プリキュアオールスターズ×仮面ライダー b の復活と s の暴走 第2部 作:鈴木遥
AMAZONS Ribbon in the Labyrinth
・ 門矢士の指示のもと奮闘したキュアライダー達の手により、ブラックホール復活のキーアイテムが徐々にその手に揃いつつあった。
その中には、奇しくも闇の同盟に 奪われてしまった品も存在する。
ラビリンス 管制室
キュアミューズ援護のため ラビリンスに行ってきた仮面ライダークアンタム。
突然現れた3体のケルベロスゾディアーツを前に 彼のここ数日間の修行がまるで無意味だったと思えるように叩きのめされた。
(ウソだろ……!?つよすぎる……!!)
「奏太……!!」
ミューズが呼びかけるも完膚なきまでに叩きのめされたクアンタムは、ぐうの音すらも出さない。
「 俺たち三人兄弟はフリーだからよ……本当なら同盟の目的もブラックホール復活もどうでもいいんだが、 下二人を支えるためにお前さんを殺すしかねえんだよ。」
長兄 サイボーグ001は、 闇の同盟に兵器として作られるも、 その欠陥を初期段階で 科学班に発見され処分されるはずだった。
ところが、科学班幹部の仮面ライダーデューク/戦極龍馬の提案に乗り、 彼の指示通りに動く対価として、3人の サイボーグの廃棄処分を延期。
ともに道に迷ったサイボーグ等を兄弟として迎え入れ、 同盟の用心棒として働いていた。
だが……。
クァンタムは立ち上がった。
ケルベロスαの攻撃の数々は、 決してただ邪なものではなく、兄弟を守るという意志の詰まった拳であった。
にもかかわらず、クアンタムは折れなかったのだ。
その目には、アルファが好感を持てるような確かな意志の炎が宿っていた。
「なぜ立つ…… 逃げるチャンスなら、今くれてやっただろう?」
血まみれになったクアンタムは、ギリギリになった息をようやく落ち着けてから答えた。
「 背を向けてからお前が攻撃しないと……誰が保証してくれるんだ!?」
「 そんなもん、お前が全速力で逃げりゃ……」
「オレじゃねーよ!!アコの話だ!!」
確かにクアンタムの背中には、度重なる連戦に寄って、 心も体も疲れきった恋人の姿があった。
自分一人が守っていたつもりのミューズが、 いつのまにかクアンタムにも守られていたのだ。
「 俺には……今アコを抱えて逃げる体力が残ってねー。
だったらせめて、あいつ一人が無事に逃げられるように 時間稼ぐのが筋ってもんだろ?」
「おにーちゃんをアタシが援護するかもよん?」
妹、βが奏太をなじる。
「そんときゃオレがアンタを倒す!」
「おい兄者、野郎正気の沙汰じゃねえ、さっさと殺して」
γが刃を構えるが、αが制止した。
「面白えな。お前……!」
「兄者?」
「 ここで殺すにはもったいねえ。 運が良ければまた会おうぜ?」
「 戦国龍馬からも批判するわけ? 冗談でしょおにーちゃん。」
「 また宿無し生活かよ 今回は何回風邪引くかな。」
「 まぁいいじゃねえか、闇と光の全面戦争はまもなく起こる。 どうせ地獄に行くなら盛り上がりそうな人材の活躍を見守ってからの方がいいだろう?」
「……!」
ケルベロス兄弟たちを観るクァンタムの目から、徐々に殺意が消えていく。
「なぁ若き英雄……来る戦争に備え、せいぜい大事な彼女を守るこった。 ただし、だ。次会う場所がもし戦場なら、俺はもう今日みたいな気まぐれは起こさねェから、肝に銘じときな。」
その時、赤いレーザーが 立ち去ろうとするケルベロスαの肩を射抜いた。
「……ぁあ!?」
「兄者!」
「おにーちゃん!」
背後でソニックアローを考えていたのは、赤い仮面ライダーデューク。
「おやおや、もうバレてたか?いささか速えな。」
皮肉笑いを浮かべるαの視線の先には、 デュークとその他 大勢の闇の兵たちがいた。
「やはり君達は粛清しておくべきだったな。 大型こんなことだろうとは思っていたが、まさかここにきて裏切るとはね。」
「アンタ……おにーちゃんに何を!!」
「やめなβ!今はヤるべきじゃねぇ……聞くが戦極よ、 俺たちが例えば、もとより来るべき時が来たら、闇の同盟を離反するつもりだったとしたら どうだ?」
「ハッタリならムダだ。 まず君から粛清するとしよう、
α……。」
「 そうじゃなくてよ…… お前ら烏合の衆を確実に叩き潰すのに 本当に俺ら3人だけで動いてたと思うかって聞いてんだ?」
αの自信に満ちた目を見ている内、戦極の胸中を一抹の不安が過る。
そしてそれは、現実のモノになってしまった。
「もういいぜ?思い切り暴れな水澤ァ!」
荒廃したラビリンスの裏路地に潜む『誰か』に声をかけるα。
その途端、天からけたたましい掛け声が轟く。
『アマゾン……!』
デュークの前に立ちはだかったのは、 これまで彼が出会ってきたどのアーマードライダー達との一線を貸す、 緑色の仮面ライダーだった。
「遅かったな、待ちくたびれたぜ。」
「 少々野暮用が起こってましてね。 メビウスについてはプリキュア達に任せてきました。」
「私のデータにはない仮面ライダーだと!? 貴様一体何者だ!!」
デュークと対戦しながら ロイミュードやさなぎワームと言った下級怪人たちを 圧倒的にねじ伏せていく。
「 任務につく前、研究室にあったプリズムフラワーの花びらを一枚拝借してな。 でたらめに並行世界を飛び回った先で ちょうど暇そうなのに出くわしたのよ。」
「おかげでとんだ冒険に付き合わされましたけどね!」
「 ラビリンスの機会に対して険悪なこの環境下じゃあ、俺も本気を出せないんでね。 ここは若えのに手柄を譲るとしよう。」
「この短時間で、 それも無作為に選んだ並行世界から援軍を募るだと!?」
「 信じらんねぇってか?昔どこぞの魔法戦隊のエンディングを歌ってたやつらが言ってたぜ?『世界は一つだけじゃない』ってな。」
「貴様ら……」
「んじゃあな…… 俺たちを廃棄処分したけりゃ、いつでも受けて立つぜ?だがまぁ…… こういう強者どもが集まった少数精鋭だってことは、肝に命じた上で襲撃しろよな?」
煙幕を撒き、 ミューズと とクァンタムの避難経路を確保した後、兄弟たちを連れ立って退散した。
「 味方にはなれねぇが、人生の先輩としてアドバイスをくれてやることぐらいはできる。せいぜいいい男になりな、クアンタム……。」
「 あの小僧の何がそんなに気に入ったんだか……行くぞ兄者!」
ミューズに支えられながら、クアンタムは重たい体を引きずり、その場をあとにする。
屈辱、後悔、無力さ……。
己を呪う様々な感情が交錯し、気がつけば彼は、呟いていた。
「オレ、 もっと強くなりてぇ……。」
「 ここに来てくれた時点で、あんたは十分強かったじゃない。泣くんじゃないわよ。 足りない文は補ってあげるから……それが パートナーってもんでしょ。」
支えられ、守られ、守っている事を知った、 この一戦におけるクアンタム初陣の敗北。
この一歩が彼を大きく成長させることになるのだが、 その物語はまたいずれ……。
レン様からのリクエストにより、水澤悠/ 仮面ライダーアマゾンオメガ復活です ご愛読ありがとうございます