次の日、艦長たちの許可をもらって俺達は廃城へと向かっていた。メンバーはミストさんとヴァンとウェンディ。レヴリアスのコックピットに寿司詰めです。もう少しどうにかならんかったのか。ちなみにカルメンとジョシュアはまた街で情報収集中だ。
「そう言えば、エリアZiでも普通にヨロイって言葉が通じるんだな」
【言われてみればそうだな。こっち側だと、ゾイドじゃない機械って意味っぽかったけど】
というかヨロイだけじゃない。言葉全体が、磁気嵐で断絶してる割にシベリアエリアと変わらんのだよなー。ソラノヒトとかの介入なのかもしれんが。まあ、考えててもしかたないか。
「そろそろ廃城だな。噂の変なヨロイって言うのは……」
「あの人の仲間なのかしら」
「だといいんだがな」
【まあ、ヴァンとしてはそうだろうな】
そうして件の廃城に近づいたその時だった。
「待て!」
「っ!?」
周囲に声が響き渡ると共に、空から剣が落ちて来た。それを見て、ヴァンの顔に浮かぶすっげー笑顔。これがオリジナル笑顔かー。
「あれは、ダンと同型!?」
【だろうな。十中八九カギ爪の仲間だろう】
まあ、仲間っつうか息子なんだけど。
「貴様達か!あの方の事を嗅ぎまわっているのは!」
「ああ、そうだよ!」
それを聞いて、ヴァンが叫ぶ。狭いんだから外でてから叫んでくれないかな。ほら、二人が耳抑えてる。
「む、貴様は!」
あっちも声で気づいたかな。
「ならば……選択する権利をやろう!おとなしくここで引き返すならば見逃そう!そうでなければ……」
「なければ?」
「我がメッツァによって貴様の命、ここで断つ!」
「はっ、上等!おい、開けろ!」
「は、はい!」
ハッチが開くと同時にヴァンは飛び出し、蛮刀をVの字に振るう。空から剣が落ちてきて、それが人型になっていく。
「ウェイクアップ、ダン」
ダン・オブ・サーズデイが起動すると同時に、緑色のヨロイが複数現れた。
「そちらの君には特に用事はないが、この男との戦いを邪魔されても困る。彼らの相手をしてもらおう」
あれは量産型の……ワンオーワンだっけか。持ってきてるのね。
「く、ヴァンさん、気を付けて!」
「お前は自分の心配をしてろ。俺もこいつには用があるからな。あの感覚、試させてもらう」
「こい!我が剣の錆にしてくれる! ウェイクアップ、メッツァ!」
とりあえず、大空魔竜に連絡連絡、と。
「く、数が多い!それにやけに連携が取れてる!」
【おそらく無人機だな。位置取りに気をつけろ。囲まれるなよ?】
「ウェンディちゃん、しっかり捕まってて!」
「は、はい!」
そんな感じで101の群れ相手に孤軍奮闘中のレヴリアス。ヴァンはこっちのことまったく気にせず、ウーさんと斬りあい中。ちなみに大空魔竜の方はディカルド軍が攻めてきてるとかですぐには来れないらしい。またか!毎回同時進行で色々起きすぎじゃないですかね!?
「ステアード、ブレンダー、射撃で!」
【照準、アシストする】
二丁の銃で打ち貫かれていくワンオーワン。だが、またすぐに新しいのが現れる。こいつら何体居るんだよ。ああ、ワンオーワンだし101体か?
「くそ、キリがない!」
【ディカルドのゾイドみたいに変な装甲がついてないだけマシだな】
あいつら相手だと、レヴリアス一機じゃ本当なんもできなくなるからなあ。速い所サコン先生にどうにかしてもらわんとだ。
「にしても連携がしっかりしている割には、攻撃がそこまで激しくないような」
【あくまで狙いはヴァンだけで、俺達の事は足止めしたいだけなんだろ】
そこら辺律儀というかなんというか。騎士道?ありがたいけれどさ。そうして倒しては増援、倒しては増援のいたちごっこを繰り返し、いい加減うんざりしていた時だった。
「ミスト!ヴァン!」
「助けに来ました!」
「無事か?」
現れたのはビッグシューター。ミサイルでレヴリアスの周囲の敵機をけん制していく。
「あっちはいいのか?」
「とりあえずは一段落だ。俺達は先行してきた」
鏡が答える。そうか、ジーグだったらパーツ状態でビッグシューターに積めば速いもんな。
「さあ、もうひと暴れ行くぜ!鋼鉄ジーグ!」
ビッグシューターから飛び出すバイク。そこ目掛けてささっとパーツが飛びだし、合体する鋼鉄ジーグ。開幕マッハドリルでそのまま敵をぶち抜いていく。
「さすがドリルだ!なんともないぜ!」
「調子に乗らない!」
「いや、でもありがたい!後はヴァンさんの方を……」
そう言ってミストさんがヴァンの方を見たその時だった。
「ああ!」
「そんな、ヴァンさん!」
倒れるダン・オブ・サーズデイ。誰の目にも、ヴァンが敗北したのは明確だった。同時に、周囲のワンオーワンも動きを止めた。
「ここまでだな。その男を連れて帰るがいい。そして二度とあの方の事を追うな!」
そういって去るウー。それに合わせてワンオーワンも下がっていく。この場は見逃がしてくれるって事か。
「なんでい、もう終わりかよ」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
「ヴァンさん!大丈夫ですか!?ヴァンさん!」
「ねえ、起きてよ、ヴァン!」
しかし、呼びかけにヴァンが答える事はなく、吹き始めた吹雪の音だけが、その場を満たしていた。
2,3日に一回のペースも維持が危ぶまれる今日このごろ。