せんじょうのフレンズ   作:エースなパイロットさん

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やりたかっだけー…。…すみません許してください、どうかこの通り!_(:3 」∠ )_


かば と ばか

「けっこう歩いたね〜」

「そうだね…。サーバルちゃん」

 

 あれから一度明かりがある場所に戻って睡眠を取った私達はマップを見ながら道を進んでいた。そして…

 

「「わぁーーー!」」

 

 そろそろ疲労がピークに達するという所で森が見えてくる。そしてそこには待ちに待ち望んだ川が流れていた。

 

「「水だぁぁぁぁ!!」」

 

 二人共、我を忘れて駆け寄る。その足ぶりには疲労なんて感じさせない程の勢いがあった。

 

 側によって改めて川を見てみる。川の水は決して綺麗という訳ではなく少し緑色をしている。しかし透明度はあり、底を泳ぐ魚や石が見える。

 

『パイロット、川の水には寄生虫、有害細菌など体に有毒な物質が含まれている可能性があり危険です。サバイバルキット内の飲料水を飲む事を提案します』

 

 …なにか耳から聞こえてくる。彼女が言うには飲料水は目的地に着くまでには十分の量らしいのだが、既にサバイバルキット内の透明の袋に入った飲み物は空になっている。どうやら飲みすぎてしまったようだ…。

 

 耳から聞こえてくる声の事はほっておいて、私は手で水を掬ってそのまま飲む。冷たい水が疲れて火照った体を優しく癒やす。

 

 そのまましばらく夢中で飲む。いっそ川に飛び込みたいぐらいだ。ふと彼女の方を見る。すると彼女もこちらを見ていた。どうやら彼女も同じ事を思っていたようだ。

 

「ぷっ」

 

「「アハハハハハハ」」

 

 なぜか可笑しくて笑ってしまう。まさか考えている事まで同じ思わなかった。

 

「ふぅ…ここでちょっと休憩!!」

 

 彼女はそう言うと木にもたれかかる。私も流石に疲れてきたのでありがたい。

 

「そうだね…サーバルちゃん。川もあって涼しいし、ここで休憩しよう」

 

『ワカッタ…。ココハジャングルチホウダネ、モクテキチマデハアトニジカンクライダヨ』 

 

「わーい!!」

 

 どうやらかなりの道を進んだようだ。私も休憩がてら透明な袋に水を詰めていく。腕の彼女は相変わらず警告してくるがこれしかないので、仕方ない。

 

 水をせっせと詰めていると何やら向こうから流れてくる。何やら木で出来た物の上には黒とオレンジの模様がある体格の良い優しそうな女性と、その木で出来た物を引っ張るサーバル似の女性がやって来る。

 

「珍しいわね〜サーバル。ここで会うなんて」

 

「サーバルじゃないか〜。めずらしいな〜」

 

「あっ!カバにジャガー!」

 

 サーバルちゃんが顔をあげる。どうやら彼女達も知り合いのようだ。パークのガイドさんの名前は伊達ではないらしい。

 

「どうしてこんなところまで来たんだい?」

 

「今日はポーチちゃんとあの山にいくんだ〜!それでここで休憩していたとこ!」

 

「ポーチちゃん?聞いた事ない動物ですわね〜」

 

 黒とオレンジ模様の彼女がこちらを見てくる。

 

「あっ…はじめまして、ポーチと言います。よろしくお願いします」

 

 少し出遅れたが挨拶をする。挨拶は大切と何処かの人が言っていた気がする。

 

「名前はさっきつけたの。なんの動物か分からないんだって…。この子がどんな動物かわかったりしない?」

 

「う〜ん…。全然わからん」

 

「貴方は泳げるまして?空は飛べるんですので?…足がはやいとか?」

 

 ジャガーさんは分からないらしく、カバさんには質問攻めにされる。空は飛ぶと言うよりは少し浮かぶ程度で体力、ジャンプ力共にサーバルちゃんには劣ってしまう。結局どれもいいえと答えてしまう。

 

「貴方何も出来ないのね…」

 

 うっ…。確かにそうなのだが改めて他人から言われると何か来るものがある。

 

「そ、そんな事にないよ〜。ポーチちゃんには凄いところがたくさんあるんだから!」

 

 あ…ありがとうサーバルちゃんっ…!フォローしてくれる彼女に心の中で感謝する。

 

「まぁ…サーバルみたく足も早いし、耳も鼻もいいのにおっちょこちょいで全部台無しになっちゃう子もいるし、気にする事ないですのよ」

 

「ハッハッハ…!確かにそうだな!」

 

「うぅ〜ひどいよー」

 

 …確かに彼女はおっちょこちょいな所はある。しかしこれではいけないと慌ててフォローする。

 

「さ、サーバルちゃんはいつも親切だし、セルリアンもあって言う間に倒すし、とっても頼れるんだよっ…!!」

 

 ちょっと慌てすぎたのか少し声が大きくなってしまい、二人共少し驚いた顔をする。

 

「ふふっ、二人共仲が良いんですのね〜」

 

「サーバル、慕われてるな〜お前」

 

「そ、そんなことないよ〜」

 

 彼女はそう言って照れる。自分も思わず本心を言ってしまい恥ずかしい気持ちになる。しばらく笑っていたカバさんだが少し真面目な顔をして、こちらを向いた。

 

「ただ…ジャパリパークの掟は自分の力で生きる事。サーバル任せにしちゃ駄目よ。自分の身は自分で守るんですのよ」

 

「そうだな〜。せめて自分の身位は守れないと」

 

 彼女達に自分の事は自分でやれと言われた。確かに今までの私は彼女の足を引っ張ってばかりいた。

 

「…はい。分かっています」

 

「大丈夫っ!ポーチちゃんはどんな時でも守るんだから〜♪」

 

 サーバルちゃんはそう言ってくれるがいつまでも彼女にお世話になる訳にもいかない。

 

「それにしてもカバ、ここに居るなんて珍しいね〜何かあったの?」

 

「それは私が頼んだんだよ。向こうに何やら大きなセルリアンがいるらしくてさ〜」

 

「と言うわけなのよ〜。こう見えてもわたくし、力が強いですし〜。サーバル、ポーチ、今日はセルリアンが多いみたいだし気を付けるですのよ。」

 

 どうやら彼女もここに居るのが珍しいようだ。それにさっきからフレンズをあまり見かけないのはセルリアンのせいかもしれない。

 

 すると上流の方で悲鳴が聞こえる。なにやら向こうで何かあったようだ。

 

「…っ!いきましょう。ジャガー!誰かが襲われてるかもしれないわ」

 

「まっかせてー!!」

 

 彼女達が悲鳴の元に行こうとする。サーバルちゃんがこちらを見てくる。その目はやる気に満ちていて、彼女も助けにいきたいようだ。なので私達は声を出す。

 

「「私達も乗せてくださいっ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!みんな、見えてきたよ!」

 

『警告。敵対勢力を検知。至急排除を』

 

 二人の声で皆の顔に緊張が走る。少し川を上っているとセルリアンの姿が見えてくる。どうやら二体のいるらしい。

 

「で、デカいなぁ…」

 

「あらあら大きいですわねぇ〜」

 

 色は青色で前と同じだが大きさがふた回りも大きく、何やら触手みたいな物が生えている。まるで捕食に特化したような姿だ。

 

「ポーチちゃん!先行ってるね〜!うみゃみゃみゃみゃ〜!」

 

「よし、いくか〜」

 

 そう言うと二人は一気にセルリアンに向かって跳んでいく。私も何か出来る事があるかもと向かおうとすると

 

「自分の特技も分からない貴方には少し厳しいわ。ここでまってなさいね」

 

 とカバさんに釘を刺さしてしまう。前の小さいのにも苦戦していた私だ、今回の相手はかなり分が悪いのだろう。渋々頷いてその場に座る。それを見た彼女はニコリと笑って川に飛び込む。

 

 おとなしくイカダとやらの上で座って待っている。ふと視点を向けると先に行った二人はあっと言う間にセルリアンに近づいていく。狩りごっこの時にかなりの速度が出ていたからなぁ…と思いながら見る。しかし突然、二人共いきなり急停止する。何かあったのだろうか。

 

「あれ?石がないよ〜!」

「石が何処にあるのか全然わからん!!」

 

 どうやらセルリアンの弱点である石がないらしい。すると二匹のセルリアンが禍々しい目をこちらを向けてくる。そして二人を補足したのか触手を勢いよく叩きつけてきた。

 

「「!!」」

 

 二人は咄嗟の所で攻撃を躱す。後、数秒でも遅かったら今頃はその巨体の下敷きになっていたであろう。思わず悲鳴が出そうになる。

 

「石がないよ〜!なんで?」

「こりゃ…結構きびしいぞ…!」

 

 彼女達はそう言いながら一度距離を離れる。二人共無事で良かった…。ふとセルリアンの方を見ると背中の方に何やら光る物体がみえる。

 

「二人共〜!背中に石があるよぉ〜!!」

 

 大声で叫ぶ。すると、どうやら気付いたようでお互い顔を見合わせると大きく頷き、別々の方向から向かっていく。どうやら挟み撃ちにするらしい。

 

 相手のセルリアンはどちらを見るべきか判断出来ないのか目を左右に動かしている。そして判断つかなくなったのか二匹ともジャガーの方に向いた。これはチャンスである。

 

「うみゃみゃみゃみゃみゃ〜!!」

 

 上手く背後を取れたサーバルちゃんが跳躍する。この距離なら必殺の爪も届くだろう。しかし突然もう一匹の方がまるで片方を守るかの様にサーバルの方に向かってくる。

 

 「みゃみゃっ!?」

 

 自慢の爪はセルリアンの分厚い体に弾かれてしまう。そして追撃とばかりにセルリアンの触手が伸びる。

 

「っ!!サーバルちゃん!逃げて!!」

 

 声が出てしまう。弾かれた衝撃で上手く体制を直せないのかジャンプする様子はみえない。思わず顔を背け、目をつぶってしまう。

 

 しかしいつまで経っても衝撃音が聞こえてこず目を開けてみる。すると先程川を渡っていたカバさんが到着したのかサーバルの前で触手を受け止めていた。

 

「私に大口勝負をするなんていい度胸ね…!」

 

 彼女はそう言うと触手に拳を叩きつけ、触手を地面に叩きつける。その衝撃は凄まじく触手は無残にも潰れてしまっている。

 

 新たに強力な相手が現れたのか二匹ともお互いを意識しながら防御体制をとる。こちらが数的にも有利になったが依然として危険な状況が続く。

 

「そ、そうだ…!」

 

 私は思い出したかの様に腰からRE-45を抜き出す。前は役に立たなかったがジャンプキットしかり使い方さえわかれば新たな力を手に入れる事が出来るだろう。

 

 必死に思い出そうとRE-45を見る。しかし当然の事ながら何も思い出せない。思わずこのまま投げ捨ててしまおうかと思った矢先彼女から通信が入る。

 

『RE-45 高性能マシンピストル アタッチメントはホロサイト MODは弾倉追加とスピードローダーを確認。残弾数は残り24』

 

 どうやら彼女はこれについて何か知っているらしい。

 

「っ…!!JT-365さん!これの使い方教えて!」

 

 本当は自分で探すのが一番なのだろうがしのごの言っている余裕はない。知っている彼女にたずねる。すると

 

『現在、その銃には物理セーフティーがかかっています。本体の左にあるセーフティレバーを下げてください』

 

 と言われたのでもう一度RE-45を見てみる。すると確かに左側に棒状のレバーらしき物があるそれを下げるとカチッと音がした。

 

『パイロット、対象にレティクルを合わせて引き金を引いてください。目標にRPM720、約400m/sの弾丸を相手にバラ撒く事が可能です』

 

 そう言われたので構えてみる。ちょうど三人が距離を保ってるお陰でレティクルにはセルリアンのみが入る。今度はちゃんと成功させる…!

 

 ゆっくり息を吐き、引き金を引く。すると手の中でサーバルちゃんが暴れる様にRE-45が跳ねて、高速で何かが飛んでいく。反動に驚いた私は思わず引き金を元に戻してしまう。

 

 その威力は凄まじく今まで攻撃が効かなかったセルリアンの体に小さいながらも穴が開く。ここに居る者すべてがこちらを向く。

 

「っ!いきますわよ〜!」

 

 誰もが固まっている中、カバさんは攻撃を受けた方のセルリアンに攻撃を加える。その強烈な拳はセルリアンの石に命中し、セルリアンが爆発する。

 

 残ったもう一方のセルリアンはやられたセルリアンの事なんか気にせずこちらに真っ先にやってくる。先程までのセルリアンとは思えないほどだ。

 

「ポーチちゃん!!」

 

 サーバルちゃんの悲鳴のような声が聞こえる。しかし右手で持っている新たな力を体感した私は迫りくるセルリアンの姿をみても冷静でいる事が出来た。

 

「っ!!」

 

 あの蔦に球体のついた様な形の触手が私の体に目掛けて飛んでくる。それをジャンプキットを使った超人的な跳躍力で前に跳び、回避すると同時にセルリアンの方に接近する。 

 

〈!〉

 

 初撃を外したと分かったセルリアンはニ撃目を放ってくる。その触手を更にジャンプキットを吹かす事で空中で回避する。このジャンプキットは空中でも最大出力で吹かすと跳躍する事が可能なのは崖を降りた時から分かっていた。そして出来た滞空時間の間に、セルリアンの目にRE-45を浴びせる。 

 

〈!!!〉

 

 目に攻撃を食らったセルリアンは地面に顔を向ける。その間に私はセルリアンの頭に着地すると同時に、足を踏み出すことでまるで跳ねるかのように三度目のジャンプを成功させる。

 

「見えたっ!!」

 

 そしてようやく見えてきた石に宙返りで体勢を整えながらもRE-45の全てを叩き込む。セルリアンの石が割れてセルリアンは形状を保てなくなりサンドスターの塊となる。そして再びジャンプキットを吹かしてサーバルちゃんのいる陸地に辿り着く。

 

「やったよ…!サーバルちゃん…!」

 

 緊張していたのか私はそう言い切ると同時に足に力が入らなくなり、地面に座り込む。

 

「っ!!。大丈夫!、ポーチちゃん!」

 

 慌ててサーバルちゃんが寄ってくる。無事倒せた事にホッとする。

 

「ごめんね…ポーチちゃん…守ってあげられなくて…」

 

 彼女はそう言いながら私を抱きしめてくる。その温もりを感じると気が緩んでしまい顔から少し涙が零れてしまう。

 

「大丈夫だよ。サーバルちゃん、ジャパリパークの掟は自分の身は自分で守る事なんでしょ?」

 

「でも…」

 

 彼女は申し訳なさそうにこちらを向く。すると集まってきた彼女達が声をかけてくる。

 

「凄いじゃん、ポーチ!!」

「あのセルリアンを一人で倒すだなんてなかなか出来る事ではないのですのよ」

 

 二人に褒められて頬が少し赤く染まる。褒められて嬉しくない動物はいない。思わず照れ隠しに顔を上に向けると、空は雲ひとつない綺麗な青空だった。

 




ボス「…アワ、アワワワワ」

カバンがない為、一人その場に置き去りにされたボス…
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