『機体に重大な損傷を確認』
そうアナウンスが流れると同時にコックピット内の非常用ライトが点灯、コックピット周辺が真っ赤に染まる。
『リアクターが露出しました。パイロット緊急脱出を推奨します』
愛機が逃げろと警告してくる。もう装甲を覆うバッテリーの残量が切れてしまったのだろう。
「そいつは無理だな パスト。周りはもう敵だらけだ」
そう言ってモニターに目を向ける。そこには黒いオーラを纏った機械兵どもが我先にと押し押せてくる。仮に逃げ延びたとしても生身では生きて帰還する事は不可能だろう。
「パスト。残りエネルギーを全て武装に回せ、緊急バッテリーも使え」
コイツには非常時の際、敵陣地にスタンドアローン状態になったとしても帰還出来るように脚部に各サイド一本、計二本のバッテリーが内蔵されている。これを使う事でしばらくの間は戦えるだろう。
『パイロット緊急バッテリー使用を受諾。戦闘システムオンライン。パイロットいつでもどうぞ』
バッテリーを使った事で装甲にフィールドが覆う。しかし損傷が酷く、以前非常用ライトが点灯したままであるる。
「よし行けるな パスト。最後の悪あがきの駄賃として何体か道連れにしてやるさ」
メインアームの弾丸は先程の戦闘でかなり消耗している。サブのロケット弾も心許ない。おまけに敵は数十体ときたものだ。いくらこいつがヴァンガード級でも分が悪いだろう。
『了解、パイロット。共に最善を尽くし生き延びましょう』
相棒は再び生き延びろと言ってくる。コイツにはフロンティアの戦争からいつもお世話になってる。もし自分に運があったとすればコイツと最後までいられた事だろう。
「あぁ…そうだな。勝ったら一杯やろうか」
無理だと分かっていても二人なら出来る気がする。今まで戦ってきた相棒と言うものはそれだけ大きい存在なのだ
『パイロット、今は禁酒中です。アルコールではなく清涼飲料水を補給する事を提案します。』
そうだ…。コイツは融通が利かない奴だったな。何度健康について追求されたか分からない。
「それなら炭酸で乾杯だな、パスト」
仕方ない。一度隠れて友人と酒を飲んだ時は数時間いかにアルコールが体に悪いか説教されたものだ。あれ以来アルコールは摂取出来ていない。
『了解です、パイロット。私は飲む事が出来ませんが話の相手にはなれます』
…それは戦闘評価について話すのだろうか?前に成績の調子が悪い時に散々愚痴られたのだが勘弁してほしい。
「そうだな…。よけれ『敵タイタンが接近。パイロット、幸運を』さて…、行くとするか」
いよいよお喋りもここまでのようだ。
・・・
ふと目が覚める。目の前には一面いっぱいの草と曇りもない青空が広がっていた。
「ここは何処だ…。」
立ち上がり周りを見渡してみる。あたりを見ても数本の木々と生い茂った小麦色の草以外は何もない。
どうやら自分以外誰もここにいないようだ。
「何故こんな所にいる…。俺は一体…いや、私は…」
ふとなぜここにいるのか気になり思い出そうとしたのだが何も頭に浮かばない。それどころか自分が何者で何をしていたのかも忘れてしまったようだ。
まるで自分の中に大きな穴が空いたような感覚に陥った。
「な、何か自分を知る手がかりがあるはずっ…!」
そう思い、再度自分周辺を見回してみる。そして目についた体に着いている物体を根こそぎ取ってみる。
自分が身に着けていた物は腕に巻かれていた何かしらの物と腰に着けていた何やら握りやすい尖った物と妙に手に馴染む物、そして胸に着けていた硬い平べったい物と何かと包みたいな物が複数、腰に付いていた何やら複雑な物、そして投げやすそうな球体の物体であった。
「なんだこれ…。一体何に使えっていうんだよ…」
そう思い、その場にしゃがみ込む。結局自分を知るどころか自分が持っているか物が何であるという疑問が増えただけであった。
「…仕方ない。とりあえずここに居ても拉致があかないし、移動するか…」
とりあえずそこら辺に散らばっている自分の持ち物を再び身に付けて立ち上がる。
「さて…。とりあえずあっちに進んでみるか」
それに答えるかのように腕の装備品が点滅した。
タイタンフォール系の作品少なくてついつい書いてしまった…。タイタンフォール小説流行れ流行れ…