東京喰種 Another Rainy Blue(アナザー・レイニーブルー) 作:紗代
オリキャラのレイルのそれはある意味師匠のヤモリ以上にえげつない設定です。
私とケイタ君は今ある組織のアジトに軟禁されている。
あの後、幹部(?)の面々の前に連れて来られた私たちは、元々子どもで戦力にならないケイタ君は勿論、私が燐赫だと言うと白い男に「いらない」と言われ、それぞれアヤト君とレイルに下げ渡された。
あの男たちの様子からしてどうやら燐赫以外の答えを欲しがっているようだった。でもマヒトは私にそういう喰種について詳しく話したがらなかったし、私も燐赫以外は使えない。そもそも店長いわく普通の赫子は一つだけで複数持つのは極めて稀なのだと言っていたし、マヒトの出生も知らないので店長たちの言った燐赫の答えしか私は持ってないのだ。
ケイタ君はどうなっただろうか。アヤト君は悪ぶってるけど根本的にはいい子なのでケイタ君に冷たく当たることはあっても酷いことはしないだろう。このまま二人で脱出してくれないだろうか。いや、アヤト君はここに所属しているわけだから安全といえば安全だ。ならケイタ君のことだけだ。私のせいで巻き込んだも同然なのだし。無事に逃亡していることを願おう。
私、私は――――――もうダメかもしれないから。
頭、髪、顔、胸、おそらく卵巣、子宮、性器、肛門、臀部、腿。
そこ以外の臓器や部位は穴を開けられたり、焼かれたり、かき混ぜられたり、千切られたり・・・多種多様かつ的確な傷つけられ方をしている。おかげでほぼ脊椎と皮一枚で辛うじて繋がる
それでも死なないのは、そうなった直後に無理矢理食事させられるからだ。
ここに来て、この椅子に縛られて、いや今となっては乗せられて、もうどのくらい経ったのだろう。きっと拷問なんてのは形だけでもうこれは
――――――きっと私もこのまま玩具にされて終わるのだ。
奴の作業にはRc抑制剤注入からの拷問、致命傷になり兼ねない傷を負わせたときに食事で延命させる。の大まかな繰り返しのみが共通しており、拷問の内容は統一性がなく何をされるか分からない恐怖に晒される。
いっそのこと正気を失えればいいのに。1000-7の数を順に言っていかないともっと酷くされるので正気を失うことは許されない。
私をなぶってくる手
私に向けてくる興奮した血走った目
発狂するように叫び続ける大きくて耳障りな声
ああ嫌だなこんな奴のせいで、よりによってこんな姿で死ぬなんて。
なんで世界はこんなにも優しくないんだろう。
「そんなの、今に始まったことじゃねえよ」
え
「・・・なんで」
不意に声のした方を見ようと顔を上げた。見慣れた、懐かしい姿に思わず目を見開いた。
「久しぶりだな。ミヅキ」
「――――――マヒト」
*****
「―――14区、ですか?」
私は書類を処理する手を止めて真戸さんの話に聞き返した。
「ああ、近隣住民から通報があってね。なんでもある廃墟に喰種が住み着いていると」
「たしかに14区に廃墟はありますけど・・・正確な場所は?」
「その通報があった公衆電話の位置からするに一ヵ所だけ近い廃墟がある。」
「子どもの悪戯という事じゃなくてですか?」
「それは我々も考えましたが、受話器越しの声が掠れて息絶え絶えの状態のもので通報を受けて巡回していた捜査官がその公衆電話を見に行ったところ、その場所に血痕があったらしく・・・少なくともその廃墟になにかがいると考えて間違いないそうです。今その捜査官たちが現場に向かっていますが、その後の連絡はまだ来ていません。」
「たしかにそれは怪しいですね・・・」
「しかし血痕が発見され、捜査官たちが廃墟へ向かいもう一時間が経過した。何かあったと考えるのが妥当だろう。この急な案件に集まれる者たちはほとんどいなくてね。そこで私たちと君にそこに向かった捜査官たちの救出、ひいては調査と殲滅の命が下された。」
「相手がどの程度の規模なのか分からない以上、やはり少数精鋭で向かった方がいい、ということですね」
「その通りだ、君の回転の速さには助かるよ」
「私たちの他には?」
「黒磐特等の班にも声がかかっているが今は別件で手を離せないらしくてね・・・我々と合流するのは時間がかかるそうだ」
「なるほど・・・少し厳しいかもしれませんが、行きましょう」
「君ならそう言ってくれると思っていたよ」
愛用していた甲赫クインケ・アギトはこの間破壊されたので今は手元にない。なので他のクインケを使わなければならないのだけど・・・
あれはなるべく使いたくないが、この緊急時にそんな我儘は言ってられない。
私は真戸さんと亜門さんに断りその場を離れるとラボラトリーへ急いだ。
通報したのはもちろんケイタ君。アオギリはボディチェックとかしてないと思いたい(10円玉取られたら終わりなので)。
それぞれのヒロインの過去に関しての伏線を散りばめた回です。