先に言っておこう。
俺は今、かなり機嫌がいい。今なら、専用機持ちの金髪に生身で勝てるかもしれん。
更識にヒレカツすべて食われた俺だが、
なんと!!お詫びに今度、昼食の弁当を作ってくれるらしいのだ。
いよっしゃぁぁぁぁぁぁーーーー!!!やったぜぇぇぇーー!へっへっへー!俺の時代だぁぁぁーーー!!!
その後、意気揚々と部屋に戻り、今日の授業の用意をした。その時、更識から、今日から俺の強化プログラムを始めるから、放課後になったら、武道場にきて、とのことだ。
ちなみに強化プログラムの大まかなスケジュールは次の通り、
・朝…ランニングなどの基礎体力向上
・放課後…夕食まで更識先生による戦闘技術向上訓練
・夕食後…更識先生による座学、IS授業
・アリーナ使用可能時…更識先生とのIS操縦訓練
たまに生徒会の仕事などがある為、変更はあるが、基本はこの形で続けるそうだ。ほとんど、付きっきりで教えてくれるようだ。
そろそろ、登校時間が近づいてきたので出ることにした。更識と布仏は生徒会の仕事があるらしく朝食を食べ終えたら、直ぐに登校していった。黛は、新しい記事がどうのこうの不気味な笑いしていたので直ぐに別れた。
部屋を出て寮のホールを歩いていた頃、織斑に出会った。せっかくなので前回出来なかった自己紹介を改めてここでしておいた。
そんな俺に織斑は、爽やかな笑顔で「一夏って呼んでくれ」と言ってきた。よろしくな!一夏!
その際、一夏の隣のポニテ少女の名前が篠ノ之箒という名前だと分かった。そんでISを発明した篠ノ之束博士の妹である。
なんか、めちゃくちゃ警戒されているんだが…
そんなこんなで一夏と話しながら登校した。ほとんど一夏が俺に話掛けていただけだが。
…篠ノ之そんなに不機嫌そうな顔をするな。……あぁ、なるほど、こいつは一夏のことが好きなのか。一夏によると篠ノ之は幼馴染らしい。
俺は篠ノ之がずっと睨んでくるので、明日からは、一夏に朝会わないように気を付けよう。頑張れよ、篠ノ之。応援だけしといてやるから。
教室についたので、織斑と別れ席に着いた。早速、女子に囲まれ質問攻めにあっている。
俺は、毎度のこと、ボッチだよーん。やべ、今日のテンションおかしい。更識の弁当のことが嬉し過ぎてテンションが高くなってる。いやっふーーー。ボッチでなぁにが悪い。むしろ上等じゃ!
と思ったら、なんか来た。袖が長すぎて手が出ていない制服を着ていて雰囲気がなんかぽわぽわしてる生徒だ。なんか和むな〜。そんなことを思っていたら、その生徒が口を開いた。
「えへへ〜、はじめまして〜、みーくん。布仏本音だよ〜。よろしく〜」
なんだ!この子!すんげー癒されるんだけど!
ん?布仏?聞いてみるとやはり布仏虚の妹らしい。似てねーな。しかも、みーくんて俺のこと?そんなことをつらつらと考えていたら、いつの間にかこの子を俺の手を握りブンブン振り始めた。
「……なにしてんだ?」
「えへへ〜、握手だよ〜。本音って呼んでね〜。みーくんってあんまり怖くないんだね〜」
嬉しいことを言ってくれるではないか。この子は。
ちなみに、みーくんの由来は、
「んとね〜、大神だから、みーくん」
だそうだ。原型ほとんど残ってないな。ま、いいや。
その後、予鈴がなり、全員席についた頃、本音は周りの生徒に
「大神君になにか酷いことされなかった?」
「大神君に脅されなかった?」
「大丈夫?本音ちゃん?」
「本音ちゃん!?怪我してない?」
「手、握りつぶされてない?布仏さん?」
とか、聞かれていたがあの子はのほほんとした表情で
「ん〜、みーくんは優しいよ。あとね〜手がとってもおおきかったよ〜」
と答えていた。
つーかお前ら、俺と本音の会話聞いてただろ?俺なんもしてないじゃん。
だが、今日の俺は機嫌がいいのだ。気にしないでおいてやろう。
さて、授業についてだがまだ始めの方ということもありまだ問題ない。しかし、本格的に始まれば今のままではおそらくついていけないだろう。しかし!俺には、講師役に更識がいるのだ。教えてくれる更識の為にも、俺、頑張ります!
ISを使った授業での実習は、クラス代表を決める決闘(笑)のあとぐらいから始まるらしい。まずは、基本的な知識を確認してから、だそうだ。基礎知識の足りない俺と一夏にとってはありがたいことだ。
授業は、女子の独特のノリと山田先生の分かりやすい講義によりつつがなく進んでいった。
ただ、山田先生、女子にしかわからない説明をするのは、勘弁してくれ。
休み時間には、一夏とわからない箇所を二人して確認していたのだが、一夏と話したくて堪らない、現在乙女街道まっしぐらの篠ノ之の機嫌が急降下してきたので、一夏に適当な理由をいい、早々に撤退した。・・・・・・それにしても、篠ノ之は些か嫉妬深すぎではないだろうか?
広い心を持とうぜー。篠ノ之。
ふーむ、今日は、授業の間ずっと変なテンションだった。
いやー、参っちゃうね。みんな真面目に授業受けてんのに、一人だけやけにハイテンションだから。まあ、気づくのは妹くらいだから周りには普段と変わらないように見えたと思うが。
ちなみに今、俺は武道場に向かって歩いている。
武道場に着いたのだが、更識がいない。……あっれー?早く来すぎたのか?そんなことを思っていると、
「だーれだ?」
急に視界が暗くなり、目の当たりに暖かく柔らかな感触を感じた。なかなかのものをお持ちである。
俺にこんなことをするのは、一人しかいない。
「…更識か?」
「ふふっ♪正解よ♪」
更識は手に持っていた扇子を開いて言った。扇子には、[ご名答!]と書かれていた。
その後、武道場で今現在、俺にどの位実力があるのかを見てもらった。
二週間後に決闘(笑)があるため、あまり悠長なことはしていられないとのことだ。
そして、更識と組手をすることになったのだが、「嫌だ」と渋った俺に、彼女は、それなら、俺の強化プログラムを白紙に戻すと言われた。
彼女がここまで言ってくれたのだ。これ以上拒むのは、あまりにも更識に失礼だろうということで長考の末、改めて俺の方から、頼んだ。
結果、俺が心配するほど彼女は弱くなかった。むしろかなり強かった。手刀や貫手を中心の手技を中心に攻撃を繰り出す俺の技を更識は、なんの苦もなく受け流した。
格闘技は、喧嘩と中学の授業、近所のケンちゃんに教えたもらったぐらいなのでかなり我流が入っている。
感想を聞いてみると筋は、いいらしい。後は、無駄な動きを削っていけばいいとのことだ。思ったより高評価で嬉しかった。
組手が終わり、基本的な俺の現在のポテンシャルがわかったところで、ISに乗るために、生身の体の重心のブレなどを少しでも治す為の訓練をした。
簡単に言うとISは、人間の体をそのまま大きくした様に装着するので、重心がブレたままでは、ISに乗った時にそのブレが大きくなるので、今のうちに矯正するらしい。
俺は、中学の時に左の踵の骨が割れたことがあった。その為、体の重心がやや右に傾いているらしい。よく見ただけでわかるな。
今日の夕食までの訓練はひたすら、重心を矯正するために時間を費やした。
夕食の時間になり更識と共に部屋に戻った。今日は、俺が早くシャワーを使えるように更識は、大浴場に行くそうだ。その後、一緒に夕食を食べに行こうと言ってくれた。
その時、
「なぁ楯無。なんでお前は俺にそんなに構うんだ?」
「IS学園には、男性が二人しかいないじゃない?だから、少しでも、早くここに馴染めるようにしてあげたいかなーなんて♪」
少し恥ずかしそうにしながら言ってくれた。
なんていい奴なんだ。惚れてしまうだろうが。既に惚れているのだが。
あいにく、俺は、人並な言葉しか言えないが
「ありがとう」
と一言伝えた。
更識は、そう言った俺に背を向け、
「うん、また後でねー」
と言い去っていった。
俺は、シャワーを浴びた際、筋肉痛にはなっていなかったが太腿の筋が張っていたので、明日に響かないように入念にマッサージをしておいた。マッサージしなきゃいけないくらい運動したのは、久しぶりだ。
シャワーを浴び、暫く部屋でだらだらしていたら、更識が帰ってきた。
僅かに湿気を含み上気した顔の更識は今日もとても艶やかで俺は少しドギマギした。
その後、二人で食堂に行き今回は布仏姉や黛とは会わなかったので更識と二人きりだった。
夕食を食べ終え部屋に戻る。暫し休息を取った後、座学IS授業になった。正直、ほとんどわからなかったが、更識が一つ一つ丁寧に教えてくれたので俺でも十分に理解できた。
この時、更識の先生口調があまりにもおかしく笑ってしまった。そしたら、更識が拗ねてしまった。
「もう怒った。そんなに笑うならもう教えてあげないわ」
そんなことを言う彼女を子供っぽいところも可愛いなーなんて思っていたが俺があまりにも笑いすぎたらしくなかなか機嫌を直してくれない。このままでは、更識が拗ねたまま消灯時間になりそうだったので、俺は笑いを堪え何度も更識に謝った。
その際、明日もコーヒーを作ってくれたら、許すと言われた。あれがよほどお気に召したようだ。すぐさま、了承し再び勉強を再開した。
消灯時間になったので勉強も終わり明日に備え寝ることにした。
明日からは朝の体力作りが始まるので早く起きなくてはならない。寝る前に「お休み」と声を掛け眠りについた。今日は疲れも溜まっていたので問題なく寝られた。
今日の拗ねた時の更識可愛かった。