フレイがIS学園へと転入してきた日、
早速アイギスとソーマとフレイは儂の元までやってきた。
「先生、質問がございます。」
「師匠、質問があります!」
「申せ。」
質問の内容は分かっておるがな。
「先生、フレイに関することで何か手を回しましたか?」
…やはりな。
いやしかし…説明がし辛いな。
「…儂に聞くよりもフレイに聞いたほうが早かろう。」
「…フレイ?」
結果、儂は自身の口では言わんことにする。
そうだその手があったと気付いた2人は同時にフレイを見た。
「…東方不敗は、私のお父さん。」
「「…え?」」
フレイの言った言葉がいまいち理解出来ていない2人は、
「…スマン、聞き間違いか?。もう一度頼む。」
「わ、私も良く聞こえなかったなー、もう一回言って欲しいなぁー?」
「東方不敗は、私のお父さん。」
「「えええええええええええええええええええ!!??」」
フレイの言葉を聞いた2人はたっぷり10秒固まった後、絶叫した。
「騒がしいわ。」
「いえだってなんでどうしてこんなことがあれていうことは。」
「お、おちおちおちつつつけけけ!、
ままままだあわわわてるようなななな!!」
「2人が落ち着いてください。」
「これフレイ、その言葉だけでは2人は混乱するであろう。」
「…そうでした。」
こやつ、わざとだな。…まったく強かな女よ。
「でもお父さん、細かく説明するのが面倒くさいです。」
「…はぁ、厄介な種を抱え込んでしまったものよ。」
儂は思わず溜息をついてしまった。
フレイがIS学園に転入する条件、それは…。
儂が面倒を見る…というものだ。
無論警察の奴等は難色を示した。
それはそうだ、
相手はISを用いて事件を起こした少女。
対して、儂は傍から見たら初老の老人だ。
仮に、再び事件を起こした時に押さえつけられるかどうかでだ。
しかしここで千冬はある一本のメディアを出した。
儂がそのメディアを聞くと、
千冬は意味有りげに儂を見た後に見れば分かると言いおった。
警察がそのメディアを再生した時、儂とドモンが写っておった。
千冬の奴め、いつの間にか儂とドモンの勝負を録画しておった。
そのメディアが再生され、
繰り広げられる勝負に警察はありえないと言う表情で見ていた。
最後に石破天驚拳同士の撃ち合いが終了した後、
千冬はそのメディアを警察に提出し、
儂等はその場所を後にした。
数日後、
儂等の要望通り、フレイは釈放されることになった。
無論儂と言う監視付きではあるが。
2人がフレイへと詰め寄り、
フレイが面倒くさそうな表情を浮かべている最中、
「清掃員のシュウジ・クロスさん、
清掃員のシュウジ・クロスさん、
至急生徒会室までお越しください。」
という校内放送が響いた。
「…儂か?」
「ですね。」
「師匠何やったんですか?」
フレイに詰め寄るのを止め、2人は儂を見てきたが。
儂には身に覚えが無い。
さてどうしたものか。
「なお、いらっしゃらない場合は無い事無い事吹聴しますのでそのおつもりで。」
…どうやら儂に選択肢は無いらしい。
「…少々行って来る。
お主等、くれぐれも着いてくるなよ?」
「ギクッ…い、嫌ですねー師匠。
私達がそんな事するわけ無いじゃないですかー。」
ソーマは目を泳がせながらそう言ってくる。
「…来たら以降の鍛錬を更に厳しくするぞ?」
「うっ…。」
儂がそう言うと3人は諦めた。
「…さて、儂を呼びつける者か。
どの様な者であろうな。」
そう呟きながら、儂は生徒会室へと向かった…
生徒会室
「シュウジ・クロスだ。」
「ようこそー。」
儂が生徒会室に入るなり、開口一番目の前の女が
「私はこの学園で生徒会長をしている更識 楯無です。
どうぞよろしくお願いします。」
そう自己紹介をしてきた。
「更識か、さて更識よ。
儂をあのような方法で呼びつけたのだ。
下らない事であった場合覚悟は出来ておるな?」
「それについては謝罪するわ、
アナタってば中々捉まらないから多少強引な方法を取らせてもらったの。」
更識が扇子を開くと、そこには謝罪という文字が書いてあった。
「…まあ良い、儂に何用だ。」
「その前に、お礼くらい言っても良いんじゃないかしら?」
「何ゆえだ。」
意味が分からん、
何故こやつに儂が礼を言わなければならん。
「あら、
フレイっていう子を釈放させるのに相当骨を折ったのに。」
「…お前がか?」
「ええ、強引な方法を取らせてもらったのよ。」
…こやつの意図が読めん。
どの様な方法でフレイを釈放させたか、
それはこの際どうでも良い。
「何が目的だ。」
だが、フレイを釈放させたとして。
更識に何の益がある。
「フフ、私の意図が分からない?」
そんな儂をからかうかのように更識は儂を見てくる。
「二度は言わん。」
その表情に対し、
儂は軽く気を出しながら返答した。
「…凄まじいけど、それはまったく本気では無いのでしょう?」
更識はそう言いながら何かを再生した。
「…それをどこで手に入れた。」
「秘密よ。」
そこに写っていたのは、
先日千冬が警察に提出したもの…。
即ち儂とドモンの勝負であった。
「私もISの操縦には自信はあるけど、
多分アナタと闘ってもまったく歯が立たないでしょうね。」
自信はある、か。…何が自信か。
その程度であれば、生徒会長という役職に着く事等できようハズもない。
IS学園の生徒会長…即ちIS学園の生徒の中で最強という意味合いなのだからな。
「御託は良い、用を話せ。」
「あらつれないわね、…まあ良いわ。
率直にお話するとだけど、私の護衛を引き受けてくれないかしら?」
「断る。」
「ちょっとは考えてくれても良いんじゃない?」
「では言わせて貰う、
一介の学生が国家権力に掛け合うなど到底出来ぬ。
…貴様何者だ?」
「…アナタ、更識の事を知らないの?」
「知らんな。」
信じられないと言った様な表情で更識は儂を見てくる。
その扇子にも驚愕と書かれておる。
…どういう作りなのだアレは。
「…さて、どうしようかしら。
流石の私もこれは想定外ね…。」
そう呟きながら更識は口に手を当て考え込む。
数分後、
己の中で考えが纏まったであろう更識は、
「…分かったわ、説明する。」
そう言って、
儂に自身の家の事を話し始めた…
説明後。
「と、言う事なのよ。」
話を全て聞き終えた後、
「成程な、しかし先ほどの話は断る。」
「…理由は?」
「フレイの釈放に骨を折った、その事に対する礼はしよう。
しかし此度の話とは別だ、
そもそも、何故見ず知らずの儂に護衛等頼む。」
「…それは。」
儂は更識を見据えながら問いかける。
「…色々あるのよ、私にだって。」
「言う気は無い、か。
それでも構わぬがな、これだけは言わせて貰う。」
「…なにかしら。」
「この、馬鹿者がああああ!!」
「・・・は?、
いや待って意味が分からないわ、なんで私が怒られるの?」
「確かに貴様の家というのは名家という物で、
貴様にしか分からぬ重責と言うものがあるのだろう、
…だがな、この儂が権力に媚びを売るとでも思ったか!」
「な…!」
「良いか!、
貴様が今やろうとした事はただ権力を傘にし、
儂に言う事を聞かせようとしているだけよ!!」
「そ、そんなつもりじゃ無かったわよ!」
「まだ気付かぬか!
貴様にそのつもりが無かったとしても、
儂にはそうとしか受けとれんかったわ!」
「何を根拠に!」
「この儂が更識について、本気で知らぬと思ったか!!」
「…なっ!!」
こやつの名と話を聞いた時、儂は一つ罠を仕掛けた。
それは、儂が更識について知らぬ振りをする事。
こやつが適当にお茶を濁せばそれで良し、
懇切丁寧に説明しだしたら有無を言わさず断るつもりだったからだ。
「何故更識について説明をした!、
知らんなと儂が言った時、
理由は言えないが狙われていると言うだけで済んだ事では無いか!」
「…アナタ初めから!」
「当然よ、古今東西必要な情報は全て集めておる。
その程度が出来なくて何が流派・東方不敗よ!」
「それは流派と関係無くないかしら!?」
「その様な事、今はどうでも良い!
さあ答えよ、更識楯無よ!」
「…はぁ、分かったわよ。
アナタに護衛を頼んだ理由はちゃんと説明するから座って。」
更識はそう言うと、
儂に護衛を頼んだ真の理由を話し始めた。
「…シュウジ、
先日のアイギスちゃんの拉致事件に関係していたわね?」
「それがどうした?」
「1組のシャルル…だったかしら。
彼が使った追跡用の端末はね、実は音声も拾えるようにしてある物なの。
…まあアイギスちゃんの無茶な行動で完全に壊れちゃったけどね。」
そう言いつつ、あるファイルを再生した。
「お前、今はIS学園の生徒だそうじゃないか。
ならば丁度良い、アイギスよ。
貴様はIS学園にあるISを全て奪取。
後に学園を破壊しろ。」
「え…?」
再生されたファイルからはそのような音声が流れてきた。
「何者か分からないけど、この学園を狙う輩が確実に存在する。
勿論私も皆を守る為に色々手を打っているけど、
相手の影も形も見えない状態だからどうしても受身なってしまってる。
…だから。」
「だから、儂に自身の護衛という形で協力を要請した…か。」
「その通りよ、
更識としての名を盾にしたような言葉だったら謝罪はするわ、
…お願いよ、シュウジ・クロス。
皆を守る為にその力を貸して頂戴。」
…ふむ、こやつの今の言葉は真実だな。
目に一片の曇りも無く、言葉にも真摯な響きがあった。
「ならば、一つ条件を出してやる。」
「条件…?」
「そうだ…、そこに居るのだろう。ヴァイス!」
儂はヴァイスの名を呼ぶと、
ドアが開きヴァイスが入ってきた。
「申し訳ございません、師匠。
偶々この部屋の前を通過したときに師匠の声が聞こえてきた物ですから。」
「良い。」
儂はそれだけ言った後に更識を見ると、
儂が言わんとしている事を理解した更識は冷や汗を浮かべていた。
「…まさか。」
「そのまさかよ。」
「…師匠、もしや。」
「うむ、更識よ。
このヴァイスと勝負しろ。
これが受けられぬと言うのではあれば、
先ほどの話は決して受けぬ!」
「…無茶を言うわね、
私とヴァイス君が闘って勝てっていうの?
先程のを見ているのに。」
…こやつ何か勘違いしておるな。
まあ良い、あえて指摘することもあるまい。
「御託は良い、受けるか受けぬのか。
それのみを答えよ。」
儂が更識に言うと、更識は考え込む。
儂の条件を飲むかどうか迷っているようだ。
「…師匠、これはどういうことですか。」
ヴァイスは更識に聞こえないように小声で聞いてきた。
「後ほど説明する、今は儂と話を合わせてくれぬか?」
「…師匠があのような条件を出されると言うことであれば、
余程の事のようですね…分かりました。」
ふむ、大分聞き分けが良くなっているではないか。
さて更識よ、どうする?
「…分かったわ、その条件飲むわ。
ISを使用しての物かしら?」
「ヴァイスよ、お主が答えよ。」
「どちらでも良い、なんなら俺は生身でアンタはISに乗っても良いぞ。」
「…馬鹿にしないで、なら生身でやりましょう。」
ヴァイスの余りの物言いに更識はイラつきながら返答した。
我が弟子ながら相も変わらず口が悪いものよ。
「分かった、いつやる?
俺は今すぐでも構わんが…。」
「流石にここでやりあうと目立ちすぎるわ。
…明日の放課後にアリーナでどうかしら?、
内密の勝負だから人払いはするわ。」
「分かった、…師匠。」
「うむ、その時は無論儂が立会人をやる。」
「…分かったわ。」
「では、行くぞ。」
「はい、師匠。」
最後に儂は更識にそれだけ言った後、
ヴァイスを伴い生徒会室を後にした…。
「…師匠。」
誰も居ない場所でドモンは、
「先ほどのお話、説明をしていただきたいのですが。」
そう聞いてきた。
説明をすると言った手前、ちゃんと説明せねばな。
「…実はな。」
そう思った儂は、
ドモンに対して事の成り行きを説明した…。
「…なるほど、その様な事が。」
「うむ、そこでお主に頼みたいことがある。」
「…あの女の思いが本当かどうか、
拳を通じて確認しろ…ですね。」
「その通りよ、やってくれるな?」
「はい、勿論でございます。」
フフ、やはり頼もしい限りよ。
儂が直接手合わせしても良いが、
それでは恐らくあの女の為になるまい。
ここは一つ、ドモンの力を借りるとしよう。
「では、明日の準備がありますので。
俺は失礼致します。」
「ああ、手間をかける。」
「いえ、大丈夫でございます。」
そうドモンは言ってどこかへと去っていった。
さて、明日はどうなるか。見ものであるな…
無茶がある話の振りに反省、
これ以外に思いつかなかったのデス