さて、二人ともレヴリアスについて忘れていたという事の責任をミストさんに押し付けてごまかした翌日。
【レヴリアスのところにやって来たわけだが】
「どこから手を付けるかなあ」
俺とミストさんはレヴリアスの修理にやって来た。ちなみにここまでの道筋は俺の中のソフトを使ってサクッと探知した。最初はミストさんが記憶をたどりに行こうとしていたが、また5日もさまようのは勘弁だしな。あ、移動はオフロードバイク的なものをミストさんのバイト代で買った。生活費くらいしか使ってなかったから意外と余裕だったとはミストさん談。
「ショーヤ、図面出せるか?」
【ああ、レヴリアスのデータは入ってる。とりあえず動力回りからか?】
ミストさんに図面で指示を伝えながら修理開始。完全にミストさん任せにするのはセリウスIIというスクラッチビルドならぬスクラップビルド(ただし力業で動く)を知ってる身としてはあまりしたくなかった。まあ、そこまで大きな故障もなく、配線回りを取り換えたくらいでレヴリアスは再び動くようになった。
「よし!」
【直せないような故障でなくてよかったよ】
「本当だな。さてと、次は……」
【あのイディクスとかいうやつらへの備えか】
原作ではどのタイミングで準備を始めたかわからないけど、今のミストさんなら信頼関係も築けてるし話くらいは聞いてもらえるかなあ。
「なんかすごく、あっさりだったな」
【そうだな】
うん、本当あっさり。バイト先の親方の伝手でお偉いさんに話通して、証拠としてレヴリアス見せたらあっさり信用された。正確には中のクリスタル・ハートが理由っぽいが。二つとないはずの神の石をもって現れたならば、信用できる!ってそれでいいのか理由。
「こっちとしてはありがたいと言えばありがたいんだけどねえ」
【よくも悪くも神の石への依存度が高いよな。いろいろと】
だからまあレムの事とかもあったりするわけでなんとも言えん。ちなみにクリスタル・ハートを見せたせいで一部の人々はミストさんの事を「天の使いだ」なんて言い出したりしてもうね。そんなたいそうなもんじゃないからこいつ。まだまだひよっこだし。
「何はともあれ、今まで流れ着いた物に触らせてもらえるようになったのは大きいかな」
【パーツを見るにレヴリアスとセリウスの残骸だな。最後の戦いのときに破壊された奴のか】
「ああ。……みんな、仇は取ってやるからな」
とりあえずミストさんと俺主体で原作通りセリウスをくみ上げる事になった。ミストさんはレヴリアスベースの方が戦力になるんじゃないかと言ったが、乗るのが機動兵器素人のベザード人……というか十中八九シェルディアになる以上、ミストさんのバックアップに回ってもらうのがベターだろう。本人やる気だったし。セルケリウスへの乗り換えの件を考えても、セリウスの方がスムーズにいくはずだ。アンジェリカかシェルディアか、どっちが乗るかはわからないけれど。
「えっと、これをこっちにつなげば行けるはず!」
【図面見てから行けるはずとか言ってくれないか!?】
とりあえずミストさんの直感便りに組み立てる癖をどうにかしないとだ。
「わあ!本当に動いてる!」
「当然だろ!俺達が頑張って作ったんだからな!」
ベザードの皆さまの協力もあり、3か月ほどでセリウスIIは完成した。残骸の中に比較的パーツが大きいものが残っていたのが幸いしたな。パイロットは順当にシェルディアに決まった。レムはクリスタル・ハートが動かなくなるから、家で留守番中。せっかくのお披露目だから連れてきてやりたかったんだが……夕方にでも連れてくるか。
「やっ、はっ、どう?ミスト!ボクもなかなかやるもんでしょ!」
「ああ、まだまだ粗削りだけどいいセンスだ!」
で、今はレヴリアスと模擬戦中。シェルディアもセンスはいいが、経験値の差かミストさんにはほとんど攻撃を当てられていない。
「むう。やっぱ強いなあ」
「はっはっは。アトリーム防衛隊エースのミストさんに勝とうだなんて、百年早いって」
あ、調子乗ってるな、こいつ。
「え、エースだったの!?」
「ああ!」
【じゃあエースのミストさん。今からシェルディアに一発でももらったら、彼女の言う事なんでも一つかなえるって事で】
「え!?ちょ「本当!?」いやちょっと!」
嬉々としてレヴリアスに襲い掛かってくるセリウスII。ミストさん、調子に乗りすぎてはいけないのだよ。
「う、うおおおお!やれって言うなら、やってやるさ!」
うん、それは君じゃなくてトーヤ君のセリフだからね?ちなみに結果はギリギリミストさんが面目を保った。
「何はともあれ、これでベザード防衛隊ができたわけだ」
【まだ機体は2機しかないがな】
結局はゲリラ戦で何とかするしかなさそうなのは原作通りか。圧倒的に戦力不足だし。
「とりあえず、お祝いしよ!お料理作って待ってたんだから!」
「うん!ボクもうお腹すいちゃって!」
「……」
そういってはしゃぐシェルディアとレムをみて、ミストさんが黙り込む。
【どうした?】
「ああ、いや。俺はアンジェリカの手をつかめなかった。だからって訳じゃないけれど、彼女達だけは守って見せるよ」
【ああ。だけど、思いつめすぎるなよ?】
「わかってるよ。さて、俺もごちそうをいただくとするか!」
そういって笑いながら食卓へ向かうミストさんを見て、俺は複雑な気持ちになった。惑星ベザード防衛戦。その結果は……
(惑星ベザードの崩壊、そしてシェルディア、レムは行方不明……)
都合よく未来を変えるカードは、落ちていない。
レムどうするかなあ