ハイスクールD×D~英雄の力を使う者~ 休載   作:アゲハチョウ

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6話

翌日、土曜日ってことだけど悪魔稼業があるため僕は部室へと向かった。

 

「おはようございます」

「あら、おはよう。アスカ」

「おはようございますわ、アスカくん」

「おはよう、藤丸くん」

「おはようございます、藤丸くん」

 

挨拶をしながら部室に入ると挨拶を返してくれました。そこで一人足りないことに気づきました。

 

「あれ、いち兄は?」

「…イッセーは今日は休みよ」

「そうなんですか?」

 

珍しいと思った。あの性欲と元気と根性だけが取り柄のいち兄が休むなんて。

 

「何か、あったんですか?」

「昨日、兵藤くんが依頼主のところに行ったんだ。だけど、そこにはぐれ神父がいてね。傷を負ってしまったんだよ」

「はぐれ神父?」

 

はぐれってことは悪魔のはぐれと同じみたいなものなのかな?

 

「はぐれ神父は様々な用途で使われていますわ。また、なった経緯も悪魔と違って様々なのですわよ」

「へぇー、てっきりはぐれは悪魔だけなのだと思いました」

「…そうでもないです。悪魔に限らず天使、堕天使側にもはぐれは存在しています」

 

はぐれ、ね。それにいち兄は傷を負った。でも、大抵の傷なら姫島副部長とリアス部長のどちらかが治癒をしてくれるはず…。

 

「傷は治らなかったんですか?」

「イッセーの傷は光によるもの。悪魔にとって天使と堕天使の光は天敵なのよ」

 

光。まさか、あの堕天使が使ったものを人間が?

 

「人でも光って出せるんですか?」

「無理ね。でも、エクソシストたちが使う武器の中には光を放つ銃や剣があるわ。イッセーはそれにやられたのよ」

 

なるほど、人間って言うのは何処までもすごいですねって僕ももと人間ですけど。

 

「さて、暗い話しはここまでよ。アスカ、貴方に依頼が届いているわ」

「はい、それでは行ってきます」

 

こうして僕は依頼主のもとへと召喚されたのであった。

そして、夕方。僕にやって来た依頼を全て終わして部室で塔城さんと寛いでいた。

 

「それにしても今日は依頼が少ないね」

「そう言う日もあります。食べますか?」

「うん、ありがとう。あ、おいしい」

 

塔城さんから貰ったチーズケーキを一口食べて言葉を口にした。

 

「あらあらうふふ。小猫ちゃんが他人にケーキをあげるなんて珍しいですわね」

「そうなんですか?」

「ああ、小猫ちゃんは結構食べるからね。部長も少し呆れてたりするよ、たまあにね」

 

なるほど、塔城さんは見た目によらず大食漢だと。でも、よく太らないなぁ。

 

「でも、よく食べる女の子って可愛いですよね」

「!?」

 

うん?なんか塔城さんが驚いたような表情したと思ったら顔が赤くなった。

 

「大丈夫、塔城さん。顔が赤いよ?」

「な、なんでもないです…」

「?」

 

うむ、本人がなんでもないっていってるし追求は野暮だよね。

 

「あらあら、アスカくんはよく食べる女子が好みのタイプなのですわね」

「え?違いますよ。ただ僕の周りにいた女子って結構少食だった子が多かったので、そう考えると塔城さんの食べっぷりを見てると可愛いなぁーと」

 

すると、隣から何か爆発したような音が聞こえてきたけど気のせいかな?

 

「あはは、アスカくんって無意識に女子を堕としていくタイプだよね」

「え?僕、女子を抱えたりしたことないので分からないですけど、落としたりはしませんよ」

 

あれ?なんかみんな苦笑いを浮かべてる。なんで?

 

「はぁ、アスカはどうやら天然みたいね。そう言う部分に関しては」

「ほへぇ?」

 

なんでだろう。リアス部長にまで呆れられてる。

 

「それよりアスカ。貴方の神器の中にいる英雄たちってまだ二人しかいないのよね」

「あ、はい。でも、ギルの話しによると僕自身が強くなったりしないとダメみたいだったりするみたいですけど」

「そう。ならアスカにはこれから期待できるみたいね」

「?なにか言いましたか、リアス部長?」

「いいえ、なんでもないわよ」

 

なにかいっていたような気がしたのだがどうやら気のせいだったみたいた。

 

「そう言えば、僕といち兄の駒って兵士(ポーン)なんですよね?」

「?、ええそうよ」

「他の駒みたいに何か特徴的な機能とかあるんですか?そこのとこ聞いていなかったなあと思って」

「あら、確かにそうね。ごめんなさいね、気づかなくて」

 

なんかリアス部長って天然が入っていたりするのかな?

 

「そうね、説明すると」

「部長!」

 

リアス部長が説明しようとするといち兄が扉を勢いよく開けて入ってきたのだ。

 

「アーシア、アーシアが!」

 

そこからいち兄は切羽詰まった感じでリアス部長に何があったのか説明する。

どうやら、昨日はぐれ神父と一緒にいたアーシアと言う少女は堕天使のところから逃げたもののみつかりいち兄が守ろうとしたものの相手はいち兄を殺したあの堕天使 レイナーレだと言う。そして、いち兄を巻き込みたくなかったアーシアさんはそのまま堕天使のもとへと戻っていった。

 

「ダメよ。それだけは許可できないわ」

「どうしてですか!」

「今、三竦みの関係は緊迫したものなのよ。そこに証拠もなしに悪魔が堕天使を襲ったという風になれば確実に悪魔と堕天使は戦争するわ」

「でも、アイツらは儀式の準備は整った言っていたんですよ!」

 

儀式?儀式、ね。普通、人間を使う儀式と言えば生け贄よる何かの召喚や人柱として何かを鎮めるものだよね。

 

「もしかしたらアイツらはアーシアの神器が目当てなのかも知れないんです!」

 

神器か。でも、そもそも神器って他人から奪えるものなの?

 

「あの木場先輩、質問いいですか」

 

僕は近くにいた木場先輩に質問する。

ちなみに僕の隣には木場先輩が、ソファに塔城さんが姫島副部長はどこへといってしまった。

 

「神器ってそもそも奪えるものなのですか?」

「いいや、普通は無理だよ。神器は宿主の魂の一部みたいな形で宿っているからそれを強引に奪ったら」

「どうなるんですか?」

「その所持者は死ぬ…」

 

死ぬ、まさかそんなことが…。

 

「木場先輩、もしいち兄が言っている堕天使の儀式というものが相手から神器を奪うものだった場合、リアス部長は動きますか?」

「恐らく動くだろうね。それにここは部長が魔王様から領主として任された場所だからね。敵対関係とはいえ堕天使が自分の領土で何かしているのなら部長は動くさ」

「そうですか…」

「それに、ね」

 

木場先輩が続けて何か話す。

 

「僕たちの主であるリアス・グレモリー様は他人を見捨てる薄情なお方じゃないよ」

「…あはは、確かにそうかもしれませんね」

 

そうだよね。僕たちの主であるリアス部長は薄情な悪魔なんかじゃないからね。

「なら、俺をはぐれにしてください!」

「!?」

 

はぐれにしても構わないと言うといち兄はリアス部長にビンタされた。

あちゃー、いち兄。それはダメだよ。リアス部長は何だかんだで僕たちの眷属を大切にしてるんだから。

 

「ふざけないでちょうだい。貴方は私の、リアス・グレモリーの大切な下僕なのよ!そんなことできるわけないじゃない!」

「……」

「いち兄、今のは言い過ぎだよ」

「アスカ……。すいません、部長」

「いいのよ、私こそごめんなさいね。叩いてしまって」

 

ふう、とりあえず落ち着いたみたいだね。

 

「あら、お話は終わったみたいね。リアス…」

 

戻ってきた姫島副部長がリアス部長に耳打ちで何か伝えている。

 

「そう、分かったわ。行きましょう、朱乃」

 

リアス部長はそのまま何処かへと向かおうとすると。

 

「それとイッセーとアスカ。特にイッセーは自分の駒、兵士(ポーン)は一番弱い駒だと思っているでしょう。それは違うのよ」

「…え?」

「プロモーション。(キング)が敵と認めた場合や陣地に入れば貴方たちは(キング)以外の駒にもなれるのよ。そう例えば教会(・・)とかね」

「リアス部長……」

 

それをここで言うと言うことは…。

そして、そのままリアス部長と姫島副部長は何処かへといってしまった。

 

「俺は…行くぞ。止めても無駄だからな」

「兵藤くん一人だけじゃあ、そのアーシアさんは救えないよ」

「くっ」

「そう、一人(・・)だけならね」

 

木場先輩は眷を持って立ち上がり、いち兄の隣に立つ。

 

「だから、僕も行くよ」

「木場…」

「それに個人的に天使や神父は嫌いでね。憎いほど」

 

なんだろう、木場先輩から何か暗くて黒い何かを感じたような。

 

「…私もいきます。二人だけでは心配ですから」

「…小猫ちゃん!」

「はぁ、僕も行くよ。いち兄の友達なら僕の友達でもあるんだからね」

「アスカ!」

「あれ?僕の時とは反応が違うような」

 

まあ、木場先輩もいち兄と仲良くなればこのくらいになりますよ。

 

「さて、それじゃあ行きましょう。アーシアさんを助けに!」

「おう!ってなんでアスカがそれを言うんだよ!」

 

最後の最後でしまらないなぁ。まったく。


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