我が国の王女姉妹は○○な様です   作:不音七日

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  はい、どうも。作者です。話すことは後書きに回しますのでではどうぞ。


「我が国の姫は約束を破るようです」

 

  記憶を取り戻した俺達は自分の体の中に眠る刀に導かれるように歩を進めていた。向かう先は先程花火大会のあった場所。そこに近づけば近付くほど記憶にあるあの少女の雰囲気が漂い始めていた。

 

 

  「…………いた。」

 

 

  そこに着くとただ一人、俺達をじっと見据える少女がいた。

 

 

  「11年間待たせたな。」

 

 

  「ええ、本当。待ちくたびれたわ。」

 

 

  「……あの時見た姿と同じ…?」

 

 

  「まあそれが私の業なのよ。死ぬことがないっていうことは歳をとる必要がないも同然、となれば私の体はある一定の所で止まるのよ。」

 

 

  「そうか……」

 

 

  「ええ、それじゃああの時の約束。果たしてもらえるかしら?」

 

 

  そう言って少女は両手を広げ無抵抗な姿を見せる、それに対して俺はこう言った。

 

 

  「断る。」

 

 

  「………え?」

 

 

  「記憶を取り戻した時から思っていたことだ。俺は人を殺すのが仕事ではない、人を守るのが仕事だ。だからこそお前のその勝手な自殺行為に手を貸す気は無い。」

 

 

  俺がそう言い放つと少女は驚きの表情をしながら、なおかつわかっていたかのような反応をした。

 

 

  「……まあ、そうなるわよね。昔から風月家は仕事を遵守する家系、ならやることは1つよ。」

 

 

  「……決闘、か。」

 

 

  決闘、それは昔から武人同士のいざこざを終わらせるために使われた勝負。ルールは至って簡単。相手と本気で斬り合い負けを認めさせれば勝ちだ。

 

 

  「その際殺してしまってもルール上問題はない。…そういう決まりだったな。」

 

 

  「ええ、覚えていてくれたようで何よりだわ。…まさか武人である貴方がこの決闘、降りるわけ無いわよね?」

 

 

  「……勿論だ。」

 

 

  「み、雅君!そんな本当に死んじゃうような戦いは止めて!」

 

 

  「そうだよ雅!仮に君が死んだら……っ!」

 

 

  そう叫ぶメリルとルルーナに俺は慣れない笑顔で答える。

 

 

  「大丈夫、必ず生きて帰る。」

 

 

  「お別れは済んだ?それじゃあ……」

 

 

  少女は指を鳴らす、すると俺と彼女を囲む空間が切り替わりまるで王宮のような場所になった。

 

 

  「彼女達に血なまぐさい物を見せるわけにもいかないからあちらとこちらを隔絶させてもらったわ。」

 

 

  「それは助かる。」

 

 

  「それじゃあ始めましょうか。」

 

 

  「まて、あの刀以外に刀は持ってるのか?」

 

 

  「ええ、持ってるから安心なさいな。それと……貴方が勝てば私は死ぬのを諦めるわなんだったら貴方の願いを何でも聞いてあげてもいい。」

 

 

  「それでお前が勝てば俺はお前を殺すと。」

 

 

  「それでいいかしら?」

 

 

  「ああ。」

 

 

  俺がそう頷くと共に俺達は互いに刀を構える。

 

 

  「武人風月家、風月雅。」

 

 

  「武人、稲生瑠璃。」

 

 

  「「いざ尋常に勝負っ!!」」

 

 

  その言葉を合図に決闘の火蓋が切って落とされた。

 

 

  「はぁっ!」

 

 

  先手を切ったのは雅、武人の脚力と腕力をもって瑠璃に斬り下ろしをする、が。

 

 

  「その程度じゃ私に傷1つ付けられないわよっ!」

 

 

  構えた刀で綺麗に受け流された、どうやら生半可な攻撃じゃ今のように受け流されそうだ。

 

 

  「今度はこちらから行くわよっ!」

 

 

  瑠璃が構えた刀を手に消える、最初から思っていたことだが圧倒的に実力が違う。おそらくこのまま戦えば俺は負けるだろう。……だが……

 

 

  「くっ………!」

 

 

  視界から消えた瑠璃を受け流す事は無理と考え俺は防御姿勢を取る、そしてそれと同時にキィンッ!と金属同士のぶつかる音が響く。

 

 

  「よく防いだわね、けれど……その防御がいつまで保つかしらっ!」

 

 

  瑠璃が勢いよく俺の体ごと弾き飛ばす。これはマズイ……ッ!

 

 

  「死なない程度にしてあげる。やあぁっ!!」

 

 

  瑠璃が勢いよく俺に斬りかかる、もちろんこの体制では防御できずもろにくらってしまった。

 

 

  「がっ………ぁ……くぅ……」

 

 

  地面に叩きつけられた俺はさらなる追撃を防ぐべく痛む体に鞭を打ち距離を取る。

 

 

  「負けを認めたほうが見のためよ。私としてもあまり長い勝負は好きじゃないの。」

 

 

  「はっ……なら尚更お断りだ。」

 

 

  俺は呪刀の力を引き出す言葉を口に出す。……これが効くかはわからないが俺が唯一抵抗できる方法はこれしかない。

 

 

  「輝け……【宵月】っ!」

 

 

  その言葉に応えるように手に持つ刀に暗い光が走り俺に力を与える。

 

 

  「なに……その光……呪刀の力でそんなものが……っ……」

 

 

  「当たり前だ。俺のこの力はメリルしか知らない。……行くぞっ!」

 

 

  体が軽い、傷の痛みなどほぼ無いに等しく刀を振る速度も上がっている。……これならっ!

 

 

  「はぁぁああっ!!」 

 

 

  俺は全身全霊で刀を振る、目の前の敵を倒すために。

 

 

  「私がこれごときで負けるわけが……ないっ!」

 

 

  そしてそれに対抗すべく瑠璃が刀を居合い切りの形に仕舞い込む。そして……

 

 

  「【雪華】よ、我が身を糧とし力となせっ!」

 

 

  瑠璃も同じように自身の持つ刀の力を発揮し居合い切りを放つ。

 

 

  一閃――――お互いの刀が交錯しその空間に静寂が訪れる。そして……

 

 

  「くっ……まさか……私が負けるなんて……ね……でも…ようやく……死ねる……」

 

 

  胴体に深く刀傷を負った瑠璃が崩れ落ちる。

 

 

  「……負けを認めるのか?」

 

 

  「ええ……私の負けよ。……そして……さよなら。」

 

 

  そこで瑠璃の意識はブラックアウトした。

 

 

  「雅君っ!」「雅っ!」

 

 

  瑠璃の固有結界が解けたのだろう、元の景色に戻ると二人が駆け寄ってきた。そして隣で倒れる瑠璃を見てメリルが尋ねる。

 

 

  「殺したの?」

 

 

  「いいや、殺してない。こいつはただ気絶してるだけだ。」

 

 

  そう、俺は最初から瑠璃を殺す気など無かった。俺の力は痛みを伴う幻術を相手に見せること。だから俺の刀は瑠璃の刀をすり抜け急所を的確に斬ったのだ、もちろん死ぬのと同等の痛みを伴うので彼女は気絶したのだ。

 

 

  「そう、なら良かった。……あ。」

 

 

  メリルが急に声をあげる。

 

 

  「どうしたんだ?」

 

 

  「……朝日……」

 

  

  俺が目を向けるとそこにはゆっくりと大地を照らす太陽が顔を表し始めていた。

 

 

  「この人はどうするの?」

 

 

  「………手紙でも置いて帰るぞ。」

 

 

  「ま、それが妥当だね。じゃあ行こっか。」

 

 

  「ああ。………全く、世話が焼ける。……部屋が空いてるといいな。」

 

 

  俺はボソッと呟き手紙を瑠璃の手に握らせる。

 

 

  「雅く〜ん。早く早く〜!」

 

 

  「ああ、今行く。」

 

 

  俺は少し駆け足でメリル達の方へ行く。……こうして俺達の修学旅行は終わりを告げた。……ちなみに夜無断で外出したため帰ったあとこっぴどく叱られたのはまた別の話……






  はいどうも、作者です。……戦闘描写下手か私はっ!?……まあ、そんなことはさておき次回最終話です。ここまで見てくださった方が何人居るかはわかりませんが本当にありがとうございます。ちゃんとした感謝は次回に回しますが……ここまで本当見てくれてるって本当にモチベーションとかに関わってきますので本当にありがとうございます。ではまた次回!
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