『こんちには パイロット』
そう言った彼女は目…だろうか?瞳のような円形のパーツを青く発光させる。どうやらフレンズと言うよりはラッキービーストに近い感じがする。そしてパイロットと言うのはどうやら私の事らしい。
全体を見てみる。何かあったのだろうか至る所で何かに削られたであろう傷と何かが爆発したであろう歪みが各部に見られる。
被害が少ない脚部の色から元はカーキ色だったと推定されるが、今は全体的に黒ずんでいる。特に腕部の損傷が酷く左腕に関しては根こそぎ無くなっていた。
「初めてまして、私はポーチ。んでそこにいるのがサーバルちゃんだよ」
「は…はじめまして。私はサーバルだよ」
『…はじめまして パイロット、サーバル。私はARES師団第三実験惑星第七警備隊所属FT-365です。』
彼女はそう名乗った。何やら難しい単語が並んでいる。
『パイロット、腕部に装着されているTSSから私のデータ特性が検出されます。しかし脈拍、脳波、発声共にパイロットの物と一致しません。現在パワー不足により視覚用モジュールが使用出来ない為、パイロットを視認する事が出来ません。パイロット、説明を求めます。』
説明しようにも私は初めからこの装備を身に着けていた。しかしこの装備品はどうやら彼女の物らしい。
「えっと…この服は起きた時から着ていたんだけど…。あなたの物だったりした…?」
『いいえ。その装備品のデータログを解析した結果、私のパイロットであるマーティー・ブライヤンの物であると判別出来ます。パイロット、貴方はマーティー・ブライヤンではないのですか』
抑揚のない声でそう尋ねてくる。しかし私には何処か不安そうに聞こえた。
マーティー・ブライヤン…。聞いた事も無い名前だ。彼女を前にしても何も思い出せない。きっと私はマーティー・ブライヤンと言う人物ではないのだろう。
「ごめんなさい…私自分の事何も覚えてなくて…。でも多分その人とは別人だと思うの」
そう言うとしばらく沈黙が流れる。夜ともあってかその沈黙が怖く感じる。
『…パイロット。1つ提案があります。私は私のパイロットであるマーティー・ブライヤンを探さなくてはなりません。しかし現在バッテリーの残量が僅かで動力が維持出来ません。そこでバッテリーの確保もしくは交換をお願いします。』
彼女はそう助けを求めてきた。もともと誰かを助けにきたのだ。物を持ってくる事ぐらいは出来るだろう。
「バッテリー…ですか?それを持ってくればいいんですか?」
『はい。私のパイロットは建設ターミナルへの上位アクセス権限を持っております。私のパイロットと合流出来れば貴方の特性データから貴方が何者なのかを特定する事が出来ます。』
どうやら彼女の探し人にいて、もし一緒に合流出来れば私が何者であるか分かるようだ。もともと人ひとり探しているようなもんだ、それがふたりになった所で問題はなかろう。
「それで合流する為にもバッテリーが必要ってわけね…。わかったよ。それじゃあ、道を教えてくれるかな?」
そう尋ねる。すると彼女から何か動く音がしたかと思えば彼女の胴体部分が前に開倒れてくる。
『パイロット、ヘルメットにデータをリンクする事が出来ません。ヘルメットを装着出来ない場合は中央コックピット座席底部にあるサバイバルキットを取ってください。』
いきなりでビックリしたが中に入っていく。中は衝撃で壊れたのか取れかけの装置があるもののそれなりに綺麗で、いくつもの管が繋がった装置や光る板状の装置などがある。言われた通り中央の座りやすそうな物の下側にある小さなケースを取り出す。
『サバイバルキットの中には私との連絡を取れる耳装着型通信機が入っています。これを使ってハブにマークされたマップを表示出来ます。』
とりあえず着けてみる。すると耳から立体的な透き通った地形が表示される。
「ポーチちゃん!なにこれなにこれ〜!すっごーーーい!!」
先程まで静かだったサーバルちゃんが騒ぎ出す。どうやら彼女にとっても珍しい物だったらしく目が輝いている。
『パイロット、聞こえますか。これ以降この通信機から連絡を送ります』
耳から声が聞こえてくる。どうやらこれを使って会話が出来るようだ。
「うん…聞こえるよ。それで何処に向かえばいいのかな?」
『バッテリーの在り処を検索中…。検索中完了、最寄りの最短ルートは元鉱山後山頂の予備バッテリー保管庫にあります。』
するとマップとやらに赤いマークが付く。どうやらそこが目的地らしい。
「分かった。そこに行って持ってくればいいんだね」
『肯定。その場所にはエネルギー補給装置があり、使用済みバッテリーを回復させる事が可能です。私のバッテリーカバーにある使用済み電池を持っていってください。』
彼女の方を見てみると胴体脇の下辺りに赤く点滅した物体がある。どうやらこれを持っていって欲しいらしい。しかし取ろうと引っ張るが取る事は出来ない。
『パイロット。使用済みバッテリーは回転する事で回収する事が出来ます』
どうやら回せば取れるらしい。バッテリーを動く方向にひねると見事に引き抜けた。
「これ…見たことあるよ!」
さっきまで遊んでいたサーバルちゃんが言う。彼女は似たような物を見た事があるらしく
「地面におちてたり、セルリアンを倒したら出てくるんだよ!」
「セルリアンがこれを持っているの?」
「うん!色がぜんぜんちがうけどね〜」
そう彼女は言う。何かセルリアンと彼女は関係があるのだろうか。
『バッテリーはパイロットが装着しているパイロットスーツ臀部周辺にあるバッテリーフックで持ち運ぶ事が出来ます』
そう言われたので自分の体を見渡す。すると輪っかの様な部品がお尻の辺りに付いている。このバッテリーそれなりの重さがあったので、このまま手で持っていく必要がなくて少しホッとする
「…よし。装着完了っと♪。これで準備は出来たかな。」
「ポーチちゃん?重くない?よかったらもつから言ってね」
「ありがとうサーバルちゃん。なんとか持っていけそうだよ」
彼女に心配される。しかしこの体はある程度の力があるようだ。これぐらいならなんて事はない。
『では行動を開始してください。任務を卒なくこなす事がパイロットの証です。』
「じゃあ…行ってくるよ。すぐ帰ってくるから待っててね」
そう言って私達は歩き出す。すると後ろから可愛いい足音が聞こえてくる。どうやらボスも一緒に来るようだ。
少し歩き始めると彼女が後ろから声をかけてる。
『パイロット。パイロットは次の作戦を遂行する為にも無事に生還しなくてはなりません。生き残るのです、パイロット』
どうやら彼女は心配らしい。私の周りには過保護さんが多いようだ。
「大丈夫だって。私には頼もしい友達がいるんだから!」
そう言ってサーバルちゃんを見る。
「大丈夫!どんなセルリアンだってやっつけちゃうんだから♪」
彼女はそう笑いかけてくる。大丈夫、彼女さえいればどんな困難だろうと立ち向かえる。
TSS
tactical support system
パイロットがより戦闘を有利にすべく、タイタン内のデータ領域を使って戦術をサポートするディバイス。現在は表示を行うヘルメットが無い為、かなりのシステムが制限されている。
さていよいよタイタンが出てきました…!これからどうなるのでしょうか