「むう、ここはまさか」
「艦長、ここがどこだかわかるのか?」
「ああ、間違いない。ここは……」
さて、やっぱり飛ばされた先はダリウス界でした。まるで知らない場所に飛ばされましたよりはよっぽどマシなのだけれど、それでもいきなり別の世界に飛ばされたとなればもめる事の一つも起きる訳で。
「別の世界だか何だか知らないが、カギ爪の男はどうなる!」
「ディカルド軍を放っておく訳には……」
「ジェネレーターの修理が……」
「ヤーパンの天井に戻らないと……」
等々、もう一つの地球組からやっぱり文句が出る事出る事。まあ、わからなくもない。そもそももう一つの地球組ってそれぞれに個別の事情抱えすぎなんだよなあ。Kの終盤が原作イベントぶつ切りでぶっこむ事になったのって、その辺も影響してるのかもしれんね。ちなみにこの場は、アナ姫とラ・カンが何とか収めてくれました。さすがにこの二人には上に立つ者の貫禄を感じるね。というかアナ姫、俺やミストさんよりもしっかりしてるよね?たぶん。
そんな訳で、現状できる事と言えばダリウス軍の地上進行の阻止だろう、ということでダリウス界を進む大空魔竜一行。元の地球の地上には、邪魔大王国や擬態獣が居るのはまあ気になるものの、順に対処していくしかないだろうということだ。とは言えここ数日は特に大きな戦いはなく、平和っちゃ平和だ。時々散発的にダリウス軍が仕掛けてくるけど、特に危なげなく撃退している。タイミング的には、地上に大戦力を送り込む前だから出し惜しみしてるんかねえ?
「おい、ミスト!避けろ!」
「え?ああ!?」
【はいはい回避行動回避行動】
ただいま、その散発的戦闘の真っただ中な訳なんだが、どうもここのところミストさんの様子がおかしい。何やら考え込むことが多い。特に何するでもなかったが、さすがに戦闘中にまでぼーっとするのはいただけない。その日の晩に問いただしてみることにした。
【で、どういう訳だ?】
「ちょっと、気になることがあってね」
【イディクスの奴らの事か?】
「ああ。地球と、もう一つの地球。そのどちらにも奴らが居た。だけど」
【行動に違和感があるってところか?】
「ショーヤも気になってたか」
【まあな。奴ら、アトリームやベザードの時と違って、今回は何かこそこそやってる感じだ】
アトリームやベザードの時は出現してすぐに滅ぼしにかかって来ていたのにな。確か原作だと、イスペイルの方は地球を取り巻くマイナスエネルギーを増大させようとしてて、ヴェリニーの方はプラネットクライシスの代わりにカギ爪の男の計画を利用しようとしてたんだっけか。原作とこの世界が一緒かはわからないけれど。
【イスペイルの奴は、アンジェリカを使って何かをしようとしているのは間違いないな】
「ああ。一体何が目当てなのかはわからないけど、どうせろくでもない事だとは思う」
えーっと、原作での情報で関係ありそうなのは、セルケリウスか?確かイスペイルが奪取してたはずだし。それで確かクリスタルハート関連の実験してたはず……クリスタルハート搭載機に乗っていたアンジェリカに目を付けたのはそれが理由か?だとして、最終的な目的はなんだ?原作通りクリスタル・ハートの力を手に入れて反逆?んー、まだまだ情報が足りないな。
「それと、ヴェリニーの方は何かショーヤが目当てっぽかったけど」
【それも気になるが……今は何とも言えないな】
そっちについては本当に情報なさすぎる。というか今更だけど、俺がこんな状態な理由すらわからんからなー。これにイディクスが関わっているってんなら、どうにかしたいところではあるが。
「実はイディクス製だったとか」
【はっはっは、ありそう。いっそ消去するか?】
「え?」
無論、積極的に死にたいだなんて考えてる訳ではないけれど、変なところでミストさん達に迷惑をかけるなら、それもいいのかもしれないとわりと真面目に考え始めてる自分も居るんだよなあ。などと言ったら、ミストさんにひっぱたかれた。
「馬鹿いうなよ。ショーヤ。俺から残った家族を奪う気か?」
【……すまん】
うん、今のは言っちゃダメな奴だったな。とにかく自分の事もそろそろ真剣に考えていこう。この愛すべき弟分に危害を加えられたくないしな。
【ま、あんま考えすぎるなよ?そもそもお前考え事に向いてないんだから】
「な、どういう意味だよ!」
【そのままの意味だよ】
「なにをー!?」
うん。問題はまだなんも解決してないけれども、今くらいはこのやり取りを楽しんでもいいだろう?
さて翌日、リーさんが持って帰って来た情報からアークホーランドに向かう事になった大空魔竜。原作だとここでシェルディアが居たはずだけど、果たしてどうなるかな。またややこしい事になってなきゃいいんだけれど。
そろそろシェルディアが出てくるかな。どんな状況かはあれだけど