プリキュアオールスターズ×仮面ライダー b の復活と s の暴走 第2部 作:鈴木遥
・『その伝文』は、各世界で宴に興じていた全ての戦士たちに届いた。
ナッツハウスにいた5gogoとシャッフルライダーズに。
海藤家の屋敷でトワ帰国を祝っていたドリームスターズと相馬晴斗、特上課とCRに。
デンライナー内の電王たちとスマイルプリキュアメンバーに。
相変わらず精霊の泉で騒いでいたスプラッシュスターと天空寺タケル達に。
各世界に投じられた伝文に従い、戦士たちは、異世界の境界線に続々と集結する。
「急きょ集まって貰い、申し訳ない。」
「ホントよ門矢さん、フィーリア王女ってば、 前回の決戦に呼ばれなかったことに嫌気がさして、やけ酒始めちゃったんだから。しまいにはニチアサ乗っ取り作戦とか言い出して……。」
「悪かったな、フィーリアには俺の方からさとしておくよ。」
「んな事よりよぉ!まどろっこしい話は良いから、状況を説明しろよ。」
「まぁ待てモモタロス。まず『ある人』を紹介したい。
そいつは元闇の同盟の幹部だった奴でな。 こっちに協力してくれるらしい。入ってくれ。」
キュアライダー一同は、士の視線の先を見た。
世界をかける橋の出現とともにその向こうから赤い巻貝のような生物が現れた。
ハートキャッチ組とフォーゼは、そいつが何なのか知っていた。真っ先に叫んだのは、いつきだった。
「ビックバン!!」
フォーゼの世界でのひと騒動で jaxa を襲った怪生物だ。
「なぜ……あなたが……!?」
「確かにオレ達や仮面ライダー達が倒したハズだ!」
「 サンシャインとチェリー、そう睨むな 今回は味方だからよォ……!」
「門矢さん!彼は一体……。」
「いい質問だブロッサム。まずはコイツを見てくれ。」
士は懐から1枚のカードを出した。
ディケイドライバーに装填するためのピンクのバーコードがついたカードだ。 カード名は『RELIEF』とある。
「再生……!?」
「さすがアクア。 まあ厳密に言うとただの再生とは少し違うが、おおむねそうだ。
ビックバンは闇の同盟に加盟する時に 申し出た条件を全てシャドームーンに却下され、愛想が尽きたらしい。
以来、俺のもとに敵の情報を流してくれていてな。
敵の作戦の一部が分かったので、クイーンに『RELIEF』を急造してもらったのさ。 城戸真司にもこれで復活してもらった。」
「スパイだったって事?」
「にわかには信じられないわね。」
「無理もねえよ、ムーンライト。 フォーゼの世界じゃあ派手にやりやったもんな。 だがこっからは俺の知識なしで奴らを倒すことはできん。泣き言言っても信じてもらわにゃな。作戦を説明する。遠くにいるやつは 、聞こえる位置まで来てくれ。」
各員ができるだけ中央に集まり、ビックバンは遠くまで声が届くように 触手を丸めてメガホン状にした。
作戦会議が始まってからも、ポルンだけはなぜかそわそわとして落ち着かなかった。
「 知っての通り、ブラックホールは厄介な存在だ普通に挑んで勝てる相手じゃねー。
だが厄介なのは やつだけじゃねー。それを支える 幹部共さ。 奴に最初に吸収され 唯一、『傀儡』ではなく部下にされた男、 創世王気取りのシャドームーン。
俺自身も正体を知らず、いつのまにか闇の同盟の大幹部に 成り上がった男。あらゆる怪人やダークライダーを呼び出すマッドサイエンティスト、灰クグツ。
そしてもう一人。 時間と空間の狭間をさまよっていたところ 奴に拾われ闇の同盟の幹部になった不貞小僧、イマジンなどの怪人どもを従え、現在では心の大樹の管理を任される、 魔少年カイ。
今出た連中以外にも油断ならねえ猛者どもがうようよいる。 お前らはかく世界の攻防戦で兵力をだいぶ削ってくれたがそれでもまだ2万はくだらんだろうな。」
真っ先に不安をこぼしたのはキュアブラックに変身したままの渚だった。
「あり得ない……!そんな連中とどう戦う訳?」
「慌てんな。策ならある。確かに、連中の兵力は強大だ。が、致命的な弱点が大きく二つある。 一つはあれだけの兵力と統率力がありながら、潜り込んだスパイを見抜けなかったこともう一つは ブラックホールがまだ……。」
「 完全に復活していないんだね?」
ショコラが言った。
「分かるもんかね。その通りだキュアショコラ。 8年前スイートプリキュアが現役だった頃、お前らにバラバラにされたブラックホールは、完全に復活するのに時間がかかっている。そのために必要なキーアイテムの確保にも手間取っているようだからな。 わずかな力を振り絞って兵を差し向け、脅威となるキュアライダーたちを倒しにかかったんだろう。その全てが失敗に終わったようだがな。」
「キーアイテム……?」
「そうだ城戸、 それらを確保させる為に、お前を『RELIEF』で復活させた。」
そう言ってビックバンは、これからの具体的な 作戦を提示した。
闇の同盟の勢力は 確かに強大だが、致命的な弱点が大きく二つある。
一つはチームワークの 劣悪さ。ビックバンがスパイしていることなど微塵も気付かなかった。
もう一つはブラックホールがまだ完全に復活していないこと。
完全復活のためのキーアイテムをこちらがダッシュすれば一気にこちらへ傾く。
一つは、ヘルヘイムの森の民族、フェムシンムの皇帝ロシュオの遺産 、知恵の実。
一つは、海底に眠る巨大シャコ貝の中に閉じ込められた希望のエネルギー源、レインボージュエル。
一つは、ミラーワールドの空に残骸として残る究極兵器、コアミラー。
一つは、崩壊したラビリンスに部分的に残り、灰クグツの手によってバックアップされた、究極のスーパーコンピューターメビウス。
一つは、地底のマントルの奥深くに存在する、世界最大の魔法石、コア。
そして最後は現在敵の手中にある、世界の心の花を見守ってきた大いなる樹 こころの大樹。
「そのすべてを奴らが入手したとき、ブラックホールは本来の姿を取り戻し、自ら世界を闇に染めに来るだろう。」
「それらを、私達で取り返せばいいの?」
「 ご明察だ キュアメロディ。だが、一つだけ注意がある。コアミラー 、魔法石コア、スーパーコンピューターメビウス。これらに関しては 確保せずに破壊しろ。
あれらの存在は破壊しか産まねー、この世にあってはいけない代物なんだ。」
「なるほど、 大体わかった。他に注意すべきことは?」
「いや、ねーな。だが……ポルンよ、 おまえさんさっきから、そわそわ落ち着かねーな。何があった?」
一同の視線は 一気にポルンへと注がれた。
彼は、 申し訳なさそうに 辺りを見回し、まるで危ないものでも扱うかのように、重々しく口を開いた。
「ルミナスが……いねえんだけど……!?」
「!??」
全員が驚きのあまり目を丸くし、辺りを見回すと、並行世界の境界線に、 彼女は来ていなかった。 雪城家の前で 彼女を一人置き去りにしたが、なぎさとほのかは妖精たちの案内でちゃんとここへ来た。ではなぜひかりはここにいないのだろう。
「ルルンが付いてたハズだ!連絡は行ってるぞ!?」
士が慌てて弁解したその時、空に 大穴が開いた。
同時に 襲い来る、おぞましき闇の気配。
妖精たちの背筋が一斉に凍った。
「何か出た!」
ココとナッツが口を揃えて叫ぶと同時に 、闇の穴から一人の人影が現れた。
そいつが 地面に降り立つと同時に、ビックバンの顔色が変わった。
「よりによって、テメェが来るとはな。灰クグツよぉ!」
「ビックバン、貴様ガココニ居ル事ハ分カッテイタヨ。
我々ニ統率力ガナイ事ハ認メルガ、 貴様ガ組ンダコノグループも、一律ニ闇ノ同盟反対派デハナイヨウダゾ?」
フードとマスクに隠れて、目から下の顔のパーツが全く見えないというのに、卑しく笑っているのが伝わってくる。その不自然さに、ポルンは恐怖さえ覚えた。
「どういう意味だ?」
「 シャイニールミナスヲ預カッテイル。 ト言エバ分カリヤスイカナ?」
そう言ってカタカタと不気味に笑う目の前の男を見て、
ポルンの恐怖と嫌悪感は怒りに変わった。
「てめぇら!
瞳を怒りで燃やし、 カードを構えるポルンをキュアホワイトが必死で止めた。
「離せほのか!あの野郎ルミナスを!」
「分かってるけど!今ひかりさんは人質なのよ!?下手に戦えばどうなるか……。」
睨みを利かせながらしぶしぶカードをしまう彼を見て、灰クグツは地面に謎の液体をばらまいた。
「案ズル事ハナイ。キサマラ全員ドノミチ始末スルのだカラナ……皆イズレ、地獄デ会エヨウ。」
灰クグツが 蒔田液体はやがて噴水のように吹き上がり 人の形を成した それは四つの怪人に変化する
「出ヨ。グリード共ヨ……!」
『グリード』の名を聞いた火野映司とアンク、ハピネスチャージプリキュア一同の顔色が変わる。
何しろ彼らは、オーズの世界で、巨大怪人『メダルの器終極』と戦ったばかりなのだ。
だがさすがに 兵力だけは有り余る闇の同盟と会ってか、
召喚したのはメダルの器ではなく、かつて火野映司が戦った4体のグリードだった。
だが、横にいた右腕のみの鳥のグリード、アンクにはわかった。
この4体、はかつて自分たちが一戦交えたものとは格の違う 闇の眷属。
その強さ、ここにいる全員でかかっても五分五分であろう。
「オイ巻き貝! やつはここで俺たち全員始末する気だぞ !早く何とかしないと作戦も何もかも全部パーだ!」
アンクは怒鳴ったが、ビックバンの方もどうすべきか迷っていた。
「 わかっちゃいるが、世界をつなぐ準備がまだ……!」
「終ワリダ、蛮族共……!」
グリード4体が一斉に構え仕方なく、一同がその場での決戦を覚悟した時……!
ガキィン!!
突如地中から生えた鎖と、どこからともなく現れた黄金の鍵盤のような拘束具が、グリードたちの動きを塞いだ。 同時にどこからともなく世界をかける橋が現れる。ところが今度のは、濁った灰色ではなく美しい虹色だった。
『皆さん!ご無事ですか!?』
上空から 甲高い 機械音が聞こえた スプラッシュスター組と 天空時タケルは この声をつい最近聞いたことがあった。
「キャラフェちゃん!?」
『そう、私です! フィーリア王女が大急ぎで作った新機能で、一時的に世界をかける橋を発生させています!
怪人たちは クイーンズスクエアのメンバーが一時的に動きを止めていてくれます! ビックバン さんがおっしゃっていた キーアイテムのありか五箇所のどこかと繋がっていますので、皆さんバラバラに、急いで飛び込んでください!あまり時間はありません、早く!』
アフロディテの拘束と、キュアスカーレット/紅城トワの兄 カナタの魔力によって 、動きを塞がれたグリードたちを尻目に、キュアライダー達は 世界をかける橋へと一斉に飛び込んだ。
ある者は 愛する者を助け出す決意を、またあるものは、長年の宿敵と、今こそ決着をつける決意を込めて……!