さて、アトリームでのイディクス戦で時空間ゲートに飲み込まれるまでは予想通り。そして飛ばされた先は惑星ベザードだった。うん、これも想定内。
「なんだろう、これ。コンピューターかな?見たことない型だけど」
「私も見たことないなあ」
そんでもって、そこでシェルディアとレムの姉妹と会うのも問題ない。問題なのは……
【あまり乱暴に触らないでもらえると、助かる】
「「しゃ、喋ったー!?」」
ここにミストさんが居ない事かな、うん。いやまって色々おかしい。なんでコックピットの中から俺だけ放り出されてるん?
と、とりあえず、ミストさんの所在を確認しないと。
【とりあえず、いくつか聞きたい事があるんだけど、いいか?】
「あ、うん」
「ええっと、その前に……あなたの名前は?」
おっと、自己紹介は大切だよね。というか一つ疑問。なんで言葉通じてるん?
あれから二人と自己紹介を終え、いくつか質問をした結果わかった事は、ミストさんとレヴリアスは来てないという事。アンジェリカとセリウスも同様だ。時間のずれが出てるのかなぁ。シェルディアとレムも、本編開始2年前の時点よりさらにちょっと若いようだ。
「ショーヤ、ここがよくわからないんだけど」
【ああ、そこはそれを代入するんだ】
しっかし待ってればミストさんが来るっていうならいいけど、その前にイディクスが来たらどうしよう。どうしようもないけど。そもそもこの星、人型戦闘ロボとかもないからなぁ。いや、よくイディクス来た時耐えれたなと感心するわ、本当。あ、戦闘機的なものは普通にあった。
【レム、そこ一問ずれてる】
「あ、本当だ」
とりあえずやることのない俺は情報を集めつつ、学習用コンピューターとしての本分を果たすことにしたのであった。早い話がレムの家庭教師である。いや、この時期ってレムって回りから差別受けてたって話だったけど、学校もろくすっぽ行けてなかったとは思わなかった。基礎教育はかろうじて受けれてたみたいだが……惑星ベザード、結構アレだなあ。なんというか、宗教国家みたいな感じ。技術力はアトリームほどではないけど普通にあるんだけれど、それ以上に神の石、クリスタル・ハート信仰に寄る部分が大きい感じだ。子供二人でよく生きてこれたなぁ、彼女ら。
「ただいま、二人とも!」
「あ、お姉ちゃんお帰り!」
【おかえり、シェルディア】
ちなみにシェルディア自身はそこまで差別を受けていないようで、普通に高等教育も受けれているようだ。もっとも本人は勉強はそこまで好きではないようだが。
「ボクが勉強していい職に就けば、レムにも楽をさせられる」
との理由で頑張っているらしい。ええ子や。
「そういえばさ、そのアトリーム?って星ってどんなとこだったの?」
【ああ、それは……】
ちなみに二人には俺がどこから来たかは話してしまった。二人の状況的に、他の人間に話すことはあるまいという打算があったのは確かだが、この二人にはあんまり隠し事をしたくはなかった。なんか罪悪感がね。無論、ゲームの記憶とかは内緒だけど。
ちなみにアトリームとベザードって、起源が同じ惑星クルスだからか、文化もある程度似ていた。結構差異もあるけど。言語面についてもアトリームで使われていた標準語とほとんど差はなかった。初対面で会話が通じたのもこのためだろう。こちらの言葉はちょっと方言っぽく聞こえたかもだが。今は集めたデータからベザード用の言語データベースを作成済だ。いや、AIてこういうとこ便利よね。
「そのミストさんって人、おっちょこちょいだなぁ」
「お姉ちゃんと似てるよね」
「え、そんな事ないよ!」
【空気の読まなさは似てるかもしれない】
「えー」
うん、似てると思う。でもまあシェルディアは意図して読まないようにしているところがある気もするが。自分を通すために。逆にレムは本当に読めないときがある。おそらく人とのコミュニケーション不足が原因。本当苦労しているな、この姉妹。もう少し、手助けしてやれればいいんだけれど。アトリームとかなら、小型ロボットの一つでも用意できたかもだけれど、ベザードではそんなすぐ用意できるもんでもないしなあ。二人の状況だと特に。
「そういえばミストさんもショーヤも、髪の毛私たちと違うんだね」
「種族の違いかなぁ。のわりに髪の毛しか違わないって不思議だけど」
ちなみに自分、顔をデバイスのディスプレイに表示するようにしました。だって二人が顔が見えないと話しづらいって言うんだもの。記憶を頼りに自分の顔を再現したCGだ。なんかスパロボの顔グラみたいになってるのはご愛敬。なお、ミストさんの顔と見比べたシェルディアが、
「ショーヤの方がなんというか、平たい?」
と言ったときは少し泣きそうになった。どうせ俺は平たい顔族やで……
「うーん、髪の毛切ろうかなぁ。ショーヤとおそろいの方がいいかも」
【もったいないと思うぞ、レム。綺麗なんだから」
「そ、そっか!じゃあいいや!」
というかそれいうのシェルディアじゃなくて君の方なんだ。
そんなこんなでもう一か月ほど経とうとしていた。本当に大丈夫だろうな、ミストさん。どっか別の星に飛ばされてたりしないよね?ちょっと不安になってきたぞ?
ミストさん早く来ないと変なイメージが植えつけられるぞ!とショーヤ君は思っている模様(なお、原因