プリキュアオールスターズ×仮面ライダー b の復活と s の暴走 第2部 作:鈴木遥
・森の乱戦に次々と決着がつき、そのほとんどがキュアライダー達に軍配が上がっていくが、当のキュアライダー達達は、もうとうに満身創痍だった。
「クロックアップもお釈迦だ。インベス相手だと面倒だな……。」
「私のマーチシュートもしばらく使えません。少しでも早く皆に合流して、知恵の実を確保しないと……!」
「 咄嗟とはいえ、あの詠唱破棄は見事だったぞ。」
「 先輩プリキュアの殆どは、余裕でできるらしいですから、なんてことないです。」
謙遜するマーチ。そんな彼女のことも、カブトはしっかりと労っていた。
コーカサスに勝利し、疲れ切った身体を引きずりながら、それでも二人は、知恵の実を目指し疾走していた。
ふと、前方から、二つの人影が走ってくるのが見える。
「あれ?あれって……。」
「キュアパインとハニーじゃなのいか?運が良かったな……。」
「ちょっと待って、まさか……。」
顔色を青くするマーチその視線の先は前方から走ってくる二人ではなく、その背後に迫る幼体型インベスの群れにあった。
「うそでしょおおおおおおおおおおおお!!?」
「あら、二人共、無事だったのね。」
「良かった、これで一安心……。」
「安心してる矢先に新たなトラブル背負って来てどーすんの!? 二人とも結構強いんだから、後ろのアレ全部倒してきてくれればいいじゃない!!」
「 それが私たちも、結構ギリギリだったもので、もう殆ど体力が残ってないの。テヘ。」
「テヘ❤じゃないでしょおおおおお!?虫が!虫が〜!インベスがいっぱい来て▲@#$%®©¢™℃®∆⁄}〜!!」
ここに来てテヘペロをかます余裕がある ハニーとパイン とは対照的に、迫るインベスの群衆に、錯乱、発狂し、もはや呂律が回らなくなっているマーチ。
幼体型インベスの群れなど、普通の人が見ても確かに気持ちは悪いが、 ただでさえ昆虫嫌いの彼女にとってそのダメージは推して知るべしといった具合だった。
スマイルプリキュアの切り込み隊長と呼ばれた彼女が、ここまで弱っているシーンなど、なかなか見られたものではない。
だが、一人がダメになるともう一人によってブレーキがかかるのが、大規模な集団のいいところだ。
この場において、唯一冷静なカブトは、 どこからか『ハイパーゼクター』とその他のライダーゼクターを呼び出し、合体。
『カブト・ザビー・ドレイク・サソードPOWER!!』
無口のまま、全てのゼクターのスイッチを解放し、 効果音と共に、必殺技『ハイパーマキシマムサイクロン』を放った。
猪突猛進するだけの、幼体型インベスの群れはなすすべなく爆発四散。
マーチは、荒いため息をつきながらも、少し冷静さを取り戻したようだ。
「害虫駆除には……火力があり過ぎたな。」
「いなく……なった……!?」
「また来るさ。もう会いたくなければ、とにかく走る事だな。」
「はいィ走ろう!!早く知恵の実ゲットして、そんで早く帰ろうか!!」
「必死ね……。」
「仕方無いわよ。それだけ怖いのよね、虫……。」
と、再び前方に走り始めた一行。
だが、二度あることは三度ある。まだいちどめだが、そういうときには二度目があるものだ。
「トレビアン!みんなだわ!フェリーチェ、ミント!」
一戦を終えた後の再会に、喜び飛び跳ねるパルフェ。
それとはまた対照的に、前方から駆け付けるマーチの顔色は曇っていく。
「うそでしょ……何で……!?」
「皆さん、お待たせしましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
こだまする、礼儀正しいフェリーチェの叫び。誰も彼女の、インベスの如く変形した腕にツッコミを入れない。
いや、入れるヒマがなかったの
その刹那、一行は再び爆走し始めた。それもそのはず、すぐ背後まで、幼体型インベスの群れが迫っていたのだ。
「ててて天道さあああああん!なんでこうなるワケ~!?」
「さぁな。もう出て来ないとは言ってない。離れたいなら走れ。」
「あああああ畜生!こうなったらやけくそだああああああああ!」
走って、走って、どれ位走ったか分からない。
しばらく走ったところでミントが突然的に向き直り、両手のひらに緑色のブーメランを出現させ、スナップをきかせて敵に投げつけた。
ブーメランはインベスの群れに衝突し、そのまま爆発した。
後輩プリキュアと天道から、称賛の拍手が飛んだ。
「 今のって……エメラルドソーサー?」
「ウワサの詠唱破棄か……さすがだな。」
「 5GoGo のメンバーはほとんどできるんだけど、先刻エネルギー使い果たしちゃってね。走りながらキュアモのエネルギーを貯めてたの。」
ミントが謙遜する中、フェリーチェがとんでもない事を口走った。
「すご〜い!ク○リンの気○斬みたいですね!」
「お黙り!フェリーチェ!私も思ったけど言わなかっ……ってアンタ!どうしたのその腕!?」
その時初めて、マーチがフェリーチェの異変に気付いた。
腕が、成体型ヘキジャインベスの様に変形していた。
本来、インベス化がここまで進行すれば、意識が飛ぶのも時間の問題だ。
だが、またもやカオを青くするマーチに対し、フェリーチェはにこやかに答えた。
「実はさっき……。」
数分前、グリーンキュアサイド
「ああああああああああ!出して!今すぐ吐き出して下さい!」
「どうしてそんなに慌て……。」
「そりゃ慌てますよミント!この森の果実を食べると、ものの数分でインベスに……!」
「まぁ大変!パルフェ、すぐにゲーよ!ゲーして!」
「ミント……ゲーって……。」
「ノンノン!残り少ないとは言え、私現役キュアなのよ!?SS小説とは言え、ゲーはちょっと……。」
インベス化して死ぬか、生き残るかの瀬戸際だというのに、 この期に及んで、視聴者のイメージとか、どうでもいいことを心配するパルフェ。
「だってそうでしょ!?ちびっ子達から『ゲロキュア』とでも呼ばれようもんなら、私もうプリキュア辞めるわよ!」
駄々をこねるパルフェに半ば呆れながらも、フェリーチェはポケットから『リンクルスマホン』を取り出し、付属しているペンをパルフェに押し当てた。
『キュアップラパパ!ヘルヘイムの種よ、私の中に!』
呪文を唱えると同時に、紫のタネが二の腕に浮かび上がり、それはペンを伝って、フェリーチェの腕の中に移動した。
「タネを私の中に移動させました。パルフェはひとまず大丈夫です。」
「ノンノン!フェリーチェはどうなるの!?」
「私はなぜか森の植物に守られています。ひとよりインベス化の進行は遅いはず……!」
「早く葛葉さんを探して、何とか解毒しましょう!」
「……といった次第で。」
ひとしきり説明し終えたフェリーチェは、改めて一同に、問題の腕を見せた。
「……私は、可愛く見えるかも。」
パインの一言に、一同は驚愕した。
だが、ハニーもまた、同じタイプの人間だった。
「そうだわ!インベス役で東映に雇ってもらうのはどうかしら?」
「二人とも何言ってんの!?ヤバいんだって!役ってゆーか、モノホンになっちゃうの!」
マーチが突っ込みを飛ばしたその時。
「キャー!」
遠方から聞こえた悲鳴。全員の顔に、緊張と警戒の色が出た。
「あの声……スプラッシュスターの二人……。」
仮面ライダー暗君を相手に、ブルームとイーグレットは、想像以上の苦戦を強いられていた。
ゲネシスドライバーの機能性もさることながら、精霊の力に強く反応し、圧迫する闇のエネルギーは、彼をこの上
なく強大に進化させていた。
それは、かつて満と薫も加わり、四人で打ち勝ったゴーヤーンの最終形態を優に超える強さだった。
「嘘でしょ……。」
「こんなにも、力の差が……!?」
「そう。それが
地の果てまで響く様なゴーヤーンの雄たけびとともに、周囲に、彼の体から発生した、どす黒い闇の気体が充満する。
悪臭を放ち、粘液の様にまとわりつくそれは、ゴーヤーンの悪意そのものだった。
気体に触れた樹は折れ、木の実は腐り落ち、インベスでさえ死滅していく。
生命にあだなし、希望を曇らせ、挙句プリキュア達の気力や体力をも奪っていく。
「咲!逃げるラピ!」
「このままじゃ、やられちゃうチョピ!」
妖精たちの悲痛な叫びも、
「これが武力!これが事実!これが結果!何人も
勝利を確信し、下劣な笑みを浮かべる暗君/ゴーヤーン。
ぼろ雑巾の様に傷だらけになり、もはや結界すら張れなくなった二人が次にとった行動は、その場に倒れる事ではなかった。
立ち上がり、瞳を閉じ、遥か彼方で戦っているであろう友人達に問いかけた。
ーごめんね薫。ちょっと【借りる】わ。
ーごめんなさい満さん。もう、【この手】しかないの。
『風よ!』
『光よ!』
遠く離れていながら しかし咲と舞と同じく 今まさに闇の同盟と戦っているであろう満と薫に向けて、精一杯祈った。
すると、ブルームからはまばゆい光が、イーグレットからは強力な扇風が巻き起こり邪悪で醜悪な闇の霧を、一瞬のうちに晴れさせた。
霧から立ち上がったブルームとイーグレットは緑と水色の、新フォームに強化変身していた 。
『 天空に満ちる月、キュアブライト!』
『 大地に薫る風、キュアウィンディ!』
「 ムープとフープはいないはずです。なぜその力を……!!」
予期していなかった、そして恐れていた強化変身に、ゴーヤーンの顔色が少し曇った。
「まさか……さっきキャラフェちゃんが、追加で施した改造って、コレだったラピ?」
「そう。 満と薫の精霊の力を半分借りて、ブライトとウインディになれる。
二人が私たちと共に戦ってくれる、限りどんなに離れていてもこの力は繋がる!」
「 あなたの言う、権力や武力が全てじゃない。形のない想いだって、これほどの奇跡を起こせるんだから!」
「小賢しい!! あなた方の言う奇跡など、闇の同盟が起こす革命を前には塵に等しい!!」
問答無用で二人にトドメを刺すため、異様に巨大な腕から闇の波動を放つ仮面ライダー暗君。
二人も負けじと、星形の腕輪に精霊の力を集結させる。
『 精霊の光よ、命の輝きよ!』
『 希望へ導け、ふたつの心!』
『 プリキュア・スパイラルスター・ スプラッシュ!!』
両者の必殺技は衝突し、互いを押し合い、潰し合う。
『Splash Star 』の、もう何年にも及ぶ戦いの中で培ってきた絆の力も、あと一歩というところで、混沌の闇に押しつぶされそうになる。
それでも、二人の瞳から光は消えない。
「あと少し……!」
「もう少しなんだから!」
「 無駄ですよ!ブラックホール様直々の恩恵を受けた闇の力を前に、あなた達たった二人で何が出来ると!?」
『たった二人じゃないわ!』
ゴーヤーンに反論したのは、 今しがた駆けつけた、マーチ、ミント、フェリーチェ、パイン、ハニー、パルフェだった。
カブトは遅れてきた鎧武に知恵の実を取らせる為、周囲のインベスを抑えている
全員で一斉に援護射撃をし、スプラッシュスターの勢力を支えにかかる。
「たとえ目に見えなくても、繋がっている!」
「大切なモノが、私達にはちゃんと見えている!」
「どんなに、か細く不確かでも!」
「この心にある温もりを、私達は決して忘れない!」
「命と、誰かの心と繋がれば!」
「どんなに切っても切れない、無敵の力になる!」
「私達は、絶対に……。」
『負けないんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
光の力が競り勝ち、闇の力を押し返し始めたその時、
『ダークゲネシスドライバー』に秘められた魔のシステムは、発動してしまった。
(申し訳ありません。ブラックホール様!このゴーヤーン、せめてもの落とし前に、 この森にいるキュアライダー共を犠牲に、先に地獄へ……!)
言葉にはし難い、猛烈な爆発とともに、森に突風が吹き荒れ 大地はまるで隕石でも落ちたかのように抉れた。
この爆発では誰も助からない。
この場に冷静な誰かがいたら、そいつはきっとそう思っただろう。
だが彼女は、いや、彼女を始めとした、光の戦士達は、何が起こったかわからないまま、呆然と立ち尽くしていた。
とは言え、無事だったわけではない。
爆発の影響かどうかはともか、数時間前からヘルヘイムの森を駆け回っていた彼らは、もうとうに疲れ切ってクタクタだった。
「何が……起こったの?」
マーチがキョロキョロと辺りを見回し、カブトは何やらカチャカチャとベルトを触っている。
「分からない。だが、なぜか変身が解けず、感覚も麻痺してる。しばらく移動は出来んな。どうするか……。」
一番早く動いたのは、フェリーチェだった。
その目は虚ろで耄碌しており、他のプリキュアや、鎧武やカブトが呼びかけても、返事の一つもしない。何かに取り憑かれているかのようだった。
彼女は 眠くなるほどにゆっくりと、目の前にある石の棺の前に立った。
棺には、ヘルヘイムのツタのが絡みついており、その上には 金色に輝く実がなっている。
圧倒的な存在感を誇示しているにも関わらず、 キュアライダー達は今の今まで、その植物の存在に気付かなかった。
かつてヘルヘイムの森に、『始まりの男』として選ばれた葛葉紘汰ですら、その存在に気づかなかった。
「まさか……あれが……?」
「ああ、オレは 一度見たことがある。間違いない。あれが知恵の実だ。」
一度のリアクションを意に介すことなく、知恵の実へと歩み寄るフェリーチェ。
彼女がその実を手に取った瞬間。
異形のインベスの形へと変化していた腕は、 白く細く美しい少女の腕に戻り、桃色の髪は金色に変わった。
誰が宣言したわけでもないが、紘汰にはわかった。
知恵の実は、フェリーチェを、『始まりの女』に選んだのだ。
その時、 一同には、聞いたことのない声が聞こえてきた。 正確にはその声を聞き取っていたのは耳ではなく、 脳内だった。頭に直接、その声が響いていたのだ。
〈皆さん、ようこそ。フェムシンムの跡地へ。〉
「アンタ、一体何者なんだ……?」
〈私の名はロミ。フェムシンム最後の王、ロシュオの妻でした。〉
「ヘルヘイムの森に、国があったの!?」
驚くマーチにうなずき、ロミは、いや、フェリーチェの中にいる彼女の意思は続けた。
〈ここまで来てくれた皆さんには、フェムシンムの真実を知る権利があります。彼女の魔力を借りて、お見せしましょう。〉
・ 王妃の名前、ロミは、 本店で仮面ライダーブラーボを演じられた吉田メタル氏の奥様、 岩崎ひろみさんのお名前から取らせて頂きました。
岩崎さんは、 やはり本編でロシュオの妻を演じていらっしゃいました。
それはともかく 今回のあとがきコーナーは、ダークプリキュア5よりダークルージュ、「仮面ライダーキバーラ」の変身アイテム、キバーラの姉さんに来ていただきました。
ル「やっぱり、理解に苦しむ人選ね。」
キ「い〜じゃない。楽しいですもの。」
「そうだよ。ある時は 土曜夕方の探偵アニメで黒ずくめのベルモット かたや キバーラ姉さんは 2代前のプリキュアでレッドだったでしょ?」
キ「ねぇ鈴木クン。昔の話はしないで?カプッ!しちゃうぞ❤」
「は、はい!気を付けます!」
ル「ホントよ。ベルモットのイメージが原因で一部メンバーに怖がられたんだから。
ガイアメモリの音聞いた時なんて、ウォッカかと思ってびっくりしちゃったわよ。」
「まぁ、ベルモットも
ル「ぁんだって!?」
「すすすすいません、何でもないッス!!じゃ、企画、行ってみよー(汗)」
ドンッ!
『零電王のダブルアクションを考えてみよう!!』
「ね?ガオウもNEW電王もあるから、零電王もあって然るべきさね。」
ル「やっぱカッコイイのよね。『邪悪な炎』とか。」
「え!?あの……。」
キ「可愛くないとダメよ。『カプッと一口』みたいな。」
「あの、聞いてる?……。」
ル「それかやっぱバーニング的な……。」
「聞けっつってんだテメェら!!おめーらじゃなくて、零電王のダブルアクション!!なに自分のシュミに走ってんの!?」
キ「ダークルージュは良いわよね。ニコ動にダークプリキュア5のダブルアクションあって。わたしはないもの。」
「わかったわかった。アンタらのも企画で作るよ。」
ル「ルージュもルージュよね。私のコピーのクセに5組で一人売れ残って。ムカーディア(5組の敵幹部)とイイ感じになって、結局中の人はアクアと結こ……」
「やめろぉぉおおおお!それ以上言ったらこの小説灰になるぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
キ「そういえばどうなったのかしら?きららちゃんとトワちゃ……」
「オメーが一番詳しいだろうが!GLネタを気に入らないファンからボロクソ言われたらどうすんだ!」
と言う訳で、零電王のダブルアクション、近日公開予定!
次回から、フェムシンム回想編、開幕です!