〜雅視点〜
休日の朝、俺は必ずやることがある。
それは練習。俺は必ず朝から隣にある道場で木刀の素振りをする、いつもなら親父が相手をしてくれるのだが何故か今日は用事があると言って出かけてしまった。まあ、いい。とにかく俺は練習を続けよう。
「248……249……250……っ……ふぅ、今日はこれくらいにしておくか。……にしても親父が休日の練習に付き合えないなんて珍しいよな。なんかあったのか?」
そう独り言を呟きながらも木刀を片付け、道場から出ていく。
「さて、このあとどうするかな……メリル達はなんか出かけるらしいし……俺は街で買い物でもしてくるか。」
そのまま俺は鞄を手に取る、そしてうちの旅館を贔屓にしてくれる店へ向かう。あそこは肉や魚、野菜何でも揃って上に中々良いのを売ってくれるからこちらとしても助かるんだよな。
「さて、行くか。」
鞄を持って店へ向かう、歩いて10分程度の道のりだがその間には雑貨店や服屋、喫茶店なんてものまである。つい寄り道をしてしまったことも何度かあるが今日はそうはいくまいと雑念を振り払う。
そうこうしているうちに店へとついた、はぁ……と一息つきこの店の店員を呼ぶ。
「紅葉、いるか?」
「はいは〜い、今行きますよ〜」
可愛らしいそんな声が店の奥から聞こえ、数秒後パタパタと和服を着た少女が出てくる。
「お待たせしました。それで、今日は何をご所望ですか?」
「そうだな……豚バラ肉3人分とキャベツ1玉、人参2本くれ。」
こいつは
「は〜い。……え〜っと、お値段780円です。」
「ん?何か今日はやけに安いな。なんかあったのか?」
「お父さんが雅先輩や旅館の人にはいつも贔屓にしてもらってるから何割か安くして提供しろって言われたので。」
「そうか、毎度毎度ありがとな。近いうちに何か持ってくる、紅葉は何か作ってほしい料理とかあるか?あるならそれを持ってくるが。」
そう俺が言うと紅葉は頭を抱えて悩み始めてしまった。そんな悩むほどなのだろうか……俺の料理なんてたかが旅館に出せる程度だ、三ツ星シェフと比べれば大したことなんてない。
「決めました、肉じゃがをお願いします!」
「わかった、近いうちに持ってこよう。」
これがいつものくだり、いつもならここで帰るのだが今日は違った。
「あ、あの。」
「ん?何だ紅葉。」
「き、昨日先輩と一緒に歩いてた綺麗な女の人二人は誰なんですか?」
見られてたか、変なことにならないようこの店の前は通らないようにしていたがどうやら紅葉には見つかっていたらしい。さてどう説明したものか……まあ、適当に遠い親戚とかで誤魔化すとしよう。
「遠い親戚だ、母方が外国人であいつらはハーフなんだよ。昨日こっちに来たから旅館の一部屋に泊めてる。」
「じ、じゃあそういう関係ではないってことですよね?」
「そういう関係?……どういう関係かは知らんがあいつらはただの親戚だ。」
「そ、そうですか。」
その瞬間、紅葉が小声で良かった……と呟いたことに雅は気づくことはなかった。
〜メリル&ルルーナ視点〜
雅が買い物している頃、メリルとルルーナは昨日雅と会った場所のその先……雅の通う五木高校に来ていた。
「ここがミヤビの通うコウコウ?とやらなんだね……王城ほどじゃないけど大きいね。」
「ここにミヤビが通ってるの?そういえば昨日もこっちに来てたね。」
「明後日から私達も通うことになるよ。」
「え?そうなの?」
そう、昨日の夜メリルが凪斗へ頼んだ願いは【雅と同じ学校に通うこと】だった。
「昨日ミヤビ君から聞いた話だと私達位の年齢だとコウコウセイ?になってないと少し怪しまれちゃうみたいだから。」
「へ〜……でも、何で今ここにいるの?今日は休日だよ?」
「明後日滞りなく入学するためにも休日のうちに先生に挨拶はしておかなきゃ、ね?」
「そんなの明後日にすればいいのに……律儀だねメリル……」
「律儀だからね、ほら行くよ〜。」
メリルはルルーナの手を掴み校舎の中へ入っていく、今日偶々どの部活も無かったおかげか特に騒ぎになる様なことはなく二人は無事職員室へ着くことが出来た。
「えっと……確かノックして入るんだよね。」
コンコンコン……と、控えめにノックをする。すると優しげな男性の声で「入っていいよ。」と扉越しに返ってきた。
「失礼します。」
「失礼しま〜す。」
「君達が明後日から転校してくるメリルさんとルルーナさんだね、詳しい話は風月さんから聞いているよ。僕は
「わざわざありがとうございます薊先生。」
「ちなみにクラスって何処?」
「ああ、そうだね。君達のクラスは2年E組、知り合いと言えば雅君と同じクラスだね。困ったことがあれば彼に聞けばいいんじゃないかな?」
「ミヤビ君と同じクラスだって、やったねルナ!」
「やったねメリル♪」
「これはこれは……彼がクラスの男子に恨まれないといいけどねぇ……」
「?先生何か?」
「いや、なんでもないよ。ほら僕も帰らないと行けないから君達も帰りなさい。」
「あ、そうですね。さようなら、薊先生。」
「さよなら〜。」
そう言って二人は旅館へ帰って行った。
〜旅館〜
二人が帰るといい匂いが漂っていた、誰かが料理をしているのだろう。
「良い匂い……」
「お肉だね〜。」
匂いに釣られメリル達は厨房へ向かう、そこに居たのは雅だった。
「あ、ミヤビ君。」
「ミヤビただいま〜。」
「ん?……ああ、おかえり。帰ってきてたのか。何処に行ってたんだ?」
「がっkむぐぅ!?」
「内緒だよ〜。」
危うく学校と言いかけたルルーナの口をメリルは物凄い速さで塞ぐ。
「お、おう?まあ、内緒なら深くは聞かないが……」
「むぐ……ぷはぁ……それよりミヤビ、何作ってるの?」
「ん?昼飯だ、二人も食うか?」
「「食べる!」」
「わかった、ちょっと待ってな。」
こうして、二人がまさか学校に入学してくるとも思っていない雅は自分のに加えて二人分の昼食を作るのだった……
はいども、作者です。うっわ2500文字超えかぁ……やっぱ2つに視点分けると結構文字数かかるものなんだなぁ……
雅「お前が書いてんだろ、それくらい調整しろよな。」
そうは言われましても必要そうなこと書いていったらこうなったんです、仕方ないよ。
雅「それはともかく二人は何を隠してるんだ?」
さあ?それは次回のお楽しみです。
雅「そうかわかった。」
ではまた会いましょう!