プリキュアオールスターズ×仮面ライダー b の復活と s の暴走 第2部 作:鈴木遥
疑惑のナイト
・キュアライダーチームC(仮)、仮面ライダーダブル、オーズ、ウィザードと他数名のプリキュア達は、地下深くに存在する 世界最大級の魔法石、通称『コア』の破壊に向かう数分前、鎧武やカブト、プリキュア達を見送ったヘルヘイムの森では、ある異変が起こっていた。
フェリーチェがロミの棺桶を森の外側に運び、知恵の実の欠片とレデュエ、デェムシュの武器、ロシュオのフードとシルバーのロックシードと一緒に埋めた墓。
その墓標にはただ二文字、『家族』と書かれている。
全員で墓の前に立ち 数分間祈ったした後、鎧武の能力でクラックを開き、他のアーマードライダー達より一足先にディケイドと灰クグツの待つ異世界の境界へと向かった。
「よし、じゃあ帰るか!」
城乃内秀保の帰宅発言に、誰もリアクションしない。
皆神妙なカオで、何もないハズの前方を見ている。
「どーしたんスか?もう皆見送ったし、そろそろシャルモンに……。」
言い終わらないうちに、城乃内は凰蓮に殴られた。
「っ痛ェ!何すんすか凰蓮さん!?」
「このバカちんが!あーた、この妙な気配が分かんないワケ!?」
「気配……!?」
「そこか……。」
呆然とする城乃内を尻目に、ロードバロンは前方に光弾を放った。
光弾が当たった部分の 空間が避け そこから一人の男があらわれた。
年齢は30前後、 物腰の柔らかそうな顔つきと 遠くからでも印象に残る茶髪が どう考えても今この ヘルヘイムとは場違いに見える。
「貴様、何者だ?」
「勘弁しろよ!お前さんらと
「そんなこと言ってあーた、ワテクシ達を影から傍観してたわねェ。あまり良いご趣味とは言えないんじゃなくって?」
[凰蓮の言う通りだぜファラ。いや、今は木下和真と名乗ってるんだったな。]
地の底から響くような低い声と共に 民族衣装を着たヘルヘイムの 森のアバター、サガラが現れた。
「DJサガラ!?」
「あーた、 今まで何やってたのよ!!ワテクシたちが大変な目に遭ってたっていうのに!」
[ 俺はただの観客だ。森やその周辺で起る戦闘において、俺は一切の介入を認められていない。]
「その口ぶり…… まるで貴様が何者かと契約しているかのように聞こえるが?」
[ 勘がいいな、ロード・バロンよ。お仲間のキュアライダーの中には、俺の契約者と会ったことがある奴がいるかもしれん。そんな話は今はいいんだ……なぜお前がここにいる?ファラ。]
「細けえな……せっかく生まれ変わったんだ。ちゃんと和真って呼べや。」
[何にしても、お前さんに森へ入られるのは癪だ。なァ……ロシュオ王立研究所の元研究室長よ。]
サガラの発言に、一同は目を丸くした。
「何だ……そこまで割れてんならしかたねー。殺ってくか?」
どす黒いロックシードを右手に構え、殺気を放つ和真。
サガラは、らしくも無く異様な緊迫感を醸し出し、今にも木下に掴みかからんばかりだ。
「やめたやめた。王は死に、アバターには嫌われてる。この状態じゃどうやっても事は上手く運ばねぇ。」
ロックシードをズボンのポケットに仕舞い、クラックを開いて何処かへ去ろうとする木下を、サガラがスゴイ剣幕で呼び止めた。
[待て!何処に行く気だ!]
「仕事だよ、ヘルヘイムがダメなら闇の同盟だ。次は……心の大樹なんてのも良いな。」
クラックの中に消えていく木下を見ながら、サガラはこの先に訪れる、 大いなる混乱を予見していた。
ちょうどその頃。仮面ライダーw、 オーズ、ウィザード の3名と、 数名のプリキュア達は 世界最大級の魔法石コアを目指して横浜港シンボルタワーへと向かっていた。
ただ地中に潜れば良いのなら簡単だが、数年前、宇宙刑事ギャバンを巻き込んだスーパーヒーロー対戦により、呪術師マドーの城がコアの掘削地に落下。
以来コアの点在エリアは、一種のダンジョンのようになってしまっている。
マドー城が沈み、地上に空いた大穴は、 巨大な闇の鎖で施錠されていた その者を守っているのは かつて世界を制覇したショッカーの戦闘員達が護っている。
「あの数……厄介ですわね。」
「エースショットで吹き飛ばしましょうか?」
揃って物騒な発言をするプリキュア二人に、Wの左側、左翔太郎が釘を刺した。
「いや、そいつァもっとここぞって時に取っときな。」
代わりにWはバイクを立ち乗りし、『メタルシャフト』にヒートメモリをセット。
シャフトの両端に火が付き、思い切り燃え上がる。
『メタルブランディング!』
メタルシャフトを振り回したままバイクから飛び降り そのまま敵陣に突っ込んだ 普通の人なら全身がバラバラになりそうだが、ダブルは難なく上陸し、果敢に戦い始めた。
「わたくし達も!」
「いっちょやりますか!」
ロゼッタ、エース、トゥインクルがそれぞれの武器を構え、オーズはトラカンドロイドを開封し、バイクを強化。
「オーズ!先に行け!」
ダブルは急かすが、オーズは一向に穴へ行かない。
「そうしたいのは山々だけど……ライドベンダーがあのデカい鎖に弾かれる!得体の知れない力みたいで……」
「オレが何とかしよう!」
そう名乗り出たのはウィザード/相馬ハルトだった。
「デカい鎖から出る魔力の発生源は、どうやらすぐ側のタワーの中だ。止めてくる!」
「「私たちも一緒に!!」
走り出そうとしたハルトを、つい最近ウィザードの世界で共闘したミラクルとマジカルが呼び止めた。
「助かる!頼むな!」
「魔法学校で助けられたばかりだもの。この位はね。」
ウィザードの世界に隣接する魔法界に、
結果、その場は魔法学校を守り抜いたものの、ウィザード達にはまだ、言い知れぬ不安が在った。
その正体が、今タワーにいる謎の存在だとしたら。
(考えてる暇はない!とにかく今は、結界を……!)
『BIG プリーズ!』
ウィザードリングをドライバーに翳し、左手を巨大化。窓ガラスをたたき割り、タワーの内部へ進入した。
中は、とくに改装も破壊もされていない。が、観客や係員が眠らされているという、とんでもない異常事態になっていた。
「催眠の霧……?いや、これは……!!」
「ミラクル、油断せずに……ウィザード?」
何かを考えこんでいたウィザードの顔色が、いきなり青ざめた。
何なのかは分からないが、何となくミラクルが、嫌な予感を覚えた。
相馬ハルトの脳裏には、数年前、何百年ぶりの皆既日食の日の、忌まわしい記憶が蘇っていた。
数年前、たった一人の愛娘を甦らせる為だけに笛木奏が行った大規模なファントム生成儀式、サバト。
タワー内の人々はただ眠っている訳ではなく、魂の抜けた人形の様になっている。
部屋の真ん中には、 紫に光る鎖に巻かれた、巨大な大理石の柱がある。
「……!?あれは……!!」
「お気に召したかね?戦士諸君……。」
背後からしわがれた声がした。後ろに立っていたのは、ワイズマンの怪人体『カーバンクル』を思わせる異形の怪人。
ただし、彼とは違い、体の色は白ではなく金色だった。
紫のコアと頭の装飾は、相変わらず健在である。だが、晴人は気づいていた。
こいつはワイズマンではない。あの時とは、魔力の強さと流れも何より声も違う。
そしてワイズマンと違い、邪悪な殺意のようなものがくっきりと表面化している。
彼よりもずっと恐ろしい存在であると、晴人は直感で分かっていた。
「あなた、何者!」
「わが名はサタン。最初にして最後のファントムだ。」
「 嘘つけ!最初のファントムは、暦の父親が自分の体に埋め込んだカーバンクルだろ!?」
「笛木がそう言ったか?うん……そうだよな。 あいつはそうだと『思っている』から……。」
まるで笛木を、そしてハルトを嘲笑うような、ひきつった笑い声を出した。
「何を言ってる?」
「教えてやるよ、相馬晴人……ああいや、そちらのお嬢さん方も関係あるんだったな。」
「なんの話をしてるの……!?」
「 笛木のことも、サバトのことも、 初めから仕組まれてたんだよ!俺と
その頃。クイーンの住まう光の宮殿には、従者が一人帰還していた。
「おかえりなさいませ!ポルン様!」
「仰々しい挨拶は良い。オレに客がいるよな?」
「はっ!談話室にお通ししました!」
衛兵の言葉通り、談話室には二人の男が待っていた。
一人は、ビルドとリーダーキュア達に一時その場を任せ、戦線を離脱した、仮面ライダーディケイドこと門矢士。
もう一人は、キュアライダー達の報告を待ち、パルミエ王国で待機していた、妖精達のまとめ役、小々田コージことココだ。
「遅かったな。ポルン。」
「キャラフェちゃんがめちゃくちゃに橋つないだから、こっちへ戻るのも一苦労だよ。」
「それで?急にボクたちふたりを呼び出した理由は?」
「そうだったな。例の件だが……マジだったよ。」
「本当に第三の機関が……?」
ココが心配そうに尋ねると、ポルンは黙って頷いた。
「目的も、規模もわからねー。オレたちの『味方』じゃねー事と、俺らの中の何人かが誑し込まれたのは間違いねーな。」
「どうする?裏切り者が誰かわからない以上、これか、もリークされるぜ、オレらの情報。」
ポルンがため息をつくと、士が手を挙げた。
「とりあえず、俺達三人でコレを持っておくか。」
ブレイドのカードでも、龍騎のアドベントカードでも、ディケイドのカードでもないその特異なカードには、 禍々しい漆黒の渦のイラストと、『dark side』 の文言が書かれている。
明らかに、『妖精の王子』や『光の王子』が携帯する代物ではない。
「士……お前コレ……!」
「実はオレの中で、一つの仮説が浮かんでる。あまり考えたくないか、もしそうだとしたら、事態は思ってる以上に最悪だ。ポルン、それにココ。オレは当面、監視対象にすべきだと思う……ナイトオブ・チェリーをな。」