プリキュアオールスターズ×仮面ライダー b の復活と s の暴走 第2部 作:鈴木遥
・黒いフルーレを携え果敢に戦うダークプリキュア5。
対するカイは、突然の乱入に手も足も出ず、壁際に膝をつくまで追い込まれた。
「時間を曲げる力、時間を消す力、時間を刷り込む力……。闇からなるそれらは、元『闇』である私達には通用しない……分かったら、早く水晶に入ってる連中の拘束を解いたら?」
ダークフルーレを眼前に、さすがのカイも抵抗できなくなったらしい。
だが、 返ったのは 彼女たちの望まない答えだった。
「 拘束してる魔力の発生源を思ってるのは俺じゃない。 イルクーボだよ……俺、そういう顔してるだろ?」
その時、真後ろの壁が弾け飛んだ。
「ぐぁっ!!」
短い悲鳴と共に、全身傷だらけのポルンが 何かに飛ばされるようにして飛び込んできた。
ダメージを与えたのは、続けて奥の部屋から入ってきたイルクーボだろう。
「ゼェ、ゼェ……。」
文字通り虫の息となっているポルンだが、 イルクーボにらみつけるその目は まだ燃え尽きていない。
マックスハートの二人は 見事ジュナとレジーナに打ち勝ったようで、 背後から全力でイルクーボに襲い掛かるも 彼はものともしない。
「ポルン逃げて!」
「あなたは もう十分に戦ったわ!ひかりさんを連れて、クイーンのところへ!」
「そんな事、させるハズがあるまい!」
ポルンはひかりとルルンを見るも、 吹き飛ばされた二人を尻目にやはりイルクーボに向き直った。
「心配すんな。 逃げねーよ。 心の大樹も、人質に取られてる奴らも、全部かっさらって皆で帰る以外、俺に選択肢はねえよ!!」
「つくづく清々しい奴だ。まぁ、それはさせんがな。」
そういうイルクーボの佇まいもかなりボロボロなところを見ると、これまでのポルンはかなり敢闘していたようだ。
だが……ポルンは立てなかった。
「バカ者。貴様ら光の者が 闇の中で力を半減させるのは当然の理。その状態で何時間も無理な戦いを続けていた今ここで命を止めているのもおかしいと言うに、それ以上戦えるはずがあるまい。」
「だからどうした!? 俺が立たなきゃ……誰がルミナス守んだよ!! お前らに勝たなきゃ……オレはなんの為に強くなったんだよ!!」
自分の体に鞭打ち、血が吹き出る肩を押さえて立ち上がろうとする、光の王子の王子。
さすがのイルクーボも同情を覚えた。
「 私を相手にここまで戦った貴様に敬意を表し、せめて楽に逝かせてやろう。」
息を切らしながらも余裕の表情で ポルンにとどめを刺そうとするイルクーボ。
だが諦めていないのは、ポルンも同じだった。
「そいつは有り難え……が、 どうせならてめーの眼前じゃなく、ルミナスの膝枕で死にてえな。」
ニヤリと笑うポルン。
その時、 彼はイルクーボの隙をつき 1枚のカードを腕輪にかざした。
『
イルクーボは音に反応してカードから放たれた空砲を避ける。が、ポルンは 勝誇るように笑った。
「無駄だ。分かっているだろう?最後に何か言いたい事はあるか?」
「あァ……もうちょいだったんだけどな。」
「だろうな。貴様は己の無力さが恨めしかろう。」
「それともう一つ言わせろや。 返してもらったぜ?俺らの
「!?」
この時、もしイルクーボがポルンの考えを読めていれば、光の者達のミッションは失敗に終わっただろう。
とっさにイルクーボは外芬をめくり、腰に巻いたベルトを確かめる。
ポルンの空砲によって、装飾が粉々に砕かれていた。
「貴様……まさか!」
「やっぱそこか。クリスタルの牢獄をたたき割る鍵……。」
キュアホワイトが驚いた顔でポルンを見る。
「いつ気付いた……!?」
「アンタと
が、リブラはルミナスの制御で手一杯。どういう事かと思ったら、アンタが出てきた。
腰のあたりはガードしてんのに、胸部はがら空き。体の作りがどうなってんのかはともかく、フツーは逆だよなァ?」
「それでベルトに仕掛けがあると……!?」
「ま、賭けだったけどな。実際もう動けねーし。」
ポルンが何かの合図を送ると、ダークドリームが全員に叫んだ。
「今よ、プリキュア達! 全員、持ってる宝玉をかかげなさい!」
「させるかぁ!」
「お前ら、やっちゃうよ!!?」
ダークドリームに従った刹那、モールイマジン軍団の鋭い鉤爪が迫る!
(しまった!)
ビューティーが心で叫んだその時。
バリィィィィィィィン!!
ガラスが割れるような音と共に、 四方から迫っていたモールイマジンは軒並み返り討ちにされ、彼女達の目の前には、 彼女達が待ちわびていた男達が、聖なる白い鎧をまとって立っていた。
「キリヤ君……皆……!?」
キュアホワイトが呟くと同時に、キリヤが前方のカイを見て言った。
「いい城だな。闇の同盟。 全軍総勢2万は伊達ではないということか。だが忘れるな、 今後彼女たちのバックには、僕たちがいる!!」
「 その通りなんだね!うちらの彼女の命取りたきゃ、どこぞの機動戦士を100人連れてくるんだね!」
「カッコつけちゃってさ……でもいっか、ありがと。
ロック。」
「再び相まみえた今、命に替えてもお守りするのみ!」
「シャット、背中は任せましたわ!」
「ええ……これから世界がどうなるのか、しっかり見届けさせてもらいます。彼女の隣でね。」
「しっかり付いてきて下さい、ジョーカー!」
ロック、シャット、ジョーカーが順番に宣言した。
「イースは」
「立花は」
「「オレが護る!」」
「何やってんのバカ二人。」
ウエスターとイーラが高らかに宣言し、ベリーとサウラーがツッコミを入れた。
「イーラ……」
「よぉ立花、待たせ」
イーラが言い終わる前に、 立花はブレイドの世界の戦いの時のようにイーラを抱きしめた。
「なんだよ急に!離し……」
「……お帰り。」
顔を埋めて、ただ一言絞り出すように呟く立花を見て、
イーラは「参った」とばかりにこう返した。
「ただいま。」
「キリヤ君……。」
作者と読者のリアルタイムにして約15年、 作品内年数にして約4年ぶりの再会に、キュアホワイト/ほのかは感極まっていた。頬を熱い涙が伝い、それをキリヤが拭う。
「お待たせしました、ほのかさん。言ったでしょ?きっとまた会えるって……でも、ここまでの流れ全てに感謝してますよ。」
「え?」
「ドツクゾーンを滅ぼしてくれたから、僕を縛るモノがなくなった。ほのかさんがいてくれたから、自由になれた。 」
他にも何か言いたそうなキリヤだったが、ほのかは構わず彼に抱きついた。
「……お帰り、キリヤ君。」
「ただいま、ほのかさん。もう大丈夫、ずっと一緒ですよ……。」
「お前らァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
カイがその時発した雄叫びは、超能力を無効化したダークプリキュア5にすら、多大なダメージを与えた。
「何無視してくれちゃってんの?そいつら取り戻して勝った気になってくれちゃってんの?
お前らマジ許さねえ……この場でぶっ潰す!……オレ、そういう顔してるだろ?」
隣室 心の大樹管理部屋
エターナルの乱入により、戦況は覆りつつあった。
「なぜ貴様が……
理想郷の杖で猛攻を繰り出すも、エターナルはまるで応えない。
「こんなジャリども後で地獄に落とすさ。その前に、お前らの喜ぶ顔が見たくないんでねェ。」
「チィッ!ゾーン!何をしている!!配置を動かせ!」
「その必要はないかと存じます。」
「!?」
床に魔法陣が現れると同時に、乱れ童子、ヘラクレス・ゾディアーツ、スパイダーファンガイア、ウルティモ眼魔の4体が召喚された。
「援軍……!?」
「はい、闇の同盟の総本部と連絡が着きました。もはや彼らも一網打尽。私も座標操作から攻撃に移行します。」
「ゾーンの姉ちゃんよぉ、そいつはちょいと早計だぜ?」
呟いたのは、響鬼だった。
「あんたらの座標変換と超能力、なかなかのコラボだった。逆にいうと、アレが消えるなら巻き返すチャンスがある。」
「この期に及んでそんなジョークが言えるとは。では生き延びてみなさい。満身創痍のその身体で!!」
ゾーンの合図を受け、一斉に畳みかける怪人たち。
響鬼は、誰より早く前に出た。
『響鬼・装甲!』
最強形態に変化し、アームドセイバーを構える。
「プリキュアの嬢ちゃんたちは 詠唱破棄ってのができるらしいな。おじさんはじゃあその逆、『二重詠唱』試してみようかな。」
響鬼を無視して迫り来る乱れ童子。
響鬼は慌てる様子もなく、一連の詩のような言葉を唱え始めた。
『愚劣な獣の哀れな業 断ち切りたるは我が刃』
『其れは宛ら火葬の如く 焼いて魅せよう その因果』
響鬼の詠唱に合わせて、 乱れ童子の 周りに四つのディスクが出現。 見えない力で乱れ童子を拘束し、その動きを封じた。
暴れて抵抗してももう遅い。
その拘束力は、例えユートピアドーパントでも容赦なく自由を奪うだろう。
「 音撃斬・四面熱烈の型!」
呪われた運命をその体に背負う 魔化魍という名の怪物。 響鬼の一撃は 生まれながらに 実験動物である彼の呪われし業を、その醜い体とともに焼き切った。
奇怪な悲鳴をあげて散っていくにもかかわらず、 乱れ童子はどこか笑っているように見えた。
「火葬するには……ちと火が強すぎたな。」
「虹の眼光、今閃け!照覧あれ、神格の一撃!」
ムゲンゴーストに変身したタケルも、その詠唱を開始。
『ムゲンカイガン!!』
意思なき眼魔世界の遺物を相手に、虹色の右足から渾身のジャンプキックを放つ。
「グオおおおおおおおお!」
感情なき悲鳴を上げて爆散するウルティマ。また一つ、空の魂が消えた。
「目指すぜ宇宙!掴むぜ勝利!大空を行く仲間と共に!」
かつてと変わらぬ如月弦太朗の宣言は、コズミックステイツでも健在だった。
『リミットブレイク!!』
狡猾な策士であったヘラクレス・ゾディアーツも、今や意思を留める価値すら闇に認められず、単なる人形になり果てた。
「うおらあああああああああああああああああああああああああ!!」
意味もなく猪突猛進した彼は、バリズンソードの刃を避ける術なく、そのまま一刀両断された。
「漆黒の月と紅の鮮血。避けられぬ常世の始まりと共に、その解放を告げる。」
『エンペラーフォーム』へと変身を遂げた紅渡は、 タツロットのスロットを回転。
『ウェイクアップ・フィーバー!!』
二重詠唱が終わると同時に、 『ザンバットソード』を召喚。
襲い来るスパイダーファンガイアを頭から股まで両断した。
ユートピアドーパントは焦っていた。
仮面ライダーエターナル最大のバンテージは、そのマキシマムドライブ 発動すれば T2以前のガイアメモリは全てが強制的に機能停止する。 そうなればまず勝ち目はない。彼がスロットに装填する前に、 とどめを刺さなければ。
「 懐かしいなぁオイ! ドクタープロスペクトのビレッジを思い出すよ!」
「一つあの時と違うのは、勝者は貴様ではないということだ!」
「 そうかもなァ、俺は勝者じゃない。支配者だよ。」
「ほざけ、怪物がァァ!」
彼の腰のケースに入っていたガイアメモリを ユートピアは理想郷の杖で粉々に叩き割った。
「あとは貴様を殺すのみ……。」
加勢したゾーンドーパントのレーザー攻撃も相まって、 エターナルはますますジリ貧に……なるはずだった。
「 お前さんとのタイマンはなかなか楽しかったが 助っ人を使われるんなら話は別だ。」
そう言って彼が取り出したのは、先ほどドライバーのスロットごと破壊し、粉々になったはずのエターナルメモリだった。
「……貴様、何故それを……!?」
「あァ、困ってたんだよ。お前が砕いちまったからな……ユニコーンメモリ。」
そう、一瞬の間にエターナルとユニコーンをすり替え、 ユートピアの注意をそらしていたのである。
「だましうちだと……!?貴ッ様ァァァァァァァ!」
怒り狂うユートピアとゾーン。 レーザーと超能力による猛攻も、 Never である彼には大した意味をなさない。
『白き狼牙と黒き魂。冥府からの呼び声に思い馳せて、 傲慢なる楽園の騎士を今圧倒したり。』
『エターナル・マキシマムドライブ!』
加頭の危惧した通り、 エターナルのマキシマムにより瞬間的にガイアメモリは無効化。
光の戦士たちの側にガイアメモリの戦士はいないため、 痛手を被ったのは二人のみだった。
「大道克己ィィィィィィィィィ!」
「 一つ教えてくれるか?……この前と違うのならもう死体は残らないってことか? なら先に地獄で待っとけ もしかけらでも死体が残ったら 記憶だけ消して俺の配下に置いてやるよ。」
「お……のれ……!」
「 地獄を楽しみな……!」
大道の Go to hell のブーイングとともに ユートピアドーパントは、ゾーン諸共爆散した。
「なかなかいいな、二重詠唱……まさか本当に威力がアップするとは。」