Re:ゼロから始める極道生活   作:勘兵衛

4 / 12
覚悟を決めて

「……何をしているんだ?」

 

貧民街の入口へつくと、スバルは何故かおもむろにその場で寝ころび地面の泥や土を着ているジャージになすりつけ始めた。

 

「ふっふっふ、これぞナツキ・スバル渾身の策!

 繰り返す貧民街の探索で学んだ一つの攻略法よ!」

 

そう言って寝ころびながら桐生にサムズアップするスバル。

どうやら緊張と恐怖で気が狂ったわけではないらしいと桐生はとりあえず一息つく。

 

「何か考えがあるのならいいが、それは俺もやった方がいいのか?」

 

「うーん、その方が都合がいいかもしれねえけど……やっぱいいや

 なんか叔父貴の着てるスーツって高そうだし」

 

スバルの庶民的貧乏性が発揮される。

自分の一山いくらなジャージは汚れてもどうでもいいし、元々汚れるのも用途の内みたいなものなので気にはしないが、桐生の着ているグレーのスーツはスバルの目から見ても相当に高級そうな生地で出来ていた。

他人の衣装とはいえ、これを汚すのはスバルには少々気が引ける。

 

「スーツだけじゃないよなあ、中に着てる赤のシャツとか履いてる靴とかもなんかめっちゃ高そうだし、もしかして叔父貴って金持ち?」

 

桐生の足元に転がり、白い蛇柄のエナメル靴を眺める。

スバルの言う通り桐生の着ている服はどれも相当に高級なものであり、恐らく総額を聞けばスバルの目玉がショックで飛び出しかねない。

 

「まあ、仕事柄安物ばかり着るわけにもいかなかったからな。

 それよりも、本当にいいのか? 必要なら別に汚れても構わねえぞ」

 

確かに愛着はあるし気に入りではあるが、桐生にはそこまで服装に強い執着はない。

必要とあらば汚れる事も辞さないし、そもそも喧嘩の返り血で服を汚す事だって珍しくは無かったのだから。

 

「ん~、やっぱいいや。むしろ俺だけみすぼらしい方が効果あるかもしれねえし」

 

「まあお前が言うならそれでいいが……おい、そこ糞があるぞ」

 

「げっ! マジかよ!? うへぇ、なんかべっとりしてるけど何の糞だ? もしかしてあの大きなトカゲか?」

 

慌てて立ち上がるももう遅い。、スバルは尻の部分についた糞のぐんにょりとした嫌な感触に顔をしかめる。

本来なら別に転がったりまでするつもりはなく、ちょっと泥や土で汚れればいいやくらいの心持だったのだが

どうやら少しいい格好を見せようと張り切ったのが失敗したようだ。

 

「ちくしょー、せめてスニーカーにつくくらいなら俺の名誉も守られたってのに!」

 

「まあ、なんだ。泥だらけの時点で大差ねえさ。気にするな」

 

「……叔父貴ってフォロー下手だって言われたことない?」

 

桐生なりに励まそうと声をかけたつもりだったが、スバルは口をとがらせて小さく抗議する。

既に名誉も何もないと言われたようなものなのでスバルにしてみれば少々不服だったのだろう。

もっとも、それもさほど気にする風でもなく

 

「ま、逆に『ウン』がついて幸先良いって事よ!

 ともあれ準備は整った! ナツキスバル考案『オペレーション汚れっちまった悲しみに』ミッションスタートだ!」

 

気を取り直し、腰に手を当て天に人差し指を掲げながら高らかにそう宣言した。

 

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 

結論から言うとスバルの作戦は想像以上の大成功であった。

 

「サンキュー、助かったぜ兄弟!」

 

「礼は普通に言え、スバル」

 

「ご協力ありがとうございます、兄弟!」

 

「お、おう……。まあ、なんだ。強く生きろよ兄弟」

 

得意気な笑顔で礼を言うスバルだったが、言われた男の方はどこか引きつった笑みを浮かべてそれに応じる。

その瞳に宿るのは親切心や老婆心のようなものではなく、唯々スバルへ対する同情心そのものであった。

 

「これで必要な情報は揃った。……どうだい叔父貴、この完璧な作戦は」

 

「あぁ、大したもんだ。俺一人じゃこうはいかなかっただろう」

 

スバルのドヤ顔に桐生は素直に賞賛の言葉を送る。

何度かこの貧民街に来た経験から、スバルはここの住人が身なりによって態度が変わることに気づいたらしい。

一度目に訪れた時は血や泥、挫創などでかなりみすぼらしい見た目になっていたらしい。

そのため住人はそれなりに協力的だったが、対して二度目は奇麗な身なりのまま訪れたため、住人は冷たく非協力的とその対応に雲泥の差があった。

それを踏まえ、今回はわざと身なりを汚してから情報収集を始めたのだ。

その結果は良好、貧民街の人々はスバルに対しとても親身に対応してくれた。

もっとも、そんな彼らの目に浮かぶのは親近感などではなく、同情と憐憫の情であったのだが。

 

「よく分からねえけど、多分仲間意識みてえなのがあるのかな?」

 

「こういうコミュニティではそれが大切なんだ

 地位も金もねえ浮浪者やならず者にとっちゃ、人脈やそこから共有できる情報は数少ない武器だからな」

 

「それって日本でも?」

 

「ああ、俺の知ってるホームレスなんざ、地下に秘密組織を作って街中を監視して裏社会を牛耳ってたぜ」

 

「いやいやどこの漫画の世界だよ、流石にそれは騙されねえって」

 

桐生は事実を言ったまでに過ぎなかったが、スバルにはどうやら冗談か何かに思われたらしい。

流石にそこまで子供ではないと少し拗ねるスバルだったが、多少語弊はあれど概ね事実なので桐生にとっては少々理不尽な反応であった。

 

「いや、本当なんだがなあ……。まあいい、それよりも手に入れた情報でどうするつもりなんだ?」

 

「それを説明する前に、改めて作戦と目的を整理するぜ」

 

スバルが聞いて回って得た情報は、フェルトという盗人のアジトに関してだった。

 

彼の目的はある少女が盗まれた大切な物、徽章を持ち主に返す事だ。

そのために彼が講じた手段は、その盗品を自分の手で買い戻し少女に渡すという方法。

 

この手段を実行するためには、おおまかにいくつかの条件が必要になる。

 

一つ、盗品の流れつく場所を突き止めなければならない。

これは既にクリア。一度目の時点でスバルと少女は貧民街にある盗品蔵という場所に一度それらが集められる事を知り、そこを訪ねている。

 

二つ、買い戻すための資金。これもクリア。

桐生にも語ったように、日本から持ち込んだ道具はこの世界ではどれも貴重らしく、特に携帯は破格の値段で売り捌ける。

この事は盗品蔵の主にも確認を取っており間違いはない。

事実、二度目の周回でその人物立会いの元窃盗を行った本人、フェルトとの交渉は一度成功している。

 

そしてここまでの全てで、スバルとその盗品の関係者は悉くエルザの手によって殺害されているのだ。

 

三つ。これが最も重要かつ困難な条件、エルザに殺されない事である。

 

「あの女も別口で徽章の入手を依頼されてるらしい。二度目の時はエルザも同席しての交渉だった。

 ただまあ、その時の感触だとそこまでこだわっているようにも思えなかった。こちらの提示できる額で足りないのなら仕方ないみたいな感じで。

 だからむしろ、その関係者を殺す方が重要……なのかもしれない」

 

 前述の通り、二度目の周回ではスバルの交渉により徽章の入手は目前まで成功している。

 当然エルザも仕事のため粘ったが、こちらの提示した携帯の方が価値が高いという事でおとなしく引いてくれたのだ。

 だが、スバルが口を滑らせ徽章の所持者の関係者と判明した途端本性を現し、皆殺しにされたという。

 

「まあ元々殺すつもりだったのかもしれないし、そもそも前回だっていきなり殺されたわけだからな

 上手い事刺激しないようにして穏当に済ませる、ってのは期待できないと思う」

 

「厄介な相手だな。だが、それならラインハルトに来てもらった方が良かったんじゃねえか?」

 

 桐生の見立てでは、エルザも相当の使い手だがラインハルトには遠く及ばない。

 彼が居れば、まず間違いなく犠牲を出すことなく切り抜けられると桐生は踏んでいる。

 

「俺もそうは思ったんだけどさ、あの子は……」

 

 そう言ってスバルはバツの悪そうな顔をする。

 自分でも賢明とは言えない判断を下していることは自覚しているようだ。

 

「よく分からないけど、衛兵に頼れない事情があの子にはあるみたいなんだ

 だから、ラインハルトを頼るのは出来るだけ避けたかった」

 

 スバルにも理由は知らされていないようだが、少女は人に―― 特に衛兵を頼る事を良しとしなかったらしい。

 三度も自分で解決しようとして殺されているのは、てっきり好きな子の前で格好をつけたかったのだろうと考えていた桐生だが

 スバルにはスバルなりに慮った事情があったのだと知り、心の中で勝手な推測を謝罪する。

 

「まあその方が俺の手柄にもなるし? ちょこーっとだけ都合良いかななんて思ったりもしないわけではないけど」

 

「……スバル、口に出さなくても良い事だってあるんだぜ」

 

「? 何の話?」

 

「いや、なんでもねえ」

 

 スバルという少年はどうやらコミュニケーション能力に難があるようだ。

 決して低いというわけではないが、恐らく極端に人を選ぶ。

 学校でも理解者を得るには苦労したのではないだろうか。

 

「というわけでだ、一番安全に徽章を手に入れる為には盗品蔵に入る前に徽章と携帯を交換しちまいたいんだ」

 

遅く行き過ぎては犯行現場に出くわし口封じのためデッドエンド。

かといって盗品蔵の主と合流し、フェルトがやってくるのを待って交渉に臨んでもエルザと鉢合わせになってデッドエンド。

ならば盗品蔵に流れ着く前に、徽章を入手したいと考えるスバルの思惑はそう的外れのモノでもないのだが。

 

「成程な、だがそいつは難しい話だ」

 

「え、どうして?」

 

良い考えだと思っていたスバルは、予期せぬ駄目出しに目を白黒させる。

 

「お前も一度交渉したなら分かってると思うが、俺達は現金を持っていない以上携帯の価値を保証する『第三者』が必要になる」

 

「ああ。それが盗品蔵の―― 」

 

 言いながらスバルは気づいたようだ。

 そう、例えフェルトを捕まえたとしても、携帯を交渉のカードとして利用する限り、最終的にはその『第三者』がいる盗品蔵に移動しなくてはならないのだ。

 

「参ったな、やっぱりエルザとは出会う運命なのか……?」

 

 そう口にすると聞こえはいいが、実態は人の腸をつけ狙う猟奇殺人鬼だ。

 ヒロイン候補としてはスバルには少々荷が重い。

 

「だが方向性は間違っちゃいねえ」

 

「え?」

 

「要はエルザが関わる前に交渉を済ませちまえばいいんだろう?」

 

「いや、それはそうなんだけどさ……」

 

それが出来れば苦労はしないとスバルは心の中で続ける。

なにせあのフェルトという盗人はとんでもなくがめついのだ。

 

「まあ……やれるだけの事はやってみるさ」

 

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 

「えーっと、情報だとこの辺のはずなんだけど」

 

 キョロキョロと周囲を見回すスバル。

 辿り着いたのは小汚い小さなボロ屋とゴミが散乱するこれまた小さな空き地だ。

 前回エルザと出くわした地点から五分ほど歩いた先にあるその場所は、スバルの感覚ではとても人が住む場所という認識ではなかった。

 

「本当にこんなとこに人が住んでるのかあ? それもあんな小さな女の子が。

 もしかしてガセネタ掴まされたか……まさかエルザが気紛れに立ち寄ってたとか、そういうのはねえよな?」

 

 もしそうならば最悪の事態だ。

 二回目にそういった事が無かったとはいえ、今回もそうだとは限らない。

 人の気分や行動は時間を巻き戻しても全く同じになる事は余りなく、気紛れや状況に応じて大きく変化する。

 そのため、スバルの懸念も決して見当外れなどという事は無いのだ。

 

「いや、その心配はねえ。ここまで血の臭いも荒事の気配も無かった」

 

 そんな心配をするスバルを桐生が宥める。

 

「それにガセネタの心配もないだろう。

 見たところ人が住むだけなら、こういった場所じゃあ上等な部類だ。浮浪者の女の子ってんなら信憑性はある」

 

「げ、マジで? すげーカルチャーショック」

 

 桐生の感想と自分の感想に大きな隔たりがあることに驚くスバル。

 一般的な家庭で育ってきたスバルには中々信じ難いものがあった。

 

「お前の気持ちも分かる。

 いくら住むに不自由がないとはいえ、年頃のガキが生きるにはあまり褒められた環境じゃねえのは確かだ」

 

 こういった環境で暮らし盗みを生業にしているという事は、相応の事情があるのだろう。

 そういった子供を桐生は沢山目にしてきたし、幸福な末路を辿れた者が少ない事も残念ながらよく知っている。

 ここが元の世界であったならば、迷わずに桐生は孤児院へ連れ帰っていただろう。

 

「だよなぁ? こんなところで小さな体をちっちゃくして生きてるんだぜ?

 そりゃ性根も捻じ曲がるってもんだよなぁ、あぁ可哀想に」

 

「……あながち的外れでもねえが、それを本人に言うんじゃねえぞ」

 

「もう遅いよ、こんなところで捻くれちまって悪かったな兄ちゃん」

 

 声をかけられ振り返ると、そこには金髪の小柄な少女がむすっとした表情で立っていた。

 

「お前がフェルトか?」

 

「そうだよおっちゃん。あたしの名前知ってるってことは仕事の依頼か?

 それとも人のねぐらを笑いものにしにきた嫌味な野郎か?

 どちらにせよ話は手短にな。あたしは今あんまり機嫌がよくねえんだ」

 

 それはスバルの不躾な物言いが原因か。

 それとも所々に見える擦り傷や汚れが原因か。

 

「元々小汚い格好が余計に……今回の逃走劇は大変だったんだな」

 

「あぁ?」

 

「すまねえ、こいつは少し一言多くてな。代わりに謝罪する

 用件は仕事に関してだ、受けてくれるか?」

 

 これ以上神経を逆撫でしないようスバルに代わって会話の主導権を取る桐生。

 仕事の話と聞き、若干態度を軟化させたフェルトはねぐらに置いてあったボロボロのソファーに腰掛け、値踏みするように二人を見据えた。

 

「ふん、まあいい男のおっちゃんに免じて許してやるよ。

 それで? そんなざーとらしいくらい薄汚い身なりでわざわざあたしを探して何を頼もうってんだ?」

 

「え、なにお前って年上趣味? いや確かに叔父貴はかっこいいけどさあ」

 

「すまんスバル、今は少し黙っててくれ」

 

言われたスバルは指を摘まみ、唇を左から右へなぞりお口チャックアピールをする。

それがまた何となく鬱陶しかったのか、それを横目で見ていたフェルトは殊更不機嫌そうに鼻を鳴らした。

 

「口の減らねー兄ちゃんだな。まあ何考えてるか分かんねえような奴よりもよっぽどいいけどよ。

 それで仕事の内容は? 盗みなら前金は出してもらうぜ。勿論相手次第じゃそれなりのもんを覚悟してもらうけどな」

 

真剣な顔で後ろ暗い話を悪びれろ事もなくフェルトは口にする。

それを聞いたスバルは何かを言いたげにするが、黙れと言われてしまったため口にはしなかった。

……が、表情には出ていたようでそれを察したフェルトはまた少し不機嫌そうに顔をしかめる。

 

「なんか言いたげだな兄ちゃん。同情するなら金でもよこせよ。

 言っとくがこれは生きる手段だ。これが無けりゃ体でも売るしかねーからな」

 

そんな貧相な体じゃ買い手もいないだろとかスバルが追加で考えたのは内緒だ。

 

「文句はねえさ、お前がその生き方を選ぶってなら好きにすればいい、その分こっちもその能力をアテにさせてもらうだけだ」

 

「へぇ、いいねおっちゃん。話が分かる奴は嫌いじゃねーぜ」

 

「なんか好感度に差がありません?」

 

「兄ちゃんは人の癪に障る事一々口にしすぎなんだよ……」

 

 怒りを通り越して呆れた様子でフェルトは息を吐く。

 流石にこの短時間で何度も逆鱗に触れられると怒るのも疲れた様だ。

 

「で、話を戻すけど仕事の内容は? 盗みかそれとも闇討ちか?

 悪いけど殺しまではやんねーぜ。リスクが高すぎるからな」

 

 勿論、危害を加えるなら容赦しねーけどなと付け加えつつ、どこからともなく瞬時にナイフを手元に出現させる。

 危害を加える、或いは女子供だからと言って舐めてかかるなら容赦はしないという意思表示だ。

 

「あぁ、心配するな。満足させるだけの報酬は用意してある」

 

「へぇ、いいじゃんいいじゃん。払いのいい奴は好きだぜあたしは」

 

「話が早くて助かる。それで仕事の内容だが、盗品の捜索――」

 

 本題に入り、交渉に入ろうとする桐生。だが――

 

「お前の盗んだ徽章を買い取りたい。報酬は聖金貨20枚の価値があるもの。十分破格のはずだ」

 

 お口チャックはどこへやら、遮るように前に出るスバルの一声。

 それにフェルトは呆れかえった表情でスバルに目をやり、桐生は小さくため息をついて頭に手をやるのであった。

 

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 

 想像とは違った二人の反応に、スバルは困惑する。

 

「あれ、俺なんかおかしな事言った?」

 

「いや、そういうわけじゃねえんだが……」

 

「おっちゃん、パートナーは選んだ方がいいぜ?」

 

 何故か桐生は頭を抱え、そんな彼に何故かフェルトは同情的だ。

 おかしい、話の内容は間違っていなかったはずなのだが。

 

「あのな兄ちゃん、何であたしが徽章をギッた事を知ってんだよ?

 依頼人以外にゃ漏らしてねーし、そもそも盗んだのはついさっきだ。小耳に挟むにゃ耳がでかすぎるとは思わねーか?」

 

 子供にモノを教えるように話すフェルトに、「言われてみれば……」と自分の失言に気づくスバル。

 

「更に言えば仕事の内容も話してねえのに報酬の内容まで話すとかさー、聖金貨二十枚は確かに魅力だけど、交渉するならもっとタイミングってもんがあるだろうよ」

 

 まさか交渉を仕掛けた相手に説教をされるとは思わず言葉に詰まりしゃがみ込む。

 叔父貴に不甲斐無いところを見せてしまったと自省し横目で桐生を見やるが、怒ってはいないようでほっとする。

 

 そんなスバルに毒気が抜かれたのか、少々気の抜けた顔でしゃがみ込みスバルと目線を合わせると「それで?」と前置きし

 

「徽章を買い取るって? 依頼主の姉さんとは別口だろ? ならどういうわけだ、商売敵か?」

 

「まぁそんなもんだ。報酬はさっき提示した通り。向こうよりも良い条件のはずだ。勿論、受けてもらえるならこれからも得意にさせてもらってもいい」

 

 気を取り直して交渉を再開する桐生。

 スバルはというと、流石に懲りたのか口を噤んだまま成り行きを見守る姿勢だ。

 

「なんだよそこまで知ってんのか。まあ概ねおっちゃんの言う通りだ。

 依頼反古にしてもまあ釣りはくる。聖金貨二十枚なんて報酬を用意できる連中と繋がれるのも悪くない話だな」

 

 そう言って口の端を吊り上げ頷くフェルト。感触は上々だが、それでもまだ交渉を纏めるつもりはないようで言葉を続ける。

 

「おっちゃん達の話はわるかねー。そうなると後は信用問題だ、悪いが甘い話だけでほいほい乗っかる程頭空っぽじゃねーからな

 まず信用出来ねーのは報酬だ。さっき兄ちゃんは『聖金貨二十枚の価値があるもの』って言ったな?

 って事は現物じゃねーんだろ? そいつを見せてもらわなきゃ、交渉としては不公平だ」

 

「用心深いな。だがそうでなくちゃあこちらも困る。むしろ好都合だ。

 まずは現物だが……スバル」

 

「え?」

 

 まさか自分の名前が呼ばれるとは思わず、面食らって立ち上がる。

 同時に何か役に立てることがあるのだろうかとやる気と期待で心を震わせる。

 

「アレを出してくれ。説明はお前の方が上手い」

 

「お、おう! 任せてくれ叔父貴!」

 

 当社比三割増しで張り切って携帯を取り出すと、スバルは身振り手振りを交えてその価値を説明する。

 これは世界を切り取り凍結させ保存する魔法器『ミーティア』

 世界に二つとない貴重な物で、市場に出せば交渉次第で聖金貨二十枚は下らない。

 などとスバルのよく回る軽口がいかんなく発揮され、さしものフェルトも感心したように携帯を興味深げに手に取る。

 

(時を凍結、なんてなぁ言い様だな)

 

 その辺りは桐生には思いつかない芸当だ。

 桐生自身は余り実感はないが、魔法というものが存在する世界ならばそう言った言い回しの方が価値が伝わりやすいのは何となくわかる。

 

「じゃあ実際に試してみるか、ほれ」

 

 パシャリとシャッターを起動すると、強烈なフラッシュと共に驚いたフェルトが「うわぉう!」と女の子らしからぬ悲鳴で体をのけぞらせる。

 写った写真を見せると、彼女は赤い双眸を見開き食い入るように携帯を食い入る見つめる。

 

「確かに、嘘じゃねえみてーだな。けど本当にこれアタシか? 世界を切り取るってんなら、アタシはもう少し美人のはずだ」

 

「意外と自己評価たけえなお前」

 

「そう思うならもう少し身綺麗にするんだな。元はいいんだ、着飾れば男が放っておかねえぜ」

 

「へえ、なら次の仕事でおっちゃんと会う時はめかしこんでやろうか?」

 

「報酬に色はつけねえがな」

 

「ちっ、ばれたか」

 

 ほんの一瞬年相応の子供らしい笑顔を浮かべるフェルト。

 どうやら二人の相性は悪くない……というよりも、桐生が女子供の扱いに慣れているようだ。

 

「説明は以上だ、今ならなんとお値段聖金貨二十枚+α! 更に更にぃ、今から三十分以内にお買い上げのお客様にはなんと!

 このナツキスバル使用モデルのこのジャージをお付けしてお値段据え置き!」

 

「いらねーよ、そんなクソくせーダサい服」

 

「あふっ! 今一番気にしてるのに!」

 

「ま、確かに価値がありそうなのは分かった。こっちにメリットもある」

 

「よっしゃ、なら――」

 

「後は、そいつが本当に聖金貨二十枚なんて値段がつくってぇ保証だな」

 

「早速……って、保証?」

 

「たりめーだろ、珍しいのは分かったけど値段については別だ。

 どんな貴重なもんだって買い手がいなけりゃただのゴミだ。

 そこに落ちてる石は世界に一つしかない形です、だからお幾らですなんて言われて大金叩いて買うか? 買わねーだろ?」

 

 足元の石をスバルに放ってそう話すフェルト。

 想定通りの流れとはいえ、この勢いで交渉が纏まると僅かに期待していたスバルは少し残念そうな表情で小石を受け取るが、桐生は変わらぬ様子でそれに対応する。

 

「言う事はもっともだ。それでそっちに保証のアテは?」

 

「ある。前もって言っておくが信用できる相手だ。偏屈な爺さんだが鑑定眼はあるし、場数も踏んでる。何より公平だからあたしに肩入れするような事も無い

 少なくともこの界隈じゃ他に適材はないぜ」

 

「そっちの言う通りにしよう。ただし少し条件をつけてもかまわねえか?」

 

「内容次第」

 

「そっちの不利になる様なもんじゃねえさ。

 俺達全員での立会と、商売敵……お前の依頼主の不在だ。

 あとはそっち主導で話を進めてもらっても構わねえ。その爺さんが言う通りの人物なら、こっちの悪い話にはならねえだろうからな」

 

「ふぅん、それは値段を吊り上げられるのが怖くてか?」

 

 探るような視線で桐生をみやる。

 だがそれに臆する事無く、表情を変えずに桐生はそれを肯定する。

 

「ああ、一応相手には気づかれたく無くてな。向こうはこっちが横やりを入れようとしている事に気づいてない。

 だから向こうも現状なら、いくら吹っ掛けたところでそこまで報酬を吊り上げる様な事はしないだろう」

 

「はっ、片棒を担げってか?」

 

「その分甘い汁は吸わせてやるさ」

 

「逆に言えば、あんたらの存在が知れたら向こうも張り合うって事だよなぁ?」

 

「そうなればこっちは手を引くまでだ」

 

「………」

 

 考え込むフェルト。

 ここまで桐生と、意外にもスバルに対して悪くない印象を抱いている彼女だが、それで交渉に手心を加える程甘くはない。

 損得を考え、その上でどちらに乗っかるべきかを判断するべく思考する。

 

「……いいだろう、その条件で受けてやるよ。

 ただし鑑定の結果が満足いかなかったら、遠慮なく依頼主の姉さんも呼ばせてもらうぜ」

 

いいんだな? とスバルに目配せをする桐生。

それに対し、問題ないと自信満々にサムズアップで応える。

 

「ああ、それで構わない」

 

「なら早速場所を移すぜ。爺さんの居場所は盗品蔵だ。依頼主との受け渡しもそこになってるからな。

 約束の時間まではもう少しあるけど、鉢合わせになりたくなきゃ急いで向かうぜ」

 

 何とか交渉の第一段階をクリアした二人は、スバルにとっては二度も命を落とした、桐生にとっては初めての盗品蔵へ向かう事になった。

 

 

 

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 

 

 

「ふぅーむ……」

 

 厳めしい顔を巨大な手で摘まむ小さな携帯に寄せながら、野太い声を漏らす。

 この老人こそが盗品蔵の主にして『第三者の鑑定人』通称ロム爺だ。

 

 盗品蔵に辿り着き、初めて目にした時はさしもの桐生も驚いた。

 なにせ現れたのは体格のいい桐生でさえ見上げる程の巨人なのだ。

 巨人は老体でありながら力強い筋肉質な肉体と、その鋭い眼光で初めて顔を出すスバルと桐生の二人を威嚇した。

 

 だがフェルトの客であると知ると一転態度は軟化。

 見た目とは裏腹の気さくさと見え隠れする好々爺ぶりにたちまち打ち解け、特に桐生とはウマが合う様子であった。

 

「さしもの儂も魔法器を扱うのは初めてじゃ。ましてこの様な効果の物は見た事も聞いた事もない」

 

「じゃあロム爺には扱えねーのか」

 

「馬鹿を言うなフェルト。それだけかつてない値がつくという事じゃ。

 聖金貨で十五……いや二十は下らん。儂ならばそれくらいで捌く自信がある」

 

 その答えに僅かに胸をなでおろす桐生。

 スバルは既に経験済みなせいか、特に反応はなくしきりに入り口を気にしてそわそわしている。

 

「じゃがのぉ、これではお前さん達に損が大きすぎる。

 徽章は見せてもらったが、とてもこれと釣り合う値はつかんはずじゃ」

 

盗品蔵の主とは思えない老人の忠告に桐生は感心する。

あくどい商売をしているとはいえ根は善人なのだろう、フェルトが信頼するのも頷ける。

 

「構わねえ、こっちは向こうの面子を潰せればそれで充分価値がある」

 

「ふん、まあそんなゴタゴタの争いに首を突っ込むつもりはないがの。……む、グラスが空だな。もう一杯どうじゃ」

 

「ああ、中々いける。もらおうか」

 

「ガハハ! イケる口じゃのお、男はそうでなくてはいかんぞ小僧!」

 

 ちびちびと口をつけるスバルの背中を上機嫌にバシバシ叩く。

 

「いて、いてて! いてえよ爺さん! っつーか仕方ねえだろ! 俺はまだ未成年なの!」

 

 注がれた酒を一息に飲み干して顔色一つ変えず、ミルクを口にするフェルトに目をやる桐生。

 それに気づいたフェルトはニヤリと笑い、仕事の話に戻った。

 

「なんだおっちゃん、話が纏まったと思ってんなら気がはえーぜ。

 あたしはまだ一言も交渉に応じるとは言ってねーんだからな」

 

「そう意地の悪い事を言うなフェルト、お前さんにとっても都合のいい……いや良すぎる話じゃろう」

 

「あんたの信頼する人物からのお墨付きももらった。今回の商談はこの辺で手を打ってくれてもいいはずだ」

 

「そうだぜ、あんま欲かくとその内寝首を……いや腸を狩られるぜ」

 

「なんだよその具体的な指定。ま、あたしだって本気じゃねー。この辺が引き際って事くらい承知してら」

 

 そう言って胸元から何かを取り出し桐生に向けて放り投げる。

 空中で掴み手に取ったそれは、竜を象った意匠が特徴的なバッジだった

 

「おめでとさん、晴れてそいつはあんたらのもんだ」

 

「ねんがんの きしょうを てにいれたぞ!」

 

 立ち上がりガッツポーズをしながらスバルは叫ぶ。

 そのテンションについていけず、他の三人はぽかんとして様子で沈黙してしまう。

 

「あ、いや、いいだろ! 念願が叶ったんだから! ってかなにこれデジャブ!?」

 

「ったく、はしゃぎすぎだろ。まあアタシも人の事は言えねーけどな」

 

 そう言って上機嫌にミルクを飲み干す。

 

「聖金貨二十枚は下らねーお宝に払いの良い大口のお得意さんまで捕まえたときたんだ

 こりゃアタシの時代到来か?」

 

 カラカラと笑いながら柄にもなく年相応にスバルの様な軽口を言い出すフェルト。

 そんな彼女はスバルにとって初めての様子であった。

 

 前回の交渉ではここまですんなり事が運ばなかったし、二人との関係も悪くはないがここまで良好ではなかった。

 

 ロム爺はしきりに酒を勧めては桐生の飲みっぷりに気を良くし、坊主もこうあれとちょっと力強すぎるくらいにじゃれついてくる。

 フェルトも荒々しさはなりを潜め、鼻歌なんか交えながらミルクを口にして時折桐生に他にうまい話は無いかと絡んでいる。

 

 自分が中心でないことに少し不満が無いと言えば嘘になるが、こうやって上手くいきすぎているくらい上手く事が運んでいる事にはスバルも満足している。

 ―― なにより、桐生という頼れる味方が傍にいる事が不思議と嬉しくて誇らしげになる。

 

(でも、もし次に死んだりしたら叔父貴は……)

 

 一抹の不安が脳裏をよぎる。

 

 彼の話では初めてスバルが異世界に来た時にその存在は無かった。

 これが元々この世界の人物であれば不安などないが、もし万一次に死に戻ったときに彼の姿が消えていたりしたら……。

 

(いや、考えたって仕方ねえ。要は死ななきゃいい話だ)

 

 とにかく今は喜ぼう。後はあの子に徽章を返して、それからの事は後からでいい。

 

 そんな事を考えていると、桐生がこちらに目配せをしている事に気づいた。

 どうやらそろそろ席を外した方がいい頃合いらしい。

 

 スバルはそれを察し、小さく頷くと座っていた椅子を弾く様にその場で立ち上がって――

 

「う、おぇ」

 

 クラリと揺れる頭に不快感を覚え、真っ青になりながらこみ上げる胃液をすんでで堪える。

 

「おい兄ちゃん、吐くなら外かトイレでやれよ。ここでやらかしたら蹴り出すぞ」

 

「情けないのう、紙袋持ってきちゃろうか?」

 

「いやいや大丈夫、男スバル粗相は致しません! じゃなくて、そろそろお暇させてもらってもいいか?」

 

「なんじゃ、もう帰るのか」

 

少し残念そうにしゅんとなるロム爺。

後ろ髪を引かれる思いだが、そうも言っていられないのがこちらの事情だ。

 

「あー、鉢合わせになると都合が悪いんだったな

 しゃーない、アタシも名残惜しいけどこの辺にすっか」

 

フェルトもまた名残惜しそうに、椅子を揺らしながら空になったグラスを置いて小さく息をつく。

 

「ほう、珍しいのうフェルトがそんな事を言うとは」

 

「あたりめーだ。こんな上客一生かかったって出会えるかどうかわかんねーんだ」

 

「それはこっちも同じだ。二人とも信頼できるし腕も良いみてえだ。

 ……どうだ、良かったら場所を変えて飲み直さねえか?」

 

そう言って再びスバルと目配せをする。

出来る事なら、この二人も盗品蔵から遠ざけておきたかったのだ。

 

これが根っからの悪人であったなら放っておいても気が咎める事は無いが、こうして打ち解けて相手の人となりを知ってしまった以上、エルザの毒牙にかかる事を知ってて見過ごすには後味が悪すぎる。

 

それだけでなくとも、二人とは異世界で出来た初めての友人としてこれからも交流を深めたいというのが本音だ。

 

「なんだよおっちゃん、そんな事言ったって依頼料は負けらんねーぜ? ま、飯くらいなら付き合ってもいいけどな。勿論おごりで」

 

「ふむ、悪くない提案じゃがのぉ……」

 

 割と乗り気なフェルトとは対照にロム爺は少々バツが悪そうにしている。

 

「流石に依頼主との約束があるのに留守にするわけにもいくまい。

 まして説明せにゃならん事もある。良ければ三人で行ってくるといい」

 

「えー、ロム爺来ねえのかよ」

 

 フェルトは残念そうに口をとがらせると、持ち上げかけた腰を落とし手を頭の後ろに組んで不動を決め込む。

 

「爺が行かねーなら残念だけどアタシもパス。そこまでロム爺に任せっきりにするのは流石に忍びねーからな」

 

 そう言って提案を断る。

 無理もない反応だったが、焦るのはスバルだ。

 なにせこの場にいれば間違いなくエルザと二人は出会う。

 そうなると徽章はもうありません。はいそうですか、と大人しく引き下がってくれるとは思えない。

 そもそも自分もサテラの名を騙るあの子も関わっていない最初の周回でも、この盗品蔵でロム爺は殺されていたのだ。

 もしかしたらあの場にはフェルトの死体もあったのかもしれない。

 つまり、十中八九この二人は関係者として、あるいは腹いせや気まぐれでその腹や首を切り裂かれ絶命する。

 

(そりゃ、義理なんて大層なもんはねえけどさあ)

 

 スバルにとって最優先事項は彼女に徽章を返す事だ。

 その達成は目前、ここで欲をかいて失敗しては本末転倒だ。

 ……先ほど脳裏をよぎった不安要素もある。

 賢明に行動するなら、ここで彼らを見捨て、せめてエルザの気紛れか何かで生き残るよう祈るのが最善手なのだろう。

 

「あー、でもそんな事出来るわけねえよなあ!」

 

 そんな賢い選択肢を思い浮かべつつも、スバルは叫び声と共にそれを頭の中から消去する。

 突然の大声に目を丸くするフェルトとロム爺だったが、桐生だけは彼の思惑を悟った様に、どこか優し気な表情を浮かべていた。

 

 スバルはドカッとその場に座り直し、鼻息を荒げながら覚悟を決めた様子で腕を組み成り行きを見届ける姿勢をとる。

 桐生もまたスバルよりも穏やかに、それでいてはっきりと身に纏う雰囲気を一変させる。

 

「なんじゃ、行くんじゃなかったのか?」

 

「そろそろ出ねーと姉さんが来ちまうぜ」

 

 動こうとしない二人を気遣う爺と少女。

 こういう事されるから見捨てられねえんだよなあと心の中でため息をつくスバルだが、不思議と悪い気はしていない。

 破裂しそうなほどに胸で脈打つ鼓動音は自分の物だろうか。

 震えそうな足を必死で抑え桐生の方に目を向けると、まるで変わらない様子で扉を睨む姿がスバルの目に入る。

 

 それはスバルにとってはこの上なく頼もしく、そして憧れる大人の姿であった。

 ここに来るまでにスバルは何度も彼の世話になった。

 交渉がスムーズに運んだのも、フェルトやロム爺がこちらを気遣ってくれるくらいに仲良くなれたのも、全ては彼の助力の賜物だ。

 自分はと言えば何度もいいところを見せようとしてはヘマをうち、その度にフォローされている。

 それでも彼は自分を見捨てず、時にはそんな自分を頼ってくれる。そして理解してくれた。

 

 そして今もまた、彼は己の目的の為に。今度は命を張って戦いに臨もうとしている。

 それに情けないと思う気持ちも勿論ある。むしろそればかりといっても過言ではない。

 故にスバルは考える。今自分に出来る事、戦う事も出来ない菜月スバルが桐生一馬という男と並び立つ為に、最低限出来る事は無いか。

 

 刻々と時間が過ぎる。

 二人の異様な雰囲気にあてられたのか、ロム爺とフェルトも気づくと無言で扉を見つめていた。

 やがて空の色も変わり始めるかという頃、ついにその扉が叩かれたのであった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。