十二大戦なんてものはない。
だからこの二人が出会うはずはなかった。
「にわとりのせんし! ちゅいばんでこりょちゅっ。にわとりっ。」
「いぬのしぇんし! かんでふくめりゅよーにこりょしゅっ。どつく。」
(こんな話ではありません。)
_庭取と怒突_
「怒突さん。」
庭取が怒突に懇願する。
「お願いします!耳をモフらせてくださいっ」
「は?」
そう言うと庭取は返事を待たずに怒突の後ろに廻り込み、もふもふし始めた。
「ちょ、お前っ…や、やめろ……!?」
「そんなに声が嫌がってません。よって続行です。」
庭取は怒突を見た時からずっと「あの耳…モフりたい!」と考えていた。
そもそも、犬耳と牙と尻尾の生えた成人男性。萌え要素しかないのだ。
尻尾はさすがにモフると怒られるだろう。
流石の庭取もその辺の遠慮くらいなら出来るようだ。
「いやいや、そんなの王道じゃねぇから。」
「王道ラブコメって奴ですか~?いいですねぇ。怒突さんと私なら王道の先まで一直線ですよ~。もふもふぅ~。」
怒突はどうすればいいのかすらわからず、為されるがままモフられ続けている。
怒ればいいのだろうか。しかし幸せそうにモフる庭取を怒るのは気が引けるようだ。
なんだかんだで彼は優しいのだ。
30分が経過して、怒突が少しずつイライラしてきているが…
「えへへぇ…どつくさぁん…。」
幸せそうにモフる庭取を見て、怒る事を諦める怒突であった。
_来年の干支_
「今年は酉年でずっと私のターンじゃないですか!」
怒突は、あと1ヶ月で年越しだけど……とは言えなかった。
「という事でワンマンアーミーください。」
「やらねぇよ。何をする気なんだよ。」
腕を怒突に差し出した庭取は笑顔で言う。
「ほら、アニメでは私…ワンマンアーミーを受けた後に怒突さん裏切って顔握り潰して殺しちゃうじゃないですか~?」
「ま、まさか……!?」
笑顔で続ける。
「来年の干支って戌じゃないですか~。出来ればずっと私のターンでいたいじゃないですか~!」
怒突は庭取の頭をとりあえず叩いた。
「ちょ、いた!?何するんですか!?
慰謝料と賠償とワンマンアーミーを要求します!!」
「ちゃっかり要求してんじゃねぇよ。」
庭取は鶏冠刺をぶんっと振って口上をあげる。
「酉の戦士!啄んで殺す。庭取っ。」
呆気に取られた怒突もとりあえず口上をあげてみる。
「戌の戦士、噛んで含めるように殺す。怒突。
って、ここって殺し合いの場じゃないからな!?」
「大丈夫です。私が勝った暁には銅像建てますから!
とりあえず牙生えてたら大丈夫ですよねっ。」
無邪気な笑顔でそう言われた怒突は顔を青ざめさせ逃げる。
庭取はそんな怒突を追い掛ける。
「大丈夫ですって、ワンマンアーミーもらって顔をぐしゃっとはもう…多分…しませんから~!」
「今多分っつったよなぁっ!?」
「気のせいデスヨ。」
庭取は悪戯っぽく笑って言う。
「じゃあ、この鬼ごっこに私が勝ったらお願い…聞いてくださいねっ。」
怒突は、そんな彼女の表情に見とれてしまい、立ち止まる。
「はーい、鳥さん達!怒突さんを囲んじゃって!!」
怒突は鳥による壁のせいで逃げる事もままならない。
「怒突さんつーかまえたっ。」
「お前なぁ……。」
庭取は楽しそうに笑って言う。
「じゃあ、お願いです。
私とずーっと一緒に居てくださいねっ。…………裏切るかもしれないけど。」
「俺は別に聞くとは言ってないんだがよぉ…。まぁそれくらいなら……って裏切るってなんだ!裏切るって!」
今日も戌と酉のコンビは平和です。
怒突と庭取のCPが大好物です…。
誰か仲間いません…?
ちなみに、庭取が退場してからしばらくショックで十二大戦が見れませんでしたw
もしも需要があったらコメントくださいませ。
その場合は続けますw
誤字修正致しました!ご報告感謝ですっ!