俺は、更識楯無が好きだ!   作:haze

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新年あけましておめでとうございま…した

久しぶりの更新ですね
というのも、改訂前からはこの話を境に大きく流れが変わるかと思います。改訂前をご存知の方はとあるキャラの変化に「!?」ってなるかもしれません。

なお、タイトルの「改訂版」については、話がここから変わるのを機に消そうと思います。


天災

 事の始まりは、臨海学校二日目の夕方。

 

 

 

 

 待機を命じられてもう三時間以上が経った。……暇だ。というか、なぜ待機なのかもわからん。一人しりとりでもするか。……やめとこ。惨めになりそうだ。

 そういえば、今日はまだ朝以外に更識に連絡一つしてないな。丁度夕日が見えるからそれを添付しようとするか。

 俺は、ふとそう考え離れから出る。スマホだけを持って外に出る

 

 その後、俺が見たのはこちらに迫り来る無数のエネルギー弾だった。

 

 

 俺は、崖の端の方に立っていたために直撃はしなかったが、さっきまで俺のいた離れに着弾した弾が建物を吹き飛ばした。その際の爆発の衝撃で弾けとんだ建物の残骸と共に崖から海に落ちていった。俺の意識はそこで途切れた。

 

 

 

 

 痛い。体中が痛い。おそらく、吹き飛んだ時に何処かでぶつけたのかもしれない。死ななかっただけマシか。左腕が痛ぇな。

 痛みのあまり目を覚ました。痛む左腕を見てみると二の腕には包帯が巻いてあった。誰かが手当てしてくれたようだ。

 その後、辺りを見回すが何もない。薄暗い部屋にリノリウムの床でまるで病院もしくは研究所のようだな。

 どこだ?ここ?

 状況を整理してみても訳がわからない。吹き飛ぶ→海にダイブ→?(今ここ)

 

 とはいえ、何時までもこのままでいるわけにもいかず俺は、唯一ある扉に向かって歩き出した。

 スライド式の扉の前に立ち、ドアノブを握って開けてみた。鍵が掛かっているかとも思ったが扉はすんなり開いた。閉じ込められている訳ではないようだ。

 薄暗い廊下を部屋から顔だけ出して廊下を覗いてみる。廊下も部屋と同じく薄暗く点々とついている赤い非常灯以外何も見えない。

 靴も無くなっていたので俺は裸足で外に出る。窓一つない廊下に俺の足音だけが微かに響く。

 

 

 しばらく代り映えしない廊下を歩いていると、廊下の先に一か所だけ部屋から明かりの漏れている場所があった。隙間から中を覗くとカタカタとキーボードを打つ音が聞こえてきた。

 そっと、部屋を覗いてみると、女がいた。変なやつ。フリフリした服に変なカチューシャ?付けたみたいな女。

 

 俺はこいつを知っている。これは俺に限らずこの世界にいる人間なら誰しもが知っている。

 

 

 

 篠ノ之束博士。IS造った人。

 

 

 

 何時までもここでのぞき込んでいるわけには行かない。一応扉をノックして見るが相変わらず、キーボードを打つ音は止まらない。埒が明かないので扉を開けて中に入る。

 

 

 篠ノ之束は、俺が中に入ってもカタカタしてる。よくわからんが、投影ディスプレイには、DNA構造の二重螺旋構造が回ってたり、染色体が解析?されてたり、同じようなディスプレイが二つあるから比較でもしてるのかもしれん。おそらく、俺のDNAと誰かのを。

 

 ディスプレイを眺めていると気が付けば篠ノ之束がこちらを見ていた。

 

 「どうも」

 

 「………ねぇ、なんでこんなとこに居るの?」

 

 「なんでって、こちらとしてもどういう状況か把握しておきたかったので」

 

 「ふ~ん」

 

 「説明してくれる気はあります?」

 

 「なんで束さんがバグなんかの為にそんなことしなくちゃならないの?」

 

 バグとは、俺の事か?

 

 「束さん、バグってほんとに嫌いなんだよ。何処にでも湧いてくるしさ。いい迷惑ってやつだね」

 

 そう言いながら篠ノ之束は俺の方を見る。いや、こいつは俺という存在を見てはいない。言葉の通りに俺というものをバグという存在としてみているのだろう。決して、人間同士で会話するときに向ける視線ではない。

 

 だが、ここで言い返すにしてもまだ篠ノ之束という人物について情報が不足している。

 

 「本当はISに乗れるのはいっくんだけのはずだったのに。まさか、たまたまいっくんに合わせて作ったISの搭乗プログラミングが誤認してバグをうんじゃうなんてね」

 

 いっくんとは、一夏の事か。そういえば、前に一夏が篠ノ之束について言っていたな。彼女は、興味のあるもの以外は見ていないと。まさにその通りのようだ。おそらく、織斑一夏、織斑千冬、篠ノ之箒以外は篠ノ之束には見えていないのだ。

 こういう人間には話し合いは通じない。

 

 「まるでガキだな」

 

 「んん~?何かな?この天才束さんに何か言った?」

 

 「ガキだって言ったんだ。あんた、なんで旅館に攻撃した?」

 

 「それはね、箒ちゃんにプレゼントする為とプレゼントを使うきっかけの為だよ」

 

 「死人が出てもか?」

 

 「何言ってるの?いっくんも箒ちゃんもちーちゃんも近くにいないのは確認してたし、それ以外がどうなろうと知らない」

 

 少なくとも俺には理解できない考えをしている為に言葉が出ない。こうして話している俺にさえこいつは興味がないのだ。

 

 「それで?なんで束さんがガキなのかな?君よりは賢いよ」

 

 「確かにあんたは賢いさ。だがな、それに行動が伴わない。その有能な知恵をガキの我儘に使っているだけだ」

 

 「そう。でもそんなのはバグの考えでしょ?束さんは束さんのやりたいようにやるから」

 

 「そうか。なら、精々一夏たちに見限られない様にすることだ」

 

 そう俺が言った瞬間、不意に膝が抜けた。遅れて太ももに焼けるような痛みと視界が白く染まる。

 

 「ぐっ」

 

 「おおーすごいね。悲鳴上げないんだー」

 

 歯を食いしばり脂汗をかきながら顔を上げるとそいつは手に拳銃を握っている。手のひらに収まるくらいの小さなデリンジャーだ。

 

 「っぐ。てめぇ」

 

 「おおー怖い怖い。でも、君もひどいな。束さんだって怒るよ。有象無象に束さんといっくんたちの関係についてまで言われたくないなぁ」

 

 にやにやと笑いながら篠ノ之束はいう。一見服装も相まってふざけたように見えるが彼女の目はその奥に怒りを宿している。

 

 「そう…か…でもな。俺だって一夏とは親友なんだよ。あんたと違って知り合ったのは最近だ。でもな、あんたみたいなのがいると迷惑なんだ。俺だけじゃねぇ。一夏が迷惑なんだよ。お前にとっちゃ一夏しか見えてねぇ。なら、今回の旅館の攻撃の時の様に一夏の知り合いが被害を受けて見ろ。一夏は無傷でもあいつの親しい人間が傷つくんだよ」

 

 「そう。でも束さんには関係ないね」

 

 「そうだな。でも、一夏からすりゃお前のせいで周りの人間が傷つくんだ。今はまだお前の関与を知らねぇ。だが、これから先はどうだ?」

 

 「………」

 

 「あいつは優しいからな。疑いだけでお前を弾劾するようなことはしないだろう。でもな、それが確信に変われば、たとえあんたでもあいつは許さねぇだろうよ」

 

 「……うるさいなぁ。うるさいんだよ!バグの分際で!束さんが何をしようが束さんの勝手なんだから口出ししないで!」

 

 そう言って篠ノ之束は大声を上げる。俺はそのすきを見逃さずに駆ける。撃たれた左の足を庇うように右足で地面を蹴って篠ノ之束を抑え込む。狙いはこいつの持つ右手の拳銃だ。

 突然の俺の行動に篠ノ之束は驚いた表情をする。構わず俺は飛び掛かり、手から拳銃を奪い取る。

 

 「きゃ!」

 

 右手で拳銃を奪い、左手でそのまま束を倒してその額に銃口を突き付ける。

 

 「お前が好き勝手するってなるとな。俺の大事な奴も迷惑を蒙るんだよ。そうなるようなら俺はお前を殺す」

 

 篠ノ之束をあまりの展開にぽかんとした後、笑う。

 

 「あははは。束さんここで死んじゃうのかな。天才発明家ここで終了ってね。いいよ。殺してよ」

 

 先ほどまでの感情を露わにした表情から一転落ち着いた表情をしてそう言う。

 

 「…俺としては、今後自重してくれると最も助かるんだが」

 

 「だって自重しろって言われても束さん今までずっとこの生き方してきた訳だし。君の言う行動を取れるかなんか分からないよ」

 

 銃口と突き付けたままの俺を真っすぐ下から見上げながら篠ノ之束はそう言う。 

 

 「…なら誰かに聞けばいいだろ」

 

 「何言ってんの?束さんにはそんな人いないよ」

 

 「…織斑先生とかいるだろ?」

 

 「あーだめだよ。ちーちゃんは脳筋だからね」

 

 「それでも相談するくらいすればいい」

 

 「君は分かってないなぁ。この天才束さんが誰かに相談するなんてこと今まで一度もしてきたことなかったからやり方が分からないのさ」

 

 そう言いながら決め顔をする。先ほどまで割と真剣に話していて、今も俺が銃口を突き付けているというのに話と現在の俺たちの格好がどこかちぐはぐになっている。

 

 「あんた、ほんと色々とダメだな」

 

 「何をー!その分はこの胸と頭脳に行っているのだよ。………とまぁ、ふざけるのはここまでにしようか」

 

 

 

 

 

 

 




久しぶりの楯無の更新ですねぇ
年末にデレステを2作品急に書こうと思って始めてました。







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