妖夢「主さんはほんわか回というものを知ってますか?」
うん…いや、どうしても入れたかったイベント入れたらシリアスになっちゃった☆
妖夢「まぁいいですけど…」
それでは本編スタートです!
「転移魔法Lv3、展開!」
私が詠唱すると事務所の地下室の床に魔法陣が展開される。
今回は人数が多いので術式も少し大掛かりになり、より集中力が必要になる。
「体の一部とおさらばしたくなきゃちゃんと陣の中に収まれよ」
レン、そういうこと言うからユナちゃんが本気で怖がってるんだけど…。
よし、皆揃ったようね。
「発動!」
毎度の如く私がそう叫ぶと視界を蒼光が埋めつくし、収まるとそこはミアレシティの人気のない路地裏だった。
「えっ!?さっき事務所にいたんじゃ…」
「原理が全くわからなかったわ…どういうことなの…?」
反応は様々だけど、無事に転移しおえ、外に出る。
「ここがミアレシティ…!」
出たのはミアレシティの中心部。見上げるとプリズムタワーが見えた。
「外界はこんなに文明が進んでいるのね…」
「あっちはここまで発展してないわ。私も初めて見た時は驚いたもの」
すぐに慣れたけれど、ホロキャスターを見た時の驚きは凄かったわ。
「さて、これから自由行動にするわ。3時間後に集合ね」
そういうなり飛び出していく皆を見送り、私はユナちゃんと歩き出す。
「私と一緒で良かったんですか…?」
「うん。私は特に欲しいものないしね。どこ行きたい?」
「うーん…あ、あそこに行ってみたいです!いいですか?」
「ユナちゃんの行きたいところでいいよ」
嬉しそうに駆け出していくユナちゃんを見ているとこちらまで嬉しくなるわ…
「えっと…これにします!」
ユナちゃんが選んだのは可愛らしいニャスパーのぬいぐるみと薄い赤色のスカーフ。
「可愛いわね。このスカーフは?」
「もこにあげようと思って…。あの子炎が使えますから。似合いますか?」
「きっと似合うわ」
そんな感じに和気あいあいとしながら品物を選び、店を出ると赤いスーツの男と目が合い、男が慌て始めたのでユナちゃんの手を取り全速力で逃げ出す。
勿論男は後ろから追いかけてくるので森へ入り、手頃な木の洞に飛び込むと同時にユナちゃんを抱きしめる。
「あっ…ああ…嫌っ、やめて!近づかないで!!」
捕まった時のトラウマが蘇ったのか突然暴れ出すユナちゃん。
「ユナちゃん!大丈夫、大丈夫だから落ち着こう?」
暴れるユナちゃんをハンターの腕力にものを言わせて抱きしめ、背中を擦る。
しばらく続ける内に落ち着いたのか抵抗がなくなり静かな嗚咽が聞こえてくる。
「怖かった…またあの暗い所に戻されて乱暴されるのかって…怖かった…!!」
「そんな事絶対させないから大丈夫。今みたいに守るから。みんな味方だから」
静かな嗚咽が洞に響き続けた。
~レンside〜
街を適当にプラプラしていると横をレイがユナを連れて全速力で通り抜けていったので来た方を見てみるとフレア団員が追跡をしていた。
「おっと、そこで止まってもらおうか」
「なんだお前は?私は今あの二人を追いかけているところだ!退いてもらおう」
やはりそうか…だがそうわかった以上手加減は無しだな。
「それはいただけないな。悪いがお前はここで潰させてもらう!リオル、出番だぜ!!」
「ちっ、舐めるなよっ!ヘルガー、叩き潰せ!」
舐めるな、か。それはお前の方じゃないか?
「ヘルガー、シャドーボール!」
「ローキック!」
シャドーボールをローキックで弾き返しヘルガーにぶつける。
「んなっ…!?ちっ、仕方ない…!」
男はそう呟き、ポケットからボタンを取り出し押す。
「グルガァッ…!」
ヘルガーが苦しそうに呻いた後、光が放たれヘルガーの姿が変化する。
「強制メガシンカ…!」
噂で聞いたことがあった。キズナで結ばれていないポケモンを強制でメガシンカさせる技術が開発された…と。
代償は、痛み。なんでも強制的にメガシンカさせる段階でポケモンに激しい痛みが発生するのだそうだ。
「ふざけんな…!」
「なんだ、急にパワーアップしたから憤ってるのか?
ハッ、すぐに終わらせてやるよ」
「確かにすぐ終わるな」
リオルに目配せする。
―ドガァァンッ!!
「何だ、絶望して気でも狂った…ナッ!?」
爆発と共に砂煙が立ち上がる。
「クソっ…ここは一旦n」
「逃がすと思ったか?」
どさくさに紛れ逃げ出そうとする男を地面に叩きつける。
砂煙が晴れると元に戻ったヘルガーと伸びた男の姿。
「サンキュ、リオル。後でポフレ奢ってやるよ」
リオルを労いつつヘルガーに近づく。
「グルガァ…!」
近づく俺を威嚇しようとするが立ち上がれない程満身創痍な様子。
「そんなに怯えるなよ」
バッグから回復の薬を取り出し吹きかける。
「ガァッ…」
どうやらこれでもキツい様なので抱き上げてポケセンに連れていく。
ジタバタと暴れるかと思いきや大人しくしてくれていたので楽に運び終えると、ナースを呼んでもらう。
「こいつ、フレア団員に扱き使われてたみたいでな。強制メガシンカさせられたせいで傷だらけだ…よろしく頼む」
そこまで言うと外に出て今度はふざけた男を警察に突き出す。
暴動が一件落着したのでポフレを買いに店へ向かう途中、咲夜に会った。
「ここら辺でナイフとか懐中時計を売っているお店はないかしら?」
調べるとポフレの店に向かう道の途中にあったので一緒に行くことに。
リオルが咲夜にもみくちゃにされたり雑談したりするうち、目的の店に到着する。
「うっ、足りない…」
ナイフは買えるものの、懐中時計は少し足りないようだった。
「…すいません、これ下さい」
「えっ…!」
代金を払い固まる咲夜に手渡す。
「あっ、ありがとう…」
「咲夜も食べるか?ポフレ」
「…あ、はい!行きます!」
心なしかボーッとしている咲夜を連れポフレの店に向かう。熱でもあるのか…?
「リオル、何にすんだ?」
「クルァッ!」
今回はオレンジみたいだな。
「咲夜は?」
「あ、チョコでお願いします!」
「じゃ、チョコ二つのオレンジ一つで」
本当に大丈夫か咲夜…顔赤いし。
〜幻想郷side~
《スカーレット組》
「お姉様、これ食べたい!」
「分かったわ。買いましょうか」
私は今フランと一緒に買い物をしている所。
フランを幽閉していた頃では考えられないことだった。
「レイに感謝しなくっちゃね…」
「ん?お姉様何か言った?」
「何でもないわ。紅茶を見に行ってもいいかしら?」
「私も一緒に行く!」
ミアレガレットなる食べ物を受け取り食べながら、レイに教えて貰った紅茶の店に向かう。
「ここね。いい匂いがするわ」
中に入ると紅茶の香りが漂っていた。
「どれにしようかしら…」
「お姉様、これ美味しいよ!」
いつの間に試飲を貰っていたフランに勧められ、私も同じ紅茶の試飲をする。
「あら美味しい。それじゃ、これにしましょうか。これをくださいな」
気に入った紅茶を包んでもらい、上機嫌で私はフランと店を出た。
《霊夢・魔理沙組》
「霊夢ー、ここ行こうぜ」
魔理沙に誘われ入ったのは色々なお菓子が揃い、甘い香りのする店だった。
「これ美味しそうなんだぜ…マカロン、か?」
それはピンク色の生クリームをサンドしてある生菓子だった。
「お客様はここら辺は初めてですか?見慣れない格好もしてらっしゃいますし…」
「そ、そうなんだぜ」
突然話しかけてきた店員に魔理沙がそう答えると、店員はやっぱり、と納得した表情をする。
「それはポフレと言うんですよ!ポケモンにあげる用のお菓子なんです」
へぇ…ここの生き物はこんな豪華なもの食べてるのね…
「人間用もありますがいかがですか?」
「お、それじゃあ二つ頼むぜ!」
「魔理沙そんなに食べられるの?」
かなりの大きさだったけど…
「え?霊夢も食べるだろ?」
私もーっ!?え?そんな勝手に!
…まぁ、食べたいし食べるけど…
「おまたせしました!抹茶のポフレとレモンのポフレです!」
テラスの席に座るとさっきの店員が可愛らしいポフレを持ってやってくる。
「凄いんだぜ…!」
抹茶のポフレの上には三日月を模したクッキーが載せられ、レモンのポフレには生クリームとレモンの砂糖漬けらしきものが載せられている。
「喜んでもらえてよかったです!お二人をイメージして作ってみたんです。それと、これがレシピです。是非作ってみて下さいね!それではごゆっくりどうぞ!」
―ごくり。
抹茶の香り高いポフレにゆっくりとフォークを入れると、しっとりした感触が返ってくる。
それを口に入れれば、抹茶の香りが口いっぱいに広がり、苦味と甘味が絶妙なバランスを保ち合う。
「美味しい…ねぇ魔理沙、そっち一口ちょうだいよ」
「奇遇だな、私もそれが欲しかったんだ」
二人で交換し食べる。
レモンの方を口に入れると、今度は柑橘系の爽やかな香りが口に広がり、甘酸っぱい味がたまらない。
「いいもの食べたわ」
「お金を払って食べてよかったわね。レシピ貰ったのはラッキーだったわ」
《紫side》
「傘…一応頼んでみようかしら」
傘を手に店に入ると様々な傘が天井から吊るされていた。
今の傘は使いやすく気に入っているものの、長い間使っているとどうしても雨風で傷んでしまう。
直せれば直すのだけれど、私の妖気に当てられ骨組みが硬化しているせいで幻想郷では直せなかった。
「すみません、傘の手直しを依頼したいのだけれどよろしいかしら?最近開きが悪いんですの」
「お見せいただけますか?」
店主らしき老人に傘を手渡すと丁寧な手つきで骨組みを見てから私に、
「これは…何年程使っていらっしゃいますか?」
と聞いてくる。
「数h…数十年ほどですわ。お気に入りなもので」
「ほう…とても綺麗に保たれています。丁寧に扱ってくださったのですね」
そう言うと嬉しそうに顔を綻ばせる店主。
「最近の人は傘を雑に扱い、要らなくなったらすぐ捨てる。愛情を持つことがない」
「本当ですわ。ビニール傘など傘の内に入りませんもの。それで、直せそうですの?」
「かなり固くなっていますな。他のところでは直せなかったでしょうなぁ」
どうやら直してくれるようだ。
店主は奥から道具箱を取り出し手早く歪みや錆を直していく。
「これでよしと…いかがですかな?」
手渡された傘を開くと、新品の頃の感触が戻ってきていた。
「なんてこと…素晴らしいですわ!感謝してもしきれません」
「喜んでもらえてよかったです」
「お代はいかほど払えば?」
「貴女のその笑顔が最高の代金です。…と言えたらいいんですが、こちらも切り詰めてましてな…十分の一でいいですよ」
まけてもらった代金を払い店を出る…前にすかさず店主の記憶から技術をコピーしておく。
よくしてもらった店主には悪いがこれもまた数百年後に違う誰かに直してもらうためなのでしょうがない。
「いい取引でしたわ」
《アリスside》
私は今人形用の生地と糸を探しているところだ。
「可愛い…きっと上海に似合うわ。こっちは…蓬莱にしましょう」
人形の服用の生地と糸を購入。
レイの提言で今は二人を連れていないけど、きっと可愛い洋服が作れるでしょう。
「あ、アリスじゃない」
声をかけられ振り返るとそこにはレイとユナちゃんが。
何故かユナちゃんの目は赤くなっている。
「なんかあった…」
私がそう聞こうとするとレイは私の口を塞ぎ首を振る。何かあったらしい。
「お茶でも飲まない?まだ30分くらいあるし」
話題を変えて、三人でお茶をしに行くことに。
5分程歩くと、路地裏にひっそりと佇まう店に到着する。
「ここが美味しいのよね。マスター、久しぶり」
ドアを開けて中に入っていくと、古き良き昔ながらの喫茶店が。
「おう、随分久しぶりじゃねえか。最近は顔見てなかったな。今日はプチ女子会か?」
カウンターの奥から渋い白髪まじりの店主らしき男が出てくる。
「マスター、私そろそろこの地方を離れることにしたの。だからお別れを兼ねて1杯飲みに来たわ。ほら、座って」
カウンターに誘われ着席する。
「珈琲でもいいかい?お嬢ちゃんはココアにでもしようか」
「はい。お願いします」
そう答えると店主は先にココアを作ってユナちゃんに出す。
「ありがとうございます…美味しい」
「ほい、コーヒーだ。ごゆっくり」
コーヒーを渡し、店主は定位置なのだろう椅子に座る。
「ん…美味しいわね。どうしたらこんなに美味しくなるのかしら」
一口飲めば香ばしい香りが広がり、苦味が口に心地よく広がる。
「ほんと、何回見ても分からないのよねぇ~。何回やってもなんか違うっていうか…飲めなくなるのが残念だわ」
「そうね。美味しいもの」
「もう来ねぇのか。別の地方にでもいくのか?」
「別の地方だったらすぐ来れるわよ」
確かに転移をあそこまで簡単に操れれば週5でも通えるだろう。
実は転移術はかなり高度の技術で、私でも使えないほどだ。というか失敗したら体がバラバラになる術なんて怖くて使えない。
でもそんな彼女でも世界の壁はやすやすと超えられないらしい。
「…そうか。仕方ないな。コーヒーの入れ方、伝授してやる…つってもレシピだが」
どうやらコーヒーのレシピを教えてくれるらしい。
「ほら、そこの嬢さんもいるか?」
「あっ、はい!お願いします!」
まさか私にも教えてくれるとは…アピールが功を奏したようね。
「さ、レシピも教えて貰ったところでそろそろ行きましょ」
もう30分も経ったのね…
「マスター、元気でね」
「おう、達者でな」
カランコロンと音のする扉を抜け、日が沈みかけている路地裏を来た方と反対を進むと待ち合わせのプリズムタワーの下に出る。
「こんなにすぐ近くだったんですね!」
「うふふ、だからあそこを選んだのよ」
驚いた様子のユナちゃんと一緒に先程の場所に行くと、皆揃っていた。
「遅せぇよ!ゆっくりしすぎだ」
見ると紙袋を持っている者もいれば持っていない者もいた。
「はぁ…じゃ、始めましょうか、忘却の儀式を。
まずはプリズムタワーに登るわよ」
さて、今回どうでしたか?
紫「主にしては珍しく長かったわね」
全員分の買い物書いたら長くなった…。
紫「次回は?」
いよいよ『元の世界』に戻ります!…多分。
紫「多分なのね…」
あともう一つ。恐らく今回が年内最後の更新になると思います。皆さん、良いお年を!
紫「良いお年を。お正月はダラダラしてるんだから更新しなさいよ?」
う"っ…善処します…
それではまた来年!