IS武闘伝Gガンダム   作:西方有敗

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第1話

あの後外に出た儂等は、

早速件の不届き者達と遭遇することができた

 

「成程、確かに全員女のようだ」

 

まず目にする事が出来たのは異様な姿だった

両手と両足に装甲を着け、

背中には飛行する為の物だろう

ブースターがついていた

成程、ISとは操縦者の体を覆うパワードスーツ状の物か

 

「ハウンド01からHQ、

篠ノ之博士と正体不明の老人を発見しました」

 

その中でリーダー格と思しき

1人だけ装備が違う女が

HQ(ヘッドクォーター)・・・つまり司令部と通信していた

いきなり仕掛けても良いが

それで倒したとしても束に実力を認める事は無いだろう

故に・・・待つ

 

「束よ」

 

「な~に~ふーちゃん?」

 

だが、

その様な状況で何もしないのは愚の骨頂

早速儂は情報収集を開始する

 

「あの2人とは違う装備をつけた女

アレが隊長格と見て間違いないな?」

 

「多分ねー」

 

「装備は分かるか?」

 

「アレ、ふーちゃんでも気になるんだねー」

 

儂の質問に対してニヤニヤしながら聞き返してくる

 

「当然よ

彼を知らずして己を知れば、一勝一負す」

 

「孫子だっけ、ソレ?」

 

「その通りよ、

己の力のみを過信し敵を侮るなぞ三流のする事ぞ」

 

「へぇ~」

 

儂の一言が余程気に入ったのか

今度は上機嫌そうに

 

「なるほどなるほど、

私は細胞単位でオーバースペックだから気にした事も無かったけど

そんな考えもあるのか~」

 

「感想は後で良い」

 

「ウッフッフー、

おっとアレの装備だったね、

・・うん、装備は至って普通の携行兵器のマシンガンと実体剣だね

まあ携行兵器とは言っても普通に戦車の装甲とかをぶち抜けるけどねー」

 

ほう、あのサイズで戦車の装甲を抜けるという事であれば

弾丸は特殊な素材で作られておるのだろう

 

「・・・了解しました」

 

ある程度の情報を聞き終えたところで、

ハウンド01と言った女が通信を終えたらしい

司令部より得た情報を他の女共に伝えだした

 

「我々の姿を見た老人は消せ、

ただし篠ノ之博士に傷をつけるな」

 

「「了解」」

 

ほう?

儂を殺すという事か

この東方不敗も舐められた物よ

 

「雑魚が吠えおるな」

 

儂は構えを取りながら

奴等に聞こえるよう、大きく言った

無論わざとよ

 

「我々を雑魚だと、ふん

生身の体で何が出来る!」

 

「待て!!」

 

早速獲物が掛かったな

儂の一言が気に触ったのか

隊長機の制止の声を聞かずにこちらへと突貫してくる

 

「あ、そうだふーちゃん」

 

「何だ?」

 

「あのIS、壊しても良いけどコアだけは残しておいてねー」

 

「コア?」

 

「そうそう、

アレ一個作るのに大分時間が掛かるからさー、

2つまでは壊しても良いけど1個は残しておいてねー」

 

「良かろう」

 

突貫してくるスピードは中々の物だと言うのに

儂等は悠長にそんな事を話している

しかし、コアを壊すな・・・か

フム、

ならば一個とは言わず全てのコアを残して勝利してくれようぞ

 

「私を前に話し込むとは、随分余裕だな!!」

 

その態度が益々気に触ったらしい

明らかな苛立ちと共に実体剣を儂に向けて振り下ろしてくるが・・・

 

「遅いな、

まるで止まって見えるぞ」

 

「「「な!?!?」」」

 

その剣を

儂は2本の指で挟みこみ受け止める

 

「わお!」

 

その様子を見ていた束は明らかに嬉しそうだ

 

「実体剣とはいえ素手で止めるなんて人間業じゃないよねー」

 

「この程度の事をやるなぞ造作も無い」

 

「くっ・・・!!」

 

初撃を受け止められた女は

実体剣を引き距離を取ろうとするが・・・

 

「何をしている、離れろ!!」

 

何時まで経っても棒立ちの女に向けて

隊長格の女が叫ぶ

 

「ぬ・・・抜けない・・・!!」

 

そう

先ほどからこの女は全力で引き抜こうとしているが

そうはさせん

まずは此処で1人倒れていてもらおうか

 

「未熟、未熟なり愚か者!!」

 

「ギャ!!」

 

両手で持ち、

更に力ずくで引き抜こうとした瞬間

おもむろに実体剣から指を離し

相当力を込めていた為バランスを崩した女へ向け掌底を一撃

まともに受けた女は後方へと吹き飛ばされる

鍛えていない生身であれば内臓破裂は避けられぬ

 

「クッ・・・!」

 

しかし

女は腹部を押さえながらではあるが立ち上がった

ほう・・・!

束から聞いていたが対した防御力だ

ならば

 

「敵を前にただ突っ立っている等、馬鹿のする事ぞ!!」

 

一撃でダメならば

壊れるまで叩き込めばよい

儂は先ほどの布を取り出しながら空いた距離を一瞬で詰め

 

「ハァ!!」

 

「な、これは・・・!!」

 

布で雁字搦めにし、

女をただ力ずくで締め上げる

 

「ギ、ギャアアアアアアアアアア!!」

 

身動きが取れぬ女は絶叫を上げながらも

何とか抜け出そうとするが

儂がそのような事を許すハズも無い

 

「くっ、離せ!!」

 

尋常では無い様子に危険を感じたのか

別の女が布を断ち切り女を救うべく攻撃を仕掛けているが

 

「な・・・なんで!?」

 

「うそぉー・・・」

 

実体剣をいくら布に叩き付けても布は斬れる事は無かった

流石にこの状況では束も己の目を疑っていた

 

「くっ、ならば!!」

 

布を切り裂き

女を救うことを諦めた別の女は

マシンガンで今度は儂へと攻撃を仕掛けてくる

 

「フン!」

 

「ギャ!!」

 

攻撃がこちらへと届く前

雁字搦めにした女への縛りを更に強めてから拘束を解く

雁字搦めにした女は短い断末魔の後、気絶していた

 

「フンフンフンフンフン!」

 

「ハ・・・ハァ!?!?」

 

マシンガンの弾が次々と着弾しているが

こんなもの

儂に取ってはスローで動くただの豆鉄砲と同じよ

両手を使い、次々と弾を掴み受け止める

 

「ホ、ホントに人間なの!!??」

 

マシンガンを撃っている女は恐怖の表情を浮かべ始める

まあ、奴等からすれば悪夢だろう

話を聞く限り

今まで見下していた男

それも生身の男がISを圧倒しているのだ

 

「・・・どうやら、弾切れのようだな?」

 

カチカチッという音と共にマシンガンの攻撃が止む

儂は両手に持っていた弾を床へと落とす

 

「ISに対しての有効的な攻撃は先ほどので理解した」

 

どうやらISの周りには目に見えぬ盾があるらしい

打撃は等しくそれに受け止められるが、

締め技ならば問題はない

受け止められはするが、

更にきつく縛り上げ、

奴等の盾が無くなるのを待てば良い

 

「さあ・・・覚悟は良いな?」

 

先ほど別の女を縛り上げていた布を再び取り出す

 

「ヒ・・・!」

 

 

瞬間

この女は理解した

目の前に立っているのはただの男の老人ではない

老人の皮を被った化け物だと

だが、

その思考に達した瞬間

ISの装甲はバラバラに砕かれ

この女も同じ様に激痛の余り気絶した

 

 

「さあ、残りは貴様1人だが?」

 

一瞬で2人を打ち倒し、儂は最後の1人を見る

 

「・・・撤退する」

 

状況の不利を悟った隊長機は

この場から離脱するべくブースターを点火する

 

「逃がすと思うか!」

 

その様子を見た儂はすぐさま叫ぶが

恐らく走り出した所でギリギリ間に合うまい

・・・ならば!

 

「・・十二王方牌大車併!!」

 

左手で円を作りながら気を込める

するとそこから儂の姿を模した気の塊が表れる

 

「ゆけい!!」

 

「クッ・・・!」

 

奴からすればありえないだろうが

こんなもの、儂に取っては児戯に等しい

隊長機は更に慌てて飛び立とうとするが、時既に遅し

直ぐに十二王方牌大車併が隊長機へと取り付いた

 

「グッ・・・!」

 

次々と攻撃を受ける中でも

隊長機は反撃をせずに離脱に徹しようとする

 

「儂が大人しく逃がすと思っているのならば笑止千万!」

 

なおもがく隊長機に対して

儂は言い放つ

 

「帰山笑紅塵!!」

 

続く一撃で分身を帰還させる

これで逃げられると思った隊長機は

すぐさまブースターを展開しようとするがここで異変に気が付く

 

「ブ、ブースターが動かない・・・!」

 

「当然、その厄介な物を先に封じさせてもらっただけの事よ」

 

真っ逆さまに落ちながら隊長機は焦る

このままで頭から地面に叩き付けられる

恐怖の為一層乱雑に姿勢を整えようとするが

 

「フン!!」

 

他の2人同様布で縛り上げる

頭から叩き付けられるのを放置しても良かったが

そのまま死んだりしたら情報がもらえなくなる

 

「グ・・・グアアアアアアアアアア!!」

 

まあ、だからといって

攻撃の手を緩めるようなことはせぬがな

他の2人同様装備が破壊されるまできつく縛り続けた結果

隊長機も同じ様に気絶した・・・

 

 

 

 

 

 

 

「えーと、ふーちゃん」

 

「なんだ?」

 

「ホントに人間?」

 

「失敬な、どこからどう見ても儂は人間だ」

 

「うそん」

 

気絶した3人を直ぐに縛り上げ

ISの元となるブレスレットを没収してから束に渡すと

その様な事を言われた

 

「私も戦えはするけどさー

さっきのを見ちゃうと自信無くなるよねー・・・」

 

「なに、お主も儂と同じ修行をすれば直ぐに出来るようになる」

 

「具体的には?」

 

「そうだな、

まずは機械も何も無いところへと赴き

断崖絶壁の崖を己の体一つで登りきってもらう所からだ」

 

「遠慮しておきます」

 

即答されてしまった

 

「なんだ、

我が弟子は16くらいの時には既に出来ておったぞ」

 

「ふーちゃんの弟子も人間なのかな!?」

 

 

 

 

「ヘックシュ!!」

 

「どうしたのドモン?」

 

整備場で

自身のゴッドガンダムを整備していたドモンは不意にくしゃみをした

 

「・・・分からん、誰かが俺の噂でもしてるのかな?」

 

「?」

 

 

 

 

 

「っと、出来たよー」

 

捕らえた3人より没収したコアを渡した後

束は何かしらの作業をしていた

 

「とりあえず、はいこれ」

 

そう言って渡してくるは

先ほど渡した物と同じ様なブレスレット

 

「これは?」

 

一応受け取り、

腕にはめてから束に聞くと

 

「ふーちゃん用のIS~、

ぶっちゃけ起動できないかもだけど・・・とどうやら問題無いみたいだね」

 

「どうやらそのようだな」

 

暫く待っていると

何やらシステムメッセージが聞こえ

そのメッセージの再生が終わった後

 

「試しに展開してみて、

多分気に入ると思うよー?」

 

わざとらしく笑みを浮かべてからそう言ってきた

展開か、どの様にすれば良いのだ

 

「どったの??」

 

「展開、と言われてもな。

やり方が分からぬ」

 

「あーごっめーん、言い忘れてたー☆」

 

「まあ、誰でもうっかりはある」

 

「・・・いじりがいが無いなぁー」

 

そう詰まらなそうに言われたが

生憎、お主の魂胆など当に見破っておるわ

渋々と言った様子で束は展開の仕方を教えてくる

話を聞けば簡単な物だ

ISの装着の意思をこのブレスレットに込める事でシステムが認識

その後はオートで実行してくれる・・・という事だ

 

「内容は分かった」

 

「よーし、じゃあ早速やってみよー!」

 

束がオッー!と腕を上げる

 

「よーし、じゃあ早速やってみよー!」

 

もう一度同じ台詞を言い、再び腕を上げる

 

「よーし、じゃあ早速やってみよー!」

 

・・・これは、儂にもやれと言う事か

このまま無視する事も出来るが

多分やらねば次に進めぬだろう

 

「お、オー」

 

如何にも渋々といった様子で儂は腕を上げると

一応満足したのか束は満面の笑みを浮かべた

 

「ではゆくぞ・・・展開!」

 

ブレスレットに力を込めると

すぐさま光が儂を包み込み次々と装甲が装着される

 

「ふぅー・・・」

 

装甲の装着が終わり鏡を見てると

そこには確かにISを装備した儂が居た

だが

この姿は・・・

 

「どう、気に入ってくれた?」

 

「・・・ああ」

 

かつての儂の愛機

マスターガンダムに酷似していた

 

「どうやってこの機体を?」

 

「話を聞いて何となく、かな

ふーちゃんは多分こんな感じのに乗ってたんだろうなぁ~って」

 

何となくで此処まで再現するとは

いやはやこれは恐れ入った

 

「ああそれと色々武器は追加して「必要ない」ふぁ!?」

 

武器の説明を始めようとした束に対し

儂はすぐさま返答した

 

「必要無いと申したのだ、

我が武器はこの体とマスタークロスさえあれば十分よ」

 

「そ、そんな!

折角試作段階のプラズマレールガンとか色々つぎ込んだのに!

というかその想定だったからコアを3つも使ったのに!!」

 

驚愕の余り束は声を失っている

 

「銃は好かぬ、

外せるのであれば外して外してもらいたいが・・・」

 

あからさまにショックを受けている束は

儂の言葉が更に追撃になったようで

わざとらしくハンカチを取り出し、

目に当てながら「よよよよ・・・」としている

 

「まあ良い、

兎に角今はお主の依頼をこなす事が先決よ」

 

「それもそうだねー」

 

儂の言葉を聞いた束は直ぐに地図を取り出し

ある一点の場所を指し示した

 

「今回潰してもらいたいのはここ、

とりあえずここにある兵器は問答無用で全部ぶっ壊してきて、

それが終わったら指令室とサーバールームに向かって

私がさっき渡したメモリをぶっ挿して貰えばオールOKよー」

 

「委細承知、

それにしても束よ、

先ほどコアを3つ使用したと言っていたが」

 

「そだよー

試作実験型って事でコアを並列繋ぎしたらどうなるかなーって思って

まあ過剰出力でオーバーロードして

爆発したら中の人間がミンチより酷い事になっちゃうけど

ふーちゃんなら大丈夫かなって♪」

 

「殴ってもよいか?」

 

流石に簡便願いたいところではあるが

一度認証してしまったのだ

それを解除するのも面倒ではあるし

何よりも儂はこのISが気に入った

これ以外のISは考えられぬ

 

「・・・まあ、仕方があるまい」

 

結局の所

残された道は大人しく受け取る以外には無かった

 

「して束よ、捕虜の扱いはどうする?」

 

「うーん、特に決めてないよー

ISも取り上げちゃったし、これだけ雁字搦めにしておけば脱走は考えないでしょ」

 

今だ目を覚まさない3人を見ながら

 

「運良く逃げ出せたとしても無事にここからは出られないとは思うけどねー」

 

そう続けた

確かに、それもそうか

ならば戻り次第ゆっくりと話をすれば良いだけか

 

「ふむ、では早速行ってくる」

 

「派手に暴れてきてねー」

 

手をひらひらとしながら見送る束に背を向け

儂は隠れ家を出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後

世界中は震撼する事になる

たった一機で軍事基地を壊滅させたISの存在と

その乗り手が世界初の男性という事に

 

全世界へ向け束がこれ以上何か仕掛けてくるならどうなっても知らないよ?

というメッセージを発信したのはまた別の話・・・

 

 

 

 

 

 

 

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