前のお話から2か月もたってしまい誠に申し訳ございません。
ここのところいろいろ忙しく、こちらは本当手が付けられない状況でした。
今回は物語の終わりにある少女たちが登場します。
誰かは恐らくわかる人にはわかるかと。
時は響たちのクラスにクリスが転校してきた時まで遡る。
ここは響、友奈たちを勇者部に誘った2年生、犬吠埼風のクラス。もとより人当たりの良い性格である風は、いつものように仲の良い友人たち数人と楽しく世間話をしていた。楽しい時間というのはあっという間に過ぎてくもので朝礼の時間となり、担任の教師が教室に入ってきた。
「えぇ~突然ですが、今日は転入生を紹介します」
(転入生?)
突然の担任教師の言葉に風を含む教室内の生徒たちは騒めく。こんな時期に転入生とは珍しい。一体誰なのかと多くの生徒が期待に胸を膨らませる。
「では入ってきなさい」
担任教師がそう転入生を呼ぶと1人の女子生徒が教室に入ってきた。
「今日からこのクラスの新たな仲間となる、風鳴翼さんだ」
「風鳴翼です。よろしくお願いします」
転入してきた女性生徒は整った端正な容姿にスラっとした青色の長髪の少女であった。
「風鳴翼……」
風は何故か知らないがその少女を見た時奇妙な感覚に襲われたのだった。
―――――――――
そして再び放課後まで時間は戻る。
今日1日、響たちのクラスは転入してきたクリスの事で騒がしいものとなった。クリスはあの後再び多くのクラスメイトから質問攻めにあったが、幸い響きや未来たちがフォローを入れたことでどうにかこなすことができ、今は響たちの勧めで響と未来が所属する勇者部なる部活に見学へと向かう途中であった。
響、未来からは今の2人の友人たちである友奈と東郷も紹介してもらい、最初はぎこちなかったものの1日でそれなりには打ち解けていた。
もとよりお人よしが過ぎると内心思ってしまうくらいの響と未来。その友人とあって性格や思考パターンが似通っており、クリスが打ち解けるのに時間はそれほど必要ではなかったようである。
響と未来、友奈と東郷にクリスを加えた5人は勇者部の部室までの道を楽しく世間話をしながら歩いていき、気付けばあっという間に部室の前までやってきた。
「じゃ~ん! ここが私たち勇者部の部室だよ!」
「ふぅ~ん、何だ、意外と普通な感じなんだな」
響と未来、友奈と東郷の4人がまずは戦闘に部室に入り挨拶を行う。
「失礼します! 響並びに未来――」
「友奈及び東郷入りまーす!」
「それと、今回はお客様もお連れしました!」
「来たわね。て、お客様?」
響と未来、友奈と東郷の4人は部室に入るとすでに部室に来ていた風にクリスの事を話す。
「へぇ~アンタたちのクラスも転入生が来てたのね」
「はい! て、貴方たちもってどういうことですか?」
ふと風が言ったことに首をかしげる響たち。
「実を言うとね、アタシのクラスも今日転入生が来たのよ。それだけじゃなくね――」
「犬吠埼、ここで良いのか?」
「ッ!?」
「風先輩、そちらの方は」
最初入ってきたときは気づかなかったが、部室には風の他にも見慣れない上級生の姿があった。友奈と東郷はその上級生の姿に驚き風にわけを聞く。
だがそれ以上に驚いていた人物が3名ほどいた。
「えっ!?」
「うっそぉおおおお!?」
「どういうことだよ先輩!?」
それは言うまでもなくだが響と未来、クリスの3人。
「誰かと思えば立花に雪音、小日向じゃないか。久しぶりだな」
一方、当の本人は何気ない感じに響たち3人にそう声をかけていた。
部室にいた上級性。その上級生は響たちがよく知る人物だったのだ。
「えッ!? これはいったい、どういう事なの?」
「さ……さぁ?」
「どういうことなのでしょうか……?」
尚、風と友奈、東郷の3人は自体が読み込めず3人揃って首を傾げるだけであった。
しばらく時間を置き、ようやく響たちも落ち着いて話ができるようになった。
部室に入ってきた当初はもう、気が動転したというか、もうまともに話などできるような状況ではなかった。
響は大慌てになり、未来は何やら頭を抱え、クリスに至ってはその元凶である上級生に、もう食って掛かっていた。
「それで、何で先輩はここにいるんだよ?」
「なぜも何も、この学校に転入してきたからだが?」
「そうじゃねえ! あたしが言いたいのはな――」
「まあまあ落ち着いてクリスちゃん。これじゃあこの方もお話しできないでしょ?」
再びクリスがその上級生に食って掛かろうとしていたので東郷がそれを止め風に何故ここに彼女、風鳴翼がいるのかその理由を聞いた。
「いやぁ、部活動するのか聞いたらさぁ、咲良の奴アタシの作った勇者部の事をポロっと喋っちゃってね。そしたら妙に興味を持たれたっていうか、えらく気に入られちゃって。まあ部員が多いに越したことはないから、そのまま勢いで部員登録……しちゃって……」
「ハァッ!?」
風の返事に二重の意味で素っ頓狂な声をクリスが挙げた。
1つ目は部長である風のお気楽ぶりに、そしてもう1つは――。
「うむ、勇者という響きに引かれてな、面白そうな部活と思いさっそく入部を決意した次第だ」
この目の前でたった今ぶっちゃけ発言を全開にしている剣先輩に関してだ。
「わけがわからねぇよ……」
どこぞの魔法少女ものアニメに出てくる白饅頭なマスコット宜しくなセリフを吐くクリス。
「それはそうと、転入生含め翼と響、未来も知り合いなのよね?」
「ア……アハハ……はい」
「前いたところで先輩後輩だったんです。響が引っ越した後、私も別の学校へ転入することになって、それ以来ずっと疎遠だったんですけど」
未来と響は翼とクリスと自分たちとの関係に関し風たちに説明する。
もちろん、それはこの世界における自分たちに関してである。
「ということは、響ちゃんにとっては2年ぶりの先輩、旧友との再会だったという事ですね」
「そっか、よかったね響ちゃん、未来ちゃんも」
「えへへ、ありがとう友奈ちゃん」
確かにこの世界に来てから、こうして互いにたちときちんと話すのは久々な響たち。正直なところ嬉しいなんてものではない。
体感にして2年、それは決して響たちにとって短いものではないのだ。
「それじゃ翼さん、クリスちゃんも――」
『ようこそ、勇者部へ!』
何はともあれで新たな仲間を歓迎する友奈たち。
「はぁ!?」
「うむ、歓迎ありがとう皆」
だが、帰ってきた返事は2人それぞれ異なるものであった。
「先輩は兎も角、アタシは入るとは言ってないぞ?」
「え? その為に来たんじゃないの?」
「違う!! というか、なんでいつの間にアタシも入る流れになってるんだよ!?」
クリスはそう友奈たちに反論するが、そのとおりである。
今日クリスは響と未来の2人に、端に誘われたからついてきただけでそもそも勇者部に入ろうなどという気はなかった。
どういう部活か確かめ、そのうえで判断するつもりであり、もし自分に愛想に無いのなら入部することは2人には悪いが断ろうとも考えていたのだ。
「でも、私も未来も、翼さんも入ってるし、ならクリスちゃんも一緒の方がいいでしょ?」
「お前なぁ……て、おい小日向!?」
響からも入部を推す声が上がるが、それでもクリスはかたくなに首を縦に振ろうとはしていなかった。だが、その時未来がふとクリスの手を引き部室の角の方へと移動する。
「クリス……クリスはここに来るとき、何かメールとか来ていない?」
「なんだよ突然……メールって……そういう事か……」
「うん……たぶん……だから……ね?」
「…………わかったよ」
そこで何やら2人で内緒話のようなことを始めた2人。
「ちょっと? あんたたちそこで何ひそひそ話してるのよ!?」
流石に気になるので風が2人を呼ぶ。すると未来は笑顔で、一方のクリスは少し納得いかないといった感じの顔で。
「すみません、ちょっとクリスとお話を」
「しょうがねえから、アタシもこの部活に入ってやる。そん変わり、活動の時はビシバシ行くから覚悟しとけよな!」
そう風に告げた。
「フフフ、鍛えがいあるのが来てくれたわね」
「風先輩! 勇者部、結成してまだそんなに立ってないのに、もうこんなに大きくなりましたね!」
「うん! これで勇者部の力は、さらに倍増ってことね」
結果としてではあるが、本日晴れて雪音クリス、風鳴翼の2人も勇者部へと入部した。人数も増え、正しく風の言うとおり勇者部の力は倍増したと言える。
その直後だが、未来は風にある事を頼む。
「すみません風先輩、実は折り入って相談が」
「ん? どったの未来?」
「せっかくですから、つば……風鳴先輩とクリスにこの街を案内してあげたいと思っていて、今日はお休みをいただきたいんです」
未来の頼みとは今日自分たち、正確には響と自分、翼、クリスの4人は部活を休ませてほしいというモノであった。勿論、それには彼女たちなりの深い事情がある。
「ふ~ん、なるほどね。分かったわ、どっちみち今日は依頼もないし、部活も休みにしようかなんて考えていたところなのよ。いいわ、行ってきなさいな」
「ありがとうございます」
風は未来からのお願いを快く受け入れてくれた。
風の言うとおり、今日は依頼もなかったので勇者部は事実上のお休みとなる。響と未来はクリス、翼を引き連れ今自分たちの住んでいる街を案内してあげていた。
しかし、話す内容は決して明るい世間話などではない。事実、今こうして街を歩く4人の表情は険しいものである。
「こんなに早くお二人がこちらに来るなんて……」
「事情が変わったのだ……」
「ああ……そっちも、もう報せは受け取ったんだろ?」
「はい……」
響も未来の隣で未来たち3人の話に耳を傾けていた。
響は詳しい事情を知ることはないが、それでも一切無関係ではなく、出来る限り3人からこの世界で何をしていたのかなど、情報を得ておきたかったのだ。
しかし、響自身が聞いてもまだ話せる内容ではないと未来たちから返されるばかりであり、今の会話に関しても当たり障りがない範囲でのみのものとなっている。
「立花にはすまないことをしていると我々も感じている。だが、こればかりはな……」
「そうそう話せる内容じゃないんだ」
「大丈夫ですよ翼さん、クリスちゃんも。分かってますから」
正直疎外感を感じてはいるが、響自身元の世界で親友である未来や級友たちに同じように話せない事を幾つも抱えていたこともあって、3人がなぜそうしているかは理解しており不満を感じることはない。
「だが、段階を踏み話していくつもりだ」
「というより……お前にはいろいろと協力してもらわないといけなくなるからね、これから先は……」
もっとも、3人とも何れは響にも自分たちのやろうとしていることに協力させるつもりであり、時が来れば今は話せない内容に関しても話すつもりでいた。
「それはそうと、今日は一体どちらに? 話したいことがあるって聞きましたけど」
そんな中ふと、響は今自分たちが向かう場所がどこなのか疑問に思いそう翼たちに問うた。これに関しては実は未来も聞かされておらず未来も同じようにクリスに聞いていたところである。
「ああ、それに関しては……どうやらついたようだな」
「え? ここって……」
どうやら話し込んでいる間に目的地に着いたようである。
そしてそこは響にとってはなじみ深い場所である。何せつい1年ほど前までそこに通っていたのだから。
「讃州小学校……ですよね?」
「ああ……もうすぐ時間なのだが……」
「どうやら来たみたいだな」
「えっ!?」
すると正門の向こう側から2人、少女らしき人物がこちらへとかけてくるのが見えた。翼とクリスの様子からどうやらその少女たちが2人が今日響と未来を連れ出した理由のようであった。
「嘘……」
「まさか……」
正門からかけてくる2人の少女の姿を目にしたとき、響と未来に正に電流のごとき衝撃が走る。なぜならばその2人の少女。その容姿は響、未来の2人にとって決して忘れてはならない者たちと、ある少女たちと瓜二つであったのだ。
「お久しぶりです。響さん未来さん」
「本当、お久しぶりなのデス!」
その2人の少女とは月読調と暁切歌。
元の世界において、響たちと共にシンフォギア装者として戦った。かけがえのない仲間たちである。
今回はここまでです。
次回、あと1話ほどオリジナルのお話になります。
次回はシンフォギア世界でおなじみのあるお店を出す予定です。