IS武闘伝Gガンダム   作:西方有敗

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EDF5の発売日ですね、
やりこむと思うので更新頻度下がります。


第18話

「…ハァ。」

 

2人が居なくなった生徒会室で、私は思わず溜息を付いてしまう。

これは大分面倒な事になったわ。

シュウジの姿を見た時私は直感で判断した。

相当な…私よりも強い手練れだと。

学園に対して不利益な事はやっていないから黙認していたけど。

先日発生した事件の所為でそうも言ってられなくなった。

 

「…にしても、私は勝てるかしら。」

 

彼を味方に付ける条件として、とんでもない物を出された。

それは、生身で一個大隊クラスの戦力があるシュウジと互角の勝負をした男。

…ヴァイス、と言ったかしら。

彼と闘って勝て…と言うもの。

ハッキリ言うと、まったく勝てる気がしない。

最初あのメディアを見た時、

合成で派手なエフェクトを沢山追加したんじゃないかって疑ったほどだもの。

それがその時の勝負を見ていた…いえ、

正しくは何時の間にか撮影していた織斑先生に聞いたら、

全て真実、このメディアには一切の手を加えていないと言われてしまった。

 

「…いえ、悲観してる場合じゃないわ。

今からでも出来ることは全てやらないと。」

 

…学園の皆を守る為にも。

私はそう決心し、明日の闘いの備えを始めた…。

 

 

 

 

 

 

 

学園内<ドモンサイド>

 

 

 

 

 

 

 

校内放送で師匠が呼び出されたので、

一応様子を見に行ったらとんでもない事になったな。

 

俺があの女と闘え、か。

別に相手が女だからって侮ってる訳じゃない。

 

俺の世界ではいざ知らず、

この世界ではほとんどの女は等しく強い。

しかもあの女は生徒会長だ。

以前聞いた話だと、

この学園で生徒会長になるには文武において頂点に立たなければならない。

それをあの女はやってのけているんだ、弱い筈が無い。

しかし、俺も流派・東方不敗の一番弟子。

負けるつもりなんて端から無いさ。

 

「…あの。」

 

さて、これからどうするかな。

いつも通り鍛錬を行っても良いし。

明日に備えて早めに休んでも良い。

 

「あの…。」

 

…よし、決めた。

少し体を動かして早めに寝るとしよう。

真っ直ぐ帰っても眠れる気はしないしな。

 

「あの!!」

 

「…なんだ?」

 

少し無視していれば諦めて去るかと思ったが、

まったく去る様子は無かった為仕方なく返事する。

 

「…聞こえていないかと思ったんだけど。」

 

「聞こえていた、相手するのが面倒だっただけだ。」

 

「なんだか酷い言われよう何だけど…。」

 

「それで、俺に一体何の様だ?」

 

仕方が無く声の方向を向くと、そこには眼鏡を掛けた女が居た。

 

「…ここじゃ話し辛いからこっちに来て。」

 

「構わん、話せ。」

 

どこか別の場所へと女は移動しようとしているが、

俺に関係は無い、それよりも早く体を動かしたいんだ。

 

「良いから来て。」

 

しかし、女は有無を言わさぬ口調で俺に言った後。

直ぐに歩き出した。

…無視することも出来るが、一応聞いておくか。

 

「…仕方無い。」

 

そう判断した俺は仕方なく女の後を歩き出した…

 

 

 

 

 

 

 

格納庫

 

 

 

 

 

 

 

暫く無言で歩き続けていると、格納庫に来た。

そこには恐らく未完成であろう、ISが一機鎮座していた。

 

「おい、どこまで行くつもりだ。」

 

ここに至るまで、先ほどの女は口を噤んだままだ。

いい加減にして欲しいな、俺も暇じゃないんだ。

 

「…聞かせて、アナタはお姉ちゃんと明日闘うって聞いたんだけど。」

 

「それがどうした?」

 

「出鱈目に強い清掃員さんの弟子だって噂は聞いているわ。

でも…、アナタ本当にお姉ちゃんに勝てると思ってるの…!!」

 

「やってみなくちゃ分からないだろ?

そもそもお前は誰だ、お姉ちゃんと言われたところで。

誰がお姉ちゃんなのかまるで分からん。」

 

…まあ、状況的に見てさっきのあの女の妹と言った所だろうな。

 

「…私は更識簪。アナタが明日闘う更識楯無の妹よ。」

 

「それで、その妹が俺に忠告でもしに来たのか?」

 

敢えて挑発するように言うと、簪は怒りながら。

 

「そうじゃないの!

アナタはお姉ちゃんの実力を知らないからそんな事が言えるのよ…!」

 

…なんだ、この感じ…どこかで。

 

「確かに俺はあの女の実力を知らない。

だが、どれがどうした?

やってみなくちゃ分からないのに、

やる前から俺に逃げ出せと言うのか?」

 

「…!」

 

ああ、そうだ。

思い出した。

これは師匠と出会う前の俺だ。

科学者として優秀だった父さんと兄さんに反発して家出をした時の俺に似ている。

 

「そんなの、死んでもゴメンだな。

それに俺が逃げ出せば師匠の顔に泥を塗ることになる。

俺に期待してこの勝負を任せてくださった師匠のためにも、俺は闘う。」

 

「なんで…。」

 

俺の言ってる事の意味が分からないのか、簪は肩を震わせながら

 

「なんで…!

師匠とはいえ他人でしょ!

なんでそんな人の為にお姉ちゃんと闘うの!」

 

「簡単な事だ、

各地を放浪していた俺を拾ってくださり、

自らの拳を教えてくださった師匠は、俺の第二の父さんだからだ。」

 

「…え?」

 

「これは俺の勘だが。

…お前、優秀すぎる姉に対してコンプレックスを感じているんだろう?」

 

「…!!」

 

この反応、やはり当たりか。

ならば、俺に出来ることは無い。

簪が感じているコンプレックスを乗り越える為には、

俺が外から言っても仕方が無い事だからな。

 

「アナタに、何が…!」

 

「分かるさ、俺もその口だったからな。」

 

「…アナタが?」

 

「ああ。」

 

まあ、俺の場合はコイツとは少し違う。

家出をして各地を放浪していたから師匠に出会うことが出来た。

 

「簪、先立者として一言だけ言っておく。」

 

俺は一度そこで言葉を区切ると、簪がゴクリと喉を鳴らした。

 

「人はそれぞれ何かしらにコンプレックスは抱いている。

…だがな、逃げているだけだと一生付き纏うことになるぞ。

恐れずにぶつかれ、そうしなければ何も始まらん。」

 

「…それでもスタートラインに立つ事が出来なかったら?」

 

「簡単な事だ、…スタートラインに立つ事が出来るように何度でもぶつかれ。

少なくとも俺はそうしてきた。」

 

「それは君が強いから…。」

 

「何馬鹿な事を言っている、

人間誰しも最初から強い奴なんて居ない。」

 

「…君にも弱い時があったの?」

 

「勿論だ、師匠の苦しみに気付かずに本気のぶつかり合いもした。

それがあったからこそ、今の俺がある。

…話は終わりだ。」

 

何だか恥かしくなり、俺は話を切り上げて格納庫から去ろうとする。

 

「…君の名前は!」

 

簪から叫ぶような声が聞こえてくる。

…そういえば名乗ってなかったな。

 

「ドモン・カッシュ。

今はヴァイスって名乗っているがな、…じゃあな。」

 

最後に顔を向けずに簪に名乗り、俺は格納庫を後にした…。

 

 

 

 

ドモンが去った後、格納庫に取り残された簪は、

 

「恐れずにぶつかれ、か。

難しいけど、…良し!」

 

1人気合を入れて、作業へと取り掛かった。

そこには先ほどまでの迷いを抱いている表情は無かった…。

 

 

 

 

 

 

 

翌日、放課後。

 

 

 

 

 

 

 

「両者揃ったな。」

 

俺と女…楯無だったか…は師匠を挟み向かい合っている。

 

「楯無よ、先に言っておく。」

 

「…何かしら。」

 

「別に俺はお前がISを使おうとも卑怯とは言わん、

お前が持つ全力で俺にぶつかって来い。」

 

軽く準備運動をしながら俺は楯無に言った。

 

「…それではフェアではないわ、

私はあくまでも私自身の力でアナタを倒す。」

 

しかし、俺の一言が気に触ったのか。

楯無はあくまでもISを使わずに俺を倒すと言ってきた。

 

「…まあ良い、準備は良いな?」

 

それに対して師匠は何か言いたげではあったが、敢えて何も言う事は無かった。

言いたい事があるのは俺もだが、これから闘う相手に言う事ではあるまい。

 

「両者、構えよ!」

 

師匠の叫びと共に、俺と楯無は構える。

…構えを見ただけで分かる。

やはりこの女…出来る!

 

「では…、始め!!」

 

「行くぞおおおおおおおおお!!」

 

「はあああああああああああ!!」

 

師匠の開始の合図と共に、俺と楯無は駆け出した…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふと思ったのですが、
ドモンと簪ちゃんって境遇が似てるなあと思い、
今回の様な感じになりました。

ドモン→優秀な父と兄に反発して家出
更識簪→優秀な姉に対してコンプレックス
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