ちなみに頂いた誤字報告を見て腹抱えて笑いました。
本来は笑っちゃいけないんだよなぁ…
「はぁ…。」
更識はISを除装しながら溜息を付いておる。
だが、その様な事は今はどうでも良い。
「…ヴァイスよ。」
「はい、師匠。」
儂は傍らに控えるドモンへと声を掛ける。
無論、勝負の感想を聞くためだ。
「どうだった。」
「…はい、拳を通して感じた思いは真の物でした。」
「そうか、それならば良し。」
儂の言わんとしている事を理解していたドモンは、
すぐさま儂の求める言葉を返してきた。
ならば、儂が次に行う行動は決まっておる。
「…どこへ行く更識よ。」
恐らく妹であろう女に支えられながら、
更識はこの場を去ろうとしていた。
「どこって、私はアナタの出した条件を失敗したのよ?
それなら諦めて消えるだけよ。」
儂の出した条件…か、
やはりこやつは勘違いをしたままだな。
「…この、馬鹿者がああ!!!」
「なんでそこで怒鳴るのよ…。」
更識の突っ込みに覇気が無い。
まあ、それはそうであろうな。
アレだけドモンに痛めつけられたのだ。
これでハキハキと答えられてはドモンの立つ瀬が無いと言うもの。
「儂がいつ、ヴァイスと闘い勝利せよと言った!!」
「それはアナタが言ったでしょう…!」
「だからお前は阿呆なのだ!!」
「なんでよ!、
意味が分からないわよ!!」
ええい!、
ここまで言ってもまだ分からぬか!!
「儂が先日何と言ったか答えよ!」
「それは、我が弟子と闘え…って・・・。」
そこまで言って、更識は違和感に気付いたようだ。
「…儂が何時、ヴァイスと闘って勝利せよなどと言った!」
「あ…ああああああああああ!!!」
どうやらやっと気が付いたらしい、
更識は顔を赤くさせながら覆い隠していた。
「プッ…。」
その様子を見て、笑い出す人物が1人居た。
「お…お姉ちゃん…まさか…!!」
「やめて!、言わないで簪ちゃん!!」
己の勘違いが余程恥かしいのだろう、
女…簪と言う名か…は笑いを堪えきれずに。
「い、いや、ごめん…無理…ア、アハハハハハハ!!」
「ううううううううううう!!!!」
堪えきれずに噴出す簪を、更識は恨めしそうに見ながら呻っていた…。
「では、先日の貴様の先日の願いについて返答する。」
簪が一頻り笑い終わった後、改めて儂は先日の返答をする。
「儂は断る!!」
「…はぁ、分かってたわよ。」
儂の返答を聞いて、
更識は分かっていたかのように返答をした。
「馬鹿者、話は最後まで聞け!!」
「…まだ続きがあるの?、
正直体中痛いから早く帰りたいんだけど。」
「…ドモン!!」
「はい!」
「お主に問う!、
先ほどの更識と拳を通じ、何を感じた!!」
「拳を通して感じた皆を、
妹を守りたいという思いに嘘偽りはありません!!」
「ならば!」
「承知しました!
師匠に代わり、俺が楯無の依頼を受けます!!」
「…何これ?」
「さあ…?」
儂とドモンの掛け合いに更識と簪は訳が分からないと言った顔をしておる。
「更識よ!」
「…なによ。」
「聞いての通りだ!、
貴様の依頼は儂に変わりドモンが受ける!、
こやつの腕前を見て、よもや不満などあるまい!!」
「それは…そうだけど。
アナタはどうするのよ?」
「知れたことよ!
儂は弟子達を見るのに忙しいのだ!!」
「…はぁ、分かったわ。
彼の強さは身を持って体感したし…。」
完全に疲弊しきっている更識は、
最早一刻も早く休みたいと言う顔だったが、まだ終わりではない。
「だがな、
貴様が我が弟子になるというのであれば話は別よ!!」
「…へ?」
儂の提案に対して、
更識は鳩が豆鉄砲を喰らった様な表情をしている。
「さあどうする!
このままドモンのみが貴様の依頼を受けるのと、
貴様が儂の弟子となり、儂も共に依頼を受ける。
好きな方を選べええええええい!!」
「…それは。」
儂の提案を受けた更識は考える。
「お姉ちゃん。」
「なに、簪ちゃん?」
「私は清掃員さんの提案を受けたほうが良いと思う。」
「…一応理由を聞かせてくれるかしら。」
「私はお姉ちゃんは絶対に負けないと思ってた。
でも、今日その姿を見てね。」
「…幻滅した?」
簪の話を遮るように、
縋るような表情で更識は簪を見ている。
「…ううん、やっぱりお姉ちゃんも私と同じ人間なんだなって思った。
でもね、お姉ちゃんは私と違って才能がある。
だからもっともっと強くなれると思うの。」
「…それで?」
「私ね、お姉ちゃんに誰にも負けないで弱気を助け強気を挫く。
そんなヒーローになって欲しいなぁって。」
「…うっ。」
簪はそう言うと上目遣いで更識を見た。
その表情を見た更識は恥かしそうに視線を逸らした。
「…はぁ、分かったわよ。
簪ちゃんにそこまで言われたら…そうなるしか無いよね!」
「なれば!」
「ええ、シュウジ。
アナタの提案…受けさせてもらうわ!」
「良かろう!
今日より貴様は、流派・東方不敗を学ぶ弟子よ!
そうと決まれば、まずは儂の本当の名を教えてやる!!」
「シュウジの本当の…名前?」
更識はゴクリと喉を鳴らして儂の次の言葉を待つ。
「応よ!!、儂は未だ負けを知らぬは東方不敗よおおおおおおお!!」
「「東方…不敗!!」」
名乗りを上げた儂の名を、更識と簪は驚愕を持って復唱する。
…が。
「・・・ですから師匠、俺に負けましたよね?」
「空気を読まぬかぶぁか弟子があああああああ!!!」
「ごっふ!」
空気を読まぬ発言をしたドモンに鉄拳制裁を下す。
「「…プッ。」」
そんな儂等のやり取りを見て、
「ア…アハハ…、お、可笑しい…!!」
「だ、だよねぇ、お姉ちゃん…!」
ハァ…何だか締まらぬな。
…まあ、偶にはこんな日も良いか。
「さあ、ドモンよ。次は貴様の番だ!」
気を取り直して、儂はドモンに名乗りを上げるように言う。
「はい!!、東方不敗が一番弟子!
師匠よりキングオブハートを受け継いだ…ドモン・カッシュ!!」
偽りの名ではなく、ドモンは己の名を叫ぶ。
「ならば、答えよドモン!、
流派・東方不敗とはなんだ!!」
「はい、師匠!!」
「流派・東方不敗は!」
「王者の風よ!」
「全新!!」
「系裂!!」
「「天破侠乱!!」」
「「見よ!東方は紅く燃えている!!!!」」
「…私もアレやらないといけないの?
正直物凄く恥かしいんだけど?」
儂とドモンのやり取りを見て、更識は呆れているが。
「か、格好良い…!!!」
「簪ちゃん!?」
目を潤わせながら感動している簪の声に、
更識の叫び声が虚しく響いた…。
「と、言うわけでだ。
本日より新たな弟子となった更識楯無だ。」
楯無が弟子となった翌日、
儂は早速アイギスとソーマに対して紹介をした。
「…先生、意味が分かりません。」
「私もです、師匠。
急に生徒会室に来いと言われて、来てみたらこれです。
詳細な説明を求めまーす!」
「ふむ、お主等の言う事はもっともよ。
…構わぬな、楯無よ。」
「…ええ、正直私から説明するの嫌だからお願いするわ。」
盛大な溜息を付きながらも、
説明の許可を得た儂はアイギスとソーマについて説明を始めた…。
説明後
「…そんな事が。」
儂の説明を聞いた後、アイギスはそう返事をした。
「うむ、これから先。
この学園に数多の脅威が降り注ぐであろう。
だが儂はお主等や一夏達を鍛えるのに忙しい、
ならば、こうするのが最善と思っただけのことよ。」
「師匠の仰ってる事は理解できるのですが…。」
ソーマはそ難色を示した。
「…もしや楯無の腕前を心配しておるな?」
ソーマの考えを見抜いた儂は、そう聞くと。
「…率直に言えばです。
生徒会長がこの学園で最強なのは知っています。
…ですが。」
「手合わせした事が無いから信じられぬ…と言いたいのだな?」
「…はい。」
ふむ、アイギスの言う事は最もよ。
ならばこうするしかあるまい。
「楯無よ、我が弟子達はお前の腕を疑っておるぞ?」
儂が敢えて挑発的に聞くと、楯無の眉が僅かに動いた。
「上等よ、確かに兄弟子には手も足も出なかったけど。
アナタ達に負けるほど私は弱くは無いわよ。」
「ならば!」
「ええ、…生意気な小娘に分からせてやろうじゃない!」
そう言って、楯無はアイギスと勝負をした。
…結果は楯無の圧勝。
儂から見てもそれはもう若干引くくらい叩きのめしていた。
「…容赦が無いな?」
「昨日の今日でフラストレーションが溜まってるのよ。」
「溜め込みすぎは良くないと思いまーす。」
ズタボロになったアイギスを介抱しながらソーマは言うと。
「…一体誰の所為だと思ってるのよ!!」
そう楯無の叫び声が木霊した…。
「…これは、素晴らしいわ。」
とある施設の中。
男と女が2人で培養器を見つめている。
「取り扱いには気をつけろよ?
一歩間違えれば身の破滅をもたらすぞ。」
軍服を身に纏い、
顔半分を鉄の仮面で覆った男が女に言った。
「でしょうね、…それにしてもこんな物聞いたこと無いわよ。」
女は興奮を隠し切れないのか、
培養器を舐め回すように見ながら、
「この細胞の様な物一つで、
自己増殖・自己再生・自己進化能力を兼ね備えているなんて、
これをISに組み込んだら一体どうなってしまうのでしょうね。」
そう狂気の顔で呟いている。
「フン、その様な事などどうでも良い。
…それよりもスコールよ。」
「ええ…分かっているわ、ウルベ。」
鉄仮面の男…ウルベと女…スコールは顔を見合わせて、お互いに笑いあった…。
着々と築かれる東方ファミリー
そして何だか挨拶がギャグシーンとかしてる。
駄目だこれは、早くなんとかしないと…!!