IS武闘伝Gガンダム   作:西方有敗

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第13話

「な、なんだこれは…!!」

 

私は壁にもたれ掛りながら、

ドモンとあの男の闘いを見ているが。

先ほどとはまるで次元が違う。

 

「あの男…私の時は手を抜いていたと言うのか…!」

 

屈辱だ…、

手も足も出なかったばかりか、

完全に手を抜いていたという事実。

この事実は、私の自尊心を酷く傷つけた。

 

「…せめて。」

 

しかし、今の体では割って入っても足手纏いにしかならないし。

何よりも私自身がドモンの足を引っ張ってしまう。

そう認めてしまっているのが悔しくて堪らなかった。

 

「せめて…勝て…ドモン。」

 

そう祈るように口にしながら、私は闘いを見守る…

 

 

 

 

 

 

 

「ハアアアアアアアア!!」

 

「てええええりゃああああああ!!」

 

儂とドモンは裂帛の気合を持って、拳を打ち付けあう。

ドモンめ、儂との闘いの時よりも腕を上げておるな。

だが、まだまだ儂も負けるつもりなど毛頭無いわ!!

 

「そこだ!」

 

「遅い!!」

 

一度拳を強く打ちつけ、儂等はお互い距離を取った。

 

「…中々やるじゃないか。」

 

「小僧、そういう貴様もな。」

 

先ほどの激しい拳の応酬とは違い、

今度はお互いが隙を探るように間合いを計る。

 

「…フン!!」

 

このままでは埒が明かないため、儂は円の軌道を持って駆け出す。

だが、ドモンも同じ事を思っていたのだろう。

結果として、ほぼ同時に駆け出していた。

 

「ハア!」

 

「ハアアアアア!!」

 

お互いがほぼ同じ速度で駆けつつも、たまに交差して攻撃を加える。

 

「ええい、このままでは埒が明かぬ!!」

 

そう叫びつつ、儂は腰に巻いてあるクロスを取り出す。

ドモンも同じように背負っていた刀を抜いた。

 

「伸びよ!」

 

「甘いぞ!!」

 

ドモンの元へと寸分違わず伸びたクロスを、

ドモンは刀の一撃で持って弾き飛ばす。

やはり、実力は拮抗しておるか!

それでこそキングオブハートよ!!

 

「ならば、これはどうだ!」

 

弾かれたクロスを掴み、

儂は左腕を円を描くように回しながら奥義を発動させる。

 

「十二王方牌…大車併!!」

 

放たれるは、6つの気の塊。

それらが全て意思を持ってドモンへと殺到する!!

 

「ゴッドスラッシュ…タイフーン!!」

 

「なんだと!!」

 

あやつ、刀毎自身を回転させて十二王方牌大車併を吹き飛ばしおったわ!

フハハハハハ!!それでこそキングオブハートよ!!

気付けば、儂は完全に笑っていた。

久方振りの弟子との手合わせ。

それも、この儂を破った時よりも更に強くなっているという事であれば。

この血が沸き立つのも仕方が無いと言うものよ!!

 

「今度はこっちから行くぞ!!」

 

十二王方牌大車併を破ったドモンは刀を仕舞い、

右手に気を集中させ、赤い光が灯る。

ほう、あの技を生身で繰り出せるようになったか!

ならば、儂も応じるまでよ!!

 

「ばぁく熱!ゴッド…フィンガアアアアア!」

 

「甘いわ!、ダアアアアアクネス…フィンガアアアアアア!!」

 

お互いの持つ奥義が炸裂し、辺り一帯を爆風が包み込む!

 

「「…」」

 

爆風が収まった後、儂達は再び距離を開け静止していた。

 

「…中々どうして、ここまで儂と拮抗したのは主が始めてよ。」

 

「ふん、褒められても別に嬉しくは無いな。」

 

嘘を付きおって、

ドモンよ…お前、笑っておるぞ。

どうやらお前も同じ気持ちらしいな。

…だが、楽しい時間というものは必ず終わりが来る。

もう残された時間は僅かなようだ…。

 

「ならば、流派東方不敗の最終奥義を持って貴様を倒す!」

 

「望むところだ!!」

 

「い、いけません師匠!

一般人相手にその技は…!!!」

 

ソーマの制止する声が聞こえるが、儂は止まるつもり等毛頭無い!

 

「流派・東方不敗が…!」

 

「いけません先生!!!」

 

今度はアイギスの声が聞こえる。

 

「アイギス、ソーマ。

良いか、この激突を目に焼き付けよ!」

 

「「…え」」

 

2人の困惑する声が聞こえるが、

今はお主等に構っている暇は無い!

 

「最終…」

 

儂の前に立つドモンも同じ様に気を高める。

 

「奥義…」

 

儂達の気が最高潮に達した瞬間、体が黄金に輝く。

 

「…石!」

 

「破!!」

 

「「天!驚おおおお拳ええええええん!!」」

 

「「なっ、キャアアアアアアアアア!!」」

 

ぶつかり合う2つの石破天驚拳。

威力は…互角!

だが儂は覚えておるぞ!

お前の石破天驚拳には先がある事を!!

 

「ゴッド…フィンガアアアアアアアア!!」

 

だがな、儂も手を拱いていた訳ではない!

お前に出来る事が、儂に出来ぬ道理等ありはせん!!

 

「ダアアアアアアクネスフィンガアアアアアアアアア!!!」

 

石破天驚拳の巨大な気の中を、

追加で放った奥義が突き進み…、

先ほど以上の強大な爆発が辺り一面を完全に覆い尽くした…

 

 

 

 

 

 

 

「…互角のようだな。」

 

爆発が完全に収まった後、

お互いが持つ最高の技を放った状態で立っていた。

 

「ええ、その様です。」

 

最早芝居は必要無いと判断したドモンも同じ状態だった。

 

「フ、ドモンよ。

更に腕を上げたな?」

 

「お褒めに預かり、光栄でございます。

師匠こそ、更に腕を上げられた。」

 

「フ…。」

 

「フッ…。」

 

「「ハッハッハッハッハッハ!!」」

 

「ハッハッハッハ!じゃない、この馬鹿共が!!」

 

「ウッ!」

 

「グッ!」

 

儂とドモンは盛大に笑っていたが、

突如として表れた千冬の出席簿を頭に受け、思わず悶絶した。

 

「お前達は戦争でもするつもりか!

アリーナの防壁を平気でぶち破るような攻撃をして、

ここが普通の場所だったらどうするつもりだ!!」

 

「な、中々効いたぞ千冬よ…。」

 

「そんな感想等要らん!!

罰としてお前等はボロボロになった此処を完璧に治せ!!」

 

「…2人でか?」

 

「当たり前だ!!」

 

ふむ、どうやら完全に怒らせてしまったようだな。

まあしょうがあるまい。

年甲斐も無くはしゃぎすぎてしまった。

 

「ハハ、諦めてやりますか。」

 

「それしか道はあるまいな。」

 

儂とドモンはお互い顔を合わせながら、

改めて再会の喜びを分かち合った…。

 

 

…しかし、話はこれだけでは終わらぬ。

 

 

 

「…先生。」

 

「…師匠。」

 

「…ヴァイス。」

 

三者三様、それぞれが同じ声色で儂達に声を掛けてきた。

 

「「「…どういう事か、説明してもらおうか(もらいますよ)?」」」

 

その後、

儂達は3人が納得するまでただひたすら説明することになった…

 

 

閑話休題

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、これで最後ですね。」

 

「そのようだな。」

 

あの後、

儂とドモンは2人でアリーナの整備をしていた。

あちこちにクレーターが出来ていた為、直すのにも一苦労よ。

 

「しかし師匠、驚きました。

石破天驚拳を更に発展させていたのですね。」

 

「うむ、とはいっても。

あの技はかつてお前から受けた技の構想を基にしている。」

 

「石破天驚ゴッドフィンガーをですか?」

 

「そうだ、

儂自身石破天驚拳が最強の技と思っておったが、

お前は更にその先を見せてくれた。

ならば師であるこの儂が使えぬと言う訳には行かぬであろう。」

 

「恐縮でございます。」

 

ドモンはしきりに恐縮しながらそう言ってきた。

 

「どうやら、終わったようだな。」

 

「ラウラか、体は大丈夫なのか?」

 

整備をしている内に放課後になっていたらしい。

入り口からラウラとアイギスとソーマが姿を表した。

 

「…ああ、

あれだけ痛めつけられたと言うのに、

昼休みが終わる頃には殆ど痛みは無くなっていた。」

 

「それは良かった。」

 

「当然だ、全て急所を外すように攻撃したからな。」

 

「…まあ良い。」

 

ラウラは何かを言いたげではあったが、言葉を飲み込んだ。

 

「にしても、驚きましたよ。

3人目の男性が師匠の弟子だったなんて。」

 

ソーマは儂に駆け寄りながらそう言ってくる。

 

「まったくです、

それにしても兄上も人が悪い。

その様な重大な事を黙っていたなんて。」

 

「…おい待て、誰が兄上だ。」

 

アイギスもソーマの言う事に肯定の意を示したが、

重大な言葉をドモンは聞き逃さなかった。

 

「違うのか?」

 

「違う!」

 

「そうか…、

ドモンは私達よりも先に先生に教えを受けていた。

云わば兄弟子だからそう呼びたかったのだが…。」

 

「私もドモンの事をお兄ちゃんって呼びたかったのに。」

 

「うっ…。」

 

思わぬ言葉にドモンは言葉を詰まらせている。

フッ、まったく。

こやつ等もこやつ等だが、ドモンもドモンよ。

仕方あるまい、ここは助け舟を出してやるとするか。

 

「まあ良いではないか、

年齢的には問題あるまい?」

 

「し、師匠まで!、

勘弁してくださいよ!」

 

…2人に対してのみだがな。

 

「良いじゃないか、あ・に・う・え。」

 

「ラウラまで…!!」

 

「フッハッハッハッハ!、

ドモンよ、諦めるのだな!!」

 

ドモンの慌てぶりを見て、儂は思わず大笑いをしてしまう。

ああ、まったく。

かつて人間を滅ぼそうとしたこの儂が、

まさかこの様な幸運に恵まれようとはな。

人生、何が起きるか分からぬものよ。

 

 

 

 

 

しかし、

この時点での東方不敗達は知らない

強大な悪の卵がこの世界に下りている事に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここはどこだ?」

 

暗い室内で半裸の男が目を覚ます。

そこは、簡易的なベッドが置いてある牢屋だ。

 

「お目覚めになりましたか?」

 

「…誰だ貴様は。」

 

半裸の男は、目の前に表れた女に対して言葉を投げた。

 

「あら、もう少し感謝されても良いと思うんだけど?

浜辺に打ち上げられて気絶していた貴方を保護したのは私達なのよ?」

 

「それがどうした?」

 

「つれないわねぇ。」

 

女はやれやれと言った風に溜息を付きながら本題に入った。

 

「ねえ、貴方何者なの?」

 

「なんだ、藪から棒に。」

 

「貴方の事調べさせてもらったんだけど、

どこの国籍に属しているか不明、

個人名も分からない、

だけど軍服を着ているから軍に所属している事は分かったけど、

それ以外は一切不明だったし。」

 

女はそこで一度わざとらしく言葉を区切り、

 

「なによりも、

本来は女性しか動かせないはずのISが反応を示した。

これって一体どういう事なの?」

 

そう続きの言葉を言った。

 

「IS?、なんだそれは。」

 

しかし、

聞き慣れない言葉だった為、男は女に聞き直した。

 

「ISを知らない?、…これは、思わぬ拾い物かもね。」

 

予想外の拾い物だと判断した女は笑いながら。

 

「ねえ、提案があるのだけど?」

 

「…言ってみろ。」

 

「貴方に様々な知識を教えてあげる。

その代わり、貴方が持ってる知識を教えなさい。」

 

女は男に対してそう提案した。

その提案を受けた男は考える。

男の頭の中では様々な思惑が渦巻いている。

 

「(ここがどこか分からない以上、

大人しくていた方が身の為か、……それに何よりも。)」

 

メリットとデメリットを比較し、

メリットの方が大きいと男は判断したが、

それ以上にある感情があった。

 

「(私の計画を邪魔した奴等に報復せねばならん…!!)」

 

胸の中にある感情は…憎悪。

かつて自分を討ち果たした男達への報復の思いだった。

 

「…良いだろう、その話受けてやる。」

 

「ありがとう、さしあたってなんて呼んだらいいかしら?」

 

女は男の拘束を解きながら名前を聞いた。

 

「…ウルベ、ウルベ・イシカワだ。」

 

男…ウルベはそう己の名前を女に告げた。

 

「ウルベね、私は…。」

 

女はもったいぶるように一度言葉を途切れさせ、

 

「スコールよ、スコール・ミューゼル。」

 

そう己の名前を口にした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに東方不敗の提案とはドモンとは他人の振りをして勝負をする、でした


技解説

名 前 石破天驚ダークネスフィンガー
使い手 東方不敗
説 明
東方不敗が第13回ガンダムファイトにて、
己を打ち破った技を模倣し、修得した物。
早い話が石破天驚ゴッドフィンガーの東方不敗ver.
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