俺は、更識楯無が好きだ!   作:haze

11 / 19
早くも多くの読者様に読んできただき日間ランキングにも入ることができました。

作品の導入から最初の大きな区切りまでは一気に投稿したのでここからはゆっくり進めていこうと思います。




コーヒーの準備はよろしいか?…ビールでもいいよ


不器用な二人

 

その日の夜には更識の体調も回復した。

 念のため夕食は部屋で摂ることにした。いつもはからかってくることがほとんどなのだが、看病をするために戻ってきた後くらいからよく俺に甘えるようになった。まるで喉をゴロゴロ鳴らしながら擦り寄ってくる猫のようだ。初めは新しいからかい方かと思い警戒したがそうでもないらしい。うん、可愛い。

 

 「ねえ、亮君、食べさせて?」

 

 「もう自分で食べれるだろ」

 

 「嫌よ、亮君が食べさせてくれないと美味しくないもん」

 

 「…なんだそりゃ」

 

 「ねぇ、はやく」

 

 「……………ほら」

 

 「ふふっ♪ありがと」

 

 そういえば、いつの間にか、更識が俺を呼ぶとき「大神君」から「亮君」になった。家族以外で「亮」という名前で呼ばれたのは初めてだ。名前の呼び方が変わるだけで更識との距離が今までより近くなれたようで頬が緩む。夕食を食べ終わり、更識が「抱っこして」と甘えてきた。仕方なく、本当に仕方なくだが、更識を椅子からベットまで運んでやった。女性特有の甘い香りと抱えた時の柔らかさにクラっと来た。

 直ぐに更識をベットまで運んだ後、食器を片付けてくると言ってキッチンに向かった。

 

 

 キッチンに向かった俺は食器をシンクに置き、大きく息を吸う。

 両手をキッチンに付いて目を瞑り先ほどの出来事を回想する。

 

(なんなんだ!!更識のあの異常なまでの可愛さっ!!甘えて来てくれるのは、両手を挙げて喜びたい。だが!だが、あのまま部屋に居ては、俺の理性が持ちそうにない。)

 

 猛る気持ちをどうにか落ち着けようとした。

 

 

 

 猛る気持ちを押さえつけ無理やりいつもの表情を取り繕う。そうしてもう一度大きく深呼吸をしてから部屋に戻った。

 

 

 

 

 そのあとは今日の俺のクラス代表決定戦の記録映像を二人で見た。

 

 「………………………」

 

 俺は、相当恥ずかしいことを口走り、その後、ラファールで突撃していた。恥ずかしィーーーー!!そして、俺は対戦相手を今の俺でも引くくらいボコボコにしていた。うわーーないわ。人としてどうなのよ。

 そう思い更識にも引かれてるだろうなと思い隣に座る彼女を見てみると、ニコニコして幸せそうだった。

 っ!!おい、俺の会話シーンだけ、連続再生しないでくれ!やめろぉぉぉぉ!

 

 

 

 消灯時間になり、俺の羞恥動画上映会も終わり寝ることにした。その間更識はずっとニコニコしていた。早く今日のことは忘れてくれ。

 

 

 

 翌朝になっても更識はずっとニコニコしたままだった。朝練は更識は病み上がりの為、部屋で待機させておいた。彼女にはもっと自分の時間を大事にしてもらいたい。

 

 朝練も終わり、部屋に戻ると既に朝食が準備されており、二人で食べた。その際美味しいと伝えたら、

 

 「ありがとう♪亮君」

 

 なぜ更識はこんなにも可愛いのだろうか?朝から俺は、心拍数が上がりっぱなしだ。

 

 

 

 

 

 

 それから、クラス代表は一夏に決まったようだ。一夏に祝福の言葉をかけていると、金髪ことセシリア・オルコットが俺に声を掛けてきた。かなり怯えながら俺に謝罪をしてきた。俺としても、あの戦闘映像を見た後だとかなり申し訳ないことをした。相当の恐怖を味わったそうな。こちらも一言謝っておいた。それから、今日の夜にクラス代表決定の打ち上げをするので来てくれと言われた。クラスのイベントには少し位顔を出しておかないと、これから一年間気まずいままなので参加しようかなと思う。

 学校のことについては、他にこれといった事はなかった。強いて言うならオルコットが一夏に惚れたようだ。どうも俺が帰った後の試合で何かあったようだ。一夏と話している時は、なんか頬を赤らめうっとりしたような顔でいる。その後ろでは、篠ノ之が悔しそうな顔で立っていた。このままでは、いつか一夏は後ろから刺されるのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 放課後の特訓は更識に無理をしないように言い座って見てもらっていた。特訓も終わり、今日の夜にクラスの打ち上げがあるから行くことを伝えておいた。そしたら、

 

 「そうね……クラスに打ち解けるのも大事よね。いってらっしゃい。」

 

 と言ってくれた。その後、更識は生徒会の仕事があるからと言いいつもより早く別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日の特訓が終わり打ち上げまで時間があるので部屋で待っていたが更識は戻ってきていない。また、無理をしていないか心配だ。でもまぁ生徒会室には布仏姉がいるから大丈夫だろう。

 そんなことを思っているとノックが聞こえ出てみると一夏がいた。なんでも今から打ち上げに行くからと俺を誘ってくれたようだ。嬉しいのだが、後ろに控えるオルコットと篠ノ之が怖い。もう少ししてから、行くと伝え、申し訳ないが断った。というか混ざりたくねぇよ。その後、一夏が去ったのを確認した後、違う通路を使い打ち上げ場所の食堂に向かった。

 

 

 

 

 さて、打ち上げをしているのだがやはり俺はボッチだ。まぁ少しずつ馴染んでいきたいと思う。

 更識は、今頃何してんだろうな?そんな事を考えていたら見知った顔の二年生が織斑めがけ突撃をかましていた。あれって黛だよな。よくあの女子密集地帯に突撃していけるな。しかも、取材がかなり強引だ。あの一夏が若干引いている。

 

 その後、一夏の取材が終わった黛は俺の方にやってきた。

 

「やっほー、大神君、クラスには上手く馴染め………てはないようね。」

 

 「まだ、馴染めてないだけだ。希望はある」

 

 こいつとは同い年でもありいろんな所でも会うので比較的話しやすい。というかこいつを含めて数人しかいない。

 

 「まだ、なのね。馴染もうとはしてるんだ、メモしとこっと」

 

 「おい、何でもかんでも記事にするなよ。まさかとは、思うが捏造なんかはしてないだろうな?」

 

 「そ、そんな事するわけないじゃない。ははっ、大神君は変なことを聞くのね」

 

 怪しい。まぁ俺に被害がない限りいいが。

 

 「あぁー、そういえば、大神君ってばたっちゃんのことほったらかしにしたでしょ?」

 

 「?」

 

 「ちゃんと部屋に戻ったらフォローしときなさいよ。わかった?絶対よ!」

 

 「あ、ああ」

 

 「ならいいわ。さぁ、二人しかいない男性IS操縦者のツーショットをとるわよ。ついてきて!さぁーいくわよ」

 

 更識をフォローしろ、か。

 

 俺は、黛に引っ張られ一夏たちと写真を撮らされた。その後、打ち上げ自体はまだ続いていたが、俺は更識に会いたくなったので帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………ただいま」

 

 帰ってきた俺が目にしたのは制服のままベッドにうつ伏せで倒れている更識だった。

 

 「更識体調が悪いのか?」

 

 

 「……ちがうわ。」

 

 「ならどうした?」

 

 「………なんでもない」

 

 ふむ、俺は一体どうすればいいのだろうか?そう考えながら俺は恐る恐る更識のベットに座り、うつ伏せに寝ている更識の髪に触れる。俺の針金のような硬い髪ではなく更識の髪は柔らかく艶めいている。

 

 「ねぇ、打ち上げは終わったの?」

 

 「んあ?まだ続いてる」

 

 「どうして帰ってきたの?」

 

 「それは………楽しくなかったからだ」

 

 「楽しくない?」

 

 「ああ、椅子に座ってぼけっとしてるより、俺はお前といた方が楽しいし、落ち着く」

 

 本当は更識に会いたいから帰ってきた、なんて恥ずかしくて言えない。

 俺は、一夏のように鈍くない。更識が俺に対して少なからず好感を抱いてくれていることくらいわかる。というか嫌われてたら死ねる。打ち上げの場で黛が俺に言ったフォローしろということの意味が分からないでもない。

 もちろん、更識にも俺がどう思っているか位は分かっているだろう。だが今まで他人と関わってこなかった不器用な俺では上手く口にすることができない。だから、しばらくは俺たち二人の関係は少し特殊なままだろう。だが、それでもいいと思う。俺は今のままでも十分だ。

 

 そんなことを思い、更識の頭を撫でるのをやめ俺は立ち上がった。

 

 「更識、コーヒーでも飲むか」

 

 「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、互いに互いを意識しているが、まだ素直に伝えられていない不器用な俺ら二人だが、今を十分楽しんでいる。今俺たちは二人で並んで座りコーヒーを啜っている。更識は猫舌のようだ。少しずつ、コーヒーを啜っている姿が可愛すぎる。抱きしめたいくらいだ。

 

 「そ、そういえば、明日中国から代表候補生が転入してくるの」

 

 「そうか」

 

 「亮君は興味ないの?」

 

 「ないな」

 

 「私、写真で見たけど可愛い子だったわよ?」

 

 「たとえ、そうであっても興味はないな。俺には、他にとても気になる奴がいるからな」

 

 「ふふっ。そう、ならその子に愛想尽かされないようにしないとね?」

 

 「そうだな。善処しよう」

 

 そう言って俺たちは、二人して笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 消灯時間になり二人共ベットに入り、眠る間際のこと

 

 

 「なぁ、更識、今日俺がいなくて寂しかったか?」

 

 「・・・・・・うん」

 

 「そうか。俺も実はお前に会いたくてすぐ戻ってきた」

 

 「えっ!?」

 

 雰囲気さえどうにかなれば、案外素直に言えるようだ。俺は、その後すぐ、気恥かしさを隠すため無理矢理目を閉じ眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝からは更識にまた倒れて欲しくないので今日から朝は一人で走ることにした。俺と違って更識には、他にもやらなくてはならなことがたくさんある。渋る更識をどうにか言いくるめ俺は一人外に走り出した。

 

 いつも通り朝練を終え部屋に入ると、

 

 「おかえりなさい。お風呂にする?ご飯にする?それとも、わ・た痛っ。痛いじゃないの」

 

 更識がしょうもないことを言ったのでデコピンをお見舞いしてやる。そしてそのまま俺は通り過ぎ風呂場に直行した。からかわれるだけの俺ではないのだ。人間は進化するものだ。ふっはっはっはっはっ

 

 

 

 風呂を上がった後二人で更識の作った朝食を食べてコーヒーを飲み登校時間まで時間を潰していた時、俺はもう一度無理はするなと釘を刺しておいた。頼むからもっと自分のことを大事にしてくれ。更識がしっかり頷いたのを確認したあと二人で登校した。何気ない会話を挟みつつの登校だが俺はこの上なく心地がいい。昇降口で別れ教室に向かって歩き出しす。

 

 自分の教室についたのだか入口に……なんかちっこいのがいた。

 邪魔なんだが。

 

 「っ!!ごめんなさい。……また、後でくるからね。逃げないでよ一夏!」

 

 どうやら邪魔と思ったのが口に出ていたようだ。しかもまた一夏の知り合いのようだ。あっ、廊下走ってったから織斑先生の出席簿アタックくらってるし、俺はまだくらった事はないがどう考えてもただで済むような威力ではないと思うんだが。あと出席簿ってあんなに頑丈なんだろうか?叩くため用の特注品とかだったりして。

 

 

 

 その日の休み時間に一夏があのちびっこは中国の代表候補生だと言っていた。一夏の知り合いって有名な奴ばっかだな。

 

 

 

 

 

 さて、今日のホームルームでは今度クラス対抗のイベントがあることを聞いた。優勝商品は、食堂のデザート券のフリーパスだそうだ。女子は大盛り上がりだ。俺は……更識と二人で食べに行こうかな。まぁ、一夏が優勝したらの話だが。

 

 

 

 放課後になり、武道場で更識の監修のもと今日も俺は特訓した。最近は筋肉痛にならず、体も全体的にスマートになり、自分でも動きにキレが出てきたと思う。さて、今日はメニューもいつもより早めに終わり、更識も生徒会の仕事がないようなので少し早いが帰ることにした。こんなに充実した生活を送るのはいつぶりだろうか?西の水平線に沈んでいく太陽を見ながら俺は、ふと思った。

 

 

 「どうしたの?みーくん、早く帰りましょ♪」

 

 「ああ、今行く。あとみーくん言うな」

 

 

 

 

 

 

 




予約投稿便利ですね。
昨夜は休みのはずが出かけることになったので予約投稿使ってみました。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。