次あたりから手直しする箇所が一気に増えてきました。
さて、更識に臨海学校から帰った後に気持ちを伝えると言ったヘタレな俺は、今クラスの連中と一緒にバスに乗り目的地に向かっている。俺としては目的地について遊んだりするよりこうやってバスに揺られながら車窓から外の景色をボーッと眺めている方が好きだ。ただ。ただもう少しバスが静かならもっと嬉しい。
そう思いながらゆっくりと視線をバスの中に戻すと、いつもと違う雰囲気でテンションの上がっているクラスメイトがいたり。まぁ、このくらいなら微笑ましくていいのだが、一夏周辺になると話は変わる。篠ノ之、オルコット、デュノア、眼帯ちゃんの四人が一夏を巡り激しく火花を散らし、それに気づかない一夏。なんなんだ!あいつは!朴念仁にもほどがある!
そんなこんなでいろいろとカオスな空気を一夏周辺で作り上げながら、俺たちの乗ったバスは進む。ちなみに俺の隣は本音なのだが、バスに乗って直ぐに寝た。さっきから念仏のように寝言が聞こえてくる。お前は一体どんな夢を見ているんだ?
あぁ、更識に会いたい。
どのくらいバスに乗り続けただろうか?カオスすぎる空間にいた為、時間感覚が狂ったようだ。
暫くすると長いトンネルに入った。そしてそこを抜けると大海原が目に飛び込んでくる。この時ばかりは皆会話をやめ、一様に海に見入っていた。
俺の実家は日本海側にあるためまず初めに思ったのが海の色が違う。そう思った。日本海側の湾内にある俺の家から見える海はすこし緑の濃い色をしている。植物性プランクトンが多いため、海の色がそう見えるそうだ。変わって、今見えている海は、青い。同じ海なのにこんなにも違うのかなんて一人感心していた。そうだ。写真撮って後で更識に送ろう。
「ふえ〜、みーくんもう着いたの〜?」
どうやら、本音が起きたようだ。
「いや、まだもう少しかかるようだ」
「そうなんだ〜。ありがと〜。あ〜海だ〜」
寝起きでも話し方が変わらない。と言うことは、いつもの話し方が素なのか!
俺はここでも一人感心していた。更識がいないとまともに話すやつがいない。違う、話してくれる奴がいない。
それから、暫く海を見ながらバスに揺られること十分ようやく臨海学校の宿泊先となる旅館に到着した。そこで、一夏と俺が何故か挨拶をすることになった。なんで?えっ、二人しかいない男だから?それって挨拶と関係あんの?
それと、挨拶の時に気がついたのだが俺の髪は結構伸びているようだ。ふむ、今度切りに行くとしよう。
そんなどうでもいいことを考えていたら部屋割りが発表されていた。
えーっと、俺は………一夏と同室で、女子の過ごす本館から離れた離れの部屋か。まぁ妥当だろうな。そこはかとなく部屋が離れというのは教師陣の心遣いが垣間見える。
各自部屋に荷物を置いたら、今日の午後は一日中遊んでいいらしい。
「なぁ、亮。早く荷物置いて泳ぎに行こうぜ!」
自分の荷物を部屋へと放り投げた一夏が外に出たくて仕方がないといった様子で話しかけてくる。
「ああ。わかった」
いいな。若者は。って言っても一歳しか変わらないが。
その後、離れにある自分たちの部屋に荷物をついて窓からのぞく景色を堪能する。ここの場所がいい。なんというか、某ブラックでジャックな闇医者の家のように崖の上に建っている。落ちたらヤバそうだな。そんな事を考えていたら一夏が早く海に行こうと急かしてきた。はいはい、今行きますよ。
それから、一夏に急かされながら、砂浜に着いたのだが、どこを見ても、水着の女子ばかりで目のやりどころに困る。あーいい天気だなぁ。
「み〜く〜ん、泳ご〜」
この呼び方は間違いなく本音だ。振り返って見るとなんかいた。ん?なんでこいつは着ぐるみ着てんだ?
「なぁ、本音。なんで着ぐるみなんて着てるんだ?」
「む〜、みーくんもそんな事言うの〜。これは水着だよ〜」
えー、冗談きついぜ。ほら、後ろ見てみろよ。相川も鷹月も苦笑いしてるじゃねーか。
「そうか。俺はもう少ししてから泳ぐから三人で遊んできな」
本音たちと別れた後、俺は、彼女たちを通して他のクラスの連中と打ち解けるチャンスだったことに気づいたがもう遅い。
過ぎたことは、もう忘れ俺はここら一帯を散策することにした。ここの砂浜は結構広いらしい。海を見渡してみるとここから離れた海上にポツンと島があった。遠泳してみようかと思ったがさすがに遠すぎるので諦めた。それにあまり皆と離れるのもよくないだろう。
さて、ここらの散策も終わり、泳ぐことにする。
俺は、海が好きだ。泳ぐことも好きだ。釣りができるし、水中では息の続く限り地上ではできない動きができる。水中は地上とは全く違う世界が広がっている。例えば、生き物なんかを例に上げるとタカアシガニなんかがそうだ。あの蟹は、地上では、立つことすらままならない。水中にのみ適応した形をしているのだ。水中を泳ぐと改めてこの地球には、様々な生き物が生きていると改めて実感する。そういえばISの海中での性能はどうなっているのだろうか。地球の深海はまだまだ未到達の場所のほうが多い。やサイドスキャンで探査できる範囲など高が知れている。
それから30分ほど俺は海面を波に流される海藻のように漂い続けていた。
更識とも海に来たいと思う。更識の水着姿見たい。いや、でも他の人間には見せたくないな。
俺は、そんな事を考えながら漂っていた。
そろそろ息が苦しくなってきたので顔を上げ呼吸をしてのだが、俺の目の前で着ぐるみ一つとそれを引っ張りあげようとする二人の女子が溺れていた。慌てて着ぐるみを海面まで引き上げ、着ぐるみと一緒に溺れていた二人を引っ張り上げ、砂浜まで戻ってきた。
「なぁ、本音なんで、溺れてたんだ?着ぐるみなんか着てるからだよな。そうだよな?」
「えっとね〜みーくんが溺れてると思ったから〜助けに行こうとしたんだよ〜。そしたらね〜この水着が重くてね〜沈んじゃった〜」
あくまで、着ぐるみのことを水着と言い張る本音。そして、なぜ、溺れていたのかの理由が俺だという。心配してくれて感謝すべきなのだろうが、着ぐるみのままの本音を見るとなんか素直に感謝しづらい。
「まぁ、そのなんだ。心配してくれてありがとな。本音。鷹月と相川もありがとう」
「ど〜いたしまして〜」
「う、うん」
「か、感謝されるようなことはしてないよ」
今回のことは、俺が逆に助けることになった訳だが。そうなった理由も俺な訳だが。俺の事を心配してくれる子がクラスにもいることが分かって良かった。
その後の俺は、テントの下でぐーたらしていた。一夏や眼帯ちゃんやらがバレーボールをしているのを見ながら過ごす。ボールは狙ったかのように一夏の顔面へと吸い込まれていく。それから暫く経った頃、織斑先生も水着で登場した。そして、それを見た一夏が顔を赤くしてガールズにまたボコられていた。一夏って重度のシスコンなのだろうか?
それから、いつしか日も落ち空が茜色に染まってきた。もうすぐ夕食の時間なので皆撤収を始めたので俺も帰ることにした。風呂に入って今日の疲れを癒した。男は一夏と二人だけなのでかなり広々と使用できる。極楽〜極楽〜。そういえば、俺ってまだIS学園の大浴場使ってないな。男子用に大浴場を使用出来るようにしてもらったがまだ一度も行っていない。時間のある時に今度行ってみるか。
さて、夕食なのだが嬉しいことに海鮮料理だった。刺身なんかはIS学園ではあまり出ない為、久しぶりに食べる。俺はワサビを多めにつけ刺身を食べた。くぅーうまい。俺が一人黙々と食事を進める中やはりというべきか朴念仁の一夏何やらまたやらかしたようだ。お前らは静かに出来んのかっ!あ、織斑先生に怒られてる。出席簿が無いため今日は素手でのチョップである。
夕食を堪能した後、離れの部屋に戻り更識へメールを送る。今日は海藻のように波間を漂ったことや夕食で刺身が出たことなんかをいくつかの写真と共に送った。その後、一分と経たず返信が返ってきた。
[今度は、一緒に海にいきましょ]
俺は、直ぐに[もちろんだ]と返信しておいた。
そんなやり取りをしていたら、一夏が帰ってきた。
「あっ、亮、俺、今から千冬姉ぇのとこに行ってくるよ。消灯時間までには帰ってくる」
「わかった。行ってこい」
いってらー。俺は一人さっき来た更識のメール見ながら悦に浸ることにするから。
一夏が出て行った後暫くして、俺は部屋の電気を消し、窓を開け縁側でごろりと横になる。IS学園は、夜間でも外は警備のために明るくなっている、その為夜空に瞬く星は明るいものくらいしか見えない。そういえば、夏にはペルセウス座流星群が来る時期だっただろうか。そんな事を考えながら一人部屋に寝転がり星を眺めていた。あれが、デネブでアルタイル、ベガ、はい、夏の大三角形完成。それくらいしか知らん。オリオン座は…ありゃ冬か。
そんな馬鹿な事をやっていたのだが、何やら部屋の襖の向こう側が騒がしい。おそらく一夏ガールズだろう。すこし脅かしてやるか。そう思い非常用ライトを手に取り自分の顔を下から照らして、音を立てないように襖に近寄り、一気に開いた。
「何の用だぁ!」
「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」
これ楽しいな、おい。
一夏ガールズは揃って腰を抜かしたようだ。眼帯ちゃんでさえも腰が引けている。それから、俺は直ぐに部屋の明かりを付けた。
「んで、何の用だ?」
「大神君、脅かさないでよ〜」
「それは、無理だ。デュノア。こんなにも脅かし甲斐のある機会をみすみす逃がすなど愚の骨頂だからな」
俺の性格は、結構更識に近い。人を驚かすのは結構好きだ。
「あ、あんたって結構いい性格してるわね」
「ん?どうした、チビッ子?そんなに怒って。そんなに怒るから背が伸びないんだぞ」
「チビッ子言うな!私の名前は鳳鈴音よ!あと、身長はこれから伸びるのよ!」
こいつ!なかなか弄り甲斐があるぞ。今度、更識にも教えてやろう。
「お、大神さん。驚かさないでくださいまし」
「おお、すまんな。オルコット。俺には皆して俺に驚かされたいから襖の直ぐ傍にいるのかと思ったんだが違ったようだな」
「大神さん、最初に会った時と随分印象が違いますね」
「そうか、篠ノ之?ふむ、そうだな。まぁ、本来の俺はからかうことが大好きな人間だからな」
更識にはからかられることのほうが多いのだが。
「……心臓が止まるかと思ったぞ、大神よ」
「はは、そりゃ脅かし甲斐があった」
今日の俺は更識がいないためしゃべり足りないようだ。昔は全く喋らなくても平気だったのだがこの数ヶ月で俺はすこしお喋りさんになってしまったようだ。
「んで、なんで来た?まぁ、わかっているが一夏に会いに来たんだろ?」
「そうよ、一夏は何処に居るのよ!教えなさい!」
「おい、チビッ子。それが人にものを尋ねる態度か?」
「うぐっ。また、チビッ子って言った。ぐぐぐ、い、一夏は、何処にいるんですか?おしえてください」
「すまない。お前があまりにも小さくて声が聞こえなかった。もう一度言ってくれないか?」
「きぃー。一夏は何処にいるのでしょうかっ!教えてくださいっ!」
「うるさいぞ、そんなに声を出さなくとも聞こえている。織斑先生の所にいったぞ。この部屋に戻ってくるのは消灯時間になる少し前くらいになるんじゃないのか?」
そう俺が言うや否や、一夏ガールズは慌ただしく去っていった。ふぅ、面白かった。あのチビッ子、改め鳳はいいな。からかいやすいし反応が面白い。そんな事を思いながら俺は彼女たちを見送った。頑張れよ。あの朴念仁には大抵のことでは気持ちは伝わらんぞ。
俺もこの林外学校が終わったら更識に気持ちを伝えるか。これ以上は我慢できそうにないしな。
さて、少し早いが寝る準備するか。
亮が海で漂っている頃に生徒会室
「お嬢様、携帯ばかり眺めずに仕事をしてください」
「む〜、わかったわよ。あと、少ししたらするわ」
「はぁ、さっきもそんな事をおっしゃっていましたよ」
ここ数日で一気に冷え込んできましたね。皆様も体調にはお気をつけください。
さて今週の投稿予定ですが、土日まで少し忙しくなるので今までのように毎日というのは難しいかもしれません。
とはいえ、皆様からのご感想を楽しみながら少しずつ書き進めていこうと思います。