平和島静雄の容姿と身体能力を持ってARMSの世界に転生した話。神の意志を察し、前世4割平和島静雄6割の精神でエグリゴリと戦っていく。


尚ただの怠け者の様子。

言っておきますけど、ARMSってゲームの方じゃないですからね( _´ω`)_

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息抜きに書いた。
連載はあんま考えてないかな……( _´ω`)_

ARMS読んでたら思い付いた作品。
デュラララ!!!のシズちゃんより頑丈です。本人気付いてないけど。
ぶっちゃけ200kg以上のバイク片手で持ち上げたり、平均1トンの普通の車をサッカーボールみたいに蹴るシズちゃんが、銃弾受けて倒れるなんてないと思うんだけどなぁ……( _´ω`)_
原作にそういうシーンがあったんだけど、今でもちょっと疑問。
ピンピンしてそう(小並感)( _´ω`)_


自動喧嘩人形と不思議の国の住人達

「……何処だァ?ここ。」

 

 気が付けば、俺は知らない廃病院の前に立っていた。

ここに立つ前の記憶が全くない。いや、何処で生まれたかとか何処で育ったかとか自分の名前とかは覚えているが、最後の記憶からここに立つまでの記憶が無いのだ。というかまだ夜だった筈なのだが。

 自己紹介をして置こう。俺の名前は『平和島静雄(へいわじましずお)』。知る人ぞ知る自動喧嘩人形であるが、俺は本人じゃない。前の世界の事はよく覚えていないが、死した後、神に会い、特典を貰い、転生した、というテンプレート転生者である。平和島静雄の容姿と、リミッター解除の完全制御を特典に貰ったが、活躍した時はあまり無い。

 

 そんでまぁ、今日まであまりこの力を使わずに生きてきた。転生した時に「転生先は〇〇の世界」とか言われなかったし、世界に超常現象が溢れているわけでもないし、俺にとっての非日常がこの世界の日常な訳でもない。前の世界同様、何の変哲もない、普通の世界だ。少なくとも俺の周りは。

 ……何故ここで引き返さなかったのか、分からない。無意識にここに来たり、ここで引き返さなかったり、恐らく俺は原作に関わる運命だったのだろう。

 

 差し込む光しかない、薄暗い廃病院を進んでいくと、バッキンバッシンと騒音が聞こえてくる。超うるせぇ。

 

「つーか誰かいんのかよ。何してんだこんな所で……」

 

 それを言うなら俺もだが……

 

「ん?」

 

「あ?」

 

 知らないパンチパーマのおじさんと会う。あんたも何してんだこんな所で。

 

「……誰だい君は?」

 

「相手に名前を聞くならまずてめぇから名乗りやがれ」

 

 高圧的な態度になってしまうが、仕方ない。精神が肉体に引っ張られてしまって、多少「平和島静雄」が俺の中に入り込んでいる。

 

「私は(クロウ)。ふぅむ……君は関係ないようだし……帰りなさい。」

 

「あ?なんでだよ。」

 

「帰ってくれないと……少々危ないからね。」

 

 そう言って、手からカシュッ!と 鉄の爪のようなものを出す。ウルヴァリンみたいでかっけぇな。

つか(クロウ)ってどっかで聞いた事あんな……何処だっけか……思い出せねぇ……

 

「帰れよクソガキ。」

 

 ブチッ。という音が聞こえ、頭に血が上る。

チッ。平和島静雄め。いくら何でもキレやす過ぎるだろう。

 

「俺に命令すんじゃねぇ!」

 

 まぁ、俺もちょっとイラッとしたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グァッ!ば、馬鹿な……!この私が……ARMS(アームズ)でもない餓鬼にぃ!」

 

「アームズだかなんだか知らねぇが、いい加減引きやがれ!なんなんだテメェ!」

 

 強くない。最初爪で刺された時はちょっと驚いたが、3mmくらいしか刺さってなかった。折原臨也が思いっきり刺して5mmくらいだったから、少なくとも折原臨也よりは弱いって事だ。つかARMSもどっかで聞いた事あんぞ。これ多分前世の記憶だな。という事はこの世界は何かしら原作がある?……考え過ぎか?

 

「黙れ……餓鬼ぃ……殺す!」

 

 何度殴っても、蹴っても、壁に叩き付けても起き上がる。結構骨も折れてると思うんだけどな……

 トレードマークっぽい爪も、何度も俺の体に爪を突き立てたせいで折れてしまった。なんかすまん。

しかし攻撃はやめず、殴ってくる。真っ向から掴み、壁に叩きつけ、腹に蹴りを加える。本気でやると殺してしまいかねないので、手加減して。

 壁を破壊して向こうの部屋に吹き飛び、誰かを巻き添えにして倒れる。

 

「……は?」

 

 きょとん顔の高校生がこちらを見ているが、無視。というか誰か巻き込んじまったな。

 

「わりぃ。」

 

 一言謝り、唸っている蹴り飛ばした方の男を持ち上げ投げる。

 

「おいあんた。大丈夫か?」

 

 巻き込まれてしまった方の男を起こし、声をかける。すると俺からは見えなかった左腕を思いっきり俺に振り抜き、俺は予想外の攻撃に飛び退く。

 

「………………」

 

 切られた左腕を見ると、平和島静雄と同じバーテン服と腕が少し切れており、血がつぅ〜っと垂れる。

弟はいないから自分で買った物なので、平和島静雄程はキレないが、切られたのでちょっとキレる。これは聖人君子と謳われた(謳われてません)俺でもちょっとキレる。なんだお前。

 

「痛ぇじゃねぇか!」

 

 驚愕顔のクソ野郎の腹を蹴飛ばす。地面を転がって、壁にぶつかる。

うっわなんだアイツ腕キメェ。

そして生意気だ。生餓鬼と名付けてやる。

 

「グハッ!……お前も……エグリゴリか……!」

 

「はぁ?エグリゴリィ?」

 

 エグリゴリってなんだ?なんか知らんが勘違いしてんなぁ……意識的に興奮状態を直す(冷静になる)事なんて出来ねぇから、ぶん殴るけどな。

 

「ぐうっ!」

 

 もう1発蹴ると、荒々しく息を吐きながら血を吐く。流石にこれ以上やると死ぬか?こいつはアイツ()程頑丈そうじゃねぇしな……

 

「オラァ!」

 

「チッ!まだ気があったのか!」

 

 後ろから襲ってきて俺の背中に引っ付き、ナイフで俺の体を突き刺そうとする。もう何本も折ってやったのに、まだ持っていた事に驚きつつ爪の後ろ首を掴み窓の外に放り投げる。俺のパンチを手加減してるとは言え何発も耐え抜いているのだから、数階程度じゃ死なんだろう。ここ何階か知らんが……本当に大丈夫か?

 

「……あ?なんだあいつら。」

 

 外を見ると、業者っぽい格好のヤツらが沢山いた……あれ銃か?やべぇな。撃たれたって致命傷にゃならんが、痛いし鉛中毒になっちまう……

 

「覚悟しろクソガキ!今すぐテメェを殺しに行くからなぁ!」

 

「あぁ!?」

 

 もう復活したのか。肩借りてっけど。

爪の言葉で俺が窓から覗いてるのに気付いたのか、銃をこちらに向ける。銃口を向けられて逃げないわけが無いので窓から頭を下げると、発砲音と共に窓枠に火花が散る。

 

「なんだァ!?アイツら!俺カンケーねぇぞ!」

 

「…………お前、エグリゴリじゃないのか?」

 

「さっきっからそのエグリゴリってなんだよ!俺は一般市民だっつーの!」

 

 俺のその言葉を聞き、考え込むように顎に手を当て俯く。いつの間にか気持ちわりぃ左腕は普通の左腕になっている。

 

「おい餓鬼共。アイツらお前らの客だろ?俺帰るぞ。」

 

「別にいいが、多分取り囲まれてるぞ。」

 

 マジかよ……つーかコイツら何なんだ?武装したヤツらが態々大量に出払ってまで、捕まえたいヤツらなのか?今考えると爪って奴もおかしかったな……チンピラにしちゃナイフだとかウルヴァリンみてぇな爪とか……

 

「な、なぁ。お前ら、なんなんだよ?」

 

「そりゃこっちの台詞だ。お前らこそなんだよ。国家指名手配って奴か?」

 

「ちげぇよ……いいか、お前の腕にはARMS(アームズ)っつーモンがある。」

 

 そこからは、まるで俺がいないように2人で話し始めた。ARMS(アームズ)がどーたらこーたらエグリゴリがどーたらこーたら現実がどーたらこーたら……

 

「どーでもいいけどよ。要は、お前らにはARMSとかいうモンが腕にあって、そのせいでエグリゴリとかいう組織に追われてて、お前はその餓鬼と俺をそのエグリゴリの戦闘員かなんかと勘違いしたって事か?」

 

「そうだよ……悪かったな。」

 

 巻き添えかよ。クソっ!この世界がどんな世界か知らねーが、化けモンとは戦いたくねーぞ……

……まぁ、なんだかんだそのエグリゴリって奴らと戦わなくちゃいかなくなるんだろうなぁ……嫌だなぁ……

 

「ほんで、どうすんだよ。今からここにゃそのエグリゴリ?って奴らが来んじゃねーの?危険だろ」

 

「そうだが……」

 

「……そうだ!カツミ!」

 

「あ?」

 

 黙り決め込んでた餓鬼が、ふいに叫んだと思ったら立ち上がって走っていっちまった。

 

「……カツミって誰だよ。アイツの彼女か?」

 

「そうじゃねーの?俺が人質としてここに連れてきた女の事だと思う。アイツはその女助けにここ来たんだよ。」

 

「年上には敬語使え誘拐野郎。」

 

 イラッとしたのと、体の方がキレたので1発ぶん殴る。すると気絶してしまったのか、ぐったりした。蹴り2発受けて、さっきまでピンピンしてたじゃねぇか。あの左腕出してる時だけか?不便だなお前。

 

「……あの餓鬼探すか。」

 

 生餓鬼は知らねぇ。エグリゴリが来て殺されても知らねぇ。礼儀と優しさ持った子に生まれ変わりやがれ。あと普通の腕貰え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………あー、めんどくせ。」

 

 あの餓鬼探してふらふらして、何人かエグリゴリっぽい奴鎮めて、またドッカンバッカン騒音がなったからそっち向かったら、爪が大量の血を流して倒れてた。んであの餓鬼の右腕が生餓鬼の左腕みたく変身?してた。アイツもかよ、化けモンしかいねーのかここは。

中に入ってみると、中心に女が転がっているのが見えた。多分コイツが餓鬼と生餓鬼の言ってた女がだろう。肩を揺すると、目を覚まし、辺りを見て驚く。

 

「なっ、なにこれ……あんたがやったの!?」

 

「俺じゃねぇよ。お前の彼だ。」

 

 そう言って俺は、右腕を抱えて蹲る餓鬼を指さす。

 

「……り、涼?無事だったの?」

 

「おーおー随分派手にやったな。こいつは俺の発動時以上だ。」

 

 ちょうどいいタイミングで生餓鬼が乱入する。やっぱお前生意気だわ(理不尽)

そんでまぁ、これは現実だぜって事を餓鬼に話してる。アレは慰めてんのか?

 

「くくく……そうだ。お前らがどう足掻いても、これからはいつでも我々エグリゴリの脅威がつきまとう……その現実から逃れられやしねーのさ。」

 

「……まだ生きてたのか。爪とやら。嫌に頑丈だな、お前。」

 

「ふんっ。この程度で死んでたまるか……」

 

 俺の攻撃を何発も受け止めるたァ……チンピラの3倍……いや、5倍の耐久力はあるぜ。中々やるじゃねーかエグリゴリ。いい人材持ってんな。

生餓鬼が左腕を変身させ、トドメを誘うとすると餓鬼がその手を掴んで止める。

 

「……オレが……人殺しってモンを肯定しちまったら、それこそオレは現実が見えなくなっちまう……」

 

 人殺しはしねーって事か……これからずっとこういう奴ら相手に戦うんなら、人の1人や2人、殺すだろうがなぁ……気持ちは分からんでもないが。

……はぁ、なんで俺ここにいんだよ。今年で24になるけど、ここまで平和に生きてきたじゃねーか……ったく、この世界に転生させて貰っちまった以上、()にゃ従わなくちゃいけねーって事かね……

カチッ

 

「……今のなんだ?」

 

 爪の手に握られた装置を奪い、見る。ピコピコと点滅しているランプと、ボタンしかない。

 

「それがなんだか分かるか……それは、このビルを包囲していた仲間を一斉に突入させる合図さ!

ま、せいぜい頑張って脱出することだね……ハハハハ……ハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

…………愉快な野郎だな。人生楽しそうで羨ましいよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「正面突破だな!」

 

「「「いや、無理だろ(でしょ)。」」」

 

 生餓鬼の案は脚下だ。銃持ってる奴らの前に堂々と出ていくとか、馬鹿か?流石の俺でも銃の一斉掃射はキツいっつーの。鉛中毒確定だろ、それ。

 

「じゃあどーすんだよ!」

 

「脳筋か生餓鬼。考えろ。」

 

 そういう俺も作戦とか立てるのは苦手だが……

 

「……ダストシュートか……なぁ、バーテン服の人」

 

「俺は平和島静雄だ。後年上には敬語使え餓鬼。」

 

「……オレは高槻 涼(たかつき りょう)だ。餓鬼言うな……言わないでください。」

 

「俺は新宮隼人だ!生牡蠣ってなんだよ!」

 

「私は赤木カツミ……です」

 

 一々突っかかってくんなよ……

女お前居たのか。

 

「生牡蠣じゃねぇ生餓鬼だ。涼に隼人、カツミだな、覚えた。後何回いやわかんだ隼人。敬語使え。殴るぞ。そんで?なんだ涼」

 

「あ、あぁ……えーっと……ここから飛び降りても大丈夫っすか?」

 

「余裕だ」

 

「じゃあ……」

 

 そこからは、涼の作戦を聞き、実行に移す。簡単にいやぁ俺以外の3人がダストシュートに入り、俺がダストシュート上から飛び降りて待ち伏せを仕留める、という作戦らしい。「別に俺がやってもいいんすけど」って涼が言ってたが、年長だしこの程度の危険な役はやらせてもらう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでねーよな」

 

 俺が飛び降りて待ち伏せの後ろに降り立ち、振り向いた所に顔面1発ぶち込んでやった。綺麗に3人の所に吹き飛んだが、かわしたみてーだな。

 

「至近距離だし、お前ら殴った時以上に手加減したわ。なめんな」

 

「今まで手加減してたのか……」

 

 あたりめーだ俺が本気でお前ら殴ったら人間ミンチだぞ。

俺がこの体で生きるだけで大変なんだ。平和島静雄はもっと大変だったろうな。幼少期は骨折りまくったらしいし。俺は制御出来てたが……

 

「んな事より早く出ましょう!」

 

「そうだな!もうこんな所コリゴリだ!」

 

「あんたが連れてきたくせに!」

 

 軽口を叩きながら、塀の穴ボコから外に出る。音を聞き付けてヤツらが来るのもそろそろだろうからな。

こうして、俺の非日常が終わった。これからこんな化けモン共倒しに刺客達が来んだろ?マジだるい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、平和島さんはなんであの廃病院にいたんすか?呼び出されたわけでもないでしょ?」

 

「知らね。気付いたらあそこにいて、入ったらあの爪ッてヤツに襲われて、ぶん殴ってたらお前らにあった」

 

「えぇ……」




今の所続かない( _´ω`)_


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