プリキュアオールスターズ×仮面ライダー b の復活と s の暴走 第2部   作:鈴木遥

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正義の黒蝶と解放の光

・灰クグツは、まるでさじを投げるようにルージュ達の前から姿を消した。

 

「厄介なモノを置いてってくれたわね……。」

 

「この化け物、どうしろって言うんだ!?」

 

シャドウ変異体の出現に合わせ、各方に散った戦士たちはその下に集結するも、鏡と化した身体にあらゆる攻撃は無効化され、 それどころか、シャドウの体に衝突した技の全てがカウンターの原動力に変わっていた。

 

「やはり、鏡のエネルギーで止めを刺すしかない様ね……!」

 

「どういう事だ?」

 

「簡単よ、アギトの人。以前この子達があの女(シャドウ)を葬った時と同じ技を私達(ダーク5)で再現するの……。」

 

「そんなことができるの?」

 

「確率は50%(フィフティフィフティ)、でも、それ以外に策はないと思ったほうがいい。」

 

 

ルージュの質問に、ダークアクアは頭を押さえながら返した。

 

「でもアレほっといたら、どの道ミラーワールド灰になるよ~?どうする、リーダー?」

 

先ほどの戦闘で隣家の壁にめり込んだダークドリームに、ダークレモネードが尋ねた。

 

 

ふらふらと立ち上がったダークドリームは、懐から黒い短杖のアイテムを取り出した。

 

「やるわよアンタ達!出しなさい、『ダークシンフォニーセット』!!」

 

ダークドリームの指示で四人は、 技を発動するための四つのアクセサリーを取り出した。

全員がそれを高く掲げると、それぞれのアクセサリーはダークドリームのトーチに集まり、合体した。

 

「足止めは任せて下さい!」

 

レモネードがシャドウに向き直り、光の鎖を放つ。

 

 

『プリキュア・プリズムチェーン!』

 

 

 

光の鎖はミラーシャドウの巨体を完全に拘束する。同時に、ルージュは足元に火球を出現させ、思い切り蹴り上げた。

 

『プリキュア・ファイヤーストライク!』

 

「オイオイ!跳ね返すぞ!?」

 

「心配要らないわ!」

 

ルージュの宣言通り、ファイヤーストライクは、ミラーシャドウの頭部ギリギリをかすめ、空中で爆発した。

 

「 私たちはダークプリキュア5が必殺技を放つまでの間敵の注意をそらすしかない!津上さん、小野寺さん、あきらちゃんは、 空中で奴の気をそらして!」

 

「分かった!」

 

「やってみます!」

 

「任せろ!」

 

 

ライジングアルティメットから放たれる赤い波動、シャイニングアギトから放たれる日光にも勝る閃光、ショコラのアロマーゼは、 ダークプリキュア5からミラシャドウの注意をそぐのに、大いに役立っていた。

 

トルネーダーに乗ったアギト、クウガゴウラムに乗ったショコラ、ふたりは果敢に猛攻を仕掛けるも、その体力に、徐々に限界が来ていた。やがて二人は、 敵の口から放たれるビームに捕まり、そのまま撃ち落とされた。

 

「皆ァァァ!」

 

ルージュの叫びに呼応するように、ダークプリキュア5は 最後の必殺技を放つ。

 

『黒の希望と力とともに!五つの黒光、今ここに!』

 

五つのパーツが合体して出来上がった巨大な黒い蝶の、5人は それぞれのポジションに乗り込んだ。

 

それは傍から見れば、闇の眷属と変わりないかもしれない。

だが、確かな意思をもって悪を討つ、その蝶の背中には、過去への葛藤と後悔、そして確かな正義の決意が宿った戦士たちがいた。彼女達に、もう迷いはなかった。

 

『プリキュア・ダークファイブエグスプロージョン!』

 

黒い蝶が貫通したシャドウの体からは、 彼女が存在を止めるためのエネルギー源となっていた闇の力が、徐々に漏れ出ていく。

 

断末魔をあげるかつての生みの親を見ながら、ダークドリームの心は揺らいでいた。

同情や哀れみなどではなく、彼女の中にある確かな優しさが、その良心を痛めていたのだ。

 

(あなたに恩なんて微塵もない、憎んですらいるわ。だけど、あなたが私を作ってくれたから、この世界に生まれることができたし、ドリームに出会うことができた。

戦士として、ここまでブラックホールに忠誠を誓い、戦ったあなたに敬意を表し、せめて最後は楽に逝かせてあげるわ……さよなら、シャドウ様……!)

 

黒い蝶が、ミラシャドウの体を完全に貫通した時、彼女の体は 爆散し、崩れ落ちた。

 

あとに残ったのは、 部分的に瓦礫の山となった、晴天のミラーワールドと、先ほどまで生きたミラーモンスターだった塵芥の山だった。

 

〈ありがとう。貴方達のおかげで、 私はようやく闇の呪いから解放されました。 幼い頃から私たちの面倒を見てくれていたあの男が、まさか闇の眷属だったとは……。〉

 

やはり、 神崎家の押入れにあったあのアルバムは、後に灰クグツとなるあの男が撮ったものだったようだ。

 

コアミラーの中に入った神崎優衣の魂は、この世界で激戦を繰り広げたキュアライダー達に、感謝の意を述べた。

 

「あなた、これからどうなるの?」

 

ルージュの問に、優衣はどこか寂しそうに答えた。

 

〈 今から私が世界をかける橋を繋ぎ、皆さんのミラーワールド脱出をお手伝いします。それにより コアミラーの中に宿った私の命エネルギーはやがて尽きる。その時初めて死を迎え、 コアミラーは崩壊するでしょう。〉

 

「そんな!ようやく自由になれたのに……!」

 

〈悲しまないで、春日野さん。 虚ろなる鏡に縛られた状態でなく、きちんと生まれ変わることのできた魂ならばまたいつかこの空の下で会うことができます。〉

 

「本当ですか……?」

 

〈ええ、きっと……さぁ、 世界をかける橋をかけます。 皆さんは目的の場所に向かってください!〉

 

ルージュ、レモネード、クウガとアギトは、ディケイドとリーダーキュアたちの待つ異世界の境界へ。

 

ダーク5は、リーダーのダークドリームが、ドリームと再会する前に、会わなければならない人物がいるということで、別働隊のいる闇に染まった心の大樹へ。

 

「さぁ、行こう!」

 

「あれ?そういえば……城戸さんは?」

 

ルージュが呟いた時、世界をかける橋は、すでにその姿を消してしまっていた。

 

 

 

コアミラーが塵のようになって消えると同時に、ミラーワールドは静かになった。先ほどまでの戦闘が嘘のように、今この世界には人っ子一人いない。

 

いや厳密に言うと動くものが 二つ、いや、二人いた。

 

「城戸真司……いや、仮面ライダー龍騎。 仲間裏切り闇の同盟にでもつくつもりか? いつまでもこの広大な廃墟でウロウロしやがって……。」

 

男は、倒壊した建物の陰に隠れる真司に、背後から話しかけた。

 

真司は振り向きもせずに、無作法な男に反論した。

 

「よく言うぜ。 お前を待ってたんだぜ?片桐……いや、『仮面ライダー零電王』よ!」

 

瓦礫の影を抜けると 男の異様な姿が明らかになる。

 

彼もまた、仮面ライダーなのだろう。

 

ベルトは仮面ライダー牙王に近く、銀と黒の鎧が怪しく光り、 顔の中心部にあるイナズマ型の装飾は 古来より人々の語り草となっている『雷神』を彷彿とさせる。

 

「そりゃあ悪かった、 とは言えうまくやったな。あのスパイのおかげでキュアライダーと闇の同盟はうまいこと衝突している。『あの人』も喜ぶだろう。

両群を潰して俺たちが世界を取る。オレたちの目的まで、あと一歩だ。」

 

零電王が作り出したワープ空間に飛び込み、二人は姿を消した。

 

今度こそ本当に音のなくなったミラーワールドに、 闇とも光とも違う、得体の知れない第3の意思が、動き出す音がした……。




前回すっかり忘れていたあとがきコーナー 見事復活してくれたダークドリームさんに来ていただきました。

「なんで『!マーク』がないワケ?(苦笑)」

「いやいや、嬉しいですとも。」

「 ルミナスが来た時あんためっちゃテンション高かったらしいじゃないの。」

「そーだっけ?昔の事ァ忘れたよ。」

「誤魔化さないでくれる?」

「怒んなって。では、 今回の復活出演について、何かコメントがあればどうぞ。」

「そうね、もう二度と出番ないと思ってたから、その点では嬉しいわね。」

「で?のぞみちゃんとのGL展開は?❤」

「バッ……バカ!ここでそんな事言えるワケないでしょうが!(恥)」

「またまた〜! この作品においてはココ王子出番少ないから、チャンスかもよぉ〜!?」

「え〜い!薄ら笑いが気持ち悪い!このGLマニア!」

「ちょ……殴らないで……痛!僕別にGLマニアじゃ、痛!待って本当に痛……!また次回……痛!」
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