東京喰種 Another Rainy Blue(アナザー・レイニーブルー) 作:紗代
内臓が切り分けられる。
ああ、なんて愛しい赤なのでしょう。
生まれ変わろう。
さあ食べて、大口をあけて子どものようにぺろりと咀嚼し生きていく。
死にゆく糧に感謝を 命は尊く踏みにじられる。
ふわふわの冷たい泡立つ血液に寝かされて。美しい一品に盛り付けられる。
残るのは硬く刺さる骨。
柔らかくなきゃだめなのだ 絞め殺されてえずく目玉が口を開く。
「口に合うキスはもらえたの?」
翌日、目を覚ますと月山さんに付けられた傷が全快していることを確認して「あんていく」へ出勤する。
「おはようございます。」
「おはよう、ミヅキちゃん」
「昨日はすみませんでした。二階貸してもらってしまって・・・でも私、月山さんの家知らないし、うちもあまり知られたくなかったので・・・」
「いいんだよ、ミヅキちゃんの方は傷は大丈夫かい?」
「はい。もうほとんど治ったので・・・月山さんは?」
「月山君ならもう帰ったよ。君によろしくと言っていた。」
「そうですか・・・」
思い出して気が重くなる。私によろしくってそれは謝罪なんだろうか、それともちょっとプライドが傷付いたから逆恨みか近いうちに再戦する、ということなのだろうか?
「それから、トーカちゃんが心配していたよ。」
「あ・・・」
そういえば月山さんと接触することに対して一番心配してくれていたのはトーカだった。結局危惧していた事態になってしまったわけだから後で謝っておかないと。
「・・・トーカが出勤してきたら謝っておきます。」
「そうだね、あの子も君の顔を見た方が安心するだろうからそうしてあげるといい」
「はい」
そして出勤してきたトーカにはやっぱり怒られると同時に心配された。
「ったく、だから月山には関わるなってあれほど言ったのに!!」
「ご、ごめんトーカ」
「・・・今回は一応無事だったみたいでよかったけど、あんまり信用すんなよ」
「うん。さすがに二度も死にかけたくない」
「・・・ならいいけど。・・・とにかく、無事でよかった」
私がちゃんと頷くのを確認し、それだけ言うとそのまま去って行った。
「・・・ありがと、トーカ」
怒りながらも私の心配をしてくれる妹分にこっそりとお礼を呟いた。
「・・・さて、今日もバイト頑張ろう!」
バイトに赫子の訓練に色々あるけど、少しずつ馴染んでいこう。そう気持ちを入れ替えた。
強く、なりたいな。
―――同時刻、東京都内のある雑木林。
「ここもハズレね」
「
「いいえ。赫子も出せないハズレしかいなかったわ」
「ええー、またしらみつぶしですか?」
「仕方ないでしょ、140番とその子供がいないんだから。行くわよ
「へーい。分かりましたよ上官・・・次の宛ては?」
「――――――20区よ。」
そう言って去り行く白コートの男女がいた場所には、赫眼を見開いた血塗れの喰種の遺体が転がっていた。