俺は、更識楯無が好きだ!   作:haze

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今回は、更識楯無視点でお送り致します。
どうしてもここまでは一気に投稿しておきたいと思っており、どうにか今日中にここまでは執筆が終わったので投稿します。

お気に入りや評価、感想等一つずつ見させていただいております。ありがとうございます!



更識楯無の心情風景と大魔神降臨

 私は初めて彼に会った時、まったく何を考えているのか読めない無表情な人、そう思った。口数も少なく不機嫌そうな顔で、余計にわからなかった。

 学園長に彼のことを頼まれた時は、あまり乗り気ではなかった。

 でも、更識家17代当主として依頼された。

 

 資料を見たときその経歴からあまりいい人には思えなかった。中学の時には学校で大暴れして「大魔神」と呼ばれるほど恐れられていたようだし。何をすれば、こんなあだ名がつくのだろうか?

もちろん、一般人に負けるほど私は弱くない。でも、一緒にいたいとは思えない。

 

 

 初めて自己紹介した時、彼は私を見たまま何も言わず私はどうすればいいかわからなかったけれど少ししてから「よろしく」と言ってくれた。

 出会った当初は距離感が掴めなくて苦労した。

 でも、その日二人で話してみると彼は資料に書いてある人と大違いだった。私がからかっても無表情ながら乗ってくれた。そのあと、シャワーを浴びたのだけど私も少し緊張していたようで着替えを持っていくのを忘れてしまった。

 うう、恥ずかしい。

 夜寝るときに、もう一度からかってみた。念のため、夜は寝ずに警戒していたのだけど、彼は私を襲うような素振りをまったくしなかった。私って魅力がないのかしら。安心したけれどなんだか釈然としない気持ちになってしまった。

 翌朝、彼は趣味でよく淹れるコーヒーを淹れてくれた。言葉が出ないほど美味しかった。虚ちゃんの紅茶と双璧をなすほどね。今度から彼の淹れたコーヒー以外飲めないわ。

 その日、一緒に朝食を食べに誘った。初めは迷惑だったかな。と思ったけれど、「いいよ」て言ってくれた。私はその時に初めて彼から表情を引き出せた。

 

 朝食の時、虚ちゃんと薫ちゃんに会ったのでお互い自己紹介していた。なんだか私だけ会話に入れてない。

 べ、別に寂しくなんかない。その代わり残りのヒレカツ全部もらうから。

 その後、お詫びにお弁当を作ってあげるって伝えたら無表情だけどどことなく嬉しそうに見えた。

 その日の夕方、なんでそんなに私が大神君のことを気に掛けるのかを聞かれた。言葉にして改めて伝えてみるとなんだか恥ずかしいわね。

 その時、初めて笑って「ありがとう」って言ってくれた。嬉しかった。笑ってくれた。

 そんな彼の笑った顔を見たときだろうか、私が彼のことが気になり始めたのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜にISの知識を教えていた時急に彼が笑い出した。なんでも私の口調が面白かったそうだ。こうして、一緒にいると彼はとても感情が豊かだ。でもそれを表情で表すのが苦手なようで今まで勘違いされていたみたい。

 そんなことを考えていたら、まだ彼は笑い続けていた。

 む〜流石に笑いすぎよ。

 拗ねたフリをしていたら、彼が慌てて謝ってくれた。

 

 

 

 朝食を部屋で一緒に食べないか提案してみた。それっぽい理由を付けたけど、本当は、彼が楽しそうに笑ったりしている姿を他の生徒に見せたくなかった。彼には悪いことをしたと思う。ごめんね。

 朝食の件は、直ぐに快諾してくれた。断られたらどうしようかと思ったけれど、よかった。彼にわからないように私はそっと安堵した。

 

 

 

 

 

 ふふっ♪面白い情報聞いちゃった♪大神君、本音ちゃんにみーくんって呼ばれてるみたい♪今度からみーくんって呼んじゃおう♪

 

 

 二人で売店に朝食で使う食材を買いに行った。男の人とこうやって歩くのは初めての事でもし私が誰かと結婚したらこうして毎回誰かと歩くのだろうか?今まで男性と関わるようなことは無かったし更識の家の人間としてそんな時間はなかった。私がそんなことを考えているとき、大神くんが私に声を掛けてきてビックリしてしまった。この時、おそらく私の顔は、真っ赤に赤くなっていたと思う。大神くんにバレないように「朝食で使う調味料忘れたからここで待ってて」そう声を掛け私はその場を離れた。

 

 

 

 翌日、初めて家族以外に食事をつくった。大神くんは私が感想を言って欲しいのをわかっているのに、見て見ぬフリをしていた。

 

 む〜、みーくんのいじわる

 

 でも、そのあと、「美味しい」って一言だけど言ってくれた。ただ、一言だけど、美味しそうに食べておかわりまでしてくれた。

 

 

 

 初めてISの訓練をした時のこと。

 ISスーツははっきり言ってとても露出が激しい。操作性を最大限まで効率化する為というのはわかっている。今までは、女の子しかいなかったからそこまで気にしていなかったけれど、今年は男子が二人いる。

 一度自分の恰好を意識してしまうと変に気を使ってしまう。大神君はどう思うのかしら。ちょっぴり気になった。

 なのに、彼は、無表情だった。そんなに私は魅力がないのかしら。胸も他の生徒より大きいし、体型も維持しているのに。

 

 

 彼のIS操縦技術は体で覚える方が得意なようで習得は早かった。流石に乗ってすぐはよくコケていた。急に走り出し、ズッコケた時はあまりに見事なコケ方で笑い過ぎちゃったけれど。

 

 

 

 

 

 

 そして、ついにクラス代表決めの日になった。

 彼自身クラス代表にはなりたくないそうだが負けるのも嫌だと言っていた。

 放課後、私は彼にバレないようアリーナの端の方から試合を見ていた。

 最初はシールドをうまく駆使して対抗していた。ビットが展開してからは防戦一方になっていたけれど致命的な攻撃は全て防いでいた。しばらくして対戦相手のイギリス代表候補生の子が、彼のことを馬鹿にしていた。

 私は、それを聞いて、彼の努力を何も知らない対戦相手に一言、言ってやりたかったけれど、今は彼の試合だ。邪魔をする訳にはいかない。だから私はそんな気持ちをぐっと堪える。

 

 何も言わない彼に対戦相手は、更に彼を貶しだした。その中で、代表候補生の

 

 「あなたに指導したという上級生の方はさぞかしダメな方なのでしょうね、そんな方に指導を受けるあなたも哀れですわね」

 

 次の瞬間、遠目に見ても彼の雰囲気が変わったのが分かった。

 

 「お・い、も・う・一・回・い・っ・て・み・ろ。今、な・ん・つ・っ・た?」

 

 「だ、だから、あなたを指導した上級生はダメな方であなたもかわいそうと言ったのですわ」

 

 「・・・俺はさ、自分のことならいくら馬鹿にされても構わん。でもよ、流石に俺のことを毎日助けてくれている更識のことまで馬鹿にされるのは我慢できねぇや」

 

 大神君は私のことを馬鹿にされたことが許せなかったみたいだ。

 

 「な、ならば、どうなさるのですか?もう、あなたの機体のシールドエネルギーは、ほとんど残ってないというのに」

 

 「あぁ?だからどうしたってんだよ?勝ち負けなんざどうでもいい。ただ、俺は、何も知らねぇお前が更識まで馬鹿にしたことが許せねぇだけだ。お前如きが、語っていいような女じゃねーんだよ。俺の大事な奴を侮辱したんだ。覚悟はいいな?」

 

 そこには、いつも知っている大神君はいなかった。そこには、人の形をした何かがいた。

 そのまま彼は緩慢ともいえるゆっくりした動きで両手で持っていた唯一の武器を捨てた。そのまま、ゆっくりと顔を上げた彼に私は恐怖した。ただ怖かった。いつもと同じ顔なのに。

 

 その後は、相手の選手に同情するくらい大神君の攻撃は苛烈だった。

攻撃自体は素手なのだが相手のISに情け容赦なく殴り続けていた。殴り飛ばし衝撃で体勢の崩れた敵を掴み、引き寄せながら、蹴り飛ばし、空中に打ち上げられた相手にも追撃をして、相手の狙撃銃を素手で握りつぶし、残ったBTビットで撃とうとしても、回避され、彼の投擲したシールドに潰され爆発四散した。ここに「容赦」の二文字はなかった。抗うことさえできないのだ。ただ、過ぎるのを待つしかない嵐のようだ。今の彼は、私でさえ今の彼の正面に立ち戦いたくない。ISの操縦は正直言って無茶苦茶だったけれどそれが逆に次への動きを読めなくしている。

 

 私は、ここで資料に載っていた「大魔神」の意味がようやく分かった。

 

 それから、相手が自爆同然で放ったミサイルビットの攻撃により彼の乗るラファールのエネルギーが切れ試合が終わった。

 終わったとき、私は彼のことが怖かった。でも、彼があそこまで怒ったのは私の為だったと思うと大神君の相手の子には悪いけれど嬉しかった。なんだか胸が暖かくなった。

 

 

 試合の終わった大神君はピットに戻った後どこかに行ったみたい。

 私は大神君を探すためにアリーナからに出た。季節外れの冷たい風が頬に吹き付ける。大神君の試合が気になって今日の天気予報を見忘れていたので結構肌寒い。声をかけてみたけれど大神君に無視された。なにやら、先ほどの試合で何やら思うことがあったらしく、彼は私に気づかないまま、歩いていった。少し心配になって付いて行った。彼は、自分の試合の後、織斑君の志を聞いて自分にはそんなものはなく、ただ相手に対して八つ当たりのように闘ったことを悔いているのだ。だから、私はそんな大神君に拠り所を志を与えてあげた。

 そのあとの彼は、今までで一番かっこよかった。その時、私は、あぁ〜、私、大神君のことが好きになっちゃったな〜なんて他人事みたいに考えていた。私ってこんなに惚れやすい女だったかしら。

 

 

 

 

 

 次の日のこと。

 私は、最近無理をし過ぎていたようだ。頭がぼーっとする。食欲が出ない。でも、大神君に迷惑をかけないようにしようとした。でも、無理だった。

 私は大神君に抱き上げられ、ベットに運ばれた。

 

 ごめんね。大神君迷惑掛けちゃって。ごめんね、心配かけて。大神君のせいじゃなの。私が自分の体調管理をしっかり出来なかっただけだから。そんなに自分を責めないで。本当にごめんなさい。

 

 

 

 

 そのあと、私は大神君を無理矢理送り出しベットに潜り込んだ。

 学園で一時間目が始まった頃かな。大神君はちゃんと授業受けてるかしら。大神君、ちゃんと授業に着いていけてるかしら。大神君にちゃんの私は教えてられてるのかな。そんなことを考えていると、不意に部屋の扉が開いた。

 そこには、私が今考えていた彼が立っていた。

 「……なんでここにいるの」

 嬉しかった。でも、彼は私との約束を守ってくれなかった。少し怒りながら聞いてみると、早退したらしい。大神君のことだ。少々無理矢理早退してきたのだろう。彼に話しかけられて、NOとはっきり言えるのは織斑先生くらいだろう。ちなみに織斑先生は、今日のこの時間は、会議でいない。

 彼の言っていることは屁理屈だけれどそうまでしてここに戻ってきてくれた彼のことが私は好き。

 私は嬉しくて泣いてしまった。大神君はそんな私を見てオロオロしていたけど、私は嬉し過ぎて暫く涙が止まらなかった。

 そんな私を大神君は、泣き止むまで不器用なのに撫で続けてくれた。

 

 

 

 

 大神君、いえ、亮君、私をこんな気持ちにさせたのだから、責任はちゃんと取ってもらうわよ。もう絶対逃がさないんだから。

 




今後もちょくちょ楯無視点を交えていきたいと思います。
とりあえずは、ここで一区切りです。

今日中に間に合ってよかったです。
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