ヴァンとガドヴェドの戦いは、原作通りヴァンの勝利で終わった。まあここで負けられても困るんだけれど。その後はまあK本編通りというか、地球へ帰る為の手段として、空間転移装置を動かす為の燃料を求めてエリアZiへ向かう事になった大空魔竜。でもってアナ姫がエリアZiへの同行を言い出し、それにくっついてゲイナー達も同行することになった。いや、ゲームやってた時も思ったけどアナ姫無茶言うよなあ。
で、カギ爪を追ってエリアZiに向かいたいヴァン達一行も同行を申し出て来た。こっちはK本編と違って大空魔竜組とほとんど接点がなかったが、代わりに戦力の提供を申し出たこと、ヴァンと一緒に戦ったことのあるミストさんがフォローしたことから同行が許可された。
で、現在。
「……復讐、か」
【ヴァンの事か】
「ああ」
ウェンディ達からヴァンの旅の理由を聞いたミストさんは、ちょっと考え込んでいた。
「大切な人を奪った相手が憎いって思う気持ち、俺も解る。解るんだけどさ。ヴァンさんを見てるとなんか不安になるって言うか……ほっといちゃいけない気がして」
あー、そういうことか。
【ヴァンが復讐の『先』を考えてないように見えたな。心配なのはそこか?】
「あー、それかな。何度か会って一緒に戦っただけの俺が言うのも変かもしれないんだけどさ、この前のターミナルでのあの人の戦い方を見ててそう思ったんだ」
【ふむ】
まあ、気づいたなら気になるだろうなあ。ミストさんも復讐者側の人間だし。今は地球を守るって言う気持ちと、アンジェリカを取り戻すって気持ちが前に出てるからいいが、原作みたいに煽られた時暴発しない保証はない。
【だが、復讐は何も生みませんなんて言う訳にも行かないだろう】
「そうだよなあ」
【まあ、それとなくフォローするしかないんじゃないか?】
「そうなるか」
【まあ、人の心配する前に自分の心配からだがな。ほら、今日のトレーニングだ】
「わかったわかった。せかすなよ」
他人に目が行くってのはいいことだけれど、その為には自分がまずしっかりしないとだからな。この前のターミナルでの戦いから新しいトレーニングメニューを組んだし試しちゃろう。
「って内容いつもの1.5倍くらいないか!?」
【新メニューだ。へばるなよ?】
これくらいでへばってたらアンジェリカを取り返すだなんて言ってられんぞー。
そんなわけでトレーニングをしていたところ。
「怪我が治りきってないんだから、無茶するんじゃないぞ?」
「ええ。解ってます」
いつの間にかゲイナーが来て、トレーニングに混ざっていた。シンシアに負けたことに思うところがあるのかもしれない。なんか表情がぱっとしないし。
「けど、これやっぱりきついですね」
【そりゃミストさんを苛め抜く為のメニューだからなあ】
「ちょっとまった、苛め抜くってどういうことだよ!」
【人間限界までやらないとダメってことだ】
「そりゃそーかもしれないけど」
【まあ、俺がやる訳じゃないしな】
「おい!」
いやだって、俺には体が無いからねえ。あ、そうだ。
【せっかくだからシミュレーターで二人で戦ってみたらどうだ?】
「あ、いいな。ゲームでは負けたけど、こっちなら負けないぞ?」
「いいですよ、やりましょ。負ける気はないですけど」
お?いい感じに火花が散ってる。でもまだゲイナーの表情が微妙だなあ。これが気晴らしになってくれればいいんだが。
「く、やっぱり飛べるって便利だな!当たらない!」
「そういうそっちもちょこまかと!避けてるじゃないですか!」
結構接戦になってるなー。ゲイナーがセンスならミストさんは経験で戦ってる感じ。さすがにこれまで戦ってきたのは伊達じゃない。後、お互いに一発で決める大技って今のところないのも大きいか。レヴリアスはグルーヴァイン・バスターがあるにはあるが、一対一でキングゲイナーとやりあってる最中に撃つ暇はなさそうだ。
ちなみに俺は観戦に集中。さすがにミストさんに手を貸すのもフェアじゃないかなーと。
「一発でダメなら!」
「!?二丁で!?」
お、ミストさんが両手に武器を持って連射しだしたな。正確さよりも弾幕を張ることをとったか。これが功を奏したのか、ゲイナーの被弾が目立ってきた。
「そっちがそう来るなら!」
お、ゲイナーもチェンガン二刀流か。これで手数は互角だろうけど、このままじゃお互い決定打にはならない事も解ってるはずだ。どこかで仕掛けるかな。
「ここだ!」
【ふむ、そう来るか】
先に仕掛けたのはミストさん。いつも俺のアシストでやってる、片手で武器射撃、空いた手でグルーヴァイン・バスターをやる気か。だが、俺のサポート無しじゃゲイナーには当てられないだろう。どうする?
「そんなデカ物、当たらない!」
「ああ、当てないさ!」
次の瞬間、キングゲイナーに向けてたバスターの銃口を地面に向けるレヴリアス。砲撃が地面を吹き飛ばす。土煙が広がり、レヴリアスの姿を隠していく。
「目くらまし!?」
「もらった!」
土煙から飛び出したレヴリアスの斬撃が、キングゲイナーをとらえる。決定打が入ったと判定され、勝負はミストさんの勝ちになった。これで雪辱は果たせたな。
「僕の負け、ですね」
「そう落ち込むなよ、ゲイナー君。今回は俺が勝ったけど、この前は負けてるんだしさ」
「そりゃまあそうですけど」
「それに、一回だけで済ますのもあれだろう?こういうのは何度もやらないと」
「そうですね。それじゃ、今度こそ勝たせてもらいます!」
「いい顔になったじゃないか」
「え?」
ミストさんの言うとおりだ。ここにきてトレーニングに混ざり始めた時は、もやもやした感じの顔だったが、今はなんかすっきりした感じだ。
「負けてくよくよする気持ちもわかるけど、大事なのは次勝つことだ。そうだろ?」
「!はい!」
「よし、じゃあ次の試合だ!」
「行きますよ!」
そういって再びシミュレーターに入るゲイナーの背中を見ながら、ミストさんが一言。
(ショーヤ、そのつもりでゲイナーをシミュレーターに誘ったんだろ?)
(買いかぶりすぎだよ)
いやまあ、そうなればいいなーくらいだったしね。ま、よかったよかった。
次回、エリアZiへGO