また、活動報告や感想を頂きまして大変うれしく思っております。
久しぶりの執筆ということで酷評されたらマジ死ねるわーとか思って明日が温かいお言葉で再び迎えていただきました。
予定より一話多く投稿です。
時間が過ぎるのは早いもので今日の放課後は1組のクラス代表を決める日である。
今日、部屋を出るときに更識に
「今日はがんばってね。期待してるわ♪」
と言われた。
俺のIS操縦技術についてだが毎日更識が教えてくれたおかげで機動については一年の中ではなかなかだと言われた。武装については、当たり前だが今まで日常生活で使ったことなどないので、あまり芳しくはなかった。いくらハイパーセンサーがあっても所詮使うのは生身の人間なのだ。さて、一夏についてだがこの二週間剣道場で篠ノ之に竹刀でしばき倒されて過ごしたそうだ。
今日はクラスの代表決めの決闘が行われるということもあり、雰囲気は何やらそわそわとしていた。一番挙動不審になっていたのはほかでもない山田先生だった。なぜ?
放課後になりまずは金髪ことセシリア・オルコットと俺の試合からだ。俺が終わり金髪のISの点検、及び整備を休憩時間として置き織斑が試合をするのが今日の予定だ。
この時の俺の武装だがラファールに乗り、両腕に対BTシールドを装備である。射撃武器については、ライトマシンガンである。相手の機体が遠距離型ということなので、ライトマシンガンで弾幕を張り接近し近接戦に持ち込むというのが今回の作戦だ。後付装備イコライザには、近接武器以外は増設ブースターを入れている。
少しは、更識の期待に応えられるようにしたいと思う。
負けた。
決闘が始まり、最初の方は上手くシールドを使い相手のBT攻撃をいなしマシンガンでの弾幕を張って接近しようとした。相手は手に持っている狙撃銃だけしか使っていないので比較的簡単に防げた。
しかし、15分ほど経った頃だろうか痺れを切らせた金髪が機体名にもなっている特殊兵装のブルー・ティアーズを使い始めた。多方向からくる攻撃に俺の対応は後手に回った。途中、金髪は特殊兵装を使うときに特殊兵装の制御に意識を割かないといけないので制御中は動けないことがわかったがなかなか接近できなかった。
そんな俺に気を良くしたのか金髪はやはり男は弱い、情けないやら様々な言葉で男というものを貶していた。別に俺、弱くても情けなくてもいいと思うのだ。それが人なのだから。欠点の何ひとつない人間などそれは、もはや人ではない。
そして、別に俺自身のことがいくら貶されようとも、気分が悪くなることはあれど、特に怒るようなことはしない。それが他人から見た俺の評価だから甘んじて受け入れようとさえ思う。そんなことを思いながらこれからどうするかの突破口を考えていた。
だが、金髪には何も言わない俺を見てそのまま言葉を続ける。
そして、俺は金髪が言ったその言葉でキレた。
両手で構えていたマシンガンをその場に捨てあいつを馬鹿にした金髪を睨みつける。ビットの攻撃を受けながら突進し右腕の対BTシールドで本能のままに殴り飛ばす。
突然の突進に驚いた金髪は装備していたミサイルを俺に向けて発射し俺はそれに巻き込まれシールドエネルギーが尽きた。
あ〜あ、負けちまった。期待してもらってたのにな。
戦いの途中で冷静さを失うことも最悪だ。しかも捨て身の突進など決して褒められたものではない。後先考えない行動など評価対象外だろう。
ピットに戻った俺に一夏が一言声をかけてくれた。そして、俺はそんな一夏に「頑張れよ」と言っておいた。
一夏の試合を見て俺はただ羨ましかった。あいつには俺にはない強い志があった。今の俺にはそんなものはない。夢のような、不可能にも思えるようなことを言い切れるあいつが眩しい。
一夏の試合が終わりピットに一夏が帰ってくる少し前。
俺は織斑先生に次の一夏と俺の試合をなしにしてくれ、と頼んだ。もちろん理由を聞かれたが、なんの志もない人間が一夏の前に立つのはあいつにとって失礼だ。と伝えたら、織斑先生は、少し考えたあと了承してくれた。
その後、一夏が戻ってくる前に俺はアリーナを後にした。
今日は四月というのに気温が低かった。俺の心情を表すかのようにこの時期に似合わないほど冷え切っている。ISスーツから着替えたとはいえ薄着では風邪をひいてしまうかもしれない。
部屋に戻るにしても、更識になんて言えばいいか分からず、合わせる顔がないので、俺は一人学園の敷地内にある人工林の芝に寝転がりこれまでのことを考えてみた。
自分の感情を制御できず荒れていた中学時代、何をするにも無気力だった高校1年。今でも時々我慢が限界に達した時、俺は自分を抑えられなくなる。つまりはただのガキなのだ。我慢の利かない身勝手なクソガキである。
一夏の試合を見た後に逃げるようにしてアリーナを去った俺はあまりに情けなかった。自分で自分が嫌になる。
目を瞑りそんなことを考えていると自然と言葉が出てきた。
「……最悪だ」
「こんな自分が嫌になる」
一夏にあって俺にないもの、それは自分という一個人の根本を支える志だ。望みだ。目的のない生き様など無駄である。
「………志……か。俺にはないものだ。」
こんなことを一人考えている自分を改めてみると余計に惨めになってしまった。
「なら、私を、更識楯無を守れるくらい強くなるって言うのはどうかしら?」
そりゃ、いいな。面白そうだ。あー、こんな変なことを考えるほど、俺はおかしくなってしまったようだ。
「ねぇ、どう?いいと思わない?」
「……そうだな。それなら、楯無の隣にいられるからな」
自分一人だけで会話している俺は、もし、ここに見ず知らずの誰かが通りかかれば、さぞ不気味に映るだろう。
少し疲れた。ここで少し眠ろうかと考えていたら不意に俺の頭を誰かが優しく撫でた。驚きに目を開いてみるとそこには更識がいた。うむ、黒か。
ん?なんでいるんだ!?動揺する俺は、なんとか、言葉を搾り出し、
「……いつからいた?」
「ふふっ、あなたがアリーナを出た後からずっとよ。大神君ってば、私が声を掛けたのに気づかずに素通りするんだもん。だから、着いてきちゃった♪」
「…………………つまり、今までのことを全部聞いたわけか?」
「うん♪」
「……………」
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
更識に全部聞かれていた。こんな時はどうすればいいのだろうか?話を逸らすか?…そうしよう。
「なあ、更識、今日の夕食はなん「ねぇ、大神君」……なんだ?」
「さっきの話だけど」
俺は、失敗したようだ。
「私を守れるくらい強くなってね♪」
ん?それは、俺ではない俺が言ったのではなかっただろうか?
「む〜。さっき聞いたときにいいって言ったじゃない。」
…あれは、しっかり楯無が俺に聞いたことだったようだ。
「ねぇ、さっきの言葉は嘘だったの?」
それは……うむ、悪くない。いや、いいな、それ。
「いや、嘘じゃない」
「そう。なら明日からも頑張りましょう。私は大神君がここに来てからずっと頑張ってるのを一番身近で見てたのよ。あなたの今までは決して無駄ではないわ。」
そう言って、楯無は立ち上がり、俺に手を差し出した。
「じゃあ、外は冷えるからさっさと行きましょう」
俺はそう言った楯無の手を取り、そろそろ暗くなり始めた林を抜け橙色の暖かい灯がつき始めた寮へと二人並んで帰った。
一度、風呂に入るため別れ、その後二人で食堂に向かい、二人して同じメニューを頼んだ。
「ねぇ♪みーくん、その豚の生姜焼きひと切れちょうだい♪」
「自分のがあるだろう。あと、みーくん言うな」
「む〜、みーくんのケチ」
「なにがケチか。同じメニューなんだから、自分のを食え。みーくん言うな」
「ちぇ、みーくんのくせに」
その後部屋に戻り座学をして寝ることにした。
「みーくん♪おやすみ。」
「みーくん言うな。……おやすみ」
その時、俺は、直接顔を見ては言えそうにないことを今言う事にした。
「……更識。その……今日はありがとう」
「…うん。どういたしまして」
翌朝、何やら更識の調子がおかしかった。朝のランニングではいつもと違い息切れを起こしていたし朝食をほとんど食べなかった。そして
「おい、更識っ、大丈夫か!!」
登校間際着替えに入ったままなかなか脱衣所から出てこないので脱衣所の扉をノックしたのだが反応がない。今日はなにやら様子がおかしかったので、心配になって扉を開けてみると、更識は壁にもたれるようにして倒れていた。
急いで更識を抱え、ベッドに運び誰か呼ぼうとしたら止められた。
「生徒会長は、他の生徒の見本にならなきゃいけなの。だから言わないで。ただ疲れが溜まってただけだから、大丈夫。おねがい」
「…」
「ごめんね。大神君」
昨日は、今の時期にしては気温が下がっていた。それに俺を探してずっと外にいたから風邪を引いたのかもしれない。これは俺のせいだろう。更識にまで迷惑をかけてしまった。
だから、そんな申し訳なさそうな顔をしないでくれ。いつもみたいにみーくんっていってからかってくれよ。お前をそんな状態にした原因は俺なんだから、俺に頭を下げないでくれ。謝るのは、俺の方だ。生徒会の仕事や楯無としてのがあるのにそれなのに、毎日毎日、俺に付き合わせてしまった。なのに体調の悪いお前にこんな状態になるまで気づいてやれなかった。何が更識の隣に立てるようにするだ、守るだ。全然できてないじゃないか。
「ごめんね」
やめてくれ。そんなことを言わないでくれ。お前の足手まといになっている俺に謝らないでくれ。そんなに優しくしないでくれ。俺には、そんな優しくしてもらうようなことは、何も出来ていないんだから。
その後、俺は
「私のことは、大丈夫だから。行ってきて。」
「嫌だ、お前をこんな風にしたのは、俺の責任だ。だから、行かない」
と行け、行かないと言い合っていたのだが
「行ってくれないと、私、これから大神君のことは無視するわ」
と、言われ渋々登校した。だが、更識は学校に行けとしか言っていないのだ。
IS学園は、朝9時から一時間目が始まる。チャイムが鳴り授業が始まり直ぐ俺は、
「山田先生、今日は体調が悪いので早退していいでしょうか?」
「でも、大神君まだ一時間目でs「早退していいでしょうか?」」
「っ!!わ、わかりました。そ、そういえば、おおおががみみ君、ちょっと顔色が悪いですね。織斑先生には、私の方から伝えておきますね。ごっ、ごごめんなさい。」
「謝らなくて結構です。あと先生、俺の名前は大神です。では、体調が悪いので早退します。」
少々強引だが、まあいいだろう。山田先生には少し酷いことをしてしまったが。戻る途中、売店で解熱剤と冷えピタを買って部屋に戻った。
「ねぇ、大神君?私は、学校に行ってって言ったわよね?」
「ああ」
更識は、少々怒っているようだ。笑顔が怖い。
「じゃあ、なぜ、ここにいるのかしら?」
「……早退した」
「えっ?」
「更識は、俺に学校に行けといった。だから、俺は仕方なく登校した。だが、偶然たまたま、急に体調が悪くなってしまった。先生に言った所、早退することになったんだ。今はもうなんともないのだが全く困ったものだ」
「………」
更識は固まってしまった。
「おい、大丈夫か?」
「はぁー、今更大神君を学校に行かせるのは無理そうだし。それなら、仕方ないわね。…看病をお願いしていいかしら?」
「ああ、そのつもりだ」
「ありがと」
そう言って更識は、微笑み、目から涙を零した。
突然のことに俺は、どうすればわからなかったが、更識は
「ありがとう」
と何度も口にした。
それは、そんな更識の頭を泣き止むまで撫でてやった。
その日は、一日中部屋で更識の看病をしていた。
「ねぇ、みーくん。林檎が食べたいの。切ってくれない?もちろんうさぎさんがいいな♪」
「みーくん言うな。林檎は切れるが、うさぎさんなんて形には無理だ」
「ねぇ、みーくん。食べさせて」
「嫌だ」
「え〜、今日は一日中看病してくれるって言ったじゃない。ねえ、はやく〜」
「……………ほら、口あけろ」
「やった」
次回は、改訂版更識楯無視点でお送りいたします。
次あたりから糖分高目で参りますので、お手元には、ブラックコーヒーかビールをお持ちください。
少し早いですが、カンパーイッ!!!!