AI男はスーパーロボット大戦Kの夢を見るか?   作:トカGE

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ミストさん視点でベザードに飛ばされてから


飛ばされてきた彼は何を思ったか

「……ここは?」

 

 気が付いて最初に目に入ったのはモニターに映った木だった。どうやら森の中にいるらしい。さっきまで都市部で戦っていたのにだ。

 

「くっ、あのゲートが原因か? そうだ、アンジェリカ!隊長!みんな!」

 

 周囲をサーチするが、僚機の反応は一つもなかった。ここにいるのはどうやら俺一人らしい。

 

「く、一体どうなってるんだ。なあ、ショーヤはどう思う?ショーヤ?」

 

 右腕を見ると、普段そこに着けているコンピューターデバイスは影も形もなかった。当然、その中にいる頼れる兄貴分も。参ったな。どうやら正真正銘、独りぼっちだ。

 

「くそう……」

 

 何時も右腕にある重みが無いだけでここまで不安になるなんて。ショーヤに笑われちまうな。本人は俺はAIなんだからあんまり懐くなって言ったりするけど、俺にとっては大事な教師であり兄貴分なのに変わりはない。まあ、厳しい所も多いけど。

 

「……じっとしてても根本的解決にはならないか」

 

 一人だからってうじうじしてたらショーヤに笑われちまう。まずは、行動しよう。考えるのはその後だ。

 

 

 

 

 

 

 レヴリアスを動かそうとしてみたものの、飛ばされた衝撃で損傷したのか立ち上がらせる事もできなかった。仕方がないから、ステルスをオンにしていったん放置し、徒歩で探索を始める事にした。

 

「食料は2日は持つ。まあ、何とかなるだろう」

 

 とりあえず、人が見つかるといいな。もしかしたらここが別の星の可能性もあるけれど……まあ、大丈夫だろう!たぶん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそぅ、空腹で死にそうだ」

 

 全然大丈夫じゃなかった。まさか5日歩いて森を抜けられないとは思わなかった。原住民を見つけるどころの話じゃないぞこれは。食料は2日分を小分けにして4日目までは持たせたけど、今日は今朝からろくに食べてない。こういう時に限って木の実もキノコも見当たらないとは……くそう、もう歩く気力もない。

 

「あれ?どうしたの?こんなところにへたり込んで」

 

 ああ、ダメだ。腹が減りすぎて幻聴まで聞こえてきた。

 

「おーい、お兄さん、聞いてる?というか生きてる?」

 

(幻聴じゃない!?)

 

 声の方を向くと、そこには女の子が立っていた。髪の毛が途中からグラデーションがかかってて不思議な感じがする。でも言葉が通じるってことは、ここはアトリームなのか?

 

「い、生きてるよ……空腹で死にそうだけど」

「お腹すいてるんだ。あ、丁度パンがあるからあげるよ」

「ありがとう」

「どういたしまして!そういえばお兄さん、どこかで見たような……ああ!?」

 

 

 

 

 

 その後、女の子……シェルディアに案内されてショーヤと再会した俺は、ようやく現状を知ることができた。ここが別の星だという事、アンジェリカ達の行方はいまだ知れないという事。

 とはいえ、俺がこうして無事だったのだから、同じように飛ばされただろうアンジェリカや、他のみんなもきっと無事だと思う。そう信じて、とりあえず俺は足元を固める事にした。

 

「おい!新入り!ぼさっとすんな!」

「す、すみません!」

 

 まあ、バイトなわけだけれど。情報を集めるにしても、とにかく生きていかなきゃならないわけで、その為に先立つものが必要なのは、アトリームでもベザードでも変わらない。

 

【今日もお疲れ、ミストさん】

「ああ」

 

 こう前向きに考えられてるのは、ショーヤと再会できたのが大きいと思う。一人だったら、きっとぐじぐじ悩んでたと思う。でもショーヤが無事だったんだ。他のみんなだってきっとと思える。

 

【どうした?】

「いや、感謝してるよってだけだよ」

【ふうむ?】

 

 だから、まずはバイトを頑張ろう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、そんなのおかしいですよ!」

「よそ者に何が……」

「よそ者だからわかるんだ!」

 

 それから少したって、レムがどうしてほとんど外に出ないかを聞いた。その時は、その星にはその星の事情があるって飲み込んだけど、数日後。シェルディアとレムの買い物についていった日、陰口をたたいている店員の男を見てついカッとなってしまった。

 

「彼女は良い子だ!体質は彼女にもどうしようもないことじゃないか!」

「ちょ、ちょっとミストさん!」

「よそ者だから、この街はいいとこだって思うし、みんないい人だって思う!でもだからこそ、おかしいだろ!」

 

 そこからはもうほとんど何を言ったか覚えていない。とにかく思った事を片っ端からぶちまけた。突っ走るなって、アンジェリカにもよく言われていたのに、もう止まらなかった。

 結果として、街の人のレムへの対応は少し柔らかくなったと後でシェルディアから聞いた。その事で彼女やレムから感謝されたけど、俺としては反省すべきだと思っている。ショーヤにも説教されたが、逆の結果になった場合俺は責任を取ることができなかった。もっと、冷静にならないと。

 ちなみにその後からシェルディアに懐かれているような気がするのはきっと気のせいではないだろう。ショーヤが【後でアンジェリカに報告しておこう】なんて言ってるけど違うんだ!シェルディアはそう、妹みたいな感じでっていうかそもそもアンジェリカとはまだそういう関係でもなくて!

 

 

 

 

 

 そこからさらに時がたち、俺がベザードに飛ばされて半年ほどたったある日。

 

【そろそろ生活も安定したし、レヴリアスの修理についても考えよう】

 

とショーヤが言い出した。

 

 

……

 

………

 

「レヴリアスが壊れてること、忘れてた!?!?」

【おい】

 

 いや、その日暮らしで手一杯だったから……あ、はい。日課の筋トレ追加ですね、はい。

 




レヴリアス、あわれ……
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