quest!   作:resot

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お久しぶりです。テストやっと終わりましたよ…


第5話 嵐!

「おい!もっとスピードは出ないのか!!」

 

「やってるにゃ、ミルさん!これ以上は無理にゃ!」

 

「このままじゃ荷車がもたん!おい、カンナ!そこちゃんと押さえとけ!」

 

その言葉と同時に、荷車が大きく揺れた。

 

「ひ、ひいいぃ!」

 

しっかりと捕まっていないと振り落とされそうだ。

 

砂原での任務を終え、帰途に着いた私たち紅葉。

 

だが、砂原を抜け、山に入った途端、大嵐に見舞われた。

最近、雨が多いな、とは思っていた。

だけど、今回の嵐は明らかに異常すぎる。

 

風も雨もめっちゃ強いんだけど…

 

雨は横殴りなので、ほとんど屋根が意味を成していない。吹き込む雨に打たれ、私たちはユクモ目指して、尾根を進んでいる。

 

崖の下には川。いつもは小川みたいなのに、今日は濁流になってしまっている。

 

風と雨で目が開けられない。

全く、最近の天気ときたら。

 

ここまでは初めてだけど、最近ユクモ地方の天候は安定しない。嵐が多いし、それに合わせてなのか、モンスターの活動も活発になってる。

ハンターとしては仕事が増えて嬉しい悲鳴なんだけど…

 

必死に目を開けると、遠くの山並みがうっすらと見える。

目に入った雨を拭って目を凝らすと、信じられない光景が見えた。

 

「………!!!?」

 

悲鳴すらあがらなかった。

 

山並みの一つ、一番高い山。

 

普段はユクモ村からも見える。真っ白な雪に一年中閉ざされた山。誰もその実態はよく知らない。

立ち入ることを許されているのは、村長と、村長が認めた者だけ。

 

霊峰と昔からユクモで呼ばれ、祀られてきた山だ。

 

だが、目の前の異変は明らかだった。

 

その山の頂上が見えない。

 

ーーー竜巻だ。

それも、山頂からその2割程までを覆うほどの、超巨大竜巻。それが、山頂のあたりに、まるで白い柱のように、雲まで立ち上っているのが見える。

 

「セリアさん、あれ・・・」

 

「うん・・・見えてるよ。何だろう。」

 

あまりの驚きに、言葉が出ない。口がパクパクしてしまった。

 

だが、突然、森の中に入って、その光景は見えなくなった。

 

「ダメにゃ、たまらないにゃ!そこの洞窟へ!」

 

私たちの荷車は、駆け込むように洞窟に入った。

 

すぐに降りるよう指示される。

屋根があるので、雨は止まったが、身体中ビショビショ。

秋の空気が冷たい。

完全に、風邪を引きそうだ。

 

「もしもし、リュウさん?もしもし?ダメだ、通信も届かない。……仕方ない、ここで待とう。雨が収まるまで、荷車の毛布で寒さを凌ぐんだ。」

 

そもそも、その毛布だって濡れている。やばい。ほんとに寒い。洞窟の奥は、真っ暗だ。行くこともできない。

 

ーーー遭難って、こんな気分なんだろうか。

 

さっきの光景が頭を駆け巡る。

 

今でも信じられない。

あの山を覆うほどの竜巻。

 

「…まさか、ね。」

 

多分見間違いだろう。きっとそうだ、そうに違いない。

 

「ううー、寒いよ!」

 

「セリア、もう少しの辛抱だ。頑張ろう。」

 

だけど、4人で震えて、30分後。

 

雨は、嘘みたいに晴れ上がった。

 

「馬鹿な・・・一体どういう。」

 

「それだけじゃないよ、ミルさん。さっき、カンナちゃんと見たんだけど、霊峰に巨大竜巻が見えてさ?」

 

「竜巻?」

 

「そう、霊峰の半分くらいまで覆うんじゃないかっていうくらいの竜巻。」

 

「そんなの、あるわけないだろう?」

 

…やっぱ、あれ本物?いやでも、まさか…

 

「私も見た、気がします。多分…。」

 

「・・・、とにかく、村に戻ろう。話はそれからすればいい。頼む。」

 

水浸しの道に、燦々と照る太陽。

 

何が起きているのかわからない。

 

でも、脳裏によぎるあの強烈すぎる光景だけが、この後に起きる事態があまりよくないことを連想させていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく待っていると、リュウさんと事務の人たちが入ってきた。

 

「待ってました、ではお掛けください。」

 

席につく。

 

「では、話します。先程の雷雨での対応、お疲れ様でした。幸い、ユクモ含め、近隣の村に死傷者はいません。

…ですが、最近の天候の不安定さは無視できないものがあります。それに、報告があります。先程の雷雨の最中、霊峰に巨大竜巻が観測されました。」

 

「竜巻?」

 

やっぱり…あれは本物なの?

 

恐怖がよぎる。あんな竜巻、もろにくらったら…

 

「あ、あの…私とセリアさん、見ました。」

 

「ほんとに?」

 

「ほんとです、ベガさん。霊峰のてっぺんから2割とかまで見えなかったですもん。」

 

「そして、今の霊峰を写した写真です。」

 

職員の人が見せてくれた写真。

ブレが激しく、わかりにくい。

ただ、てっぺんの方は何か靄みたいなものに覆われている。

 

「天候が不安定で、無人探査機でもこれが限界。ただ、何か霞か雲のようなものに覆われていることだけは確かですね。」

 

「一体、何が起きてるのー?」

 

セリアさんの声は随分気楽だが、それ以外の人たちはそうではない。

 

みんな、異常事態を確信している。

聖なる山を覆った異常な竜巻。何もないわけがない。

 

何かが、起きている。

 

「謎です。ただ、この件についてはギルドで調査を既に開始しています。メゼポルタにも報告済み。ただ、皆さんの力が必要になることもあるでしょうし、モンスターの活動もより活発になるでしょう。くれぐれも、気をつけてクエストを行なってください。」

 

「一つ案が。」

 

手を挙げたのはミナミさん。

 

「我々で、調査チームを派遣すればいいのでは。そうすれば、事態の把握もより早くなるはずです。」

 

「そうね、それがいいかも。」

 

ミルさんも続く。

確かに、その方がいいかも…

 

「いえ、それはできません。」

 

しかし、リュウさんは切り捨てた。

 

「なぜだ?これから手遅れになるかもしれないんだぞ。」

 

「それでも、事態がきちんと把握できるまで、あなたたちを送り込むわけにはいきません。」

 

「おい、若造。お前、状況わかってるのか?」

 

「なんと言われようが、この状況下で派遣はできません。」

 

チッと舌打ちをして、ミナミさんは引いた。

 

「け、けんかはやめて、ね?」

 

セレオさんが助けてくれた。

 

喧嘩してる場合じゃないのは間違いない。

 

「霊峰・・・あそこに入ったことがある人も少ないですし、きちんと準備が整えばそれも考えます。ですが、現段階での派遣は危険すぎる。そう思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうは言っても、ねえ?」

 

集会を終え、階段を降りているとベガさんが言い出した。

 

「確かに危険ではあるが、あれは事態を甘く身過ぎている面もあるかもしれないな・・・」

 

ミルさんも言った。

 

「彼、若いからね。でも、取り返しがつかなくなってからじゃ、ね?

…ま、今はできることをするしかないけどね。俺らはこれから遠征だから、そんじゃあねー」

 

そう言って、白光の4人は去って行った。

みんな不安な顔をしている。

 

このままでいいのだろうか…?

 

「私たちも、明日から仕事だからな。とにかく、今日は休もう。」

 

そうして、私たちも解散した。

 

夜になって、不思議と、森が見たくなった。

 

村の入り口に向かう途中も、みんなが家を片付けている。この村の人たちは、本当に自然と向き合うのが上手いのだ。私たちを信じてくれてるから、普通の生活をしている。

 

それに、応えなきゃいけない。

 

私は、村の入り口の階段に腰かけた。

 

森は真っ暗。風が吹くたびに、ザワザワと揺れている。

この2ヶ月ほどで、すっかり紅葉は散ってしまった。夜は冷え込む。さっきの雨で、よく風邪引かなかったな。

 

最近のことを、思い出す。

やけに活発に活動するモンスター。

私としては、狩りが捗るし、悪くないのだけれど、どうも引っかかる。

 

そして、竜巻。確信した。何か、異変が起きている。

 

とにかく、普通の人に被害が出なければいいけど。

 

その時だった。

村の入り口に人影が現れた。

さっと身構える。

 

「た、助けてくれ!」

 

でも、それは男だった。私と年は同じくらいだろうか。

 

「ど、どうしたんです?」

 

「ここから少しあっちにいったとこに住んでるんだけど、突然、でかいイノシシが・・・作物や家を荒らされてる!頼む、何とかしてくれ!」

 

「と、とにかく、上にギルドがありますから、そちらへ!」

 

男を促して、上に走らせた。

頭をフル回転させる。

 

どうする?これは緊急事態。一刻も早く行った方がいいのでは?それに、多分そいつはドスファンゴ。ここらじゃ有名な巨大イノシシだ。庶民の手に負えるはずがない。

 

幸い、防具も古いやつだが身につけているし、武器も一応双剣を握っている。

 

…とにかく先に向かおう。

 

ミルさんやセリアさんが後から来てくれればそれでいい。

 

夜の真っ暗な闇を、私は駆け出した。

 

そして、ここから異変は始まる。

私たちの長い長い物語は、ここからだった。




キャラ紹介!

リュウ
サツキの幼馴染のギルドマスター。とある事件で有名となり、この若さでユクモギルドを統括する。
青い長髪。実況動画見ると、同じ名前の方がやってます。それと同じイメージです。


投稿大変遅くなりましたね…。
はい、しゃーないです。学校大変なんで、大目に見てください…。
これからもマイペースにやっていきます。
失踪だけはしないと宣言はしておきますね…。
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