友奈は親友と呼んでいいくらい仲が良くなっている。そんな響だからこそ、友奈がしたいことは手に取るように分かっていたのだ。
「うん、私はまだ結城さんのことは深くは知らないけど、響がそういうのならそうだと思うな」
「それでも不安だっていうなら、友奈ちゃんに直接聞いてみたら?」
「う……うん、結城さん本当?」
そう響と未来の2人に言われ東郷は恐る恐る友奈に改めて問いかける。
「うん、私嬉しかったんだ。響ちゃんだけでなく、お隣に同い年の子が来てくれたってこと」
「結城さん……」
「だから、これからもよろしくね東郷さん」
友奈のその言葉に統合も安心したのか、先ほどまで見せていた以上の笑みを浮かべる。
「私たちも、それと私のことは名前で呼んで。苗字だとなんだかちょっとこそばゆいっていうか……慣れないんだよね」
「あ、なら私も! 名前で呼んでくれたら嬉しいな」
「もう2人とも。あ、私はどっちでもいいからね。私は東郷さんって呼ぶから」
苗字ではなく名前で呼んでほしい。響と友奈はそう東郷に告げる。
「わかったわ。じゃあ響ちゃん」
「うん!」
「それと……友奈ちゃん」
「うん! ありがとう東郷さん。これからよろしくね」
「うん、よろしく友奈ちゃん、響ちゃん、小日向さん」
その数日後、友奈、響、東郷、未来の4人は揃って讃州中学に入学する。
そして、彼女たちは否応なしに巻き込まれていう事となるのだ。
この世界の、残酷な現実の只中へと。
「そうか、小日向は無事、◆◆と共に例の少女と立花のもとに付いたのだな」
「ああ、ここまでは全部予定通りだ」
「では、我々も動くとしようか。この世界を……そこに暮らす人々を防人るために」
「ああ……」
少女たちの日常の裏側で、運命の歯車は静かに回り始めていたのであった。
響と友奈、東郷と未来の出会いの回。
次回からいよいよ勇者部の要となる彼女が出てきます。
次回更新はおそらくですが年明けになるかも知れません。
勇者の章の最終話前は多分無理かもしれませんが、出来るだけ早くにしたいとは思っております。